担当 ちだ、みみ

 

Q&A

 

Q1.14-5のコングロマリット化とはなんですか?

A1.事業部ごとに扱う製品やサービスを完全に差別化して、それぞれの事業部を一つの会社のように別々で運営することです。

 

Q2.ビュロクラシー・ライトとはなんですか?

A2.厳格なルールやマネジメントではなく、最低限の規律のもとに結束する組織のことです。

 

Q3.同調圧力やカルト化を生み、多様性や変革を阻害するリスクをどう防ぐべきか?

A3.同調圧力やカルト化という過度に高い一体性を、対立が開放することで多様性や変革を阻害するリスクを防ぎます。

 

Q4.事業部型組織は分権的ではないならば、中央集権的だといいきれるのですか。

A4.事業部型組織は各事業部に一定の権限が委譲される一方で、全体的な戦略や重要事項は本社で決められるため、分権的と中央集権的の中間と言えます。

 

Q5.14-6-2の多角化しているからシナジーが生まれるということですか?

A5.多角化がシナジーを生むということではなく、限定的に多角化をすれば、コングロマリット化するよりは、シナジーが生まれるということです。

 

Q6.13-3-2 fのラインマネージャー、14-6-2のシナジーはどのような意味ですか?

A6.ラインマネージャーとは、現場の業務を監督し、上位の経営太現場の従業員をつなぐ中間管理職です。シナジーとは相乗効果のことで、複数の要素が合わさることで全体の効果が個々の効果の合計以上になることです(1)

 

Q7.コングロマリットのデメリットはありますか?

A7. 事業の複雑化によりシナジー効果が生まれにくくなり、経営資源が分散してしまうことです。

 

Q8.組織において、どの程度までがいい対立といえるのかが気になりました。

A8. 政治が正常に働き、システムの欠陥を是正できる対立はいい対立といえますが、個人攻撃や関係悪化につながる対立はいい対立とは言えません

 

Q9. 多元セクターってなんですか?

A9. 利益第一主義に偏らず、人々が自発的につながり、公共の利益や相互扶助、社会課題の解決を目指す領域の組織です

 

Q10.なぜ経済コストのほうが社会的コストよりも計算しやすいのですか

A10.経済コストは価格を勘定できるが、社会的コストには環境汚染や、健康被害など価格がつかない要素を含むためです。

 

Q11.事業を広げすぎるコングロマリット化によって、逆に業績が悪化してしまった企業の有名な例はありますか?

A11. 有名な例としてはRISAPがあげられます。フィットネス事業から家具、雑貨、アパレルなど多業種へ急拡大しましたが、買収した企業の経営再建が進まず、グループ全体の業績が悪化しました。(2)

 

Q12. 教化ってなんですか?

A12. 従業員に対して「特定の価値観や考え方を意図的に内面化させるプロセス」を指す言葉です。(3)

 

Q13.たくさん政治的ゲームがありましたが、よく行われていたり有名だったりするものはあるのですか?

A13.著者は特にすべての組織でよく行われていたり、有名な政治的ゲームの例は挙げていませんが、「反乱のゲーム」や「内部告発のゲーム」などの従業員が経営陣に対して行うようなものは日本のドラマ、映画(池井戸潤作品)などでよく扱われています。(4)

 

Q14.13-1-2はサイロとスラブの話とどう対応しますか?

A14.組織はサイロとスラブによって切り離されてきていて、その仕切りをできるだけ排除することがよいとされていましたが、13-1-2では、分離を推し進めるべきケースを説明しています。

 

Q15.地位の違いを感じずに働けるとき、より大きな成果が上がるとはどういうことですか?

A15.従業員それぞれが地位の違いを感じずに協働できると、大きな成果が上がるということです。

 

Q16.複合企業の例は何がありますか?

A16.通販サイトなどのEC事業、生命保険など保険事業、楽天銀行・楽天証券など金融事業を展開している、楽天があげられます。(5)

 

<参考文献・資料>(最終閲覧日 2026年5月31日)

(1)コトバンク.ラインマネージャーとはhttps://www.kaonavi.jp/dictionary/line-manager/

 

(2)コングロマリット化による業績悪化 https://pro-d-use.jp/blog/multi-angled-merit-demerit/

 

(3)教化とはhttps://kotobank.jp/word/%E6%95%99%E5%8C%96-52446#goog_rewarded

 

(4)映画.com https://eiga.com/person/89805/drama/

 

(5) コングロマリットとは?手法や企業例、メリット・デメリットを分かりやすく紹介

 https://www.ashita-team.com/jinji-online/organization/14525#%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BE%8B

 

担当 ちだ、みみ

 

第13すべての組織形態に関わる「3つの力」(13-1)

13-1 上からの分離―部署と部署を切り離す―

13-1-1 組織は様々な役職がサイロとスラブによって切り離される

a サイロ:窓がない円筒状の穀物倉庫、組織のおいては垂直の障壁

←組織における部署のことで、業務ごとの専門性を高めることができる

b スラブ:横板、組織内に横たわる水平の障壁

←異なる組織階層の縦方向の情報の流れを妨げる

c サイロやスラブは各々の専門性を高めるが、情報共有の妨げにもなるので、分断される中でも組織を一体化させるコントロールの仕組みや調整メカニズムが設けられてきた

 

13-1-2 部署の分離を推し進めて、部署ごとの独立性を高めるべきケース

a 上からの分離

←部署は中央のマネジメント層から言い渡された目標の達成を義務付けられるが、意思決定の権限は各部署に委譲される

b 既存の組織構造に部署ごとの分離の仕組みを上乗せする

Ex)電話会社が固定電話サービス、携帯電はサービス、インターネットサービスなどのサービスごとに部署を切り分ける

 

13-2文化の注入―組織内の人々を同じ方向に引き寄せる―

13-2-1 組織における文化

a どの組織にも独自の文化、その組織なりの物事のやり方がある

←学問の研究室と銀行では雰囲気が違う

b 文化は組織の精神

←グループ化が組織の骨格で、愛ステムが組織の血液であれば、文化は組織の精神と言える場合がある

c 独自の文化を持つ組織には組織構造に魂が吹き込まれる

←独自の文化を持たない組織は、独自の性格を持たない人間のようなものであり、魂がないが、強力な文化が形作られることで魂が吹き込まれる

Ex)三人のレンガ職人の寓話

 

13-2-2 強力な文化の下で人々が地位の違いをあまり意識せずに働けるとき、より大きな成果があがる

a この現象は「シナジー」という言葉で表現される

←2+2が4ではなく5になるように、部分がバラバラになっているより、一体になった方がより大きい成果を上げられる

Ex)ミツバチやアリの生活:一匹では生きられないが、大勢集まると集団としての知恵や適応力を発揮し、それは個々のミツバチやアリの知恵や適応力の総和をはるかに上回る

 

13-2-3 強力な文化の形成

a 第1段階「土台づくり」:しばしばカリスマ性のあるリーダーを中心に、強い使命感とともに文化の土台が築かれる

←すべてはカリスマ性のあるリーダーが胸躍る特別なものを生み出すところから始まる

←固定観念や手続きが固まっている既存の歴史ある組織よりも、新しい組織で実現しやすい

b 第2段階「拡散」:先例やストーリーを通じて、新しい考え方が拡散される

←組織のメンバーが協働して意思決定をおこない、行動をとるうちに、先例が確立され、文化になり、それが人々の心を鼓舞すればストーリーの形として語られる

c 第3段階「強化」:帰属意識と社会化を通じて文化が強化される

←独自の伝統やストーリーのある組織の一員であるためには、その文化やストーリーを受け入れる必要がある

→組織は「社会化」「教化」と呼ばれる手法で新規メンバーの忠誠を制度化し、既存メンバーの忠誠をより強固にしていく

 

13-2-4 4つの組織形態と強力な文化

a パーソナル型は第1段階と相性がいい

←創業者である起業家が独自のビジョンを追求し、そのビジョンに惹きつけられた人たちが集まる

b プログラム型はパーソナル型と正反対な場合が多いが、ときとして強力な文化が見られる

←標準、ルール、システム、数値指標といった要素は、人々が強い信念とともに結束することを後押しするとは言い難い

←軽度の官僚制(ビュロクラシ―・ライト)があり、大胆なネットワーク組織への移行はないが、限定的な変化を通じて、既存とは異なる官僚組織への転換をしていて、そこに強い文化が見られる

c プロフェッショナル型は組織への帰属意識よりも、個人や意識への帰属意識が強い

←それでも病気の人を治療することや子供を教育することなどのミッションの下、強力な文化が築かれる

d プロジェクト型は強力な文化が築かれる傾向がとても強い

←権力が分散しているため、協働の精神が浸透している

 

13-3 対立の浸食―組織内の人と人、部署と部署を切り離す―

13-3-1 対立と政治

a 対立:深刻な不一致のことで、強力な文化が人々を結束させるのに対し、対立は人々を引き離す

b 政治:組織内や集団内で権力を獲得したり、行使したりすることにかかわる活動

←異なる当事者が権力の獲得や行使を目指すとき不一致が起きる

 

13-3-2 組織における政治的ゲーム

a 政治的ゲーム:意見が対立したときに行う13種類の「政治的策謀」

b 反乱のゲーム:権威に対抗したり、専門知識や既存の文化に抵抗するために、弱い立場の人たちが正規の力による重圧を感じた際に実践することが多い

c 反乱鎮圧のゲーム:正規の力を持っている側が反乱に対抗するために、政治的行動をとったり、正規の行動を政治的動機で実行する

d 後ろ盾のゲーム:地位の高い人物を利用して、自らの権力基盤を強化する

e 同盟づくりのゲーム:同格の者たちが互いに助け合うことを暗黙に合意しつつ、それぞれの利害の追求を目指す

f 帝国づくりのゲーム:ラインマネージャーなどの個人が、権力基盤を築くために行う

g 予算のゲーム:より多くの予算を獲得するために、公然で明確のルールの下でおこなわれる

h 専門性のゲーム:エキスパートたちが、専門性をひけらかしたり、装ったりすることで、自分をプロフェッショナルと位置付けてもらうことで、自分の仕事を自分でコントロールできるようにする

i 君臨のゲーム:権限がなかったり、弱い人に、正規の権限をふるうこと

j ライン対スタッフのゲーム:正式な権限を持つライン部門と、専門知識を持つスタッフ部門が衝突すし、対立勢力に打ち勝とうとする

k 陣営間対立のゲーム:組織内で形成された二つの陣営が競い合うことで、部署間や個人間で行われる

l 戦略の候補をめぐるゲーム:自らが好む戦略上の選択肢を採用させるために、個人やグループが政治的手段を駆使する

m 内部告発のゲーム:内部者(たいてい高い位置についていないもの)が限定的な情報を用いて、組織内の非倫理的行動や違法な行動を告発し組織に変化を起こそうとする

n 体制転覆のゲーム:強い決意を持った少数の内部者が、正規の権力に疑問を投げかけ、場合によっては体制を倒すことを目的とし、文化や戦略を変えたり、指導部を変えるために行う

 

13-3-3 4つの組織形態と対立

a パーソナル型は最も対立が少ない

←独裁者がいつまでも権力の座に居座り続けるケースがあまりにも多く、独裁者は権力をふるうための道具(部下)をコントロールしている

 

b プログラム型組織は小規模な権力の基盤を確立することを目指す政治的ゲームが起こる

←分業が徹底され、派閥意識が生まれるため、「帝国づくりのゲーム」「予算のゲーム」「後ろ盾のゲーム」「ライン対スタッフのゲーム」が行われる

c プロフェッショナル型は政治的ゲームが比較的行われやすい

←権限システムが弱く、専門性のシステムが強いため、組織内で権限が分散する傾向がある

→内部者同士が対立して基盤を確立しようとしたり、対立陣営と戦ったりするケースが目立つ

d プロジェクト型組織も政治的ゲームが比較的行われやすい

←プロフェッショナル型組織と同じ理由で対立が目立つが、プロジェクト型組織はとりわけ「戦略の候補をめぐるゲーム」になる

 

13-3-4 対立と政治の建設的な機能

a 正規の影響力のシステムが欠陥を持っている場合は、それを是正するために政治的行動が必要

←このケースで用いられる手段は非正規のものが多いがそのような手段があるからこそ正規の目的を追求できる

Ex)上司の不当な行為を内部告発者が暴露する

b 影響力のシステムとしての政治は、最も実力のあるメンバーがリーダーの地位に就く状況を作り出す

←組織における権限の仕組みの下では実力のない上司が実力のある部下を抑え込んでしまうケースがあるが、政治的ゲームを通じて、実力の乏しい人物を

出世競争から脱落させられる

c ある問題の一つの面しか推進されない場合に、政治はその問題の別の側面を推進する機能を果たす

←権限のシステムは、情報を集約して上層部に提供する機能を持つため、一つの考え方だけを推進しやすいが、政治が別の面も推進させる

 

13-4 文化と対立は共存する(図表13-2)

a 文化の一体性が対立を抑制し、対立が過度に一体性の高い文化を開放する

→組織にとって欠かせない動的なバランスを維持するためには、文化と対立の緊張関係が必要

 

第Vさらに3つの組織形態

a事業部型

←「分離」の力による自律性の影響が強い場合

bコミュニティシップ型

←「文化」の力の影響が強い場合

c政治アリーナ型

←「対立」の力の影響が強い場合

 

14 第14事業部型組織

a「多角化」が進んだ組織

←既存の製品やサービスと関連のある製品やサービスに乗り出し、最終的には当初の製品やサービスと関連のない製品やサービスに乗り出し、コングロマリット(複合企業)に移行し、「多角化」が進む

Ex)カヌー会社がカヤックを製造するようになり、パドル、船着き場、さらには砕氷船まで製造するようになる

→カヌーと比較すると原材料も製造工程も顧客も異なる

bそれぞれの事業部が大きな自立性をもつ組織

←本社部門が成果基準を課すことにより、複数の事業部をコントロールする

→そうしたコントロールは「監督(オーバーサイト)」とも「見落とし(オーバーサイト)」とも言える

 

14-1 事業の拡大と事業の買収

a歴史のある大企業が最終的に事業部型組織に移行するのは偶然ではない

←マネージャーが既存の事業の外に新しい機会を見いだしたくなる可能性があるから

b 組織は事業を拡大させるだけでなく、事業を買収する場合もある(関連多角化)

←「合併」の実態は買収による事業の獲得

c 組織の面では、既存の事業と関連のある多角化はありえない

←戦略の面では関連があっても文化が異なるから

Ex1)ビール醸造会社の買収

→ブランドも、醸造方法も、マネージャーも、ビールづくりの文化も、組織のあり方に関する文化も異なる

→CEO(Chief Executive Officer)が存在せず、対等な合併が難しい

Ex2)ミツバチのコロニーの合体

①合体の数日前に片方から女王蜂を取り除く

←激しい対立を防ぐため

②ハチが噛み切れる小さい穴の開いた新聞紙の仕切りを入れた巣箱に両方のコロニーのハチたちを入れる

←相手方のにおいをじっくり嗅ぐ前に混ざると互いに攻撃しあうため

 

14-2 事業部型組織への移行のプロセス(図14)

14-2-1 ステージ垂直統合

a最初は事業活動の「チェーン」(Ex:原材料調達→生産→マーケティング→販売)に沿って組織が完全に統合されている状態から始まる

b「チェーン」の両端で、ほかの会社を買収したり、社内で新しい事業を育てたりする

Ex)カヌー会社が、カヌーに用いる高機能素材のメーカーを買収する

 

14-2-2 ステージ副産物による多角化

a中間製品を市場で他社に販売する

Ex)カヌー会社が他のカヌー会社に部品のヨークを販売する

 

14-2-3 ステージ関連製品による多角化

a副産物の販売が元々の製品の販売に匹敵するくらい重要になる

Ex)カヌー会社がヨーク販売を大々的におこなうために専門の事業部を設ける

 

14-2-4 ステージコングロマリットによる多角化

a個々の事業部がひとつの会社として運営される

Ex)カヌー会社が砕氷船の製造に乗り出す

 

14-2-5企業の多角化の対象

a企業は製品やサービスだけでなく、顧客や地域の多角化を行う場合もある

→多角化の度合いが比較的限定的になる

∵同じ製品やサービスを販売しているため

→組織の統合がある程度維持される

Ex)カヌー会社が湖水地方のホテルにカヌーを販売

 

14-3 事業部型組織の基本構造

14-3-1 自立性、独立性をもった事業部

a 事業部の運営は各事業部のマネージャーが担う

b 事業部は本社のアナリストによる成果のコントロールにだけ従う

c 重要な機能(①自社内に擁する事業部のポートフォリオ管理[事業部の追加、維持、閉鎖、売却の決定]、②事業部のマネージャーの任命と更迭、③事業部への予算の割り振り、④すべての事業へのサポートサービスの提供)は本社が担い続ける

 

14-3-2 事業部型組織は分権的と言えるのか

a事業型組織は分権的ではない

←意思決定権は事業部の上級幹部が握っており、組織構造の一段階下部へ権限を委譲しただけだから

 

14-4 事業部型組織はプログラム型組織との相性がいい

aプログラム型組織がプロジェクト型組織を買収することは難しい

←プログラム型組織の効率性を重視したコントロールがプロジェクト型組織の創造性を犠牲にするから

Ex)マクドナルドがアップルを買収

b プログラム型組織がプログラム型組織を買収することは実現しうる

←事業の中身がかけ離れていても、両社は本社部門のアナリストがコントロールしているから

Ex)マクドナルドがアマゾンを買収

c 事業部型組織においては、それぞれの事業部がプログラム型組織の性格(中央集権的かつ組織構造が正式)を帯びやすい

←事業部は本社部門から基準を課されることにより、事業部の構造が正当化する

←事業部は、事業部の責任者に基準の達成が義務づけられることで集権化するから

 

14-5 コングロマリット化の弊害

14-5-1 コングロマリット化は利点となるか

aコングロマリットは既存事業の高成長の実現を妨げる

b コングロマリットは繰り返し流行する

←企業の経営幹部やアナリストが、どんな事業でもうまくできると自信満々だから

c コングロマリットの利点は、①資本の効率的な配分、②ゼネラルマネージャーの育成、③リスクの分散、④戦略的機敏性が実現されれば存在しない

→個々の企業レベルの非効率の克服よりも、経済システムの根本の非効率の是正が必要

①資本の効率的な配分

→コングロマリットでは本社が傘下の事業間で迅速に資金を動かせる

②ゼネラルマネージャーの育成

→コングロマリットの事業部のトップはマネジメントスキルを磨くことができる

③リスクの分散

→コングロマリットは、ひとつの事業だけの場合よりもリスクを分散できる

④戦略的機敏性

→コングロマリットでは、事業の微調整はそれぞれでおこない、本社部門は事業のポートフェリオ管理に集中できる

 

14-5-2 事業部型組織の効率重視による弊害

a効率の追求が単なる倹約推進になってしまう

←コストは便益よりも数値計算しやすいから

b 効率の追求が社会問題を悪化させることもある

←経済コスト社会的コストよりも計算しやすいから

c 効率の追求が質の低下を招く

←経済的便益のほうが社会的便益より計測しやすく、金銭重視の思考になるから

d マネージャーが社会に及ぼす影響に無関心になりやすい

→数値計測できるかどうかに関係なく、マネジメントすべきものはマネジメントすべき

 

14-6 ビジネス以外の世界での事業部型組織

14-6-1 ビジネスの構造を追随した政府機関

a政府は究極のコングロマリットである

←運輸、医療、教育、徴税など、さまざまな部門がひとつの政府の下に束ねられている

b 個々の省庁もそれぞれコングロマリットである

Ex)トラックや航空機の管制や船舶のパトロールを運輸省が請け負う

 

14-6-2 事業部型組織の形態を採用した多元セクターの問題点

a多元セクターで活動している団体の多く(慈善団体、財団、NGOなど)は社会のニーズに応えるのが役割

→数値指標によるコントロールをおこなうコングロマリット的な形態は好ましい結果を生まない

b 企業と政府や団体とを同じように運営するべきではない

c 事業部型の極限の形態であるコングロマリットよりも、限定的な多角化をおこなうことが理想的

→コングロマリットほどの数値計測をおこなわずに、ある程度のシナジーを生み出せる

Ex)関連製品の多角化、副産物による多角化、地理的な多角化

2 合理性と非合理性の意外な関係

2-1「理性に従う」ことはかっこ悪いのか

2-1-1合理性はかっこ悪い

→それでも人は理性に従うべき

2-2 理性なしにはあらゆる議論が不可能

2-2-1合理性の意味

a合理性:目的を達成するために知識を使う能力

←知識:正当化された真の信念

2-2-2信念は何らかの目的のために得られたものでなければならない

→ただ真について考えるだけは合理的ではない

Ex)円周率の計算

2-2-3合理的行為者には目的が必須

a理論的理性:何らかの着目すべき考えについて真偽を確かめること→「何が真実か」

b実践的理性:何らかの着目すべき結果を世界にもたらすこと→「何をなすべきか」

Ex)自分の目で見るという行為における

「自分が置かれた環境を知る」という目的

2-2-4合理性の定義:望むものを手に入れさせてくれること

2-2-5この定義が私たちに勧めること

a信念の根拠を真実に置くこと

b信念から別の信念を推論する際は正当化できる方法を使うこと

c所与の目的を達成できそうな計画を立てること

2-2-6無限後退に陥る

a無限後退:物事の説明や正当化を行う際、同一の形の説明や正当化が連鎖して無限に続くこと

→論理規則を用いた推論はどこかの時点でそのまま実行されるべき

2-2-7論理 ≠ 合理性(違いは次章で)

→両者とも究極のルールは「いいからやってみろ」

2-2-8人は理性に従うべき

∵理性の価値は理性なしでは問えないから

2-2-9合理性には認識論的謙虚さが必要

a認識論的謙虚さ:自己の知識や信念の限界を認識し、異なる視点や新しい証拠に対してオープンである姿勢

b人間は個人で近づけない真理に集団で近づく

←人間がルールを作る

←完全な合理性、客観的真理の存在

2-2-10ルールの目的:合理性の邪魔になるバイアスを防ぐこと

aバイアス:人間の本性に基づいた認知的錯覚

bルール:批判的思考の諸原則、論理、確率、経験的推論の規範モデル

→現在の人間社会における社会制度のこと

→人々がエゴや偏見を押し付けることを防ぐ

2-3理性は妥当かつ必要だと考えられる理由

2-3-1理性の妥当性の証明は不可能

∵証明に使われる理性の健全性を前提とせざるをえない(堂々巡り)

→自信を深めることは可能

2-3-2自信を深める材料

a理性のルールを論理や確率の規範モデルとすることが可能という点

→機械に実装することも可能

Ex)コンピューターの基本回路:論理を機械化したもの

b実際に理性が現実で機能しているという点

→人間が協力して理性を働かせた成果

Ex)月面着陸、スマートフォンの開発

2-3-3相対主義者の主張

a相対主義者:客観的真理を否定し、すべての主張は文化の物語にすぎないと主張する人々

b近年はその信念を貫き通すことが出来ていない

Ex)自分の子供が感染症にかかったら歌による治療ではなく抗生物質による治療を受けさせる

→相対主義者もそれほど相対的ではなくなっている

2-3-4社会正義と理性

a社会正義:不当な差別や不利益を受けない公正な社会を実現しようとする考え方

b人が社会正義を支持するのはそれが真実だと理性と証拠が示唆しているから

c何かを知ろうとするとき理性以外に頼れるものはない

2-3-5理性の抜け穴

a自分は正しいと確信し、相手を説得する気もない人は自分の信念を他人に押し付ける

→自分が絶対的に正しいと考える人を理性で説得することはできない

Ex)神聖政治、独裁政治

2-3-6人を理性で説得しなければならない理由

aまだ意見を決めかねている人を遠ざけないようにするため(これから信念を形成していく若者を含む)

b反対意見を無視することで生じる弊害を被ることを防ぐため

Ex)反対意見を持っていたため自分が無視した人が将来自分より偉くなった時に自分の意見が通らなくなってしまう

2-4理性は情念の奴隷?情念が理性の奴隷?

2-4-1ヒュームの主張

aデイヴィッド・ヒューム:スコットランドの哲学者

b理性は目的を達成するための手段であり、その目的が何であるべきかは教えてくれないし、それを追求するべきかどうかさえ教えてくれない

c情念:目的を生み出す源Ex)好み、欲求、動機、感情

d情念がなければ理性は目的を持てない

→目的達成手段を考えることもできない

e「人の好みをとやかくいってもしかたがない」

2-4-2 理性と感情

a人は「理性は感情を抑えるもの」と考えがち

→ヒュームは逆に「感情こそ人を動かす原動力であり、理性はその補助にすぎない」と主張

b著者は、どちらも正しく、両立しうると考えた

→両立する場合

(1)一人の人間の複数の目的のなかには、互いに両立しないものがありうる

(2)ある時点での目的は、他の時点での目的と矛盾することがありうる

(3)誰かの目的は、別の誰かの目的と相いれないことがありうる

→こうした目的間の衝突→合理性の出番

c分別:(1)、(2)に適用される理性

d道徳:(3)に適用される理性

2-5 自分のなかにある複数の目的間の葛藤

2-5-1 人間は複数の目的を持つが、それらは互いに矛盾することがある

Ex)チーズケーキを食べたい(快楽)と痩せたい(健康)の葛藤

2-5-2 目的には優先順位をつけ、どれかを捨ててどれかをとる必要がある

←目的の中にはほかより深い満足や長い喜びにつながる重要なものがあるため

2-5-3 目的の中には本当にわたしたちの目的とは言えないものさえ含まれている

←進化の過程で選択された「遺伝子の目的(生存や繁殖)」から生じる無意識の動機があるため

2-5-4 目的には「至近目的」と「究極目的」が存在する

a 至近目的:わたしたちが意識的に経験し、実現しようとする動機(食欲や愛情など)

b 究極目的:遺伝子が生存や繁殖のために設定した無意識の動機(子孫を残す、カロリーを蓄えるなど)

2-5-5 理性を働かせることで、究極目的を阻止したり他の至近目的を優先させたりする

←現在の環境においては、至近目的と究極目的が必ずしも一致しないため

Ex)避妊をして妊娠(究極目的)を防ぐ、デザート(至近目的)を我慢してダイエット(別の至近目的)する

2-6 今の自分と未来の自分とのあいだの葛藤

2-6-1 人生では「今すぐ小さな報酬を得るか、あとで大きな報酬を得るか」の選択を常に迫られる

Ex)マシュマロ・テスト(今すぐ1個食べるか、15分待って2個食べるか)

2-6-2 我慢せずに「今すぐ楽しむこと」が合理的な選択となる場合がある

←未来には常に不確実性(約束が守られないリスクや自身の死亡リスク)が伴うため

Ex1)諺・詩:「明日の百より今日の五十」

Ex2)ジョーク:「これまで悪いといわれてきたことは、結局全部いいことだ」(過去に我慢させられていた卵やナッツ類が、最新の栄養学で実は体に良いと判明した例)

Ex3)経済学者ケインズの文章:「長期的には、わたしたちは皆死んでしまう」

Ex4)バンパー・ステッカー:「人生は短い デザートが先だ」

Ex5)主治医の言葉と漫画:「寿命を延ばそうとがんばるのはいいけど、延びるのは年とってからの年数なんだよ」

∵漫画の皮肉:寿命を延ばそうと頑張っても、延びるのは健康な若者期間ではなく「年をとってからの年数」であるため

2-6-3 将来の計画や意思決定には「未来の割引」という概念が関わっている

a 未来の割引:未来の報酬の価値を、時間の経過(遠さ)に応じて低く見積もること

b 指数割引:未来の不確実性が時間とともに一定の割合で高まるため、未来の価値を指数関数的に割り引く合理的な考え方

←遠い未来になればなるほど、自分が生存している確率(状況が変わらない確率)が指数関数的に下がるため

2-6-4 未来の自分を非合理に騙してしまう2つのケースが存在する

a 未来の価値を必要以上に割り引いてしまう(短気)

←遠い未来の価値を低く見積もりすぎているため

Ex)未来で自分が生きているか疑い、老後のための蓄えをまったく準備しない

b 近視眼的割引(双曲割引)による選好の逆転が生じる

→近視眼的:報酬が目の前に近づくにつれて、当初の冷静な好みがひっくり返ってしまう現象(選好の逆転)

←時間的に遠いものは客観的・冷静に判断できるが、目の前に迫ると感情的な魅力が急激に跳ね上がるため

Ex)「100日後のリッチな食事」より「101日後のスリムな体(大きな報酬)」を冷静に選ぶが、いざその場になり「目の前のラザニア(15分後の小さな報酬)」を提示されると、誘惑に負けてラザニアを選んでしまう

2-6-5 自制心に頼るのではなく「オデュッセウス式の自己制御術」を用いることが有効である

→オデュッセウス式の自己制御術:誘惑がまだ遠い未来にあり、冷静に判断できる段階で、あらかじめ将来の自分の選択肢を制限(縛り付け)しておく方法

←両報酬が遠い未来にある(グラフが交差していない)段階では大きい報酬のほうが魅力的に見えるため、選好の逆転が起こらないように先手を打つことができるから

Ex)空腹のときは買い物に行かない、給料の一部を天引き貯金にする

2-6-6 誘惑につながるような選択肢をなくしておく、または選択肢に手を出しにくくしておく環境設計が重要

a リバタリアン・パターナリズム(ナッジ)が政策などで活用されている

→リバタリアン・パターナリズム:個人の選択の自由を保持しつつ、デフォルトの設定を変えることで、人々を穏やかな力で最善の選択へと導く環境設計の考え方(選択アーキテクチャ)

←人々が天引き貯蓄などの有益な行動へ手続きなしで自動参加できるようになり、少ないコストで大きな効果が期待できるため

2-7 あえて無知でいるほうが合理的な場合もある

2-7-1 知識は必ずしも多いほうが良いとは限らず、あえて知ることを放棄するほうが合理的な場合がある

2-7-2 出来事から得られる喜びを最大化できる

←事前に結末を知らないほうが、無意識の肯定的感情を楽しめるため

Ex)映画のネタバレを避ける、生まれてくる子供の性別を聞かない

2-7-3 苦痛の元になりそうな情報を避けることができる

←知ったところでどうすることもできず、残りの人生が陰鬱なものになりかねないため

Ex)不治の病の遺伝子検査を受けない

2-7-4 自分の認知能力にバイアスをかけそうな情報を事前に遠ざけることができる

←一度知ってしまうと、その情報を無視して客観的に判断することができなくなるため

Ex)陪審員に不採用証拠を見せない、研究での二重盲検法や論文の匿名査読

→合理的とはいえないバイアス(先入観や偏見)を抑制できる

2-7-5 自分の合理的能力が合理的な敵に利用されるのを防ぐことができる

←無知を宣言することで、相手が脅迫などを仕掛ける余地をなくすことができるため

Ex)現金輸送車の運転手は金庫の番号を知らない仕組みにする

2-8 無能や非合理でいることが合理的な場合

2-8-1 ある状況下では、あえてコントロール(能力)を放棄し、無能や非合理を装うほうが勝てる場合がある

2-8-2 交渉やチキンゲームにおいては、自分に選択の余地がないと誇示するほうが有利になる

←相手に「自分が譲るしかない」と納得させることができるため

Ex)チキンレースで車のハンドルをロックして直進する、交渉事で上司の許可が下りないからこれ以上値下げできないと主張する

2-8-3 脅しを効果的にするには、自分が制御不能(非合理)であると信じさせる必要がある

←自分が本当に脅しを実行する(はったりではない)と相手に思わせることができるため

Ex)すぐ爆発する爆弾を巻くテロリスト、衝動的なリーダー(マッドマン・セオリー)

2-8-4 逆に、約束の信憑性を高める際にも選択の自由(コントロール)を放棄することが有効である

←裏切る可能性がないことを相手に証明し、信頼を獲得できるため

Ex)借金で担保を提供する、差し押さえ可能な契約書にサインする

 2-8-5 恋愛関係においても、非合理的な感情による選択が信憑性を生む

←合理的に計算して選んだわけではないため、今後より好条件の人が現れても乗り換えないという信頼の証になるため  

2-9考えることや訊ねることがタブーとされる場合

2-9-1ある種の考えは、口に出すのが憚られるかばかりか、考えること自体が悪とされる

←心理学者フィリップ・テトロックによってタブーを3つのグループに分けられていると説明

2-9-2基準率のタブー

a 社会的な道徳や平等の精神に反するような統計データの計算やそれを基準に判断することを禁じるタブー

←数学的な正しさに当てはめて計算すると道徳的に不適切な結論を導き出してしまうという緊張関係が生じる

(ex人種や性別ごとのプロファイリング

2-9-3タブー・トレードオフ

a 人間が生きていく上で必要不可欠

b 価値の高い神聖なものと価値の低い低俗なものをトレードオフ(天秤にかける取引)することへの拒絶

(ex1神聖なもの:環境、子供、医療、芸術

(ex2 低俗なもの:金銭、利便性

c 人間は、神聖なものに値段を付けられること、金銭を惜しんで神聖なものを削ると聞いただけで不快感を覚える

(ex1腎臓などの臓器提供の売買

(ex2病院の管理者によって100万ドルを子供の命を救うのに使うのか、経費に回すのかという選択

d 政治家は感情に訴える政策や人気取りの政策に走り、命の価値の設定などの問題を後回し

←このようなタブー・トレードオフを隠したり、婉曲したり、見方を変化させたりするため

2-9-4 反事実のタブー

a 自分が信じている道徳的信念や神聖な信仰に対して「もし~だったら?」という仮定を考えること自体を禁じるタブー

∵他人にある種の反事実の世界を心に思い描かせることそのものが不道徳

(ex1 敬虔なクリスチャンに対し、「もしイエスキリストの神性が嘘だったら?」と問いかける

(ex2 ムハンマドの生涯を描いた小説『悪魔の詩』をめぐるファトワの事例

 2-10 道徳は合理的な根拠を持つのか

2-10-1 合理性から外れる道徳という領域

a  そもそも人間は何が正しくて何が間違っているかをデータや事実から導き出すことはできない

b  道徳的信念は理性に依拠しない個人の嗜好に似ている

ex) 菜食、同性愛、一夫多妻制に対する人々の反応

2-10-2 道徳と情念の関わり

a 道徳的に何が不道徳かは文化や時代によって異なる

b 「Xは不道徳だ」という表現は「Xはルール違反だ」、「私はXが嫌いだ」と叫んでいるに過ぎない

c  しかし多くの人は道徳を好みや習慣と同じように扱うことに抵抗を感じる

2-10-3 道徳に合理性を持たせようとする試み

a 道徳を文化や好みより高い位置に持ち上げようとして、宗教によりどころを求める人がいる

b 道徳の根拠を神の命令だけに求めるのは難しくなる

←「神が命じたから正しいのか、それとも正しいことだから神が命じたのか」という問いに突き当たるとき

2-10-4利己心と公平性の論理

a 他者と合理的な議論を始めるには立場を入れ替えるという論理的なステップが必要

b  「わたしの利益だけが重要だ」、「わたしはわたしであって、わたしはあなたではない」という主張は通用しない

c 他人の幸福も自分の幸福と同じように扱うという公平性のルールが導き出される

←わたしたちは他の人とともに暮らす社会的な動物なのでわたしたちの幸福は他の人の行動にかかっているため

2-10-5 普遍的な道徳法則

a  利己心と社会性に公平性(会話の中で立場の入れ替え)を組み合わせれば道徳の核ができる

←これは黄金律(他人からしてもらいたいと思うようなことをひとにしなさいというルール)と同じ、もしくはその派生形

ex1)ラビ・ヒレルの「自分が嫌だと思うことを、隣人にしてはならない」

ez2)カントの定言命法、「自分が決めている行動原則が、同時に普遍的法則でもあるべきだと願えるときだけ、その原則に従いなさい」

2-10-5 進化の過程と社会性がもたらす合理的道徳

a 道徳は嗜好、習慣、宗教をよりどころにしていない

b 人間は負傷や飢えを乗り越えるために、集団として協力、防御、婚姻などの社会的つながりを構築するように進化してきた

c 利己心と社会性は合理性とセットになっていて、道徳と呼ばれるものにも、利己心と社会性が一緒についてくる

←現実世界において肉体を持ち、コミュニティのなかで生きていてこそ合理的行為者であるから

d 道徳の主成分である公平性とは単なる立場の入れ替えだけではなく、「全員が人を助け、傷つけないことに同意すれば結果的に得をする」という意味も含む

→人間が道徳的であるべき合理的な理由がある

2-11 理性の誤りも理性で正すことができる

2-11-1 理性への追従と合理性の関係

a 「なぜ理性に従うべきなのか」と問いを立てる行為そのものによって、すでに理性の正当性を認めている

b 目的や欲望を追求することは理性の対立概念ではなく、人間が理性を持つ根底的な理由そのものである

c 未来の価値を過度に近視眼的に割り引かない限り、現時点の欲望に身を委ねることもまた合理的である

2-11-2 逆説的な合理性と非合理な行動の識別

a 将来の衝動的な選択を防ぐために「今の合理的な自分」が先手を打つ行動は無知やタブーと同様に逆説的な合理性の一例

b すべての異常な行動に合理性を見出せるわけではなく、最重要な目的や手段を見失う本質的な非合理も存在する

ex)感情的に自滅する、議論の勝利が目的化して真実から目を背ける、チキンレースで命を落とす

2-11-3 言語の本質である再帰性

a人間の言語の本質は構文が入れ子構造になりうる「再帰性」にあり、際限なく拡張できる

←人間が再帰構造を発達させられたのは思考のなかに思考を入れ込んで認識する能力を持っているからである

ex)「彼女がそれを知っている」という事実から「彼女が知っているということ彼は知っている」へ拡張する

2-11-4 誤りを修正する理性の力

a 理性は常に一歩引き、自らがどのように使用または誤用されているか観察し、推論する力を持つ

b 合理的な議論が誤謬や詭弁に陥った場合や、非合理な行動をとる危険がある場合であっても理性を用いてそのなかで秩序を探ることができる

←この秩序を探ることは理性があなたにそうさせている

担当:いみ

 

1 LCCとは何か

 

1-1 LCCの定義

1-1-1 LCCとはLow Cost Carrier(ローコストキャリア)の略称

1-1-2 効率化の向上によって低い運航費用を実現し、低運賃で簡素化された航空輸送サービスを提供する航空会社

1-1-3日本では「格安航空会社」と呼ばれている

1-1-4 FSCと比べ、一般的に割安な航空運賃を提供

→旅行や出張でコストを抑えたい人に向いている

 

2 LCCの誕生

 

2-1 LCCの誕生

2-1-1 1970年代サウスウエスト航空(米国)の登場以来、世界各地で多くのLCCが活躍

2-1-2サウスウエスト航空はLCCビジネスモデルの原型を作る

a 単一機材:1種類の航空機に統一し、整備や訓練コストを削減する

b 短距離運航:近距離路線中心に運航し、燃料費や運航コストを抑える

c 低価格片道運賃:片道ごとに安い運賃を設定し、利用しやすくする

d モノクラス:全席を同じクラスに統一し、座席数を増やして効率化する

eノンフリルサービス:機内食などの無料サービスを減らし、低価格を実現する

2-1-3 1990年代米国内で浸透し始める

2-1-4 21世紀に入り、ヨーロッパ、オーストラリア、南米、東南アジアなどと世界各地の航空市場にLCCが参入

 

2-2日本でのLCCの誕生

2-2-1 規制緩和と新規参入

a 1986年運輸審議会答申により「45・47体制」の廃止が決定
→ 航空業界の規制緩和が進む

b 1997年JAL、ANA、JAS(日本エアシステム)中心だった市場に新規参入が認められる

2-2-2新規参入航空会社の登場

a 1998年8月スカイマークエアラインズが羽田―福岡線に参入

b 1998年12月北海道国際航空が羽田―新千歳線に参入

→現在はAIRDOに社名を変更

c 北海道国際航空の課題
→ 旅客数が伸び悩む
→ 2001年のアメリカ同時多発テロで需要低下
→ 2002年民事再生手続きへ

d 2002年スカイネットアジア航空が東京―宮崎線に参入

←現在はソラシドエアに社名を変更

→2004年乗客数低迷によりANAや産業再生機構の支援を受ける

e 2006年スターフライヤーが羽田―北九州線に就航

→スターフライヤーもANAの支援を受ける状況となった

2-2-3 当時の新規参入航空会社の特徴
a サービス簡素化による低価格戦略
b 大手航空会社との価格競争で苦戦
c 自主経営が難しくなった

2-2-4 2010年代自らを「LCC」と名乗る航空会社が本格参入

2-2-5以前の新規参入航空会社との違い
→ 「低価格=安全性が低い」という印象を避けるため、以前はLCCを名乗らなかった

a 2012年3月ピーチ・アビエーションが関西―新千歳線、関西―福岡線に就航
→ 同年5月に関西―仁川線で国際線進出

b 2012年7月ジェットスター・ジャパンが成田―新千歳線、成田―福岡線に就航

c 2012年8月エアアジア・ジャパンが就航
→ ANAグループとの合弁を解消
→ 2013年にバニラエアとして再出発

→2019年に運航終了し、ピーチ・アビエーションに統合した

d 2014年8月春秋航空日本が成田―広島線、成田―高松線、成田―佐賀線に就航

2-2-6  日本LCCの特徴

a 国際線進出が非常に早い
→ ピーチ・アビエーション、バニラエアは就航2か月後に国際線進出

→ 春秋航空日本は就航22か月後に国際線進出

→ ジェットスター・ジャパンも早期国際線進出を計画

→エアアジア・ジャパンは就航4か月後の国際線進出を計画

b 従来の新規参入航空会社との違い
→ 国内線中心ではなく、アジア市場を見据えた国際展開を重視していた

 

3 LCCのビジネスモデル

 

3-1 LCCの基本的特徴

3-1-1 LCCの基本的特徴

a LCCは低運賃を実現するため、徹底したコスト削減を行っている

b 多くのLCCはサウスウエスト航空のビジネスモデルを基礎としている

 

3-2路線・ネットワーク

3-2-1 路線・ネットワークではポイント・ツー・ポイント方式を採用

→ 2地点間輸送を中心とする

↔ FSCのハブ&スポーク方式とは異なる

3-2-2ポイント・ツー・ポイント方式にはオペレーションコスト面とイールド面のメリットがある

a オペレーションコスト面でのメリット

→乗り継ぎサービス不要

→ 手荷物乗継コスト削減

→システム投資削減

→遅延時対応コスト削減

b イールド面(旅客1人を1km運んだ際の収入)でのメリット

→ 座席あたり収入を確保しやすい

→売れ残り座席削減

→高搭乗率維持が可能

3-2-3 短距離路線中心の展開

→ 飛行時間4時間未満の短距離路線中心

→ 国内線・近距離国際線に強み

a オペレーションコストの面でのメリット

→単一機材化が容易

→燃油費抑制

→高頻度運航が可能

b サービス面でのメリット

→機内サービス簡略化への不満が少ない

→高密度座席配置でも受け入れられやすい

3-2-4セカンダリー空港活用

→ 非混雑空港を利用

a メリット

→発着料削減

→スロット(航空機が空港に離着陸できる時間帯)の取得容易

→ 定時運航しやすい

Ex) 茨城空港

 

3-3 オペレーション

3-3-1 LCCは短いターンアラウンドタイムとそれによって実現される高い機材稼働率

→便あたりのコストをFSCよりも低く抑えている

→LCCのアラウンドタイムは国際線で40-60分、国内線では20-25分に抑えられている

←FSCの半分以下の時間である

3-3-2ノンフリル戦略

→ 必要最低限のサービスのみ提供

a機内娯楽設備撤廃

b 機内食有料化

c 飲料有料化

d アメニティ有料化

e 座席指定有料化

→コスト削減、付帯収入増加の効果がある

 3-3-3 座席クラス一本化

→サービス簡素化、管理コスト削減の効果

3-3-4 高密度座席配置

→ 多くの利用者を搭乗可能にする

→座席あたり費用削減、収益性向上の効果

3-3-5 単一機材化

→ 同じ航空機種で統一運航

→ 整備費削減、パイロット訓練費削減、部品在庫削減の効果

3-3-6 高い機材稼働率

→ 短いターンアラウンドタイム(到着から次の出発までの時間)を実現

→1日あたり運航回数増加、機材稼働率向上、収益増加の効果

3-3-7手荷物有料化

→ 受託手荷物を減少させる

→積み込み時間削減、 定時性向上、コスト削減の効果

3-3-8  職員の複数業務兼務

Ex)客室乗務員が機内清掃も担当

人件費削減、折り返し時間短縮の効果

 

3-4 販売・マーケティング戦略

3-4-1 インターネット販売中心

Ex) 公式サイト予約を重視

→人件費削減、広告費削減、旅行代理店手数料削減効果

3-4-2 単純な料金体系

→ 同条件では基本1料金体系

→ 購入時期によって価格変動するのみ

 ←FSCより料金体系が単純

3-4-3 高ロードファクター(座席の販売状況を計る指標)戦略

→ 低価格で搭乗率を高める

→売れ残り座席削減、サンクコスト(空席のまま飛行した座席分の費用)低減の効果

 3-4-4変更・払い戻し制限

→ キャンセル不可が基本

→収入安定化、空席リスク軽減の効果

3-4-5 FFP(マイレージ制度)の簡略化

→ 多くのLCCはFFP未導入

 →管理コスト削減、特典航空券による損失回避、路線制約回避のため

↔ FSCは顧客囲い込みを重視

 

3-5 短距離路線におけるLCCの優位性

3-5-1 世界の主要航空市場におけるLCCシェア

→ 北米・ヨーロッパ・東南アジア・北東アジアで拡大

→ 特に3000km未満の短距離路線で高シェア

3-5-2 短距離路線でLCCが強い理由

a ノンフリルサービスが受け入れられやすい

→ 機内食なしでも利用しやすい

b 高密度座席配置との相性

→ 短時間なら座席の狭さが問題になりにくい

c 高頻度運航が可能

→ 短い折り返し時間を実現しやすい

3-5-3 長距離路線でLCCが不利な理由

 a 大型機材が必要

→ 単一機材化が困難

b 折り返し時間短縮が難しい

→ 清掃・給油に時間が必要

c 燃油費割合増加

→ コスト削減効果が小さくなる

d 快適性低下

→ 長時間利用では負担が大きい

3-5-4 北米LCC市場の発展と成熟

→ 北米はLCC発祥の地

→ 1990年代からLCCが拡大

→ 近年は短距離市場で約30%前後のシェア

3-5-5市場成熟による変化

a LCCは必ずしも「格安」ではなくなった

→ サウスウエスト航空のイールドがネットワークキャリア平均を上回る場合もある

b ネットワークキャリアのLCC化

→ 機内サービス有料化普及

→ コスト削減が進行

c 両者の差が縮小

→ サービス面・費用構造が類似化

→ 差別化が難しくなっている

 

日本におけるLCC各社の特徴と比較

 

4-1 Peach Aviation

 

4-1-1 基本概要

a 就航開始:2012年3月

→大阪(関西)-札幌(新千歳)線、大阪(関西)-福岡線就航

b 拠点空港:関西国際空港

c 系列:ANA

d 経営理念:「ヒト・モノ・コトの交流を深めるアジアのかけ橋となり、人間愛を育むエアラインとなる」

e 運航規模(2026年4月1日現在)

→機体数:36機 

Ex)AIRBUS A320、AIRBUS A320neo、AIRBUS A321LR

←機材を統一することで整備コスト削減を実現している
←パイロット教育や部品管理の効率化にもつながっている

→国内線:新千歳、釧路、女満別、仙台、成田、名古屋、関西、福岡、長崎、宮崎、鹿児島、那覇、石垣、奄美の25路線

→国際線:ソウル、台北、高雄、香港、バンコク、シンガポール、上海5路線

→輸送旅客数:907万人(2025年実績)

 

4-1-2特徴

a 日本初の本格的LCC

→ 日本国内LCC市場拡大の中心的存在

→ 2012年以降の日本LCC普及を牽引した

b 国際線展開の早さ

→ 就航から約2か月後に国際線へ進出

→ ソウル(韓国)、香港、台北(桃園)、高雄(台湾)、バンコクなど東南アジア方面の都市へも就航

c 関西空港を活用した戦略

→ アジア各国へのアクセスが良い

→ 訪日観光需要との相性が高い

→関西からの航空券を購入する際、リーズナブルに購入できる

d ANAグループによる安定性

→ 大手航空会社グループの安心感

→ ブランド信頼性が高い

 

4-1-3 2026年ブランドリニューアル

a ブランドリニューアル実施

→ 2026年4月1日より実施

→ 創業15周年を機に刷新

b 目的

→ デザイン変更だけではなく、さらなる基本品質向上を目指す

→ 「手軽な旅」という価値を維持しながら、次の成長段階へ進むことを表現している

c 新ロゴの特徴

→ 従来デザインを継承し、 角に丸みを加え親しみやすさ向上

→文字間隔を広げ落ち着いた印象を表現

→やさしいピンクとベージュ採用は安心感・信頼感を表現

→葉っぱのアイコンはPeachらしい遊び心や挑戦を象徴

d 航空機新デザイン

→コンセプトは「旅への高揚感」を表現

→円を重ねたランダムパターン採用

→利用者を包み込む温かさを表現

→上質感のあるカラー構成

→従来デザイン継承することで Peachを象徴する鮮やかなピンクも維持している

 

4-2 Jetstar

 

4-2-1 基本概要

a 就航開始: 2012年7月

→ 東京(成田)-福岡線などに就航

b 拠点空港:成田空港

c 系列:JALグループ

d 経営理念:「より多くのお客様に、より気軽に空の旅を楽しんでもらいたい

e運航規模(2026年5月20日現在)

→機体数:27機 

Ex)ボーイング 787、エアバス A321neo、エアバス A320neo、エアバス A320型機、エアバス A321型機

→国内線:新千歳、旭川、関西、高松、松山、高知、福岡、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島、那覇、名古屋、成田の15都市18路線

→国際線:ケアンズ、ブリスベン、シドニー、台北、マニラ、上海、香港、高雄の8都市7路線

→国内線輸送人数:月間平均約46万人(2025年度実績)

 

4-2-2 特徴

a ジェットスターグループの一員

→ ジェットスターグループは2004年に設立

→グループ構成:ジェットスター・オーストラリア&ニュージーランド、ジェットスター・アジア航空、 ジェットスター・ジャパンの3つ

b カンタスグループとの関係

→ ジェットスターはカンタスグループの一員

→ カンタス航空は1920年設立

→ 世界で最も歴史の長い航空会社の一つ

c 出資企業:カンタスグループ、日本航空(JAL)、三菱商事

d 国内主要都市への路線展開

→オーストラリア方面に強み

→東南アジア路線も充実

 

4-3 SPRING JAPAN

 

 4-3-1 基本概要

a 設立:2012年9月設立

b 拠点空港:成田空港

c 系列:JALグループ

→ 中国の春秋航空と日本航空が共同設立したLCC

→ 2021年7月よりJALグループの一員となった

d 経営理念:「安全・誠意・笑顔が自然に溢れる会社を目指す」

→ 世界を笑顔でつなぎ、人々の交流促進と地域活性化に貢献することを目指している

e 運航規模

→機体数:9機 

Ex)Boeing737-800

→国際線:ハルビン、北京、天津、上海の 4路線

→国内線: 新千歳、函館、広島、名古屋の4路線

 

4-3-2 特徴

a 中国特化型LCC

→ 中国LCC最大手の春秋グループと連携

→ 成田空港を拠点に日本-中国路線を展開している

b JALグループとの連携

→ JALグループの安全性・信頼性を活用

→ 春秋航空の中国ネットワークと組み合わせている

c 地方路線展開

→ 広島・函館など地方都市路線も展開

→ 地域活性化にも貢献している

 

4-4 ZIPAIR

 

 4-4-1 基本概要

a 就航開始: 2020年6月

b 拠点空港: 成田空港

c 系列:JALグループ

d 経営理念:New Basic

→ 従来のLCCとは異なる、新しい国際線航空会社を目指している 

e 運航規模

→機体数:8機 

Ex)すべてボーイング787-8型機

←燃費効率が高く、長距離運航に適している

→国際線:ソウル、台北、バンコク、シンガポール、ホノルル、サンフランシスコ、サンノゼ、ロサンゼルス、ヒューストンの9路線

 

4-4-2 特徴

a 長距離国際線LCC

→ 日本では珍しい中長距離国際線特化型LCC

→ 北米・アジア路線を中心に展開している

b JALグループの安全性

→ JALグループのノウハウを活用

→ 安全性・運航品質への信頼が高い

c 「New Basic」戦略

→ 「New Basic」という独自コンセプトを掲げている
→ 従来のLCCとフルサービスキャリア(FSC)の中間的存在を目指している
→「必要なサービスを必要な分だけ選択する」という新しい航空サービス形態を提案している

→ZIPAIRでは、基本運賃を低価格に抑え、必要なサービスのみ追加購入する方式を採用している
→利用者は自分に合ったサービス内容を自由に選択できる

c フルフラット座席導入

→ LCCでは珍しくフルフラット座席を導入

→ 長距離路線で快適性を高めている

d オプション追加型サービス

→ 必要サービスのみ追加購入可能

Ex)機内食、座席指定、手荷物追加、Express Service、有料ラウンジサービス、機内アメニティ

e 無料Wi-Fiサービス

→ 全便で機内Wi-Fiを提供

→ 他LCCとの差別化要素となっている

f サービスパッケージを用意

←受託手荷物や事前座席指定など各種サービスをセットでお得に購入できる

 

4-5日本LCC各社の比較

 

4-5-1 拠点空港の違い

a Peach Aviationは関西国際空港を拠点としている

→ 関西圏やアジア方面の需要を重視しており、韓国・台湾・東南アジア方面への路線展開が充実している

b Jetstar Japan、SPRING JAPAN、ZIPAIRは成田空港を拠点としている

→ 成田空港は首都圏需要を取り込みやすく、国内外の利用者が多い

 

4-5-2 路線戦略の違い

a  Peach AviationやJetstar Japanは国内線を中心に幅広い路線展開を行っている

→ 東京・大阪・福岡・札幌・沖縄など主要都市を結び、観光需要や帰省需要を取り込んでいる

→ 低価格運賃により、若年層や旅行需要の高い利用者から支持を得ている

b SPRING JAPANは中国路線に特化している

→ 中国の春秋航空グループとの連携を活かし、日本と中国を結ぶ役割を担っている

c ZIPAIRは北米などへの中長距離国際線に特化している

→ 日本では珍しい長距離LCCとして注目されている

 

4-5-3 サービス戦略の違い

a Peach AviationやJetstar Japanは低価格重視の典型的LCCモデルを採用している

→ 受託手荷物や座席指定、機内食などを有料オプション化することで低価格を実現している

b 一方、ZIPAIRは「New Basic」という独自戦略を掲げている

→ 無料Wi-Fiやフルフラット座席を導入し、快適性も重視している

→ 長距離利用者やビジネス利用者にも対応している点が特徴である

 

4-5-4 親会社による信頼性

a Peach AviationはANAグループ、Jetstar Japan・SPRING JAPAN・ZIPAIRはJALグループと関係している

→ 大手航空会社グループの安全管理や運航ノウハウを活用している


Q1. ポスター、CM など映画を宣伝する方法は様々ある中で、見る人がポスターを理由に観に行ったという人はどれくらいいるのか気になりました。

A1. ポスターは作品の第一印象を形成し、観客の関心を喚起する重要な役割を担っています。そのため、直接的な鑑賞動機というよりも、観客の興味関心を喚起し、鑑賞行動へとつなげる初期段階の入口として機能していると考えられます。


Q2. 東映は男向けの作品が多い傾向があるとの事だが他の2社にも得意としている分野があるのか気になった。

A2. 比較的には、東宝株式会社は家族で見る映画、松竹株式会社は女性向けの作品を得意としています。


Q3.東映のマーチャンダイジング事業の商品の食品とは、例えばなんですか?

A3.お菓子(ウエハースやチョコレート菓子)やレトルト商品などとキャラクターがコラボした商品が展開されています。


Q4.ポスターでゴジラを大きく見せるのは、昔から現在まで続いているのか。

A4.ポスターでゴジラが大きく描かれるスタイルは、昔から現在まで続いています。とはいえ、必ずしも全作品のポスターでゴジラが大きく描かれているわけではなく、それぞれの作品が持つテーマや演出に合わせて、柔軟に変化しています。


Q5.多くある作品のなかから今回のを選んだ理由はなんですか?

A5.ロングシリーズ作品を対象としたのは、長期にわたって制作される中で、各映画会社の制作方針や表現傾向の影響が蓄積されやすく、企業ごとの特徴が明確に表れると考えたからです。また、昭和後期の作品を対象としたのは、前回の発

表内容にて、テレビの普及による観客数の減少を背景に映画産業が大きな転換期を迎え、各社が特色を打ち出す少人数の制作チームによるユニット化が進行した時期であることが分かったため、昭和後期の作品を対象にしました。


Q6.マーチャンダイジング事業の具体的な利点は何ですか。

A6.同質の商品が扱われる業界において、商品力以外に店舗の設計や商品訴求の方法を工夫することで競合他社との差別化を図ることができます。

また、東映株式会社のマーチャンダイジング事業は、キャラクターを多角的に展開することで、収益拡大だけでなく、作品ブランドの長期的な価値向上やファンとの継続的な接点形成を可能にしています。


Q7.1-1-2 のC のIP とは何ですか?

A7.IP とはIntellectual Property の略称です。特許権や著作権などの知的財産を指します。


Q8.国内映画会社の4位以下は何ですか。

A8.4位に株式会社KADOKAWA、5位に東映アニメーション株式会社が挙げられます。


Q9.「日本沈没」の原作は、なんですか。

A9.原作は、小林左京「日本沈没」(1973)です。出版社は、光文社です。


Q10.50 年前の仮面ライダーとは何ですか。

A10.1971年に誕生した初代仮面ライダーである仮面ライダー1号のことです。

担当者; まか、さり

 

1章 マーケティングの目標

 1-1 マーケティング目標はシェアから始まる 

1-1-1 なぜ多くの企業はマーケットシェアを追求するの か

 a マーケットシェア:自社(あるいは自ブランド)の売上 を市場全体の売上で割った比率 b 1970 年代から欧米の企業を対象に始まった PIMS(Profit Impact of Market Strategy)と呼ばれる研 究プロジェクトが、マーケットシェアが高いほど投資利 益率(Return on Investment:ROI)が高いという関係を明 らかにした(ROI:利益を投資で割った比率) 

c ROIが高そうな投資案件を選択し利益額の増加を期待 

d市場での相対的品質もROIに影響していて、シェアと 市場での相対的品質が高いときROIは群を抜いて高くな る 

1-1-2 シェアを追求すると必ず利益が増加するのか 

a 収穫逓減:投資をすれば売上が増えるものの、その伸 びは鈍化していく場合のことで売上から投資の額を引い た利益の額はピークを越えると減少し始め、赤字になる 

b 収穫逓増:収穫逓減の逆で、投資を増やすと売上の伸 びが増加しROIも高くなる 

c 規模の経済性:収穫逓減の逆で、投資を増やすと売上 の伸びが増加しROIも高くなる ←経験曲線(experience curve)と似ている

 d 経験曲線:個人や組織が生産あるいはマーケティング の経験を積み重ねると「熟練」が生じ、製品1単位あた りのコストが低下すること

 1-1-3 マーケットシェアの計算はそれほど簡単ではない 

a 戦略的事業単位(Strategic Business Unit : SBU): 企業がROIを計算する事業のまとまり 

Ex) ダイムラー・ベンツは高級車、トラック、バスとい った事業部門に分かれる 

b SBUの設定は競争相手をどの範囲に設定するかに対応 し、相手との比較でマーケットシェアを計算するが、競 争は様々なレベルで起きているのでどのレベルの競争を 重視するかは難しい 

 

1-2 ブランドへの関心が目標を変える 

1-2-1 M&Aを背景に登場したブランド資産論 

a 企業買収(M&A)に投じた資金が、ブランド取得のために 投じたとしか考えられないケースが目立ち始め、ブラン ド資産という考えが生まれた

 b デービッド・アーカーが、課題であったブランド資産 の貨幣価値を推計すること、ブランド資産の中身を理解 することに挑んだ 

1-2-2 マーケターはブランド資産論をどう受けとめたか

 a ブランド知名:多くのマーケターが新製品導入キャン ペーンのKPI(Key Performance Indicator)にする指標 (KPI:重要業績評価指標) 

b ブランド連想:ポジティブな連想が起きやすいブラン ドほど、顧客にとって存在感があり、親しみのあるブラ ンドと言える 

c 知覚品質:顧客が感じる主観的品質 

d ブランド・ロイヤルティ:顧客の購買に踏み込んだ指 標 

e その他も含めてこれらはマーケティングに熱心な企業 が調査している項目であり、これらのデータを見直すこ とで、ブランド資産について一定の評価ができる 

f マーケターは、ブランド資産という概念が登場したこ とを契機にブランドについて深く研究しようとする 

1-2-3 考えてみよう―そもそもブランドは何なのか 

a ブランドの語源は、牧場で飼育されている牛や馬に、 持ち主を示す烙印を押すこと

 b ブランド:その製品やサービスが他と違う何かである ことを示す「しるし」、アイデンティファイヤー (identifier)という呼び方もある 

c アイデンティファイヤー:他の誰でもないあなた自身、 あなたらしさ、あなたの存在証明、アイデンティティを 示す →ブランドネーム、ロゴなどがブランドのアイデンティ ファイヤーになり、これらはブランド要素と呼ばれる

d ブランドのアイデンティティはブランド要素だけでな く、理念、哲学、など言葉で表現される「中身」を含む 

1-2-4 強いブランドを分析すると、そこには夢があった 

a 世界レベルで卓越したパワー・ブランドを研究し、そ れらに共通する特徴から「パワー・ブランドの三大法則」 を提唱

 b パワー・ブランドの三大法則:(1)パワー・ブランドに は夢がある(2)パワー・ブランドには一貫性がある (3)パ ワー・ブランドは革新的である

 c ブランドの夢 Ex) ナイキ「スポーツの頂点に立つこと」 

d 夢の実現のためにブランドは一貫性を持つとともに、 製品・サービスをつねに革新していく必要がある 

1-3 つまるところ、利益の源泉は顧客にある

 1-3-1 マーケットシェアに代わる顧客シェアという視点

 a 1990年代に、ワントゥーワン・マーケティング、カス タマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)といっ た新たなマーケティングの考え方が登場

 →いずれも顧客一人ひとりとの関係づくりを目指してい て、特定の顧客からの利益を増やすことが望ましいとい う認識がある 

b 顧客シェアというマーケティング目標が提案された 顧客シェア:特定の顧客がある市場から一定の期間購入 する総額のうち、自社(ブランド)から購入する比率, SOW(Share of Wallet)と呼ばれ、「財布シェア」と訳さ れることもある

→一人ひとりの顧客に焦点を当てていることと、長期的 な視点に立っていることでマーケットシェアと違う 

→ブランド・ロイヤルティを測る1つの指標 

1-3-2 目標はマーケットシェアで十分だという批判 

a 二重苦(double jeopardy):購入者の多い(少ない)ブラ ンドほど、購入者の購入頻度は大きく(小さく)なる傾向 

b ブランドの売上は[購入者数]×[購入者の購入頻度] ×[購入一回当り金額(数量)] →二重苦の状態であれば、一回当りの購入金額や数量が 群を抜いて大きくない限りマーケットシェアは低くなる 

c 日本の市場ではマーケットシェアが高いほど顧客シェ アも高くなる傾向があるが、マーケットシェアが低くて も顧客シェアの高いブランドもある 

→二重苦が存在するかどうかは実際のデータを分析して 個別に判断すべき 

1-3-3 顧客シェアを精緻化した顧客生涯価値という指標 

a 顧客生涯価値(Customer Lifetime Value : CLV):顧 客から得られる将来の利益の流れを、現在価値に変換し たもの

 b 特定の顧客からの利益は、顧客を新規に獲得するのに コストがかかるので最初は赤字になるが、顧客として維 持できればコストがかからなくなり黒字化しさらに増加 するという考えで、顧客生涯価値が注目されるようにな った 

c 各期の利益を現在価値[現在手にしているお金÷(1+ 割引率)]に変換し、一定期間について足し上げたものが 顧客生涯価値になる 

d 顧客生涯価値の計算は、カタログやウェブサイトを通 じて個々の顧客と直接取引するダイレクト・マーケティ

 1-3-4 顧客生涯価値を足し上げると、その企業の顧客資 産になる

 a 顧客生涯価値は顧客ごとに計算され顧客のマーケティ ングに用いられるが、最近は全顧客について合計し顧客 資産(customer equity)と呼ぶことがある 

b 買収しようとする企業の顧客資産の推計方法:平均的 顧客のCLVを求め、顧客数を掛けて顧客資産を推計 →平均的な顧客を考え各期の利益は一定期間変わらない と見なし、顧客が去ってしまって利益が得られなくなる 確率も一定とする 

→これらの値は、対象企業が公開している財務諸表や業 界の情報から推計 

c 顧客資産は企業買収の意思決定に役立てられていて、 ある企業の顧客資産が株式時価総額(市場価値)を上回る なら、その企業を買収する価値がある

 1-3-5 顧客資産の根底には、ブランド資産がある 

a ブランド資産はブランド・ロイヤルティの形成を通じ て、顧客と企業の関係を強化

 →顧客が進み購入するようになると、マーケティング・ コストの節約につながる 

→CLV が向上し顧客資産が膨らむ

 1-4 マーケティング目標は進化する

 1-4-1 トップダウン型からボトムアップ型への発想転換 

a トップダウン型の発想:マーケットシェアを目標とす る場合、競争範囲になる市場を設定し、主要なターゲッ トとする顧客を選び、目標シェアの値を定めるという手 続きを踏んでいくこと

 b ボトムアップ型の発想:創業者の来歴や着想など自分 に与えられた場所から出発すること →マーケットシェアを拡大するために強力なブランドを 作ることを目指すには、ブランドのアイデンティティや 夢が重要である →強力なアイデンティティや夢はトップダウン型の発想 からは生まれにくい

 1-4-2 結局、トップダウンとボトムアップの融合が重要 

a 近代的なマーケティングが登場する以前の発想はボト ムアップ型であったが、その限界を超えるものとして、 トップダウン型の発想が発展してきたという流れを踏ま える必要がある b トップダウン型かボトムアップ型のいずれかに重点を 置くかは、企業のタイプが関係する 

←大きな変化のない市場の大企業はトップダウン型発想 

←スタートアップ企業や新規事業が挑む先行きが不透明 な市場はボトムアップ型発想 →これは製品ライフサイクルにも関連(5章にも記載) 

→企業の成長や製品ライフサイクルに合わせて、2 つの発想のどちらかが強くなるかが繰り返される 

 

2章 セグメンテーションとターゲティング →マーケティングミックス:個別のマーケティング戦略 を決定すること(4章以降で扱う)

 2-1セグメンテーションがすべての基本

 2-1-1 セグメンテーションとは何をすることか 

a セグメンテーションとターゲティング:異質な潜在顧 客をいくつかの区分(セグメント)に分けてそこから戦 略的に重視すべきターゲットを選ぶこと 

b 目的:知的好奇心ではなく効率的にマーケティング目 標を達成するため 

2-1-2 セグメンテーションを行うために満たすべき条件

 (1) セグメントごとに効果が異なる 

(2) セグメントごとに個別化できる 

(3) コスト増を上回る成果が得られる 

→条件(1)が満たされないときそもそもセグメンテーシ ョンを行う必要はない 

d 効果が現れて初めてセグメンテーションを行う意味が 出てくる 

e セグメントごとにマーケティングミックスを最適化す ると効果は上がる 

→コストもかかるのでどこまで細かくセグメンテーショ ンするかが最適かを検討する 

2-1-3 セグメンテーション変数の大分類 

a 潜在顧客を区分するのに用いる変数をセグメンテーシ ョン変数 

→セグメンテーション変数はデモクラフィクス、ソシオ グラフィクス、サイコグラフィクスに分類される 

2-1-4 基本中の基本としての「性別・年齢」

 a デモクラフィクスの変数の基本は性別と年齢 

b どのスキンケア製品を買うかは性別によって分けられ ていて同じ性別でもスキンケアに何を求めるのかどれだ け支出するかは年齢によって決まる 性別や年齢が近い集団は同じ文化や歴史を共有している 可能性が高く、製品への選考や商品スタイルが似る

 →性別、年齢をおさえれば適切なセグメンテーションが できることが多い 

2-1-5 マーケターたちに愛される「世代論」

 a 年齢効果:ほかの世代とは異なる特徴を持つ原因が年 齢にある

 b 世代効果:世代効果が正しいならその世代は歳をとっ ても似た特徴を示す

 →どちらが正しいのか検証するために開発されたのがコ ーホート分析、コーホート分析では関心のある変数を年 齢効果、時代効果、世代効果に分析する 

2-1-6 人生は階段から複線のコースに変わる

 a 以前は性別と年齢によってライフステージが決まると 考えられていたが、現在では就職や結婚の時期やパター ンが多様化しライフコースという見方が実態に合ってい る

 b かつては夫婦と子供の標準世帯が多かったが現在は単 独世帯や子供のいない夫婦が多く、また年齢別の未婚率 も増加している 

c 本人の生き方によってさまざまなセグメントに分かれ る →多様化しているタイミングを把握することが重要 

2-1-7 国・民族という単位から郵便番号の単位まで 

a 地域によって好みや行動は異なるため居住地域はマー ケティングで重要な分類基準になる 

2-1-8「格差社会」は消費行動に影響するのか 

a ソシオグラフィクス:社会における地位でセグメンテ ーション変数になるもの Ex) 学歴や職業や役職

 2-1-9 職業はセグメンテーションに使えないのか

 a 特定の職業従事者を対象としたマーケティングを除く と、職業がセグメンテーションに使われることはほぼな い クリエイティブクラス:スーパークリエイティブコア(科 学者、技術者、芸術家)とクリエイティブプロフェッシ ョナル(医療、法律)の分類 →仕事に関して自分がどれだけ裁量を持っているかで決 まる

 2-1-10 こころの問題―価値観とライフスタイル

a デモクラフィクスやソシオグラフィクスは顧客の外面 的な特徴だが内面的な特徴も商品行動に影響を与えてい る可能性もある

 

 2-2 購入という視点で顧客を見る 

2-2-1 一般論から個別論へ踏み込む必要性 

a マーケティングミックスをセグメントごとに個別化す るという目的からすると市場や製品カテゴリーごとに定 義されるセグメンテーション変数のほうがより役に立つ 情報を与えてくれる

 b セグメンテーション変数の種類 

(1) 製品カテゴリーレベルの変数:重視するベネフィッ ト、購入量、金額 

(2) ブランドレベルの変数:ブランドごとの購入経験、 ロイヤリティ 

(3) チャネルに関連する変数:顧客の購入経路 これらの変数がセグメンテーションの基本にあり、デモ クラフィクスやサイコグラフィクスは顧客データの収集 と蓄積により傾向が強まっている

 2-2-2 ベネフィット・セグメンテーション

 a ベネフィット・セグメンテーション:対象としている 製品カテゴリーにおいて顧客が購入するとき何を重視しているかでセグメンテーションをすること 

b ベネフィットとは具体的な価値を表す Ex)ビールの利用者であれば食事とともに楽しむとか汗 をかいたあとにすっきりとしたいだとかビールに求める ベネフィットは様々

 c どのベネフィットをどれだけ求めるかの個人差に基づ いてセグメンテーションを行う 顧客セグメントにより重視するベネフィットが明確に分 かれていれば提供する製品やサービスをそれに合わせて 変えるのは容易 

→ベネフィット・セグメンテーションはマーケティング ミックスの個別化に適した方法と言える 

2-2-3 ヘビーユーザーとライトユーザー 

a 他の顧客より購入数が多い顧客をヘビーユーザー、少 ない顧客をライトユーザーという 

b パレートの法則(80:20の法則):上位20%の顧客が全 売り上げの80%を占めているような状態 

c この値は市場により変化するが多くの市場でヘビーユ ーザーが全体の売り上げのかなりの部分を占めておりヘ ビーユーザーをターゲットにするほうが売り上げや利益 の点で圧倒的に有利である

 2-2-4 見込み客からリピーターへ

 a 新製品についての一般的な客の分類 

(1) 見込み客:そのブランド、製品の未購入者のうち今 後購入する可能性がありそうな顧客 

(2) トライアル顧客:一度だけ購入経験がある 

(3) リピート顧客:反復購入している顧客 

b 新製品を導入するとき最初は見込客しか存在しないの でそこがターゲットになる 

c 見込客をどのようにトライアル顧客に移行させるかを 考えそれに成功したら次は長期的な利益を目指してリピ ート顧客に変えることが目標になる 

d 顧客シェアを基準にした方がよい∴同ブランド購入は 起きにくい

 Ex) 食品や日用品 

2-2-5 ブランド・ロイヤルティと顧客基盤 

a 特定のブランドに対する顧客シェアが大きいことをブ ランド・ロイヤルティが高いという ロイヤル顧客:顧客シェアが一定水準以上の顧客 

b 顧客基盤:またそのブランドを再購入する可能性のあ る顧客の集合、顧客基盤にはロイヤリティが高い顧客か ら低い顧客までさまざまな顧客が存在している

 c デジル:顧客を序列化していくために上位から10%ず つのセグメントにわける方法

 2-2-6 そのロイヤルティは本当なのか 

a スウィッチングコスト:利用する会社との契約を解約 すると余分な支払いが発生したりなどの手間 

b ロイヤルティプログラミング:それに対して変えられ ないようなポイントやマイレージ、それを上回る利益が あればすぐに消えてしまう見かけのロイヤルティと呼ば れているもの 

2-2-7 非ロイヤル顧客はターゲットにならないか 

a 非ロイヤルティ顧客:特定のブランドにロイヤルティ をもたない顧客 

b もっとも値段が安い製品を買うバーゲンハンターかさ まざまな製品を試してみたいバラエティーシーカーの2 パターンであるので顧客として維持していくのは困難 

2-2-8 どこで買うかでセグメントが決まる 

a 経済力や手間でチャネルが異なる 

∵化粧品は百貨店やドラッグストアなど様々なチャネル で販売されている 

→チャネルはセグメンテーション変数の1つになり得る

 

 2-3 ターゲティングの発想が変わる

 2-3-1 ターゲティングの標準的な手続き

 a ターゲティング:マーケティング目標に照らして重視 すべきセグメントを決め資源をそこに重点分配すること

 2-3-2 ターゲット・セグメントの候補を効率的に選び出 す

 a セグメントはマーケティングミックスの効果が異なり 個別化された対応が一定程度可能でコストパフォーマン スが高いことが条件になる

 →セグメントのどれを優先的にターゲットにするかがタ ーゲティングで決定される 

2-3-3 ボトムアップ型ターゲティングという代替案 

a ボトムアップ型のターゲティング:起点となる少数の 初期顧客は偶然出会った相手であることが多いその後一 定規模の中核的顧客が形成されていきさらにサービスは 多様化し顧客基盤が広がっていく 

2-3-4 顧客調査の方法が進化している 

a 市場全体を調査するトップダウン型は限界がある電話 ネット調査には偏りがあり正確な調査が難しい 

→実際の顧客データを使うボトムアップ型が重視されて いる

 2-3-5 少数の調査にはリスクがある 

a 標本数が少ないと結果に偏りや誤差が生じやすく得ら れた結論が母集団を正しく反映しているとは限らない 

→無作為抽出でない場合やサンプルが偏っている場合判 断を誤る可能性が高まる、標本の大きさや抽出方法の妥 当性を慎重に検討する必要がある 

2-3-6 ビッグデータとボトムアップ型発想の親密な関係

 a ビックデータで顧客の購買行動を分析できるようにな った 

b ボトムアップ型は実際のデータから顧客ニーズを見つ ける方法

→この2つから一緒に買われている商品を分析し販売戦 略に活用する

 

担当:わや

 

Q1. NHKラジオ第1放送と第2放送が統合された理由は何ですか?

A1.再編の目的はコスト削減で、配信による新しい聴き方(ポッドキャスト配信)の変化も背景にあります。

 

Q2. AMとFMの違いがあまり分からなかったので説明してほしいです。

A2.AMとFMはラジオの放送方式に違いがあります。AMは電波の振れ幅の変化に情報コンテンツ(ニュースや音楽などの音声)を乗せる方式で、FMは電波の周波数の変化に情報を乗せる方式です。

 

Q3. 2-3-2の障害物には何が含まれるのかが気になった

A3.山や高層ビルが該当します。

 

Q4. AM放送が建物内で聞こえにくいのに、障害物があると聞こえやすいのはなぜですか?

AMは波長が約200~600メートルと非常に長いため、山や建物などの大きな障害物には回りこみやすいですが、建物の内部では遮られやすいため聞こえにくいです。

 

Q5.AM放送とFM放送でアンテナ設置場所が違うとありましたが、なぜ違うのですか?

AM波は波長が長いため、地表に沿って進む地表波で伝搬します。その際、地面の伝導率が高い場所ほど電波が減衰しにくいため川辺に設置されています。一方FM波は波長が短く、直進性が強くため、高い場所にアンテナを設置する必要があります。

 

Q6. 短波が国際放送に適しているのはなぜか

A6.短波は電離層(太陽の紫外線によって空気の分子が電離してできた電気を帯びた層)で反射して地球の裏側まで届くため、国際放送に最も向いている電波です。

 

Q7. AM放送は海外にも電波が到達するとあるが、実際に海外でも聞くことはできるのか?

A7.AM 放送が海外まで届くことはありますが、海外でAM放送を受信するのは様々な条件があります。夜間であること、雑音が少ない場所で受信すること、また強力な送信局である必要があります。

 

Q8.日本で初めてコマーシャルを入れた民間放送が認められたとあったが、それは何のコマーシャルですか?

A8.1951年9月1日「中部日本放送」で午前7時に流れ

た時報です。放送当日午前7時、正午、午後7時、午後10時の計4回の時報は精工舎の提供で流されました。時報の内容は、「精工舎の時計がただいま7時をお知らせしました」というものです。

 

Q9.北海道でコミュニティ局数が多いのはなぜか?

A9.コミュニティラジオは地域に密着した情報発信が求められるため、放送区域を道内で細分化されています。そのため面積が広い北海道は、必然的にコミュニティ放送局の数が多くなっています。

 

Q10.3-6-3でネットワークから脱退した局がいくつかあったがその理由は何か?

正式な理由は定かではないですが、独立局は特色ある番組編成を行うことが可能なため、ネットワークを脱退するメリットがあったと考えられます。

 

Q11.たくさんのラジオ放送局がありますが、1番メジャーなものはなんですか?

A10.株式会社radikoが2025年radikoで1番聴かれた番組を年代別(10代~60代)で調査したところ、どの年代にもニッポン放送の番組が上位3位以内にランクインしていました。更に60代を除くとTBSラジオの番組も上位3以内にランクインしていました。

 

Q12.inter FM、FM COCORO、LOVE FMの3局は何語で放送しているか?

A12. inter FMは朝鮮語、中国語、タガログ語、タイ語、インドネシア語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語で放送されています。FM COCOROは韓国語、中国語、英語、スペイン語、ポルトガル語の5言語で放送されています。LOVE FMは英語、中国語、韓国語、ポルトガル語で放送されています。

 

Q13.全世界でAMを辞めてFMだけにした国はありますか?

A13.オーストリア、アイルランド、スイス、ドイツ、ベラルーシ、アルバニア、ベルギーと欧州を中心にAMが停止しています。理由としてAM送信がFM送信よりも電力消費が大きく、運用コストが非常に高いことや、AMの聴取者の減少が考えられます。

担当 わや

                                             

 

1.ラジオ放送局

 

1-1 全国放送局

a 放送法施行規則に定める「全国放送」を行う放送局

b ラジオ局では、NHK AM(中波放送)NHK FM(短波放送)とラジオNIKKEI(短波放送)が日本全国を放送地域対象として免許

c 民放で全国放送の免許を持つのはラジオNIKKEIのみ

←短波放送のため全国に届く

1-1-1 日本放送協会(NHK)

a 1950年に6月1日に施行された放送法に基づく特殊法人として同日に設置された放送局

←営利を目的としない特殊法人のため、運営は国民の支払う受信料で賄われている

b NHK設立当初はラジオ放送しかなかったため、ラジオに対する受信料があった

c 1962年にテレビ放送が開始すると、受信料は「ラジオ・テレビ両用」と「ラジオのみ」の2種類に分類

d 1968年4月にはラジオの受信料は廃止

e 2025年10月時点で国内に54の放送局

1-1-2 NHKラジオ放送の再編

a 2026年3月30日から3波から2波へ

←これまではNHKラジオ第1放送、NHKラジオ第2放送、NHK FMの3波から、NHK AM、NHK FMの2波に再編

b NHK AMでは安全・安心を担う音声基幹波として、ニュースや生活情報など多様なジャンルの番組を提供

c NHK FMでは高音質な音楽・芸能や学びの機会を届ける音声波として、音楽・語学番組・高校講座などを提供

←NHKが高校を運営している理由は、通信教育番組を活用した高校教育を実現するために、1962年にNHK自ら学校法人をつくったため

 

1-2 民間放送局

a 民間の資金で設立された放送事業体で、局ごとに放送エリアが異なる

←各地方放送局をつないだ全国ネット

b 地上放送は194社、 内訳はラジオ社67社(中波16社、短波1社、FM50社)、テレビ社96社、ラジオ・テレビ兼営社31社

c 日本初の民間放送は1951年9月1日に愛知県の中部日本放送(ラジオ放送)

←コマーシャルを入れた民間放送が認められた

 

1-3 外国語放送局

a 放送法施行規則に定める「外国語による放送を通じて国際交流に資する放送」を行う放送局

←放送対象が日本国内に滞在する外国人

b 1995年に発生した阪神・淡路大震災で外国人向けの情報が不足した教訓から制度化、

c 現在、interFM、FM COCOLO、LOVE FMの3局が放送

←かつては、愛知国際放送(2000年~2010年)とRadio NEO (2014~2020)が存在したが、経営不振で閉局

 

1-4 臨時災害放送局

a 放送法第8条が定めた「臨時かつ一時の目的のための放送」の中でも「災害が発生した場合に、その被害を軽減するために役立つこと」を目的としたFMによる出力100W以下の放送局

b 1995年に発生した阪神淡路大震災で被災した人に対して情報提供する目的で設立

c 第1号は兵庫県のFM796フェニックス

d 2000年の3月の北海道有珠山噴火で1局、2011年3月の東日本大震災で32局、2019年10月の令和元年東日本台風で3局が設置

 

1-5 イベント放送局

a 国や地方公共団体が主催、協賛する博覧会や国体などの催し物で、臨時に6ケ月以内に設置され、イベント情報や周辺の交通情報を放送するFM放送局

b 1988年10月1日に制度化

c それ以前に同様の目的で設置された臨時の放送局はつくば市で開かれた科学万博の「ラジオきらっと」

←「ラジオきらっと」が活動していた1985年は、カーラジオの多くが中波だけだったため、文化放送が運営

d 2005年に愛知県で開催された「愛・地球博」のFM LOVEARTH(CBCとZIP-FMが共同運営)

 

2.ラジオ放送の電波

 

2-1 AM(Amplitude Modulation)

2-1-1 振幅変調

a 通信における変調方式の一つで、主に可聴帯域の音声を振幅の変化によって伝達する方式

←531~1602kHzの周波数を使用

b 主に中波放送と短波放送で用いられる

2-1-2 中波

a 日本国内では電波法第2条16において526.6kHZ~1606.5kHzでの周波数を使用して音声その他の音響を送る放送

b 受信機の構造が簡単で電波も地形の影響を受けにくいため、世界的に中波放送が行われている

2-1-3 短波

a 日本国内では電波法第2条の24の2において3MHz~30MHzまでの周波数を使用して音声その他の音響を送る放送

b 国際放送に適している

Ex)ラジオは英語、中国語、ベトナム語など17の言語で発信する「NHKワールドJAPAN」

 

2-2 FM(Frequently Modulation)

2-2-1  周波数変調

a 通信における変調方式の一つで、主に可聴帯域の音声を周波数の変化によって伝達する方式

b 主にFM放送(超短波放送)で用いられる

2-2-2 超短波

a日本国内では、電波法第2条の17において30MHzを超える周波数を使用して音声その他の音響を送る放送

b 直進性が強く地形や高層ビルの影響を受けやすいが、反射波や回折波の受信が可能

←FMラジオ放送局だけでなく、AMラジオ放送局のFM転換が実施

 

2-3 AM放送とFM放送の違い

2-3-1 送信アンテナ設置場所

a AM放送は広大で伝導率の高い敷地(川辺)

b FM放送は山頂や鉄塔

2-3-2 聴こえ方

a AM放送は建物内では聞こえにくいが、山などの障害物があっても聞こえやすい

b FM放送は建物内では聞こえやすいが、障害物があると聞こえにくい

2-3-3 到達範囲

a AM放送は広い(海外にも電波が到達)

b FM放送は中程度(数10km~100km程度)

 

3.ラジオ放送のネットワーク

 

3-1 民間放送のネットワーク

3-1-1 ネットワーク

a ニュースや番組の配信を目的とした放送局同士のつながりのこと

b 各ネットワークのキー局が制作した番組を各加盟局に配信し、加盟各局で取材したニュース音源をキー局がとりまとめ、全国ニュース番組として配信

3-1-2 ネットワーク設立の背景

a 著名なタレントや文化人を起用して制作した良質な番組を地方局でもオンエアできること

b その番組への大手スポンサーの付きやすさ

3-1-3 キー局

a ネットワークの中心となる局

b 現在ラジオ局のネットワークは中波のJRNとNRN、FMのJFNとJFLの4つ

c キー局はJRNがTBSラジオ、NRNが文化放送とニッポン放送、JFNがエフエム東京(TOKYO FM)、JFLはJ-WAVE

←全てのキー局が東京にあるため在京キーとも呼ばれる

3-1-4キー局の役割

a 番組を制作し、ネットワークを通じて全国の加盟局へ配信

b 全国にネットされる番組にスポンサーを付け、その番組が放送された地方局に対してスポンサー料を分配

c 中波ではナイターシーズンにはプロ野球中継を行い、加盟各局に配信

3-1-5準キー局

a ネットワークにおいてキー局に準ずる立場にある放送局

b 一般的には在阪の局、広い意味では在名古屋の局

c だがラジオのネットワークでは、キー局である在京局から地方局への一方通行が基本

←準キー局という表現ではなく、基幹局と表現

 

3-2 JRN (AMのネットワーク)

3-2-1 JRN (Japan Radio Network)とは

a TBSラジオをキーステーションとする中波ラジオのネットワーク

b 正式名称はジャパンラジオネットワーク

3-2-2 JRN設立の背景

a 1960年代に入りテレビの隆盛が続き、ラジオは危機的状況に陥っていた

b この状況を打破するため、ラジオ東京(現在のTBSラジオ)が当時既に発足していたJNN(テレビのニュースネットワーク)をモデルにした、ラジオのネットワークを構築

c 1964年にラジオ東京、毎日放送、RKB毎日放送の3局でネットワークの運用を開始

d 1965年に5月2日に正式にJRNが発足

e 現在の加盟局は34局で、単独加盟局が4局、NRNにも加盟しているクロスネット局が30局

 

3-3 NRN (National Radio Network)

a 文化放送とニッポン放送をキーステーションとする中波ラジオ局のネットワーク

←キー局が2つあるため、文化放送とニッポン放送は交互にネット番組を配信している

Ex)生放送を流している平日夜の22時~24時がニッポン放送、24時から25時が文化放送、25時から29時がニッポン放送

b 正式名称は全国ラジオネットワーク

c JRN誕生の翌日の1965年5月3日に発足

d 現在加盟局は40局、単独加盟局が10局、JRNにも加盟しているクロスネット局が30局

 

3-4 クロスネット局

a 中波ラジオでJRNとNRN両方に加盟している局

b 全47局中30局がクロスネット局

←これはJRNの成り立ちがニュースネットワークであったのに対し、NRNの成り立ちが番組配信をメインにしていたため、その両方を選択した局が多かったため

 

3-5 JFN「Japan FM Network Association」

3-5-1 JFNとは

a TOKYO FMをキーステーションとするFMラジオ局のネットワーク

b 正式名称は「全国FM放送協議会」

3-5-2 設立背景

a 1969年から1970年にかけて開局したエフエム東京、エフエム愛知、エフエム大阪、エフエム福岡の4局間では開局当初から、東京と大阪で制作された録音番組のテープを愛知や福岡に送るというテープネットが行われていた

←当時はステレオ回線がなかったため、専用回線は使用できなかった

b 日本で初めてのステレオ専用回線は1978年にNHKが東京~名古屋~大阪間に引いた

c 1980年に民放FM局による専用ステレオ回線の使用が始まり、生放送をネットで送れるように

d 1981年5月20日にJFNを発足させ、生放送によるネット番組が放送

e 1982年から地方FM局が次々と開局

←開局ラッシュにより、エリアが重なった地域が増え、どちらも同じ時間に同じJFNの番組をオンエアするという事態が発生

3-5-3 株式会社JFNCの設立

a 自社制作番組を作れば問題は解決するが、地方の新規局には番組制作の資金、ノウハウがない

←会社規模が少なく、従業員数も少ない地方新局が自社で番組を制作することは困難で、ネットワークによる番組配給が望まれた

b そこで1984年5月31日、地方FM局向けの番組をJFN専用回線で流す番組制作会社として株式会社ジャパンエフエムネットワーク(JFNC)が設立

←普通の放送局と同じように休む間もなく番組を送り続けるJFNCは送信設備を持たない放送局(日曜深夜2時~5時は基本的に配信なし)

c 従来からのエフエム東京、エフエム大阪からの配信をAライン、新規のJFNCからの配信をBラインと呼ぶ

←JFNC設立以前に開局した局はAラインだけ、以降に開局した局A、B両ラインが使用可能

3-5-4 ラインとは

←放送用の通信回線を使って常時ネット番組が送られているもの

3-5-5 Aライン

←キーステーションであるエフエム東京、あるいはそれに代わるエフエム大阪が制作し、全国に供給されるスポンサー付きの番組

3-5-6 Bライン

a 株式会社ジャパンエフエムネットワークが制作し、スポンサーがつかない、JFN各加盟局が任意に放送できる番組

b 現在BラインはJFNCが制作するB1プログラムとTOKYOFMとJFNCとの共同制作扱いのB2プログラムに分類

 

3-6 JFL (JAPAN FM LEAGUE)

3-6-1 JFLとは

a 民放FM局のネットワークの1つ

b 現在加盟局は北海道のFM NORTH WAVE、東京のJ-WAVE、愛知のZIP-FM、大阪のFM802、福岡のCROSS FM

c 既存のJFNに対抗する形でネットワークを形成

3-6-2 理念

a 「加盟局ごとのステーションカラーの自主性・独自性を大きく尊重」すること

b そのためキー局という概念はないが、全局ネットの一部の番組を制作しているJ-WAVEが幹事局として認知さている

3-6-3 特徴

a 企画ネット番組というスタイルのネット番組が多い

←番組スポンサー、タイトル、基本構造のみを統一し、それ以外は各局の独自規格で制作し、放送する番組

c JFL各加盟局では、一定の要件を満たせば、コミュニティFM局が自局放送を時間単位でそのまま再送信することを認めている

 

3-7 独立局

3-7-1  独立局とは

a ネットワークに加盟していない局

b 中波局のラジオ日本、ぎふチャン、ラジオ関西

c FM局のNACK5、BAYFM、FMヨコハマ、FMFUZI、a-STATION 、FM COCOLO、LOVE FM

3-7-2 中波独立局

a 中波独立局3局は相互に番組提供を行うという密接な関係

b 2013年には災害時支援協定を締結し、緊急時の対応を互いに強化しあっている

c ラジオ関西は1965年の発足投当時はNRNに所属していたが、1978年に脱退し独立局となった

3-7-3 FM独立局

a FM富士が開局時にはJFNに加盟していたが、1993年に脱退し独立局となった

b FMCOCORO、LOVEFMはMEGA-NET消滅により実質独立局

c それ以外の4局は開局当初からずっと独立局のまま

3-7-4 MEGA-NET

a かつて存在した民放FM局のネットワークの一つ

b 外国語FM放送を行っている局によって構成

c 日本での国際交流の発展に寄与し、日本国民と在日外国人相互の親睦と融和を図ることを目的として設立

3-7-5 特徴

a 独立局はネットワークからの番組配信を受けない

b だが他局や番組制作会社からの番組提供は受けている

c 共通しているのは、特色ある番組編成を行っているEx)NACK5のようにFM局として初めてスポーツの実況生開設を行う、ラジオ関西のようにアニメ番組を制作する、あるいは地元に特化したキャンペーンを行う

 

4.FM補完放送

 

4-1 FM補完中継局

4-1-1 FM補完中継局の設置

a AMラジオ放送の難聴対策として2014年1月31日に総務省が「AMラジオ放送を補完するFM中継局に関する制度整備の基本的方針」を公表

←中波を停止してFM波だけで放送する実証実験

b 都市型難聴対策、外国波混信対策、地理的・地形的難聴対策、災害対策を目的としたFM補完中継局の設置を認める

c テレビが地上デジタル放送に移行したために空いた1chから3chまでの周波数(90~95MHz)をそのFM補完局に割り当てる

d 現在の「ワイドFM」の愛称で知られているFM補完放送の始まりで、その放送電波を発射するのがFM補完中継局

4-1-2 FM補完放送の開始

a 2014年12月1日、北日本放送 (富山県)と南海放送(愛媛県)が初のFM補完放送の開始

←外国波混信対策としては北日本放送が1991年9月26日に新川FM中継局を開局

b 2015年12月7日TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送の首都圏AMラジオ3局がFM補完放送の本放送を開始

c 2016年3月19日にはMBSラジオABCラジオ、ラジオ大阪の関西圏AMラジオ3局が本放送を開始

4-1-3 ワイドFM化の影響

a ラジオを製造している電機メーカー各社はワイドFM対応の新機種を次々と発売

b マンションなどの鉄筋住宅に住むことで都市型難聴に悩んでいたリスナーがこれを多く求め、ワイドFM聴取人口は増加

c これによりAMラジオ各局は中波からFMに乗り換えることを検討

 

4-2 ワイドFM化

4-2-1 2028年問題

a 2021年6月15日、全国の民放中波ラジオ局が合同で記者会見を行い、全47局ネットのうち44局が2028年秋を目途にFM局への転換を目指すと発表

b AM放送局の放送区域において、難聴対策や災害対策のためにFMの周波数を用いて、補完的にAM番組を放送

← FM放送でAMラジオの番組が聴ける

4-2-2 AM放送とFM放送の違い

a AM放送で使用されている中波に比べFM放送で使用されている超短波は、ビルなど中波では届きにくかった場所でも届きやすい

b FM放送は家電などから発生するノイズなどの影響が少ない

4-2-2 FM移行の背景

a 難聴対策と同時に、民放中波局の経営難も背景

b 中波送信所は水辺近くの広大な土地に設置されているため、電気代も含め維持費がかさむ

c また設備の老朽化も進みその改修費も高額

←これらの送信所の関わる経費を削減し、経営の健全化を図るためにもFM波への移行が必要

4-2-3 停波実証実験

a 総務省では2024年2月1日から、AMラジオ放送事業者が経営判断として運営負担の大きいAM局を休止し、負担の小さいFM局に転換した場合の影響を検証

←中波を停止してFM波だけで放送する実証実験

b 一定期間内にAMラジオ放送の運休を休止できるよう、特例措置を設けた

4-2-4 第一期特例措置適用期間

a 2023年11月1日~2025年1月31日(2026年9月30日まで延長)

b 第一期特例措置適用期間中に休止を行う民間中波ラジオ放送事業者は13社

←IBC岩手放送、LuckyFM茨城放送、新潟放送、北陸放送、福井放送、東海ラジオ放送、山口放送、南海放送、RKB毎日放送、九州朝日放送、長崎放送、熊本放送、南日本放送

4-2-5 第二期特例措置適用期間

a 2025年9月1日~2026年10月31日

b 第二期特例措置適用期間中に休止を行う民間ラジオ局は青森放送、ラジオ福島、栃木放送、山梨放送、信越放送、CBCラジオ、静岡放送、山陰放送、中国放送、西日本放送、四国放送、大分放送、宮崎放送の14局

4-2-6 課題

a 災害などの緊急時に安定した放送を続けられるか

b 電波の特質上、中波は大きな送電所が一つあればかなり広い地域がカバーできる

c だがFM波の場合、山かげなどアンテナから見通されない場所には電波が届かない

d 多くの中継局が必要

←その中継局が災害でダウンした場合、そこがカバーしていた地域ではラジオが聞けなくなる事態に

 

5.コミュニティFM

 

5-1 概要

a 総務省の規定によると「市区町村内の一部の地域において、地域に密着した情報を提供するため、1992年1月に制度化された超短波放送局(FM放送局)」

b 出力数は20W以下

c 災害時に役立つことが期待されている

d 1992年の12月24日に開局したFMいるか(北海道函館市)を皮切りに各地で次々とコミュニティ局が生まれる

←1996年から3年間で一気に92局も増え開局ラッシュ

5-1-1 経営形態

a 多くは営利法人(非営利法人は1割強)

b 民間企業と地方公共団体の出資を受けている第3セクター(地方公共団体の議決県割合が1%を超える営利法人)の局とに分けられる

c また当該地域に開局希望がないケースに限ってはケーブルテレビ局が参入できる

5-1-2 局数

a 2026年1月31日時点で全342局

b 北海道29局、神奈川県18局、東京都・沖縄県17局、鹿児島県・埼玉県13局、静岡県12局、宮城・新潟・愛知県11局、長野、兵庫県10局、京都府・長崎県9局、大阪府8局、福島・群馬・広島・山口・福岡7局、秋田・茨城・栃木・千葉・和歌山・6局、山形・富山・石川・滋賀・奈良県5局、青森・山梨・岐阜・三重・岡山・熊本・大分県4局、福井、愛媛・宮崎3局、鳥取・香川・高知・佐賀県2局、島根・徳島県1局

5-1-3 特徴

a 少人数で運営され、営業・編成・制作などいくつもの役を兼務していることも多い

←スタッフの外注、ボランティアに頼っているケースも

b 経営難や代表死去による引継ぎ困難などの理由で閉局したコミュニティFMは30局以上

Ex)2023年には全国で2番目に開局したFMもりぐちが自治体からの放送業務委託料の打ち切りを理由に閉局

b 一方で地元球団のスポーツ中継や地元の祭りといった地域色を生かしたオリジナルコンテンツを届けている局は経営も順調

←多くの固定リスナーを獲得

c 多くの局がサイマル放送を実施

5-1-4 サイマル放送

a 同一エリアに向け同時刻に異なるチャンネル、方式で放送すること

b FM補完放送や、大規模災害発生時などにNHKがテレビやラジオの垣根を越えて全波で同じ音声を流すケースが該当

c ラジオの場合はインターネットでの同時配信、再送信を指し、主に難聴取対策の意味合いが強い

担当者:ふな

 

Q1 タリーズとスターバックスどちらが好きですか?

A1店舗が身近にあり、よく利用するのでスターバックスの方が好きです。

Q3 タリーズは病院に展開していますが、スターバックスは病院に展開している店舗はありますか?

A3 2022年時点で35店舗あり、関東圏には筑波大学付属病院店などがあります。

Q4 4-2-4で学生層は電源席需要が高いとありますが電源席の意味を知りたいです。

A4 タブレット、PCなどを充電できるようにコンセントが備え付けられている席のことです。

Q7 1-2-2cのネスレ・ミルクフードはどのようなものなのか気になった。

A7 日本では有名ではないのですが、乳製品を加工して作った栄養食品のことです。兵士の非常食としてのミルク缶や赤ちゃん向けのミルク製品を含みます。

Q8 1-1-1-aのインテージSRI+についてと4-1-3-aのフェローの語源について知りたい。

A8 インテージSRI+とは、株式会社インテージが提供する全国小売店のPOSデータを基にした市場調査サービスであり、商品の売上や市場シェアを分析するために用いられます。

フェローは英語のfellow「仲間」が語源です。

Q9 タリーズはどのような経緯で伊藤園のグループ企業になったのか気になりました。

A9 2006年、タリーズコーヒーを展開するフードエックス・グローブは、赤字経営や資本不足の課題を抱えていました。当時、伊藤園がコーヒー事業の強化を目指していました。株式の36.4%を取得して、筆頭株主となり、そこでフードエックス・グローブは伊藤園グループの一員となりました。

Q10 タリーズについては併設場所についてかなり詳しく説明されていましたが、スタバはその面で特徴はありますか?

A10 駅近くやドライブスルーを併設できる商業施設との隣接がよく見られます。

Q11 スターバックスやタリーズコーヒーの他にも様々なカフェがあるがなぜその二つに着目したのが疑問に思った

A11 両社はコーヒーを中心商品として展開する代表的なカフェチェーン企業であり、日本のカフェ市場において高い知名度と影響力を持つと考えたためです。「みんなのランキング」(2026年最終更新)というウェブサイトではユーザー投票の結果タリーズコーヒーが1位を獲得しています。また2025年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第1回調査結果においてカフェ部門の顧客満足と推奨傾向の二つの枠でスターバックスが2位を獲得しています。

Q14 各企業の場所や雰囲気が解説されていましたが、具体的にどのような要素(例えば内装の素材、照明、音楽、座席の配置など)が、その独自の雰囲気を形成する決定打になっているとお考えでしょうか?照明や座席には言及がありましたが、他の要素も気になりました。

A14 私自身は、一人で利用する場合や複数人で利用する場合など、目的に合った座席の広さや配置が、最も居心地の良さを左右し、消費者が店舗を選ぶ大きな要素になると考えます。

Q15 タリーズの店舗では、モバイルオーダーは実施されていないのですか。

タリーズにも公式アプリからモバイルオーダーができる制度がありますが、例えばAppleのApp Storeのダウンロード数は5月17日時点でタリーズは3.4万、スタバは67万というように消費者への浸透の面でまだスタバに及んでいないという現状にあります。

担当者:ふな

 

1.   日本で一番売れているコーヒー飲料

 

1-1  ネスカフェ ペットボトルコーヒー

 

1-1-1 ネスレ日本株式会社が販売する12年連続売り上げNo.1のPETのボトルコーヒー

a インテージSRI+ 501ml以上ペットボトルコーヒーカテゴリー2013年10月から2025年9月の金額シェア

1-1-2 持続可能なパッケージへの挑戦

aリサイクルPET素材を100%採用

← 資源回収年間約三億本を突破

b 日本国内で回収されたペットボトルをメカニカルリサイクルし、再生したリサイクルPET素材を使用した容器を使用

→新たな石油由来の原料を抑制し、資源循環を可能にしている

c メカニカルリサイクル:使用済みのペットボトルなどを回収し、選別・洗浄・粉砕といった工程を経た後、高温・減圧下などで一定時間処理することで、残存している不純物を除去し、PET素材に再生するリサイクル手法のこと

d ラベルレス製品

→2022年3月からラベルレス製品を販売開始

→ラベルをなくすことではがす手間を減らし、ごみ削減にもつながる

 

1-2  ネスレ日本株式会社(以下「ネスレ日本」)

 

1-2-1 企業基本情報

a 創業1913(大正2)年4月

→横浜に日本支店を開設

→ネスレの創業としてはスイスにて1866年に設立

b 本社は兵庫県神戸市

c ネスレの存在意義

→「ネスレは、食と飲料の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めていきます。」

→2050年までに100億人の人々の需要を責任ある持続可能な方法で満たすという課題を考え、それにはイノベーションと変革が必要と述べている

d 事業内容として飲料・食品・菓子・栄養製品・ペットフードなどの製造販売

Ex)飲料はネスカフェゴールドブレンドなどのインスタントコーヒー、食品はマギーコンソメ、菓子はキットカット、ペットフードはピュリナワンなどがある

e 社員数は約2,400人(グループ各社社員を含む)

1-2-2 日本進出の歴史

a アンリ・ネスレが1866年にスイスで創業しネスレ・アングロ・スイス煉乳会社として事業活動

←「母乳の代替食品」をと研究を重ね1867年に安全で栄養価の高い新しい乳児用乳製品を開発し製造販売

Ex)『HENRI NESTLES KINDERMEHL』

b 1913年に世界拠点の一つとして横浜に日本支店を開設

→日本におけるネスレ製品の営業が本格化

c 1922年日本支店を神戸に移転

→外国商館などの集まる元居留置の中心に社屋を構える

→当時の製品ミルクメイド印の煉乳やネスレ・ミルクフード、ネスレ・ピーターズ・チョコレートなど

d 1950年「ネスカフェ」輸入開始

→1938年にスイスで誕生した戦後の日本に最初に上陸したコーヒー(現在の「ネスカフェ エクセラ」:ソリュブルコーヒー)

→当初は正規の市場にはなく、占領軍などを通じて飲用される貴重品

e 「ネスカフェ」の国内製品

→1961年のコーヒー輸入自由化を受け輸入したコーヒー豆から「ネスカフェ」を生産する必要性の向上

→1965年に姫路工場を建設後、国内生産が開始

f 1986年「ネスプレッソ」(レギュラーコーヒー)発売

→最先端の技術を備えたスタイリッシュなマシンで最高品質の挽きたてエスプレッソの香りと味を一杯ずつ提供する、プレミアムコーヒーシステム

g 「ネスカフェ アンバサダー」開始

→2012年11月に開始した家庭に加えて職場でも「ネスカフェ」のコーヒーマシンを活用できるサービス

1-2-3 現在のサステナビリティの取り組み

a 「アイソカル100」などの栄養補助飲料に付属するストローをプラスチック製から紙製への順次変更 

→環境と高齢者向け商品としての配慮

b 2025 年までに国内全3 工場での購入電力を100%再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えることを目指して、霞ケ浦工場(茨城県)での再生可能エネルギー由来の電力の購入を開始

c  姫路工場(兵庫県)では購入電力の100%を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替え

 

1-3 ネスレ日本の経営戦略分析

 

1-3-0 分析項目

a 以下の6項目から検討

①市場形成:自社製品が優勢になれる市場の形成

②習慣形成:サービスや製品の日常化

③プラットフォーム化:商品やサービス、情報などの提供者とこれらを利用する人とを結びつける基盤を提供するビジネスモデルとして機能

④ターゲット:ターゲットとなる消費者の決定

⑤空間形成:消費者需要を満たす空間づくり

⑥健康対応:病気を予防また身心ともに健康な状態を維持・向上させる取り組み

b これは従来のマーケティング研究における市場創造戦略、消費文化形成、サービス化戦略、チャネル拡張戦略、ライフスタイル適応戦略の理論枠組みに対応するもの

 

1-3-1 市場創造

a 1950年にインスタントコーヒー「ネスカフェ」が日本に導入され、その後1960年に家庭向け販売が本格化したことで、家庭内でコーヒーを飲むという新しい消費習慣が普及

b 1960年代には国内生産体制が整備され、日本市場に安定供給が可能となったことでインスタントコーヒーの普及が加速し、家庭内飲料としての定着

c 1967年に発売された「ネスカフェ ゴールドブレンド」(115g 1554円 参考:Amazon)はフリーズドライ製法を採用し、高品質なインスタントコーヒー市場を形成することで市場の拡張に寄与

d ネスレは既存のコーヒー市場に参入したのではなく、家庭内コーヒー消費という新しい飲用文化を形成

1-3-2 習慣形成

a 2012年に開始された「ネスカフェ アンバサダー」はオフィスにコーヒーマシンを設置することで職場でのコーヒー飲用習慣を定着させる仕組み→家庭中心だったコーヒー消費を職場へと拡張

b 広告による購買促進ではなく、日常生活の中に飲用機会を組み込むことで消費行動そのものを習慣化

1-3-3 プラットフォーム化

a カプセル式コーヒーメーカー「ネスカフェ ドルチェ グスト」(レギュラーコーヒー)は家庭でもカフェ品質のコーヒー体験を可能にしマシンと専用カプセルを組み合わせた継続利用型の消費モデルを形成

b この仕組みによりネスレはコーヒー製品の販売だけでなく、コーヒーを飲む環境そのものを提供

1-3-4 ターゲット形成

a ネスレは家庭向けインスタントコーヒー、職場向けコーヒーマシン、若年層向け新商品など複数のターゲット層に対応した商品展開を行っている

b 近年は植物由来ラテなど健康志向に対応した商品も展開しており、若年層を含む新しい消費者層の開拓を推進

c 単一世代ではなく複数のライフステージに対応した世代横断型マーケティングを展開

 

1-3-5 空間形成

a ネスレは家庭だけでなく職場にもコーヒー消費を拡張する戦略を採用

b 特にオフィス向けサービスは職場という新たな飲用空間を創出し、日常生活の複数の場面にコーヒー消費を定着させる役割を果たす

c 消費者の移動ではなく消費空間の拡張によって市場規模を拡大

1-3-6 健康増進への対応

a 近年ネスレは植物由来原料を使用したコーヒー製品の開発や持続可能なコーヒー調達への取り組みを進めており、健康志向および環境志向への対応を強化

→ネスレのコーヒー事業は単なる飲料提供にとどまらず、健康価値や環境価値を含む付加価値型ブランド戦略へと発展

Ex)

①ネスカフェ ゴールドブレンドカフェインレス(デカフェ)

→カフェインを約97%カットし、就寝前や妊婦、カフェイン制限層などに対応

②ネスカフェ 植物由来ラテ(オーツラテ/アーモンドラテ)

→乳製品を避けたい層や健康志向層、環境志向層に対応

 

2. カフェ文化の浸透とコーヒー市場

 

2-1 カフェ文化が浸透した環境要因

 

2-1-1 個人化社会の進展

→「半公共空間」需要の増加

a 個人化社会:1960年代以降の共同体の衰退、高度消費社会化、新自由主義政策の進展を背景として、人々の生き方やリスクへの対応責任が地域・家族・会社などの共同体から個人へ移行していく社会変化を指す概念

←ドイツの社会学者であるウルリヒ・ベックが論じている(2002年)

b 現代日本の個人化社会の要因として単身世帯の増加、在宅ワークの普及などが考えられる

→家庭や職場とは異なる第三の居場所(サードプレイス)への需要が高まる

c カフェは一人での滞在や長時間滞在が可能で、社会的孤立の回避が期待できる

2-1-2 デジタル化社会による「仕事空間としてのカフェ」

a 現代のカフェは単なる飲食空間ではなく、各社が顧客のニーズに応じた仕事空間として利用可能な設備を提供している

Ex)Wi-Fi、電源、モバイル注文

b 社会人や学生をターゲットに据え、飲食提供だけではなく「滞在価値」を提供

2-1-3 都市化による短時間滞在空間の需要拡大

a 日本は都市化率が令和2年度時点東京都で約98.6%に達している(都市化を示す指標として国勢調査に基づく「人口集中地区」の数値を採用)

→都市生活において住宅面積の制約や生活空間の機能分化が進行

→自宅以外で短時間滞在できる空間への需要

Ex)駅中、駅近カフェ

b 都市生活者にとってカフェは「休息」「作業」「時間調整」「気分転換」を目的とする短時間滞在空間として機能

→心理的安定を得る空間へ

 

3. スターバックスの経営戦略

 

3-1企業基本情報

 

3-1-1 創業

a 1971年3月30日アメリカ・ワシントン州シアトルのパイクプレイスマーケットにてJerry Baldwin、Zev Siegl、Gordon Bowker の3名によって創業

b 当初はコーヒー豆・茶・香辛料などを販売する専門店としてスタートした

3-1-2 本社所在地

a 本社はアメリカ合衆国ワシントン州シアトル(Starbucks Center)に所在

b 日本では1996年に東京・銀座に海外初進出店舗を開設

3-1-3 スターバックスの存在意義(企業理念)

a 日本語訳:「一人のお客様、一杯のコーヒー、そして一つのコミュニティから、人々の心を育み鼓舞する存在となる」

b 英語原文:“To inspire and nurture the human spirit – one person, one cup and one neighborhood at a time.”

c コーヒー提供を通じて人と人とのつながりを生み、地域社会に価値をもたらす企業であることを目標としている

3-1-4 事業内容

a コーヒーストア(カフェ店舗)の運営、コーヒー豆・飲料商品の販売、食品の販売、 タンブラー等関連商品の販売などを行っている

b 世界約87か国に展開し、約4万店舗を運営する世界最大のコーヒーチェーン企業である

3-1-5 社員数:約36万人(2025年時点、世界全体)

3-1-6 店舗数:2105店舗(2025年4月時点)

 

3-2 経営戦略分析

←ネスレ日本と同様の6項目で分析

 

3-2-1 市場形成

a 1996年に東京・銀座へ北米以外で初の海外店舗を出店し、日本にエスプレッソ中心のカフェ文化を導入

b 当時の日本では純喫茶文化や家庭内インスタントコーヒー消費が中心であったが、スターバックスは「テイクアウト型」「ブランド空間型」の新しいコーヒー消費スタイルを提示した

c 日本市場は1980年代以降コーヒー消費量が増加していたが、既存の喫茶店文化とは異なる新しいブランド型カフェ文化として受容された

d その結果、日本におけるスペシャルティコーヒー文化形成の起点となった

3-2-2 習慣形成

a 日本進出以降、スターバックスは日常生活の中にコーヒー利用を定着させる戦略を展開

Ex)通勤・通学前のテイクアウト利用・昼休憩時の短時間利用・学習・作業空間としての利用・待ち合わせ前の時間調整利用

b 季節限定フラペチーノなどの期間限定商品は反復した来店動機を生み、来店頻度の習慣化を促進し、日本限定商品展開も多い

→ コーヒー消費を「特別な嗜好」から「日常的行動」へ転換

3-2-3 プラットフォーム化

a  2016年、日本で公式モバイルアプリを導入し、モバイル決済・電子ギフト・情報配信機能を提供

→独自のキャッシュレス決済であるモバイルオーダー&ペイが2023年の第1四半期(10~12月期)に注文全体の31%を占めるまで拡大

b 2017年にはStarbucks Rewardsを導入

→商品を購入することでstarというポイントをためるとドリンク・フード・グッズに交換可能

c 2020年にはモバイルオーダー&ペイを全国店舗へ拡大し、非接触型利用環境を整備した

d 店舗にはWi-Fi・電源設備を整備し作業空間・交流空間・時間調整空間として多目的利用可能な都市生活インフラへ転換した

e カフェを「飲食店舗」から「生活プラットフォーム」へ変化させた

3-2-4 ターゲット層

a 日本進出当初は都市部の若年層・女性層・大学生を中心ターゲットとしてブランド文化を形成した

b 日本1号店開店時には若年層を中心に長い行列が形成され、ブランド文化として受容された

c その後学生層・若年社会人・ビジネスパーソンへと利用層が拡大した

d 若年層を起点としてブランド文化が社会全体へ拡張した

3-2-5 空間形成

a 「サードプレイス」概念を企業戦略として導入→スターバックスは家庭と職場の間に位置する

b 快適な滞在空間を提供

→店舗設計では長時間滞在可能な座席配置

→木材中心の内装・落ち着いた照明・BGM設計

c 日本では1996年の進出以降、スターバックス店舗が日常生活の中の滞在空間として定着

d コーヒー販売店舗ではなく「空間価値を提供する企業」としてカフェ文化形成に寄与

3-2-6 健康対応

a 健康志向の高まりに対応し低脂肪ミルク・豆乳・オーツミルク・アーモンドミルクなど植物性ミルク選択を可能にしている

b カフェインレスコーヒーなど多様な選択肢を提供し健康配慮型消費へ対応している

c 日本市場ではヨーグルト系フラペチーノなど健康志向に配慮した商品開発も行われている

d 現代の健康志向・環境志向の消費者ニーズに適応した商品戦略を展開

 

4. タリーズコーヒー

 

4-1 企業基本情報

 

4-1-1 創業

a 1992年にアメリカ・ワシントン州シアトルにて Tully's Coffee 創業

日本では1997年に東京・銀座に日本第1号店を出店

b スターバックスに続く形でシアトル系カフェ文化を日本市場へ導入した主要企業の一つ

4-1-2 本社所在地

a 本社は東京都新宿区、運営会社はタリーズコーヒージャパン株式会社

b 現在は伊藤園のグループ企業として運営されている

c 飲料メーカーとの連携により店舗外商品展開が可能になっている

4-1-3 企業理念

a『一杯のコーヒーを通じて、「お客様」、「フェロー」、「社会」に新しい価値を創造し、共に成長する。』

←フェロー:タリーズのスタッフのこと

b 高品質コーヒーの日常化を目的としたブランド設計

c スターバックスよりも「落ち着いた日常利用型空間」を志向

d 地域密着型コミュニティカフェとしての役割も重視

4-1-4 事業内容

a スペシャルティコーヒーショップ運営

Ex)コーヒー豆販売、ドリンク販売、フードメニュー販売、季節限定商品の開発、チルドカップ飲料(伊藤園との共同商品)、生活導線に密着した出店形態

4-1-5 社員数

a 社員数:約900名(正社員規模)

b アルバイト・パートスタッフを含めると店舗運営人数はさらに大きい

c 店舗接客型ビジネスのため非正規雇用スタッフ比率が高い業態構造

4-1-6 店舗数:809店舗(2025年6月時点)

 

4-2 経営戦略分析

 

4-2-1 市場形成

a 高品質スペシャルティ志向による市場差別化

シアトル系カフェとして高品質コーヒーを提供

→シアトル系カフェとして他にはSeattle's Best Coffeeなどがある

b スターバックスとの差別化として「落ち着いた実用型カフェ」を形成

c 都市生活動線への出店により利用機会を向上

Ex)駅・大学・病院・商業施設などに併設

d 生活密着型カフェ市場を形成・フード併用型カフェ需要の開拓

→軽食メニューを充実させることで飲食一体型カフェ需要を拡張

4-2-2 習慣形成

a 通勤通学導線への組み込み、日常移動の途中で立ち寄る利用習慣を形成している。

b 短時間滞在型利用が中心

c 食事補助としての利用習慣を作り出し朝食・昼食利用を促進している。

Ex)サンドイッチ・パスタ等の提供で

d 期間限定商品の継続来店効果

4-2-3 プラットフォーム化

a 店舗空間の作業利用環境化し、読書・勉強・仕事が可能な滞在環境を提供

b 「作業できるカフェ」として機能させ電源・Wi-Fi整備により滞在価値を向上させ設備整備により長時間利用を支えている。

c 学生・社会人利用を促進

d 書店・病院併設型店舗の展開することにより他施設との結合により複合利用拠点を形成

4-2-4 ターゲット

a 学生層

←勉強・休憩・待ち合わせ空間として利用

←電源席需要が高い

b 社会人層

←通勤途中や業務合間の利用が多い

←短時間滞在ニーズに対応

c 医療・生活施設利用者

←病院・書店併設店舗を中心に幅広い年齢層が利用する

←地域密着型利用が特徴

4-2-5 空間形成

a 落ち着いた内装デザイン

←暖色系中心の静かな空間・長時間滞在しやすい雰囲気

b 座席配置による個別利用対応

←1人利用しやすい座席構成にすることで作業・読書利用に適応

c 生活導線接続型立地設計

←駅・病院・大学など生活空間と接続した配置

←日常利用空間として機能

4-2-6 健康対応

a 低糖・低カロリーメニュー対応

←カスタマイズ注文により健康志向へ対応

b フードの栄養バランス配慮

←サンドイッチ等で軽食としての栄養補助機能や 食事代替として利用可能

c 禁煙環境の整備

←分煙・禁煙対応により安心して利用できる空間を提供