境 稲荷神社 

 当社は稲荷ですが、狛狐はおらず、赤色幟もありません。拝殿・本殿は、ともに素木。

お水取りできるのも嬉しいところです。

◇鎮座地:東京都台東区池之端1-6-13

◇最寄駅1:根津駅~550m

 (東京メトロ千代田線)

◇最寄駅2:京成上野駅~750m

◇御祭神:倉稲魂命

◇相殿神:宝剣稲荷大神

◇御朱印:なし

 

 

 この日は、上野東照宮からスタート。五條天神社、花園稲荷神社に参拝し、不忍池(しのばずのいけ)を経て、当社に向かいました。

 

 

 

【当社への道】

五條天神社をあとにして、動物園通りを南下。辯天堂(=寺院)&聖天島を経て不忍池を横断します。

 

◆聖天島

 中之島のはずれにある小島です。「 巳の日」限定で島内に入ることができ、社殿のほか石像・石碑などがあります。

 境内にはリアルな陰陽石も屹立しています。

 

 

◆不忍池

 不忍池は、蓮池・鵜の池・ボート池から成り、すべて天然の池です。

写真は左に蓮池。右にボート池。

 

 

◎鵜~聖なる鳥

 鵜は空(=天)を飛び、水面(=地)を泳ぎ、水中に潜ります。つまり、3つの世界を自由に横断する能力を持っています。こうした超能力が日本神話に反映されました。日向神話です。

 

 豊玉姫が出産の際、その産屋は屋根も壁も鵜の羽で葺きました。

その意味=出産は胎児を水中(=羊水)から地上に出すこと。そこで、鵜の超能力にあやかろうとしたのです。

 しかし、産屋の工事中に出産してしまったため、赤子の名を「ウガヤフキアエズ」としました。すなわち、鵜羽の小屋が葺きあがる前に生まれた子。です。

 この子は成長し、母親の妹(=玉依姫)と結婚。生まれた子が神武天皇となります。

 

 

◆無縁坂

 不忍池から当社へ。不忍通りを横断して、無縁坂の坂下にある十字路を右折します。

 

 左手は、岩崎庭園の石塀。石垣と赤レンガの組み合わせが絶妙です!

敷地所有者の変遷:高田藩・榊原家→薩摩藩士・桐野利明→岩崎弥太郎~岩崎家→東京都

(注)無縁坂の写真は、ネットから拝借。

 

 

無縁坂下から根津方面へ(=北へ)250m

当社、大鳥居に到着します。

 

 

【境 稲荷神社】

◆大鳥居

 稲荷神社ではお決まりの朱色。それが見れるのは、この鳥居だけです。

 

 

◆「境」という社号の由来

 当地が2つの地域の境界に当たるため、このような社号となりました。

 

 向丘(むこうがおか)=本郷台地

 忍丘(しのぶがおか)=上野台地

 

両地域の”総鎮守”であることが分かります。

 

 

 

 

◆手水

 水道栓からの供給です。しかし、取っ手が外されていました。

 

 

 

【社殿】

◆拝殿

 建築様式は、土間拝殿。

これは、國學院大學・神殿を想起します。→(2021年11月・筆者記事)

 

 

◆当社由緒

 室町時代は、文明年間(1469~86年) 9代将軍・足利義尚が創祀したと伝えられます。

 

 江戸時代は、寛延3年(1750年)の火災で、社殿をはじめ義尚の自筆扁額や古記録などを焼失。その後、社殿は再建されました。

by東京都神社庁

 

 

 

 

◆隣ビル・非常階段2Fから

 

 

◆同・非常階段3Fから

 

 

 

◆本殿

 祭神:倉稲魂命

明治28年に切通坂の宝剣稲荷神社を合祀しました。

切通坂とは、湯島天神の北側は春日通りの坂道です。神田山の切通だったのでしょうか。

 

 

 

 

◆きれいな注連縄&紙垂

 とても良い雰囲気を醸し出しています。

 

 

◆境内の岩

 磐座ではないようですが、存在感を放つ岩でした。

 

 

 

次は、お水取り。

本殿裏手へ。

 

 

 

◆境内を出ます

 鳥居を出たら、左へ。

 

 

 

【境外】

◆境外から社殿を見る

 拝殿と本殿は、材木の色合いが美しい。

 

 

◆「弁慶鏡ヶ井」を概観

 当社の隣地は東大医学部付属病院です。

タイル貼りの建屋は、同病院・池之端門の守衛舎。病院構内には、あの「ドナルド・マクドナルド・ハウス」があるようです。

 

 

◆石碑

 『名水 弁慶鏡ヶ井』

 この井水は往昔より清冽明澄なる事、鏡の如く。里人呼んで、辯慶鏡ヶ井と称えたる名水。なお、隣地境稲荷は~中略~別当を原泉山三光寺といひし、云々と刻まれています。

 

 

◆井戸の由緒

 当社の井戸は、源義経とその従者が奥州へ向かう途中に弁慶が見つけました。一行の喉を潤したと伝えられ、『江戸志』など江戸時代の史料にも名水として記録があります。

 

 一時、埋められましたが、昭和15年に再び掘り出され、昭和20年の東京大空襲などでは多くの被災者を飢渇から救ったそうです。

by掲示板(=台東区教育委員会)

 

 

◆汲み上げポンプ

 レバーをアップ・ダウンさせたところ、清水が勢いよく飛び出してきました。

 

 

◆井戸から本殿を遠望

 稲荷社の雰囲気は、感じられないかと思います。

 

 

 

【御朱印】

 不明です。(おそらくナシ)

 

 

 

【参拝ルート】

2022年 2月 8日

START=上野公園・黒門跡(=人工滝)~500m~東照宮・大鳥居~参道・150m~①東照宮~230m~②花園稲荷神社&穴稲荷社~③五條天神社~700m~ 境 稲荷神社&弁慶鏡ヶ井戸 ~550m~台東区循環バス・水上音楽堂前バス停→(めぐりん東西ルート)→浅草駅前バス停→無料乗り継ぎ→(めぐりん北ルート:浅草回り)→今戸2丁目バス停~200m~⑤熱田神社~600m~⑥浅間神社~850m~鷲神社バス停→(めぐりん北ルート:根岸回り)→下谷3丁目バス停~60m~⑦三島神社~500m~東京メトロ日比谷線・入谷駅=GOAL

 

◆めぐりん号(台東区コミュティバス)

運賃=100円。乗り放題=300円

5本のルートが区内を縦横に走ります。バス停は多数。便数は、どのルートも20分に1本。

 

 

 

【編集後記】

◆強い味方

以下の2点は、台東区の神社巡りにおいて、必需品とも言える品々です。

①台東区神社マップ

 →マップ掲載の神社にて配布されます。

表面:イラスト地図

裏面:各社の由緒

 

 

 

②めぐりん路線図&時刻表

 →めぐりん号の車内に置いてあります。

表面:路線図

裏面:時刻表

 

今回、初めてこの2点を使用しました。

どちらも、かなり使えます。 (了)