赤、紅、黄色に染まった亀甲山。その山懐に鎮座する香取神宮。

いつもと変わりなく、清浄でした。

 

下総國 一之宮

 香取神宮 

 

  今回の核心は、要石と押手社の意味と関係性です。

◇鎮座地:千葉県香取市香取 1697

◇最寄駅:JR成田線

 →表参道=佐原駅~3.6km~赤鳥居

 →旧参道=香取駅~2.1km~赤鳥居

*佐原駅はバス・レンタサイクルあり

◇御祭神:経津主大神

◇(別名):伊波比主神・斎主神

◇社格等:延喜式=名神大社、旧社格=官幣大社、神階=正一位勲一等

 

 

【神域巡拝ルート】

『斎田(=御神田)』にも行きました。

 

《境内》

◆表参道

香取神宮斎田~赤鳥居(二之鳥居)~表参道~護国神社~表参道~三之鳥居~神徳門~総門~手水舎~馬場殿神社~楼門~祈祷殿~拝殿~本殿~匝瑳神社~櫻大刀自神社~鹿島新宮~北参道~神庫~楼門→境外へ

 

《境外:宮中地域(きゅうちゅう)

◆旧参道

裂々神社~日神社~要石~奥宮

 

《境外:宮中地域の外》

旧参道~八剱神社・若宮神社~又見神社・三島神社

*宮中とは町の名です。

 

 

 

【境内】

◆表参道

~玉砂利が敷き詰められた表参道。道の両サイドには、湧水が流れる水路があります。

 

 

◆護国神社参道

~表参道に入ると、護国神社が鎮座する“向榮の丘(むくさかのおか)”へと登っていく道があります。

 

 

◆香取護国神社

御祭神:明治以降の国難に殉じた、香取郡出身の御霊

 

 

 

 

 

◆総門

~総門内側、袖門から三の鳥居を遠望

 

 

◆馬場殿神社

御祭神:建速須佐之男命

~お隣に市神社が鎮座します。市神社には、天降神社と竈神社が合祀されています。 

 

 

◆拝殿

~茅の輪には、人形(ひとかた)が5つ、紙垂が5つ。忌竹の枠組みには、榊が5つ。

 

 

◆北参道

~六社神社方面に向かいつつ、振り返ってご本殿を遠望。

 

 

◆本殿

 

 

 

【香取神宮の神域】

◆本殿の西側一帯

 =核心神域 

 分飯司家(ぶんがいじ家)のナワバリ

 本殿最奥の扉を開けることができる鍵を保管した禰宜の家系です。

 ◎旧参道サイド

 ◇斎庭:匝瑳神社

 ◇境内:馬場殿神社、市神社・天降神社

 ◇境外:裂々神社、日神社、月神社、押手神社(=璽社)、要石、奥宮、祖霊社

  *境外とはいえ、境内に隣接する地域で「宮中(きゅうちゅう)」という町名です。

 


◆本殿の東側、南側、北側
 大宮司家のナワバリ

 鹿島神宮の中臣家から香取家へ養子に入り、のちに中臣姓を名乗った家系です。

 ◎表参道サイド

 ◇斎庭:鹿島新宮、桜大刀自神社

 ◇境内:諏訪神社

 ◇境外

 ~北側:六社神社、花薗神社

 ~南側:大山祇神社、璽社、佐山神社、姥山神社、狐坐山神社

 

◎璽社は、どちらのサイドにも祀られています。

 

 

 

【宮中地域】

◆旧参道

~「宮中」へと降りる石段です。降りたら左に進み、右手に見える「要石道」に入ります。

 

 

◆要石道

~左手に杉林、右手に雑木。この道は紅葉がなく、緑に包まれます。空気が清浄な道です。

 

 

◆「要石」入口

 

 

 【重要】要石と押手神社 

◆要石

~香取と鹿島が巨大ナマズの頭と尾を押さえつけ、要石を置いている。

そう伝わっています。

ナマズとは、何の比喩でしょうか。

 

香取&鹿島コンビは出雲を屈服させています。

このことから・・・、

 

 ナマズ=国津神の比喩

 要石=国津神を屈服させた比喩

 

 と、考えることもできそうです。

 ※要石付近は、ひところより聖性がアップしている気がします。

 

 

◆押手神社

(おして)

別名:印璽社 契約の社です。

(おして)

御祭神:宇迦之魂命

~要石が天津神に対する服従の証であり、契約書だとすれば・・・

押手神社は、国津神に契約違反がないよう監視する社

 

要石と押手神社の対面鎮座には、このような意味がある。と、考えることもできそうです。

 

 

 

◆裂々神社(さくさく神社)

御祭神:石裂神、根裂神

(いわさく神、ねさく神)

~経津主大神の祖父と祖母にあたる神さまです。当社は、境内から旧参道に入り、右手にある梅林付近の細道を右に入ります。

 

 

◆膃殿(あさめどの)

~この社殿の建築様式名です。香取神宮の式年遷宮では、経津主大神が仮殿として鎮座しました。その際、社殿を明け渡した御祭神のための仮殿も建てられました。

 

 

◆日神社参道

~旧参道の道端に赤いコーンが置かれています。そこに、小さく 《日神社 入口》 と書かれています。しかも、油性ペンです。

 こうした消極的な表示は、当社にお参りしたい!と思う人にだけ知らせることを意味します。

 

◆日神社

御祭神:天照大御神

~今回、ご紹介した摂社・末社では、唯一、当社だけ「案内図」に掲載されておりません。

 

 

 

 

◆奥宮参道

観光客が多い拝殿前に比べ、奥宮・拝殿前の静寂と清浄さは次元が違います。

 

 

◆奥宮

御祭神:経津主の荒魂

~こちらも、聖性がアップしているような気がしました。

 

 

 

◆香取神宮 斎田

~宮司から授けられた虫除札です。「香取大神宮 五穀豊穣祈祷神璽」と墨書されています。

 

◆祭場

~田んぼに食い込む形で、ステージのような祭場が常設されています。毎年4月、こちらの田んぼで、『御田植祭』が斎行されます。

 伊勢神宮(=伊雑宮)・香取神宮・住吉大社の田植え祭は、「三大御田植祭」と言われます。

 

 

【参考】御田植祭 

*以下2枚の写真はネットから拝借。

 

◆1日め:『耕田式』

~拝殿前を田んぼに見立てます。鍬入れ行事、牛による鋤曳き行事、など田んぼを耕す儀式が斎行されます。また、童女が田舞を、早乙女が田植の所作を奉納します。

 

 

◆2日目:『田植式』

~拝殿を出発した神職、巫女、稚児らが斎田(=浄められた田)に向かいます。植え初め行事は、早乙女が田植歌を唄いながら、苗を植えます。


 

 

【御朱印】

 通常タイプをお受けしました。

 

 

 

【参拝ルート】

《香取神宮 年末詣》

STARTJR成田線・佐原駅~駅前バス停→循環バス→①『香取神宮』 ~徒歩~②八剱神社・若宮神社~徒歩~③摂社『又見神社』&末社『三島神社』~(梅乃屋本店・蕎麦)~香取神宮バス停→循環バス→佐原駅~徒歩~観光案内所→自転車(約5km)→④摂社『返田神社』→自転車→⑦観光案内所・自転車返却~徒歩~佐原駅GOAL

 

 

 

【編集後記】

◆タイム・スケジュール

~今回は、佐原駅10:10着。10:18発のバスに乗り、10:32香取神宮着。3時間ほど御神域を歩き、13:40香取神宮発のバスで佐原駅へ。駅前観光案内所で自転車を借り、返田神社へ向かったのが14時。午後から曇天でしたが、往路途中から雨に降られました。小雨が救いでした。佐原駅発15:56の電車で帰りました。

 

◆年末詣

~香取神宮参拝は、9月の『秋季皇霊祭 遥拝式』以来でした。筆者にとって、当社はホーム。ほかの一之宮と比べて居心地は断然良いです。コロナ退散を祈願してきました。 (了)