今回の「美しい神社」は、 本居宣長ノ宮 (もとおりのりながノ宮)です。

 

◇鎮座地・・・三重県松阪市殿町1533-2

        →最寄り駅:JR紀勢線&近鉄山田線「松阪」~三重交通バス「市民病院前」下車

 

◇御祭神・・・秋津彦美豆櫻根大人(あきづひこみずさくらねのうし)=本居宣長 翁

◇相殿神・・・神霊能真柱大人(=平田篤胤)

 

◇御朱印・・・あり→拝受

 

◎参拝日・・・2018年 3月23日

 

※本居宣長は偉大です。どこが凄いのか。それは、古事記の研究です。古事記は 西暦712年に成立しましたが、江戸時代になると、学者でさえ「解読不能」状態になっていました。しかし、彼が35年かけて「注釈書」を完成させたのです。今、私たちが古事記を読めるのは本居宣長のおかげなのです。

 

※なぜ、古事記が読めなくなったの!? 

→平安時代に、ひらがな&カタカナが発明されたため、です。

古事記は次のような文字表記でした。→不尽能高嶺尓 雪波零家留(これは、漢文ではありません。1音=1文字です) 要は、暴走族の「夜露死苦」=ヨロシク、みたいなもの^^

 

→このような文章で書かれているのが「古事記」です。訳せる人がいなくなった、というのも頷けますよね。ちなみに、上の文章を「書き下し文」にすると=富士の高嶺に雪は降りける→→訳文=富士の高嶺に雪が降っている。です^^

 

 

【本居宣長 像】

 

 

 

【参道】

◆表参道

~美しい「玄関」です。

 

 

◆大鳥居

 

 

◆水盤

~鳥獣被害防止ネットつき

 

 

◆石段

 

 

【拝殿】

◆四五百森(よいほの森)

~「本居宣長ノ宮」は、このような名の山林に鎮座。静寂が支配する境内でした。

 

 

◆拝殿軒下

~薄汚れた本坪鈴や鈴緒が下がってないのが嬉しい。

 

 

◆斜めから

~奥に見えるのは、社務所・授与所

 

 

 

【境内】

◆宣長の歌碑=超有名です。

 敷島の やまとごころを 人とはば 朝日ににほふ やまざくら花 

~大和心(=日本人の心)とは何か?と人が尋ねたなら、朝日に照り映える山桜の花のようなもの、と答えよう。→→日本人の心を、一瞬に凝縮された《山桜の美しさ》にたとえた歌です。

 

◆御籤かけ

 

 

◆良く分からない石搭

~本居宣長の屋号が「鈴乃屋」なので、鈴の石搭か?

 

 

◆境内社

~末広稲荷神社

 

 

 

【御朱印】

~例の歌がこちらにも^^

 

 

【本居宣長の神学】のつまみ食い

ーby 井沢元彦『逆説の日本史』ー

◆天災や飢饉

~Q:日本は神によって守られているなら、なぜ天災など不幸な出来事が起きるのか?

→A:宣長は、禍津日神(まがつひのかみ)に注目します。それは、黄泉の国(死者の世界)のケガレから生まれた神さま。その名も瀬織津姫。この世の罪を海に流し捨て、祓い清める霊力をもっている。本居宣長は、この瀬織津姫を天照大神の「荒魂」と位置づけました。つまり、災いは天照大神の荒魂が起こしている。神の思し召しなのだから、災いも受け入れなさい、と。

 

◆願い事

~これは、自分の思い通りに神さまに動いてもらおう、とすること。つまり、神さまを召使扱いするのと同じである、と。宣長は、「願い事」=不敬きわまりない行為。とそう言っています。願い事したければ、稲荷社や八幡宮で、ということかもしれません。

 

◆外国人

~外人は、禊や祓いなどの観念がまったくない野蛮人である。こんなヤツらが日本に入ってきたら、日本中がケガレてしまう。→これが、幕末の攘夷思想につながっていきました。

 

◆吉凶禍福

~吉凶禍福は、(仏教が言うように)人間の心のあり方や行動の善悪によって決まるものではない。死後の行き先は、善人悪人の関係なく、全員が黄泉の国に行くのだ、と。これらすべてが、神のはからいなのであって、人間の意思とは無関係である。と。

 

◆ほどほどにあるべきかぎりのわざ

~「人間が善を行えば神が報いてくれる」と思うことが誤りだとすれば、何もしなくて良いのか。それは違う。祖先祭祀&それぞれが日常の仕事に励む。それがとりもなおさず、天照大神への奉仕なんだ、と。加えて、それによって、瀬織津姫をなだめることができるのだ、と。

 

◆唯一絶対神

~いかがでしたか。本居宣長は、天照大神を唯一絶対神のように位置づけているのが分かりますよね。偶像崇拝も禁止しているし、まるでイスラム教みたいな「宣長神学」です。

 

 

 

【参拝ルート】 2018年 3月23日

START=伊勢パールピアホテル~徒歩~①『豊受大神宮』→バス→②『皇大神宮』~徒歩~③『猿田彦神社』~徒歩~④『上田神社』~徒歩~⑤『月讀宮』~徒歩~「五十鈴川駅」・駅前バス停→バス→⑥『倭姫宮』→バス→「宇治山田駅」→近鉄→「松阪駅」→バス→「市民病院前」~徒歩~⑦『本居宣長ノ宮』~徒歩~⑧『松阪神社』~徒歩~「市役所前」バス停→循環バス→「松阪駅」=GOAL

 

 

 

【ひとこと】

◆宮司さんによる訴え

~氏子がいない神社である、とのこと。何かと、たいへんな様子がうかがえました。

(了)