平賀 宗像神社 

(ひらか むなかた)

 印旛沼の”宗像十三社”の中でもっとも趣があり、美しい神社だと思います。

◇鎮座地:千葉県印西市平賀1

◇最寄駅1:京成本線・酒々井駅

◇最寄駅2:北総公団線・日本医大駅

 →ともに千葉交通・平賀連絡所バス停

◇御祭神:市杵嶋姫命、湍津姫命、田心姫命、素戔嗚尊

◇御朱印:なし

 

 

 

【表参道】

 当社の特徴は、100mほど続く静謐な「森の参道」です。

 

 

◆大鳥居

 社頭から2つの短い石段をあがると、鳥居です。形状は、両部鳥居。

 

 

 

 

 

◆静謐な森

 

 

 

 

◆3つめの石段

 

 

 

 

◆4つめの石段

 

 

◆拝殿を遠望

 

 

 

【社殿】

◆拝殿

 長い参道の清掃はともかくとして、狛犬から先は清掃されていました。

 

 崇敬者は扉を開け、拝殿内に風を入れていました。

日常的に神職不在でも、代わりに崇敬者が維持管理しているのでしょう。

 

 

◆神紋

 ナラの葉と実をあしらった紋様。

宗像大社総本社の神紋であり、歴代・大宮司家の家紋としても使われています。

 

 

 

◆本殿

 美しい本殿です。

 

 

◆流造

 優美な屋根。

 

 

◆神さまが眺める景色

 

 

◆驚きの記述

 景行天皇41年倭武命が東征の折、当地に仮宮を造営し、筑紫の宗像神社を奉斎。同53年大足彦忍代別天皇の鎮定された東国の地を巡覧。葛飾野御狩の時に参拝なされ、宗像宮と号された。勅願所となる所以である。幡に日の印有りが丘と称し給い、印旛国造伊都許利命を奉祀す、と和銅6年の『下総風土記』に記す。

byブログ『古代史逍遥』

 

◎問題点

当社に、初代印旛国造 伊都許利命(いつこりのみこと)の伝承があること。

→この人物は、麻賀多神社に縁があります。

船形の麻賀多神社に陵墓まで存在し、「多氏」に関わります。宗像氏とは無縁です。

 

◎要するに

 当社は、麻賀多神社との境界線の位置に鎮座しています。

これが、麻賀多神社絡みの伝承につながっているのかもしれません。

 

 

 

 

 

【境内社】

◆天満宮

祭神:菅原道真公

 

 

◆寄せ宮

 石段をあがると、小さな狛犬が一対。その手前、さらに小さな狛犬がもう一対。

右:三峯神社(=伊弉諾尊、伊弉冉尊)

左:金刀比羅神社(=大物主神)

 

 

◆神明造

 山(=三峯)と海(=金刀比羅)の神社を寄せた社殿。千木は内削ですが、鰹木は奇数でした。

 

 

◆疱瘡神

・大杉神社、疱瘡神社との社号札がありした。

不思議なことに、「古神札受納所」の高札も付けられていました。

 

『千葉県印旛郡誌』によれば

境内社・疱瘡神社 稻脊胵命(いなせはぎのみこと)を祀る、とのこと。

 

*稻脊胵命とは、稲背脛=「諾否(いなせ)を問う足」。

国譲神話において、大巳貴神が事代主神に意見を聞くため派遣した使者の名。

by『玄松子』-祭神記

 

 

◆本殿裏の森

 本殿裏手、森の中に鳥居が見えたので、行ってみました。

 

 

◆森の鳥居

 森の一部が伐採され整地。そこに、鳥居と石柱。

鬱蒼としているため、光量不足となりフラッシュが自動点灯しました。

 

 

◆五社神社

『千葉県印旛郡誌』によれば、祭神構成は以下。

→大日靈貴命(おおひるめのむち)、埴安姫命、大己貴命、少彦名命、倉稲魂命

byブログ「かまがや散歩」

 

 

◆神名を刻んだ五角柱

 大日靈貴命ではなく、天照皇大神と刻まれていました。同一神ではありますが・・・。

 

 

境内東側から表参道の中ほどに合流できる細道があります。

そこに小さな塚があり、石祠が祀られていました。

 

 

◆小さな塚

 

 

◆社号石

 小祠の前に置かれた石に「富士大権現」と刻まれていました。

 

 

◆富士塚

 小さな塚&富士大権現となれば、これは富士塚ということになります。

 

 

 

【印旛沼の神社分布】

龍or大蛇のような形状だった印旛沼。

昭和の半ばに干拓が行われ、沼は分断されました。

 

 薄青色:昔の印旛沼

 濃青色:今の印旛沼

 

沼周辺は、宗像神社(13社)、麻賀多神社(18社)、鳥見神社(18社)の棲み分けが見られます。

◇宗像神社=沼の北岸(=当社)

◇麻賀多神社=沼の南岸

◇鳥見神社=「頭」部分の西側、利根川の南岸

 

 

 

 

【参拝ルート】

2021年 6月 1日

印旛沼の宗像神社を巡る

START=09:56着 北総線・印旛日本医大駅~1.9km~①鎌苅宗像神社~1.1km~ちばレインボーバス・印旛支所バス停 11:44発→(京成酒々井駅西口 行)→ 平賀連絡所バス停 11:53着~630m~②平賀宗像神社 ~1.5km~③山田宗像神社~950m~山田橋~230m~なの花交通・山田西口バス停 13:54発→(京成佐倉駅 行)→京成佐倉駅バス停 14:06着~徒歩~京成佐倉駅 14:12発→(特急・上野 行)→=GOAL

 

 

 

【御朱印】

なし

 

 

 

【編集後記】

◆3社が一直線

 筑紫の宗像大社が辺津宮ー中津宮ー奥津宮と一直線上に鎮座しているように、東国にもこれが再現されています。

 すなわち、鹿島神宮ー香取神宮ー宗像十三社。言わば、天津神系のラインです。

まあ、これは偶然の一致だと思いますが、面白い一致です。

 

◆宗像13社

 《印旛沼神社巡り》の2回目を終えました。併せて5つの宗像神社を巡ったことになります。

2年前、御朱印を拝受した「船尾宗像神社」を加えれば、6社。残る7社も年内に巡ることを目指したいです。(了)