和樂備神社 (わらび)
境内には、こちらの拝殿のほか、初代拝殿と二代目拝殿が形を変えて残されています。
◇鎮座地:埼玉県蕨市中央4-20-9
◇最寄駅:JR京浜東北線・蕨駅~850m
◇主祭神:誉田別尊
◇御朱印:あり
※室町時代の八幡社が始まりです。明治6年、国策により近隣の氷川社や稲荷社など18社を合祀。併せて、神社名から「八幡」の名を外し、 和楽備神社と改称しました。
【参道】
◆神橋と一の鳥居
入口には、神橋+鳥居です。すなわち、「聖から俗への切り替え装置」が二重に施されていいる、ということです。これなら、カンペキに切り替わりますね^^
◆神楽殿
二の鳥居まで約100m。横幅も50mくらいあるので、広い空き地になっています。ここに、神楽殿と宝篋印塔(ほうきょういんとう)という、古い石塔がありました。
◆二の鳥居
鳥居の傍らには、骨太な社号標がありました。
◆手水舎
白く塗られた、梁(はり)や柱が特徴的です。鳥居をくぐった左手にあります。
◆水盤
上野寛永寺にあったもの、といわれています。大型で水穴も外形に合わせて成形するなど、こうした製作様式から、江戸時代初期のものと評価されています。
◆狛犬
「阿」+「阿」です!
◇特徴①=口蓋 双方とも口を開けていて「阿・吽」ではない。
◇特徴②=髪型 まるで、バッハみたいな髪型です。
◇特徴③=台座 布をかぶせた碁盤の上に載っています。
このようにユニークなのは台湾製だから、と言われています。
◆拝殿を遠望
拝殿の左隣には、授与所・社務所の大きな建屋。
【社殿】
社殿は、西南の方角を向いています。
◆拝殿
1997年に造営されました。天水桶と賽銭箱の色彩や質感を統一して、シンメトリックさを演出する。そんな意図を感じました。
◆4代目
和楽備神社と改称後、125年間で4代目です。3代目は、1996年に不審火で焼失。初代と2代目については、後述します。
物をゴチャゴチャと置いてないので、スッキリとしています。
◆拝殿、幣殿、本殿
◆本殿
おそらく「覆い殿」かと思われます。
【境内点描】
◆神池への鳥居
拝殿の横にある鳥居をくぐると、神池に出ます。青葉が気持ち良いです。
◆神池
旧・蕨城に造られた水堀の名残をとどめています。
【境内社】
◆神輿庫
実は、二代目の拝殿でした。改装されて神輿が収められています。
◆証拠写真:二代目拝殿
こちらの拝殿の屋根と神輿庫の屋根をご覧ください。同じものだと分かります。
◆稲荷社(=初代拝殿)
今は、稲荷社となっておりますが、元は、八幡社の本殿でした。すなわち、「和楽備神社」と改称したときの初代拝殿でした。
◆弁天社
御祭神:市杵島姫命
神池のほとりに鎮座しています。
◆祠と石碑
左から、浅間神社(=木花咲耶姫命)、小御嶽神社(=磐長姫)の姉妹神。樹木をはさんで、榛名神社(=火の神&土の神) など、山に係わる社が並んでいます。
◆背景が美しい「力石」
力石はほとんど記事にしたことがないのですが、背景が美しいと思えたのでアップします。
◆参集殿
デザイン性が高い参集殿。内部からは、石灯籠など美しい庭を眺めることができます。
◆元・二の鳥居の神額
石でできた額の彫刻が凝っています。瑞垣の内側で無造作に置かれていました。
【御朱印】
【参拝ルート】2018年 6月 5日
START=JR京浜東北線・川口駅~徒歩8分~①『川口神社』~「川口駅」→京浜東北線→蕨駅~徒歩10分~ ②『和樂備神社』 ~「蕨駅」=GOAL
【編集後記】
◆ご神体
(写真=蕨市役所HPから拝借)
かつて、八幡社には、ご神体がありました。八幡騎馬像と 僧形八幡立像です。しかし、そもそも神様とは目に見えない存在です。よって、偶像崇拝もありえません。こうした木像には、神仏習合の歴史を感じます。現在、和楽備神社のご神体は騎馬像のみです。
※騎馬像は、一般公開されておりません。
◆割愛した写真
紹介できなかったもの:天神社、建築三神碑、菓祖神碑、おんたけ講碑、御主殿神社、津島牛頭天王碑、宝篋印塔、木遣り塚、筆塚、など、多数の写真を割愛いたしました。
◆和楽備神社
特別、ご神気が強いというわけではありません。ごく、フツーの神社なんだと思います。ただ、綺麗な拝殿、7基もある鳥居、神橋、神池、奇抜な狛犬、あるいは、隣接地に「蕨城址公園」などもあって、見どころ満載な神社かと思います。 (了)