ウトとトメはお見合い結婚で和菓子屋を営んでいたウトの実家に入ると言う昭和を絵に描いたような「お嫁さん」だった
大ウト、大トメももちろん昭和を絵に描いたような舅姑だった
特に大トメのトメに対する態度は冷たいものだったし嫌味もそれなりに口にしていた
大トメとトメの嫁姑関係は最悪だったようだ
義実家は和菓子屋を営んでいた
和菓子屋と言っても店を構えている訳ではなく自宅工場で作った三色団子や鬼まんじゅう、おはぎ、赤飯をスーパーに卸していた
お餅もやっていたから年末は28日から大晦日までは寝る暇もなく忙しく、のし餅に鏡餅が所狭しと並んでいて家の中はとりもち粉で真っ白でスリッパの後がつくくらいだったな
大トメが生きている頃和菓子屋の経理は大トメ、和菓子の製造はウトとウトの弟、たまにトメが作っていた
トメは主に食事の支度や家事一切を担っていた
ちなみにトメは夜型人間
夜遅くまで撮り溜めたビデオやレンタルビデオをお菓子を食べながら観る
大トメがいる手前朝起きて朝食を作りに下に降りて来ていたが大トメが亡くなってからは起きてくるのは昼近く
いい身分だよな
大トメvsトメの忘れられない一件がある
ある日の夕食時、私達も一緒に夕飯をいただく事になった
義実家はリビングに大きなテーブルがある
座る席も決まっている
１、ウトの弟
２、大トメ
３、ウト
４、トメ
これが定位置
私達夫婦は７に旦那、８に私が座った
テーブルにはトメの手作り料理やら買って来た惣菜含め様々なおかずが並ぶ
いつも5種類か８種類は並んでいる
大トメは自らおかずを取る事は無かった
ウトが小皿におかずを取って大トメに献上していた
何故かはわからないがいつもそうだった
この日もウトはいそいそと小皿におかずを取り、大トメに献上した
小皿をサラッと見て大トメはこう言い放った
「こんなおかず食べれーせんわ」
一瞬ビックリしたがもっとピックリしたのはその時のトメの顔！
大トメの方を見てかつて私を睨んでいた時と同じかそれ以上の睨みを利かせていた
心中こんな感じだっただろうな
その顔を見た瞬間「あの時と同じ！」
そう思った
ウトは大トメに「まーそんか事言わんと食べやー」と宥めていた
トメは常々旦那達に「私の味方はおらん！」と言っていたらしい
そう思うのなら何故自分と同じ境遇になった「嫁」2人を敵に回すような事をしたのか？
大トメに「こんなおかず〜」と言われて嫌な思いをした者が我が子の嫁達に「挨拶が〜」と攻撃するのか
「お父さんは私を守ってくれん！」
とトメは言う
だから息子達の嫁が疎ましい？
自分から息子達が離れて行くのが寂しい？
悔しい？
あなたが牙を剥いた次男の嫁に対してあなたが愛して守られたかったであろう息子は自分の嫁を守ったよ
人に嫌な思いさせたらいつか自分に帰って来るんだよ
三男の嫁に私と同じように「挨拶がない」って三男を責めたよね
その結果三男にボロクソ言われて怒られて2年間三男に口聞いてもらえなかったよね
あなたが大ウトと大トメのご飯に塩かけてたようにあなたも私とコトメちゃんに何らかの報復されるよ
私は今、15年来の恨みを解消しつつあるけど、コトメちゃんはどうかな？
離れた土地に住んでる三男家族、たまに帰省してもコトメちゃんはあなたとあまり話さないよね
それ、何故かわかる？
コトメちゃんもあんたがした事に恨み持ってんだよ！
終わり