松戸神社 (まつど)
《静寂で清浄なご神域》
当社は、松戸駅から徒歩7分。市内の神社では、もっとも清浄で、もっとも美しい神社の1つだと思います。境内では、お水取りもできます。
【表参道】
◆一之鳥居
純白の神明系大鳥居です。
◇鎮座地:千葉県松戸市松戸1457
◇最寄駅:松戸駅~550m
(JR常磐線、新京成線)
◇御祭神:日本武尊
◇社格等:村社
◇御朱印:あり
◆桜満開の一之鳥居 2022.03撮影
◆表参道
両サイドに石灯籠が並びます。5基づつ、計10基です。
◆二之鳥居
◆潜龍橋
橋は、古来より「あの世とこの世の境とか、聖と俗の境」と言われています。
◆手水舎
柱は、四神霊獣(=青龍、白虎、朱雀、玄武)の彫刻で飾られています。
水盤は1867年奉納。猛烈な水勢で気分爽快。
◆水盤の隣に吐水龍
2022年 3月、堂々落成!
【社殿】
◆拝殿
創始伝承は、東国の神社に頻出する「日本武尊の東征」絡みです。
◆社殿の創建は江戸時代
実際に社殿が創建されたのは比較的新しく、1626年。
創建以来「御嶽大権現」と称していました。明治15年(1882年)に「松戸神社」と改称しました。
◆本殿
境内西側から瑞垣越しに本殿を遠望。千木は外削。鰹木は3本。
【瑞垣御門】
◆青龍門
四神の青龍は「東」を守護します。
しかし、当社・青龍門は瑞垣の北面に造られています。本来、この位置は玄武門(北を守護)が造られるべきです。
なぜ、北なのに青龍なのか。その理由を知りたいところです。
【宮司さんに取材】
→2022年03月の参拝時、この件について宮司さんに取材しました。
瑞垣御門は、元々、東に青龍門、西に白虎門の2か所。南北は造ってなかった。
青龍門が「壊れてしまった」ので、北側に門をつくり、神額を掲げたとのことでした。
◎釈然としないこと
壊れて修繕するのに、なぜ、あえて「北」に建て替えねばならないのでしょう。
元々あった場所に、建て替えられない理由でもあるのでしょうか。今、東側には拡充された社務所と物置が建てられており、御門を建てるスペースはありません。
◆白虎門
瑞垣の西側に建てられています。
神額が経年劣化し、文字を判読できません。
【聖なる水&ご神木】
◆龍神水
神域より汲み上げた清浄な地下水。お水取りは24時間可能です。
龍の口から力強く放たれる御神水。
浄水は天然石の段差を流れ落ちていきます。
◆御神木(大銀杏)
伝承:当地に鷹狩りに来た徳川光圀。大銀杏に白鳥が止まっているのを発見。早速、鷹を放とうとしますが、鷹は微動だにしません。憤慨した光圀が矢を射かけようとしたところ、矢が中央から折れてしまいました。光圀は折れた弓矢を奉納して神前に陳謝したそうです。
日本武尊(=御祭神)が死後、白鳥になったこと。黄門さまは知らなかったのでしょうか。
【境内社1】
境内全域に13社が点在します。
まずは、拝殿前庭の境内社から。
◆秋葉神社
御祭神:火之迦具土神
末社にもかかわらず、社殿のサイズは本社拝殿と比べて、なんら遜色ありません。
なぜ、当社の境内社として鎮座しているのか、その由来は不明です。
◆秋葉神社の奉納額
御祭神が「火の神」なので、江戸火消しから額が奉納されました。
纏には、芥子玉(けしだま)と升。これで「芥子・升=消します」。となります。(松戸神社HPより)
◆水神社
御祭神:罔象女神
覆い殿には、紋幕に加えて紙垂つき注連縄。内部の石祠には榊と御幣。
◆金刀比羅神社
御祭神:大国主神の和魂
小さいほうは「市神社」(大宮能売命)。両社は、手水舎の隣に鎮座します。背後は坂川。
◆金刀比羅神社の内部
掃除中だったらしく、扉が開いていました。そのおかげで社殿内の天狗面を初撮影。
【境内社2】
本殿の横(=西側)と裏手(=北側)に鎮座する境内社です。
◆寄せ宮
左から①三峰社、②疱瘡社(八坂神社)、③八幡社、④水神社
祭神:①伊邪那岐命・伊邪那美命、②須佐之男命、③応神天皇・比売大神・神功皇后、④罔象女神(みつはのめ)
◆松尾神社
御祭神:大山咋命
◆富士塚
小さいながらも、黒ボク(=富士山の溶岩)らしき石で築山されています。
◇右頂:富士嶽神社
◇左頂:小御嶽神社
◆富士嶽神社
御祭神:木花咲夜毘売命
◆左:庚申社(猿田彦大神)
◆右:稲荷社(宇迦之御魂大神)
◆厳島神社
御祭神:市杵島姫命
社の周囲に水がありません。
江戸時代の絵図を眺めたところ、この地には池が描かれていました。これで納得。
◆狐塚
過去2回は、こちらに近づくと寒気がしました。でも、今回は大丈夫でした。
【境外末社】
◆松先稲荷神社
御祭神:宇迦之魂神
当社から140mほどに鎮座。小さな神橋、鳥居、本殿、境内社2社、などがありました。
※2022.03月 撮影~写真掲載
【四神霊獣】
当社では、特別扱いされております。
四神霊獣は
①手水舎の柱装飾
②神楽殿の天井画
③御朱印帳
などで見ることができます。
さらに、④四神像も所蔵しています。
①手水舎・装飾
こちらは、白虎。ほかに、青龍・朱雀・玄武の彫刻が手水舎を飾ります。
②神楽殿・天井画
白虎、青龍、朱雀、玄武。 ※写真は松戸神社HP
③御朱印帳
四神霊獣は四方位を守護します。
東=青龍、西=白虎、南=朱雀、北=玄武
④四神像
当社例祭=神幸祭において神輿の行列に加わります。
※四神像・・・「畏れ多い神具」とみなされています。通常、四神は錦旗に刺繍されて拝殿内に置かれることが多いようです。
昭和15年の大祭以降、行方不明となっていました。しかし、平成元年に神輿蔵において、偶然発見されました。 ※写真は神社HPより拝借
【神と名がつく施設】
◆神楽殿
天井画が36面も描かれています。
◆神輿蔵
【御朱印】
初穂料300円
コロナ禍のため書置きでした。過去2回は御朱印帳に押印してもらえました。
【参道】
当社には、西参道(=表参道)のほか、南参道、北参道があります。
◆北参道
右手に坂川を望める、水と緑の参道です。
◆南参道
【附録】戸定邸(とじょうてい)
2017年 5月、松戸神社参拝の帰路、こちらの公園に立ち寄りました。
◆茅葺門
第15代将軍・徳川慶喜の弟であり、水戸藩最後の藩主である、徳川明武(あきたけ)の別邸が当社から400mほどの場所にあります。幕末、明武は使節団を率いて渡仏。到着後の昭武はナポレオン3世に謁見し、パリ万国博覧会を訪問しました。
万博終了後、引き続き幕府代表として欧州各国を歴訪。その間に、オランダ国王、ベルギー国王、イタリア国王、イギリス女王・ヴィクトリアに謁見しました。
byウイキ
◆表座敷
◆奥座敷の円窓
【参拝ルート】2020年11月30日
《松戸の神社を歩く》
START=松戸駅・西口~南へ650m~①松戸神社&秋葉神社 ~松戸駅・西口~同・東口~北へ650m~②金山神社~170m~③池田弁財天~550m~松戸駅=GOAL
【編集後記】
◆坂川のこと
近年、市民の努力により水質が改善されつつあります。水鳥も見かけるようになりました。
近年、急速に増えている「オオバン」という水鳥。潜水が得意な留鳥です。
今回で、松戸市の神社巡り記事は終了です。この後、12月初旬に再び松戸を歩きました。次回から「松戸の神社を歩く Ⅱ」の予定です。ありがとうございました。 (了)