下総國・一之宮
『香取神宮の歩き方』
Vol.7 《御朱印 4種を受ける》
2020年10月現在、以下の御朱印が用意されています。
①護国神社、②要石、③奥宮、④通常
以上4点。すべてご紹介します。
◆初秋の総門
◇鎮座地:千葉県香取市香取1697
◇最寄駅:JR成田線
→表参道=佐原駅~3.6km~赤鳥居
→旧参道=香取駅~2.1km~赤鳥居
*佐原駅はバスorレンタサイクルあり
◇御祭神:経津主大神
→別名:伊波比主神、斎主神
◇社格等:延喜式=名神大社、旧社格=官幣大社、神階=正一位勲一等
◇御朱印:あり
【総門周辺】
◆外(=三之鳥居)を望む
◆内(=手水舎)を望む
◆手水舎
◇上:笠松紫浪(1954年)
◇下:筆者撮影(2020年)
版画を再現しました。偶然にも、版画と同じように柱と柱の間に人が入っていました。
①【護国神社・御朱印】
以下の情報は、『香取護国神社の栞』によります。
◆情報1
~頂上に木製鳥居が見えます。この鳥居は、「大正天皇 御手植え松」を用いて建立されました。同松は、楼門内の祓戸の隣に聳えていましたが、2018年に虫害のため伐採されました。
◆香取護国神社
◆情報2
~御社殿は、戦前・戦中の香取小学校に設けられていた、旧『奉安殿』です。
*奉安殿・・・明治以降、小中学校を中心に天皇陛下の写真(=御親影)や教育勅語を安置していた建物です。
この2日後、香取護国神社「秋季大祭」において、巫女による浦安の舞が奉納されました。
◆護国神社・御朱印
~護国神社の傍、臨時授与所にてもらえます。
春分の日、8月13~15日、秋分の日に限定。
初穂料=500円、受付時間=10:00~16:00
◆表参道へ降りる
~表参道から左に入る「要石道」」は、四季折々の美しさがあります。
鳥居の向こうには、表参道の石燈籠。
②【要石・御朱印】
◆要石道から向かう
◆旧参道から向かう
◆要石
◆要石・御朱印
~奥宮の授与所にてもらえます。土・日限定です。初穂料=500円、受付時間=10:00~16:00
③【奥宮・御朱印】
◆社頭
~当社の社号「香取」は地名から生じています。
日本書紀に「此の神、今東国の楫取(かじとり)の地に在り」と記されています。カトリは船の楫取の意であるという説が有力です。また、万葉集では香取の枕詞=「大船の」です。これらから、船に関係ある地名、船の楫取が多く住んでいたところから生じた地名だと思われます。
by『房総の古社』
◆奥宮・御朱印
~土日限定で授与所が開きます。初穂料=500円、受付時間=10:00~16:00
④【通常版御朱印】
◆楼門
~武蔵一宮・氷川神社、常陸一宮・鹿島神宮、そして下総一宮・香取神宮。この3社の楼門は甲乙つけがたく美しい姿です。筆者は、香取のそれがとりわけ美しく感じられます。
◆ご神木
~武神を祀る神社らしく、ご神木にさえ荒々しさが溢れます。向こう側には祈祷殿。
◆拝殿
~『延喜式』の「臨時祭式」によると、正殿は20年に1度の改造が行われ、その費用は神税をもってまかなわれ、神税なきときは正税を充てよ、と定められていた。このように丁重な扱いを受けたのは、伊勢神宮を別にすれば、香取神宮、鹿島神宮、摂津の住吉神社のみである。
by『房総の古社』菱沼 勇
◆本殿遥拝所
~本殿の真裏部分に当たる瑞垣に遥拝所が造りつけられています。
現在の本殿は、元禄13年の造営。昭和15年には、国費による大修繕が行われました。
by『香取神宮参拝の栞』
◆御朱印
~拝殿横の授与所でもらえます。初穂料=500円、受付時間=8:30~17:00
【宝物殿】
~清浄な境内は、拝殿の隣り。朱色&白色の建物に授与所と宝物館が入っています。
開館時間=9:00~16:00
拝観料金=300円、子供100円
2階のワンフロア展示で、やや狭い空間です。
◆鷁首(げきしゅ)
~式年神幸祭・御座船を飾る鷁の頭部
◆国宝『海獣葡萄鏡』
~展示されているのは、レプリカ。精緻な文様に息を飲みました。 ※撮影禁止です。
◇中心区画:ブドウの果実と葉を交互に配し、ツタを絡ませた文様を地文として、8種の獣が舞っています。
◇外側区画:葡萄唐草文を地文として、胡蝶・蜻蛉・蟷螂などの昆虫や小鳥を配しています。
◇外周帯部:獅子・馬・鹿・麒麟の走獣と孔雀・鴛鴦・鳳凰・鶏の鳥類が配されています。
※写真は「香取神宮HP」から拝借しました。
◆国宝:鏡と剣
~香取・鹿島は、所蔵する国宝が呼応しています。
◇香取神宮=鏡
→海獣葡萄鏡
(かいじゅうぶどうきょう)
◇鹿島神宮=剣
→直刀=韴霊剣
(ふつのみたまのつるぎ)
※三種の神器に対応させたかのように、鏡と剣を所蔵する香取神宮と鹿島神宮。
たんなる偶然でしょうが、デキ過ぎです。
◆香取と鹿島は常にワンセット
国譲り神話に登場する香取と鹿島の御祭神。朝廷からの神階も常に同時に受けてきました。
①皇室からの勅使
~近畿の神社ではめずらしくありません。しかし、地方では香取神宮・鹿島神宮、宇佐八幡宮だけに派遣されます。香取・鹿島には毎年、宇佐には7年おきの派遣です。
②両社で1つ?
~伊勢の内宮と外宮。京都の上賀茂神社と下鴨神社、あるいは九州・宗像の辺津宮、中津宮、沖津宮などと同じように1セットとして考えることもできそうです。
by『神社の古代史』 岡田精司
【境内点描】
◆社叢
~押手社・要石付近。
このあたりの空気は澄みきっています。
◆桜馬場
~本殿裏手から北参道を抜けました。左手に桜馬場と鹿苑です。
【編集後記】
ラストは、メディアやブログでほとんど見かけない写真をご紹介します。
北参道を抜け、右に行くと『香雲閣』があります。その庭先にある『髪塚』です。
◆髪塚
~その昔、出征した兵士の妻や恋人、あるいは母親がこちらにやってきました。女性たちは、この場で髪を切って埋めました。武運長久と無事帰還を祈ったそうです。切なくなります。
建立は、右=明治34年、左=昭和16年(日米開戦の年)。
◆かつての参道
~香取神宮が鎮座する亀甲山。ここには表参道、旧参道、北参道のほか、御神域につながる獣道のような細道がいくつかあります。
写真は、利根川方面から入り、『寒香亭』という茶店の脇に出られる、参道の1つでした。
(注)今は、途中から私有地となり、立ち入り禁止になっています。
(了)