岩名 麻賀多神社 

(いわな まかた)

 麻賀多神社は、印旛沼の周辺に18社が鎮座します。総本社、奥宮は、別格に良い雰囲気です。これらには及びませんが、当社境内は、そこそこ良い雰囲気でした。

◇鎮座地:千葉県佐倉市岩名250

◇最寄駅:京成佐倉駅北口~750m
◇御祭神:稚産霊命(わかむすひ)
 ※一般的表記は、稚産霊神です。

しかし、麻賀多神社では、たいてい「命」と表記しています。

◇御朱印:たぶんなし

 

 

 

【表参道】

 無人社ですが、土の参道は清掃されていました。

 

 

 

 

◆麻賀多とは

 「マカタ」とはどういう意味でしょう。

「マ」は、接頭語でとくに意味はありません。

「カタ」は、「潟」と考えられます。

 

 印旛沼周辺は無数の潟、すなわち入り江があります。このことから、マカタとは「真潟」。

これは、地名としても残っています。

本宮のある台方は「台潟」=潟に臨んだ台地。

奥宮のある船形は「船潟」=周辺で船が発着したことによる名と考えられます。

by『房総の古社』菱沼 勇(有峰書店)

 

 

 

 

◆両部鳥居

 総本社、奥宮、佐倉市鏑木の麻賀多神社。これらの主たる鳥居もまた両部鳥居です。

 

 

◆周辺には遺跡

 当社は、境内及びその東側に、縄文・弥生の複合遺跡。西側に前方後円墳。といった周辺環境です。

 

 

◆祭神について

 式内社研究者・菱沼氏によれば、麻賀多神社とは印旛国造が農業神を祀ったのが始まり。

麻賀多神とは農神であって、稚産霊神であるかどうかは、疑問が残る。としています。

 おそらく、稚産霊神は後世に作られた由緒ではないか、とのことです。

 このあたり、史料も乏しくて想像の域を出ないことが否めない。三諸はこのように思います。

 

 

小さいですが、本殿と木製瑞垣は、バランスが良く美しい佇まいを見せます。

 

 

屋根の勾配が美しい「流造り」

 

 

 

 

◆スダジイ

 本殿の真裏にそびえています。 樹齢は200年を超えます。

太い枝が唸りをあげているような感じです。

 

 

 

 

◆天神前遺跡

 昭和38年、偶然発見されました。弥生時代において、最古の段階に位置づけられる壷形土器の発見は、同年明治大学による調査が実施されました。

 

 

◆シンポジウム

 4年前、当遺跡を通して東国弥生文化を考え、討論する場が持たれました。ポスターを見ると、討論前の講演はどれも興味深いテーマです。今さらですが、行きたかったあ。

 

 この遺跡は弥生時代中期の墓地です。遺体を埋葬、白骨化した後、洗骨し、再び壷や甕に埋納する「再葬墓」と呼ばれる葬制であることが明確になりました。

 

 

 

 

 

【御朱印】

おそらくなし

 

 

 

【参拝ルート】

2021年 5月26日

START京成佐倉駅(9:31着)~750m~①岩名麻賀多神社 ~100m~コミュニティバス・宮前1丁目バス停10:16発→(内郷ルート・右回り)→飯野バス停10:22着~160m~②飯野麻賀多神社~550m~なの花交通・白翆園バス停11:10発→日本医大 行→ 印旛郵便局バス停11:20着~400m~③瀬戸宗像神社&昼食~なの花交通・印旛郵便局バス停12:51発→小林駅 行→一本松バス停12:57着~1.2km~④吉高宗像神社~1km~吉高の大桜~1.8km~印旛郵便局バス停14:34発→京成佐倉駅 行→京成佐倉駅バス停14:48着~京成佐倉駅14:51発→特急・上野 行=GOAL

 

 

 

【編集後記】

◆山崎八幡神社

 京成佐倉駅から岩名麻賀多神社に行く途中に『山崎八幡神社』があります。

立ち寄ってみる価値はあると思います。こちらの神社、鎮守の森の緑が濃いです。ただし、麻賀多神社ほど清掃されておりません。

 

 (了)