清土 宗像神社
(きよど)
当社の創建は、貞観18年(=876年)。印旛沼周辺に鎮座する宗像神社(=13社)の中で、最も早く創建されました。
◇鎮座地:千葉県白井市清戸553
◇最寄駅1:北総線・小室駅~1.9km
◇最寄駅2:コミュティバス・宗像神社バス停~0m
(北総線・千葉ニュータウン中央駅発・東ルート)
◇御祭神:市寸島比売命、多紀理比売命、多岐都比売命
◇御朱印:不明
◆バス停から鳥居を見る
北総線・千葉ニュータウン中央駅からコミュニティバス「ナッシー号」に乗車。5つめの停留所「宗像神社」で下車します。
◎特徴的な神社分布
印旛沼を中心に、3系統の神社が分布。
そこに傾向を見ることができます。
◇東南部:麻賀多神社=18社
◇南西部:宗像神社=13社
◇北西部:鳥見神社=21社
この棲み分けは、古代氏族の勢力範囲によるもの、という説が有力です。
麻賀多神社=多氏
鳥見神社=物部氏
そして、
宗像神社は、宗像氏が開拓に来た可能性のほか、物部氏が勧請した気配も漂います。
→4社の宮司家が香取氏です。
by『千葉 地名の由来を歩く』谷川彰英
【表参道】
◆入口付近は参道右手
参道の左手に三峯神社が鎮座していました。
凛としつつ、しっとりとした参道に、身が引き締まります。
気持ち良く歩くことができました。
◆手水舎
少量づつですが、浄水は止めどなく滴り落ちています。素晴らしい!
◆手水舎前から社殿を遠望
【社殿】
◆意外に大きい
このタイプの社殿の大きさには、一定のイメージがあります。しかし、写真では分かりにくいかもしれませんが、当社殿はそうしたイメージをはるかに超えています。
高さは3m以上あり、傍らに立つと見上げる感じです。
◆鈴緒
石段を4段上がります。
鈴緒の先端は麻糸(=聖なる繊維)のようです。
◆皇室と宗像大社
天照大神は、宗像三女神に向けて次のように言った、と伝わっています。
「歴代天皇をお助けすれば、歴代天皇が祀るでしょう。」
天皇が祀る。とは、すなわち、国家祭祀するということ。
沖ノ島から出土した約8万点の国宝から国家祭祀の痕跡を見てとれます。出土した品々から、かなり大規模な祭祀だったことが推測されています。沖ノ島の出土品は4世紀から9世紀のものが多く、その間、国家祭祀がどの程度行われたかは明確ではありませんが、古い記録などからも天皇の勅使が宗像に遣わされたことを知ることができます。
by宗像大社HPより抄録
細かい彫刻がビッシリです。
この日は、雨上がり。
境内は、しっとり感が漂う居心地の良い空間でした。
◆宗像大社・沖ノ島
当社の本社である宗像大社。この神社は三神構成です。玄界灘に浮かぶ沖ノ島が宗像大社の沖津宮です。これは、奥宮のような位置づけと言ってよいでしょう。
島田裕巳(宗教学者)氏は、著書で次のように書いています。
「沖ノ島は、何回か学術調査が入りました。しかし、現在に至るまで謎多き島です。この島は物理的にも地理的にも、また信仰的にも厳重に封印されていて、そこが本当の意味での聖地だったときの状況がそのまま保たれています。」とのこと。
by『聖地にはこんなに秘密がある』(講談社)
現代においても、古代の聖地がほぼ手つかずで残っている。凄いことです。
島に転がっている国宝級の遺物は、誰ひとりとして持ち出さないそうです。それは、タタリが怖いから、とも書いてありました。
◆境内社
【御朱印】
不明
【参拝ルート】
2022年 1月27日
START=北総線・千葉ニュータウン中央駅着8:38~100m~北口バス乗り場~白井市・コミュニティバス 8:50発→東ルート→「宗像神社」9:03着~0m~ ①清戸 宗像神社 ~700m~船橋カントリークラブ・クラブハウス~②清戸の泉&弁財天~クラブ正門~30m~コミュニティバス「福祉センター」11:13発→東ルート→「市民プール」11:20着~10m~③神々廻 厳島神社~550m~千葉レインボーバス「神々廻」11:37発→白井車庫行き→「白井車庫」11:41着~550m~④十余一 香取神社~700m~石尊阿夫利神社・一之鳥居~850m~⑤石尊阿夫利神社~1.2km~コミュティバス「茅橋台」13:28発→北ルート→「西白井駅」着14:02~170m~北総線・西白井駅着14:05=GOAL
【編集後記】
◆物置
古木のウロが竹箒や熊手など清掃具の物置になっていました。
◆コミュニティ・バス
千葉ニュータウン中央駅・北口は、印西市と白井市のコミュティバスが発着しています。
今回は、白井市の「ナッシー号」を利用しました。
◆印旛の宗像神社
筆者は、これまでに7社ほど訪ねました。
船尾、吉高、平賀、瀬戸、山田、鎌苅、そして清戸(=今回記事)。
振り返ると、そのどれもが地域密着型とでも言うのでしょうか、地味な神社です。しかも無人社が多いのです。しかしながら、鎮守の森や参道社叢の「神さび」感。あるいは、境内の清澄な空気など、良い神社ばかりでした。これは驚異的なことだと思います。この先、機会を作って何社か訪ねるつもりですが、楽しみでなりません。(了)