妻恋神社 (つまこい)

 

 《最強の縁結び神社かも》

弟橘媛に縁の神社として知られます。また、ロマンチックな社号を持つ神社でもあります。

◇鎮座地:東京都文京区湯島3-2-6

◇最寄駅:JR総武・御茶ノ水駅~500m

   東京メトロ銀座線・末広町~450m

◇御祭神:倉稲魂命、日本武尊、弟橘媛命

◇御朱印:あり

◇社格等:村社、関東総司稲荷

◇参拝日:2019年3月&5月

 

 

 当社は、神田明神と湯島天神の中間点に鎮座します。

神田明神(裏参道)から、春日通りを御茶ノ水方面に進み、「清水坂下」交差点を右折。坂道を上ります。

 

 

◆道しるべ

 「清水坂」と刻まれています。坂の頂上は湯島天満宮です。

 

 

◆当社案内板

清水坂を上り始めてすぐです。

 

 

◆外観

 案内板に従って進み、左手の高台です。

 

 

◆社号標

 「関東總司 妻戀神社」 との文字。

 →平安時代初期、天皇の勅裁で稲荷の関東惣社と定められました。これは、関東各地の分社を認可し、神階を与える権限を授かったということです。

 

 

◆明神鳥居

 

 

◆創建伝承

 日本武尊「東征」絡み。さらに、相模から上総へ向かう際の「弟橘媛・人身御供伝説」が付加。日本武尊は上総に上陸後、海を望み「吾妻者耶(あづまはや)!」と、媛を恋慕いました。

 

 尊は、東征の帰路、当地に立ち寄り野営しました。

のちに、当地の郷民が日本武尊と弟橘媛を偲んで・・・

 ①野営の跡地に当社を創建 

 ②日本武尊の慕情を社号化

by当社電子版を要約

 

 

◆蹲(つくばい)

 境内が狭いため、手水舎はありません。

 清らかな水が流れ続けています。

 

 

 

【拝殿】

◆公式記録=稲荷神社へ

 西暦809~823年頃、朝廷から正一位を賜り、関東総司・妻戀大明神と唱える。by当社年表

 

 

 

◆妻を恋い慕う

 当社は、江戸時代以降、「稲荷イメージ」が勝る神社となっています。

しかし、筆者は敢えて、文字通りに!

 

 《妻恋のイメージ》 

 

を広げてみたいと思います。

 

 

◆階(きざはし)

 

 

◆神紋

 「檜扇に御の字」は、見かけない神紋です。

 

 

◆日本武尊と弟橘媛

 

 焼津の草原では

 日本武尊が弟橘媛を守り・・・

 

 走水の海原では

 弟橘媛が日本武尊を救った。

 

当社は

 伝説の熱愛カップルを祀り

 しかも、社号は「妻恋」

 

となれば・・・、

 並みの「縁結び神社」など束になっても、当社には敵わないでしょう。

 

 

「この人こそは!」

と、思えるような人に巡り会えたら・・・

手を取り合って、訪れてみたい神社です。

 

一生・一度の思い出となるに違いありません。

 

 

◆本殿

 

 

◆弟橘媛の熱愛

 古事記には、姫の尊への熱い思いを伝える歌が残されています。

相武国造にだまされ、焼津の草原で火攻めにあったのちに、詠まれています。

 

さねさし 相武の小野に 燃ゆる火の 

  火中に立ちて 問ひし君はも

 

「相武の野に燃え立つ火の中で、わたしの心配をしてくださった貴方」

 

という意味の歌です。

日本武尊に対する感謝と熱愛の気持ちが表現されています。

尊の「吾妻はや」という言葉とあわせると、二人は固い絆で結ばれていたことが分かります。

 

 

◆都内の縁結び神社は

①東京大神宮

 御祭神:天照皇大神、豊受大神

 

②赤坂氷川神社

 御祭神:素盞嗚尊、奇稲田姫命

 

この2社が有名どころです。

 

両社の御祭神を見ると・・・

 東京大神宮=2柱とも女神

 赤坂氷川神社=2柱は夫婦

 

とはいえ・・・、

 奇稲田姫には武闘派イメージがあります。

(←筆者「稲田姫神社」参照)

 

一方、妻恋神社はどうでしょう。

 日本武尊と弟橘媛のカップルが最もラブラブなイメージです。

 

妻恋神社は「縁結びの社」として、もっと光が当たっても良いのではないでしょうか。

 

 

 

【境内点描】

◆社務所

 

 

◆妻戀稲荷

 社殿の右隣には「馬頭観音」の石碑もあります。

 

 

◆社殿

 榊の陰に小さな「白狐」が1対。

 

 

 

【御朱印】

 以前は、通信販売のみでした。

 最近は以下の要領です。

◇初穂料:300円、書置き対応

◇授与日:土・日曜(11:00~15:00)

 

 

◆通信販売
 遠隔地の方向けに、妻恋神社御札・吉夢宝船・吉夢七福神宝船・絵馬(吾妻はや)・ご朱印を提供していました。メールアドレスなど詳細は、当社HPをご参照ください。

 

 

 

【参拝ルート】2019年 5月

START東京メトロ千代田線・新御茶ノ水駅~400m~①神田神社(神田明神)~240m~ ②妻恋神社 ~450m~③湯島天満宮(湯島天神)~280m~千代田線・湯島駅GOAL

 

 

 

【編集後記】

◆元宮の存在

 花姫稲荷と呼ばれる稲荷社には、妻恋神社の旧鎮座地との伝承があるそうです。

住所は、文京区湯島3-7-8 当社から、わずか260mほどの場所です。

 

◆妻恋稲荷VS王子稲荷

 江戸時代、王子稲荷神社が突如、「関東総社」を名乗りました。当社は、総社号の使用差し止めを求めて、王子側を提訴。幕府の裁きで当社が勝訴。とのことです。

 

◆雰囲気

 当社の境内はかなり狭いです。しかし、止めどなく流れる手水はじめ、雰囲気はかなり良い神社と言えるでしょう。気持ち良く、お参りできる神社だと思います。 (了)