諸国 

  総社&二宮の御朱印 

 

 筆者が参拝した神社から標記神社を抽出

社殿や御朱印などをご紹介します。

 

【写真】

1枚め=拝殿

2枚め=御朱印

3枚め=水盤

※2023年 9月1日現在 6か國・13社

 

 

【目次】

①安房國(千葉県)

 総社:鶴谷八幡宮

 二宮:洲宮神社

 

②上総國(千葉県)

 総社(論)上総戸隠神社

 総社(論)飯香岡八幡神社

 二宮:橘樹神社

 

③下総國(千葉県)

 総社:六所神社

 二宮(論)二宮神社

 二宮(論)千葉寒川神社

 

④常陸國(茨城県)

 総社:常陸国総社宮

 二宮:静神社

 

⑤武蔵國(東京都・埼玉県)

 総社:大國魂神社

 二宮(論)二宮神社

 二宮:(論)金鑽神社 未参拝

 ※金鑽神社は五宮との説あり。

 

⑥伊豆國(静岡県)

 総社:三嶋大社

※三嶋大社は総社であり、一宮。

 

 

◎総社とは

 律令制において、国司着任後の初仕事は赴任国内の有力神社を順に参拝することでした。これが、かなり大変な業務だったようです。そこで、平安時代に考案されたのが「総社」で、複数の神社を合祀しました。例えば、武蔵国の総社=大國魂神社では、一宮から六宮までを一気に合祀。

 

 この結果、国司は総社に1回詣でることで「複数社への参拝を済ませた」ことにしてしまいました。業務合理化の離れ業です。

 

 

①安房国

 総社

  鶴谷八幡宮  

(つるがや)

◇鎮座地:千葉県館山市八幡68

◇最寄駅:JR内房線・館山駅~1.2km

◇御祭神:品陀和気命、帯中津彦命、息長帯姫命

 平安時代初期、国府近くの現在の南房総市府中に安房国総社として創建されました。鎌倉時代に入ると総社信仰が衰微。代わって、源氏の影響で八幡神信仰が高揚。当社は、総社から八幡宮と改変し、創建の地から当地に遷座しました。

 

 

 

 安房国 二宮

  洲宮神社  

(すのみや)

◇鎮座地:千葉県館山市洲宮1083番地

◇最寄駅:JR内房線 館山駅~6.6km

◇バス便:洲の宮バス停~270m

 館山駅→(JRバス関東)

◇主祭神:天比理刀咩命(あめのひりとめのみこと

◇相殿神:天富命(あめのとみのみこと)、天鈿女命

 安房国二宮としての確実な史料は知られておりません。鶴谷八幡宮(=安房国総社)への神輿渡御において、当社は「安房二ノ宮 洲宮神社」の高張りを掲げ、安房神社神輿の次に斎場へ入御します。

◎御朱印はありません。本務社=安房神社にもありませんでした。

 

 

②上総国

 総社(論)

  飯香岡八幡宮  

(いいがおか)

◇鎮座地:千葉県市原市八幡1057-1

◇最寄駅:JR内房線 八幡宿駅~200m

◇御祭神:誉田別命(=応神天皇)、息長帯姫命(=神功皇后)、玉依姫命

 天平宝字3年(759)、全国放生の地に鎮座する国府八幡宮と定められ、国府司祭の放生会を現在に伝える上総国の古社です。中世以降、上総総社としての機能を持つようになり、その名残から国府総社と尊称されています。

 

 

 

 総社(論)

  上総戸隠神社  

(かずさとがくし)

◇鎮座地:千葉県市原市惣社4-9-18

◇最寄駅:JR内房線 五井駅~2.6km

◇バス便:国分寺台中学校バス停~550m

 五井駅→小湊バス・国分寺台行

◇御祭神:思兼命、天手力男命、表春命

 創建は、天平12年(740年)。国分寺守護のために降臨した戸隠大明神を奉斎。

923年には、上総国の諸神を集めて総社としました。

 

 

 

上総国 二の宮

 橘樹神社 

 (たちばな)

◇鎮座地:千葉県茂原市本納738

◇最寄駅:JR外房線 本納駅~850m

◇御祭神:弟橘比賣命

 本殿の背後には、弟橘比売命御陵とされる古墳が残っています。

 本殿が造営されるまで、拝殿から直接古墳を拝む形となっていたそうです。

 境内の吾妻池は、この墳墓を掘った跡の穴であると伝わっています。

 

 

 

③下総国

 総社

 六所神社 

◇鎮座地:千葉県市川市須和田2-22

◇最寄駅1:京成線 市川真間駅~1km

◇最寄駅2:JR総武線 市川駅~1.5km

◇バス便:須和田バス停~150m

(市川駅北口→「市41」国分高校行)

◇御祭神:大己貴尊、伊弉諾尊、素盞嗚尊、大宮売尊、布留之御魂、彦火瓊々杵尊

 当社は、下総国の総社に比定されています。現在地に遷座する前は国府台のスポーツセンター近辺に鎮座していました。市川国府台一帯は、下総国府の推定地とされています。

御朱印は、本務社である「葛飾八幡宮」にて拝受しました。

 

 

下総国 二宮(論)

 二宮神社 

◇鎮座地:千葉県船橋市三山5-20-1

◇最寄駅:新京成線 薬園台駅~2km

◇バス便:JR津田沼駅→京成バス→二宮神社前

◇御祭神:建速須佐之男命、櫛稻田比賣命、大国主命

 当社が二宮神社と呼ばれ始めた時期は不明ですが、乾元2年(1303)銘の梵鐘(成田市祥鳳院蔵)に「総州二宮社壇」とあることから鎌倉時代にはすでにこの呼称があったとうかがえます。

 

 

 

下総国 二宮(論)

 千葉寒川神社 

◇鎮座地:千葉県千葉市中央区寒川町1-123

◇最寄駅:JR総武線 本千葉駅~750m

◇御祭神:寒川比古命、寒川比売命

◇相殿神:天照大御神

 当社は、船橋三山の二宮神社と『延喜式』式内社を長年にわたって争ってきました。しかし、筆者が宮司に取材したところ、当社はこの争いから身を引いたようです。

 

 

 

④武蔵国

 総社

 大國魂神社 

◇鎮座地:東京都府中市宮町3-1

◇最寄駅1:京王線 府中駅~280m・二之鳥居

◇最寄駅2:JR武蔵野線 府中本町駅~350m・手水舎

◇主祭神(中殿):大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)=大国主命

◇御祭神(東殿):小野大神(=小野神社)、小河大神(=二宮神社)、氷川大神(=氷川神社)

◇御祭神(西殿):秩父大神(=秩父神社)、金佐奈大神(=金鑚神社)、杉山大神(=杉山神社)

 当社の境内地がかつての武蔵国の国府跡にあたっています。

 当社は、武蔵国総社として、当社創建当時の武蔵国一之宮から六之宮まで(通称:武州六社明神)を祀っています。

 

 

 

武蔵国 二宮

  二宮神社  

◇鎮座地:東京都あきるの市二宮2252

◇最寄駅:五日市線・東秋留駅~300m

◇御祭神:国常立尊

 当社境内には、縄文の神=アラハバキ神社を祀っています。また、石段を下りて、道路を渡ると清澄な水を湛える池があります。その湖畔に縄文神=社宮司があります。

 

 【御朱印】参拝当日が「頒布日」でなかったため、拝受できませんでした。

 

 

⑤常陸国

総社

 常陸国總社宮 

◇鎮座地:茨城県石岡市総社2-8-1

◇最寄駅:JR常磐線 石岡駅~1.1km

◇御祭神:伊邪那岐命、邇々命藝命、須佐之男命、大國主命、大宮比賣命、布瑠大神

 石岡市は、かつて常陸国の国府が置かれていました。

 当社の社地は旧常陸国衙に隣接します。

 

 

 

常陸国 二宮

  靜神社  

◇鎮座地:茨城県那珂市静2

◇最寄駅:JR水郡線 静駅~1.6km

◇御祭神:建葉槌命(たけはづち)

 別名→倭文神(しとりのかみ)

 当地は倭文(しどり)部、すなわち文様付の布を織る技術者集団の居住地と見られ、静神社はその関係社と見られています。

 

 

 

⑥伊豆国

 総社

 三嶋大社 

◇鎮座地:静岡県三島市大宮町2-1-5

◇最寄駅:JR東海道本線 三島駅~1.1km

◇御祭神:大山祇命、積羽八重事代主神

三嶋大社は総社宮であり、「伊豆國 一之宮」でもあります。

 

 

以上、筆者が参拝した、諸国 《総社&二宮》 でした。

 

 

【関連リンク】

よろしければご覧ください。

《諸国の勅祭社&一宮》

~拝殿・御朱印・水盤~

 東日本編

 西日本編

 

 

ご覧いただきまして

ありがとうございました。

(了)