岩槻久伊豆神社

(いわつきひさいず)

 当社は、出雲族・土師(はじ)氏が東国に移住してきた際、出雲から大国主命を勧請したのが始まりです。1400年前のことでした。 ※「孔雀舞」はネットより拝借

◇鎮座地:埼玉県さいたま市岩槻区宮町2-6-55

◇最寄駅:岩槻駅or東岩槻駅~1.2km

 (東武アーバンパークライン)

◇御祭神:大国主命

◇御朱印:あり

 

 

 ◆久伊豆の名称由来

~この独特な名称由来は諸説あります。

例えば、この地の支配者=私市党(きさいち党)から転じた、との説。すなわち、キサイチ→ヒサイヅと訛化し、それに久伊豆の字が当てられた。など。

by『武蔵の古社』菱沼 勇

 

 

◆のどかな元荒川

~久伊豆神社は、元荒川流域に55社が分布します。これは、中世武士団「武蔵七党」の野与党(のよとう)、私市党(きさいち)党の勢力範囲とほぼ一致します。

元荒川流域に55社も鎮座する神社。元々は、元荒川流域の住民が祀った、水神だったのでは・・・。と、想像したくなります。アラハバキ神がスサノオに変わっていった氷川神社のように。

 

 

 

【参道】

◆一の鳥居

~白い鳥居は、神明系。こちらから拝殿まで、長~い参道が始まります。

 

 

◆緑のトンネル

~参道の両サイドには、背の高い樹木が続きます。

 

 

◆参道狛犬

~目が特徴的な狛犬。他に類を見ない、クリクリッとした瞳のカワイイ狛犬です。

 

 

◆二の鳥居

~白い鳥居&赤い柵が緑に溶け込んでいます。

 

 

 ※二の鳥居を潜ると、聖性が高まります。この先は目を引く「物件」が目白押しです。

 

 

◆明戸庚申社

(あけどこうしん社)

御祭神:猿田毘古大神

~二の鳥居を潜ると、右手に「明戸庚申」があります。廃藩置県に伴って、岩槻城の明戸口から移築されました。

 

 

◆常夜燈

~庚申舎・鳥居の右手、狛犬が常夜燈を背負っています。

 

 

◆神池

~拝殿に向かって右手に神池=放生池。

 

 

◆神苑

~拝殿に向かって左手に造られた、枯山水式の庭園です。

岩や石や砂で水の流れを表現しています。

 

 

◆参道

~一の鳥居を起点に300mほど続く参道は、ていねいに掃き清められていました。

 

 

◆手水舎

~重厚な瓦屋根が乗っています。屋根には金箔を貼った神紋も見えます。

 

 

◆水盤

~木製の柄杓は真新しく、質的&数的に申し分ありません。

 

 

◆拝殿を遠望

~静寂に包まれた境内。灯篭と石段の向こう、緑に包まれた拝殿が遠望できます。

 

 

 

【社殿】

◆拝殿

~2014年に「平成の大造営」を終えたばかりです。木の香漂う、美しい拝殿です。

 

 

 

 

 

 

◆本殿

 

 

 

 

【境内点描】

◆神楽殿

~オンボロと紙一重。多種多様な額や絵馬が掲げられていて、歴史を感じさせます。

 

 

◆御神木

~樹齢400年前後の大榊。この写真撮影から数か月後、立ち枯れしてしまったようです。

 

 

◆参集殿

ご神札やご祈祷を受け付けています。左の竹製蛇口からは、たえず水が流れていました。

 

 

◆旧社務所

~新社務所の現代的な美しさとは種類が異なる、趣ある美しさです。斎館を連想させます。

 

 

 

【境内社】

3つの境内社が、本殿の東・西・北の空間に鎮座。本殿を守護するかのような感じです。

◆北野天満宮

御祭神:菅原道真公

~本殿の東側空間に鎮座します。祭神・菅原道真は、土師氏の子孫。久伊豆神社を創始したのは、土師氏。よって、久伊豆神社と北野天満宮には縁があります。

 

 

◆伏見稲荷神社

御祭神:宇迦之御魂神

~本殿の西側空間に鎮座。「願い狐」が用意されています。

 

 

◆榛名神社

御祭神:火産霊神、埴山毘売神

~本殿の北側空間に鎮座。祭神は、火の神と土の神。江戸時代、榛名神社は「榛名講」でも知られています。そのご神水を用いた「雨乞い」はとても効果が高かったそうです。

 

 

◆忠霊塔

 

 

 

【御朱印】

~神社のシンボルである、孔雀の印判が押されます。

 

 

【参拝ルート】2018年 5月21日

START=東武伊勢崎線「加須駅」→朝日バス→「騎西1丁目 停留所」~徒歩5分~①『玉敷神社』&『玉敷公園』~徒歩5分~「騎西1丁目停留所」→朝日バス→東武伊勢崎線「加須駅」→東武伊勢崎線→「鷲宮駅」~徒歩7分~②『鷲宮神社』~徒歩7分~「鷲宮駅」→東武伊勢崎線→「春日部駅」→東武アーバンパークライン→「東岩槻駅」~徒歩18分~ ③『岩槻久伊豆神社』 ~徒歩~「東岩槻駅」=GOAL

 

 

 

【孔雀のこと】

当社では、境内で 孔雀 を飼育しています。

以下、2枚の写真は、2018年・秋季例大祭で披露された「孔雀の舞」です。埼玉新聞社などから拝借しました。

 

①皇族が下賜

昭和13年に朝香宮殿下が岩槻町にご来臨の折、孔雀を下賜されました。それが当社に奉納されました。境内の孔雀は、その子孫です。

 

 

②救邪苦(くじゃく)

~当社では、孔雀を「救邪苦」と呼び変えます。人を邪気と苦難から救い出す偉大な鳥、と位置づけ、その力を御守などの形にしています。

当社に孔雀がいるおかげで、ご覧のように美しい「孔雀舞」を見学することができます。素晴らしいことです。

しかし、その一方で孔雀がいるからこその問題点もあるように思います。

 

◆問題点

~参道右手の鳥舎に孔雀がいます。鶏舎も隣接するため、付近は糞尿臭が漂います。臭いが当社の聖性を損なっている事実。神社サイドは、気にもとめないのでしょうか。

 神道は、世界に冠たる「清浄教」です。筆者が考える神社の原点=「清澄・清浄」。当社は、良い神社なので、この悪臭が残念でなりません。少し離れた場所で飼育するだけで全然違ってくると思われます。

 

◆秋季例大祭

~神社本庁より献幣使を迎えて、神職はじめ氏子の皆さんが参列する新穀感謝祭です。神職は正装し、奏楽の中で厳粛に執り行われる”平安絵巻”です。by公式サイト (了)

 

◇初稿:2018.05.24

◇更新:2020.04.20