RAYS色彩心理診断には、現在5種類の方法があります。
持って生まれた性格や、生理的な面でのざっくりした個性を診るものから、今現在の体調や気分、生活環境、人間関係などを細かく診るものまで、様々な種類、レベルがあります。
私は、一卵性双生児の恵美さん、真美さんの今回の色彩心理診断実験には、15色で診断する「15色診断」と、2色の組み合わせで診る「ペアカラー診断」の、2種類の方法を選びました。
500枚近くのカードを使う「フル診断」は、今回はあえて避けました。
「フル診断」では、あまりにも細かい情報が表れ過ぎて、今回の実験には向かないと思ったからです。
「フル診断」では、微妙な心の揺れや、体調の変化も表れますので、同じ人間でも、受けた日が異なると、診断結果が大きく違ってくることもあります。
「15色診断」や「ペアカラー診断」は、比較的シンプルな診断法ですので、その人固有の人格がより明確に表れるのです。
私は、恵美さん、真美さんを個別に診断を行いました。
そして、やはり最初に想定していた通り、おふたりの診断結果は、一部をのぞいてほとんどが一致していました。
「15色診断」や「ペアカラー診断」は、持って生まれた性格や、生活環境が色濃く表れる診断法ですので、一卵性双生児の場合、そっくりになるのは当然のことといえるでしょう。
結果が異なっていたのは、「社会意識」を表す部分でした。ひとりが社会に対して関わりを強く持ちたいという積極的な意志を持っていたのですが、もうひとりはかなり控えめな意識を持っていました。
この「社会意識」の部分は、同じ人間でも時期によって診断結果は異ります。
たとえば自分の仕事がうまく運んだり、人とよい関係を築いたりすれば「社会意識」も高く積極性も増します。また、仕事がうまくいかなかったり、人間関係に苦しんだりしていれば、当然のごとく「社会意識」は低くなります。
ですので、私としては、ふたりの結果が違っていても当然……と感じましたし、これは想定内でした。
ところが、この結果に、恵美さん、真美さんは大変驚きました。どうやらふたりが想像していた以上の、違いすぎる結果が出たようです。
ふたりはふだんほとんど同じ環境で生活し、人間関係も共有部分が多く、以前のような「固有のアイデンティティ」を求めるような行動はしていないそうです。
それなのに、「社会意識」がここまで違うのは、不思議だ……というのです。
ふたりは100%とはいわないまでも、95%以上の一致を想定していたようでした。
次の実験は、「サプリメントカラー」の効果測定でした。
「サプリメントカラー」は、その人にとって必要な「意識を変えさせる効果」のある色を身の回りに配置することです。
たとえば、何事にも気力が湧かない人に対しては、気力が湧きやすい色の服を着る、小物を持つといったことで、常にその色が自分の視界に入るようにします。
潜在意識に少しずつ働きかけることを目的とした、いわゆる色による療法です。
私は、恵美さん、真美さんにそれぞれ異なった色を処方することにしました。
「社会意識」に積極性を見せた恵美さんには、少し沈静化する色を、消極性を見せた真美さんには、アクティブな色を提案しました。
それぞれが異なる色をサプリメントカラーとして取り入れた場合、ふたりの違いは少なくなるのか、それともまったく効果がないのか……それが次の実験の目的でした。
ところがここで、私たちは頭を抱えてしまうことになりました。
と、いうのは……
女性の場合、 サプリメントカラーの最も効果の高い配置法は、その色を洋服として身につけることです。
自分がふだん着ない色を着る、ということが少しずつ意識に影響をし、心理状態が変わってくることを狙うものなのです。
ところが、恵美さん、真美さんは毎日ほとんど一緒にいるので、この方法が使えません。つまり相手の着ている服の色が、嫌でもしょっちゅう目に入ってしまうので、サプリメントカラーの厳密な効果を期待できないのです。
そこで私たちは、いろいろ作戦を考えました。
お互いに相手には見えない場所で、持ち物の色を変えてみたらどうか。
下着にその色を着るなら、見えないのではないか。
壁一面に色紙を貼って、毎晩別々に、自分の色を眺めてから眠ったらどうか……など。
ですがどの方法も現実的ではなく……私たちは行き詰まってしまったのです。
(次号に続く・12/1更新予定)
佐野みずき公式サイト http://www.rays.cx/
佐野みずき著書『“サプリメントカラー”で意識を変える・癒しと気づきのカラーセラピー』
> https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0009502
佐野みずき著書『色の好みで相性がわかる?テーマカラー相性診断』
> https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0020278