2018年 8月、練馬区にある太田道灌ゆかりの神社を巡ってきました。今回は、標記神社と周辺に鎮座する「水に関わる社」に参拝しました。

 

 石神井氷川神社

(しゃくじい)

  室町時代の応永年間(1394~1428)に、領主である豊島氏が居城・石神井城の中に守護神として祀ったのが始まりです。

◇鎮座地:東京都練馬区石神井台1-18-24

◇最寄駅:西武新宿線・上石神井駅~1.4km

     西武池袋線・石神井公園駅~1.6km

*バス→①JA東京あおば、②あたご橋

①=JR阿佐ヶ谷駅・JR荻窪駅、西武池袋線石神井公園駅から乗車。

②=JR吉祥寺駅・JR西荻窪駅、西武新宿線上石神井駅、同・大泉学園駅から乗車。

◇主祭神:須佐之男命

◇相殿神:稲田姫命、大己貴命

◇御朱印:あり

 

 

 

【表参道】

◆社頭

 石神井氷川神社は、JA東京あおば・バス停で下車し、旧・所澤道(=早稲田通り)を進みます。400mほど歩くと、参道入口です。

◇鎮座地:東京都練馬区石神井台1-18-24

◇最寄駅:バスのみ。最寄りバス停→①JA東京あおば、②あたご橋

①=JR阿佐ヶ谷駅、JR荻窪駅、西武新宿線・石神井公園駅から乗車可。

②=JR吉祥寺駅、JR西荻窪駅、西武新宿線・上石神井駅、同・大泉学園駅から乗車可。

◇主祭神:須佐之男命

◇相殿神:稲田姫命、大己貴命

◇御朱印:あり

 

 

◆大鳥居

~参道は、狛犬の地点まで日陰です。これは、石畳の両サイドの樹木が上空で重なり、さながら緑のトンネルになっているためです。

 

 

大田道灌は、石神井城(含・石神井氷川神社)攻略の前に、井草八幡と荻窪八幡に戦勝を祈願しました。筆者もそれを踏まえて、この2つの八幡社を参拝してから、石神井氷川神社を訪問しました。

 

 

◆手水舎

~この日、日差しが強く、猛暑でした。しかし、この付近が涼しかったことを思い出します。

「洗心」と刻まれた水盤には、清らかな水。

 

 

◆狛犬

 

 

 

【社殿】

◆拝殿

~神霊は、武蔵国一之宮「氷川神社」から分霊しました。

~明治34年に落成した拝殿は老朽化したため、平成4年に建て替えられました。

 

 

◆拝殿内部

~薄暗くて見えにくかったのですが、両手を挙げて舞う姿?らしき木像が見えました。

 

 

◆本殿

~社叢でがっちりとガードされていた本殿。わずかに、神紋(=菊紋)が確認できました。

 

 

 

【境内点描】

◆御神田

~古代米を栽培しています。日常の神饌、新嘗祭など、こちらで収穫された稲を用います。脱穀や精米などの作業を一般参加が可能な体験型イベントにしています。11月中旬に実施。

 

 

◆石燈籠

~氷川神社に存在する石燈籠の中で最古です。左は、完存していますが、右は火袋を欠いています。石神井城の落城から、約200年後の元禄12年(1699)に豊島氏の子孫より奉納。

 

 

◆不明な祠

~火を扱う場のように見えます。となると、竈(かまど)の神さまを祀っているのでしょうか。背後には、いわゆる忠魂碑。

 

 

◆神楽殿

~昭和12年建立。流麗な美しさは都内でも特筆されるものです。by「参拝の栞」

 

 

 

【境内社】

右:榛名、浅間、御嶽、阿夫利、三峯

左:北野、八幡、御嶽、三島、須賀、稲荷

~このエリアは「儀式殿」の建設地になったので、末社群は現在地より西側に遷座予定です。

 

 

◆歴史的手水鉢

~《石神井郷 鎮守社 御手水鉢》 と刻まれています。

 

 

◆東鳥居

~ここから、境外に出ます。「石神井城址」を経て、厳島神社(=所管社)に向かいます。

 

 

◆石神井城址

~中世に造られた城は小規模なものが多く、築城目的は、領主の居館、領内の要所を押さえる出城などでした。こうした城は、江戸時代になって幕府の一国一城政策のために、その多くが取り壊されました。城は廃城、寺は廃寺が多々あります。しかし、神社は生き永らえます。

 

 

 

【三宝字池周辺】

◆水にまつわる神社群

~池のほとりには、①水神社、②厳島神社、③穴弁天社、など《水に関わる神さまの社》が点在します。木道を使って湖畔を進みます。

 

 

①水神社

御祭神:水波能売神

~日本古来の代表的な水神です。

水波能売神や龗神は、瀬織津姫の別名である、との説もあります。

 

 

 

②厳島神社

御祭神:狭依姫命(さより姫のみこと)

相殿神:香具槌命、倉稲魂命、国常立命

~狭依姫命は、市杵島姫命の別名。宗像三女神の一柱。水の神さまです。

太鼓橋を渡って中之島に入ります。鉄門も、拝殿の扉も、固く閉ざされていました。

 

 

③宇賀神社 穴弁天

御祭神:市杵嶋姫命

~この霊窟、奥行きは10m。穴の最奥には、この池底からあがった「宇賀神像」(=人面蛇体)が安置されています。

市杵島姫=弁財天=宇賀神、この三神は同一視されています。

 

 

◆厳重に閉ざされた扉

~扉は例祭のときしか開かないようです。中は真っ暗で様子が分かりませんでした。後刻、ネットで内部写真を見ました。中は、岩窟ではなく、土の洞窟でした。

 

 

◆対岸から望む厳島神社

~背後が山のように見えて、「山紫水明」な感じの風景だと思いました。

 

 

◆遊歩道

~水神社があった場所からかなり進み、湖畔を半周以上ほど回遊した地点です。池を眺めつつ、このような巨木の林を歩く。気持ち良いひとときでした。

 

 

◆湧水地

~こんこんと湧き出る、清冽な水。湧水は、三宝字池~石神井池~石神井川と流れて、最終的には隅田川に合流します。

 

 

◆参考図版

川瀬巴水「三宝字池(石神井)」

~”昭和の広重”と称される、川瀬巴水の作品は、山王日枝神社、磐井神社、大宮氷川神社、氷川女體神社の各記事でもご紹介しております。

 

 

 

【御朱印】

~すべて墨書です。御朱印は、中央=氷川神社、右上=神紋(菊)、左下=社務所印

 

 

 

【参拝ルート】2018年 8月25日

START東京メトロ「荻窪駅」→関東バス・南善福寺行き→「八幡宮裏・バス停」~徒歩20m~①『井草八幡宮』~徒歩30m~「井草八幡宮・バス停」→関東バス・荻窪駅行き→「荻窪警察・バス停」~徒歩40m~②『荻窪八幡神社』~徒歩100m~「荻窪警察前・バス停」→西武バス・石神井公園駅南口行き→「JA東京あおば・バス停」~徒歩450m~ ③『石神井氷川神社』~徒歩300m~④『水神社・厳島神社・宇賀神社 穴弁天』 ~徒歩~「三宝寺池前・バス停」→西武バス・長久保行き→「大泉学園駅南口・バス停」~徒歩~西武池袋線「大泉学園駅」GOAL

 

 

 

【ひとこと】

◆神職

~こちらの宮司さんは、ツイッターや広報誌の発行など、情報発信に積極的な方のようです。また、地元のボーイスカウト&ガールスカウトへの支援をしていることが広報誌に掲載されていました。さらに、境内を全開放して『井のいち』という総合的な文化活動も主催しています。

 

◆境内末社と兼務神社

~前者は11社を祀り、後者は、記事でご紹介した「厳島神社」はじめ、近隣の10社の業務管理も行っています。これも、石神井総鎮守のプライドでしょうか。 (了)