雷電神社
《五穀豊穣をもたらす=雷神》
古来より、雷除けにとどまらず、雨と水をもたらす神として崇拝されました。近在の農家は、当社祭神に野菜を供え、豊作や雨乞いを祈願したそうです。 by松戸市観光協会
◇鎮座地:千葉県松戸市竹ヶ花141
◇最寄駅:新京成線・上本郷駅~1.1km
◇御祭神:雷神
◇御朱印:なし
【表参道】
◆一之鳥居
全国の雷電神社は、概ね雷神を祀ります。雷神には、いくつかの種類があります。火雷神(ほのいかづちのかみ)、大雷神(おおいかづちのかみ)、別雷神(わけいかづちのかみ)など。
この時点で、経験的に無人社の気配を感じましたが、参道は掃き清められています。
◆手水舎
参道の清掃だけではありません。浄めの水もまた申し分なしでした。良い神社を感じます。
◆踊り場
◆頂上
【社殿】
◆拝殿
雷はイカヅチとも読みます。「イカ」=「厳」。「ヅチ」はミヅチの「ツチ」すなわち蛇の精霊。
蛇が変化して龍となり、龍は昇天して雷となる。古代人はこのように考えていました。
◆稲妻
雷の伴う閃光を「稲妻」と呼びます。稲の妻。これは、雷が持ってくる雨が稲の生育に欠かせないものであることからこの名が生まれたと言われます。
雷の猛威に対する畏れ。稲妻と共にもたらされる恵み。
農耕民族=古代日本人にとって、雷神は生まれるべくして生まれた神さま。と言えるでしょう。
◆本殿
裏手から撮影。社殿には幣殿もありました。
雷電神社の参拝を終えました。次は、唯一の境内社である、浅間神社に向かいます。
短い石段を上りました。写真右隅に「浅間神社」を遠望できます。
◆浅間神社
当社は、黒ボクの上に建てられた石祠です。
◆生け捕りされた雷さま
(松戸に伝わる昔話)
或る快晴の日、黄門サマ御一行が水戸に向かう途中、当地に差し掛かりました。そこに、いたずら好きな雷が雷雨を降らせた上、しつこくつけ回しました。ところが、ウッカリ松の木にぶつかり落下~捕捉。怒った黄門さまは、雷を鉄のお堂に閉じ込めてしまいました。
◆仏教施設
金網の中には池です。よって、祀られているのは弁才天?
【隣接地】
◆雷電湧水
この辺りは、湧水場所がいくつかあるようです。当社のみならず、お隣の「風早神社」にも湧水がありました。
松戸市の湧水は、生活用水や農業用水として身近に利用されていました。その水は、市内の河川に清らかな流れをもたらしていました。
近年は都市化が進み、雨水が地下に滲みこみにくい状態となり、湧水は減少・枯渇しています。
by案内板
【御朱印】
ないと思われます。
【参拝ルート】
2020年12月 7日
《松戸の神社を歩く 2》
START=新京成線・上本郷駅~250m~①風早神社~200m~「宮の下湧水地」~1.1km~ ②雷電神社 ~700m~③池田辯財天~290m~④小根本神明神社~400m~松戸駅=GOAL
【編集後記】
◆雷の姿かたち
雷さまは鬼の様態で、牛の角を持ち、虎の皮のふんどしを締める姿でお馴染みです。この姿は、雷→恐怖→鬼門→その方位=艮=牛&虎といった連想に由来します。byウイキ
(図版:俵屋宗達「風神雷神図」から雷神部分)
◆上賀茂神社の祭神も雷神
『山城国風土記』
~同記の逸文によれば
①賀茂一族の姫=玉依比売命が賀茂川で身を清めていた。
②そこへ、丹塗りの矢が流れてきて、姫はそれを持ち帰った。
③矢を床に祀り、眠った。矢の霊力により玉依比売命は懐妊。御子神を産んだ。
この神さまが、のちに賀茂別雷大神となります。by上賀茂神社HP
◆松戸雷電神社
長い石段を上った頂上には、掃き清められた境内と素朴な社殿。そもそもが、有名神社ではありません。しかも御朱印を出してないようなので、人気(ひとけ)がありませんでした。そのため、静謐な境内を独り占めすることができました。雷電神社、良い神社でした。 (了)