久しぶりに札幌で独りきりのお休み。
最近、週末は家族に会いに東京に行ったり、取材で北海道の別の場所に行ったりしていたらから、ちょっと特別な1日。
すごくヒットしていると聞いていたが時間がなくて見に行けなかった映画「君の名は。」を見に行くことに。
前評判はほとんど聞かなかったのに、空前のヒットらしい。ということは、単なる恋愛ものとかを超えて、多くの人を引き付ける何かがきっとあるはず。それを探しに行った。
ロードショーが始まってもう2か月以上になるのに、映画館は満員。開始ギリギリに行ったら、いい席が残っておらず、仕方がないので、その次の回の予約をして、ちょっと早い昼ご飯を先に。
ネタバレになるから、詳細は避けるけど。ある瞬間から、映画のトーンが大きく変わる。
ハリウッドの映画のようなドキドキハラハラとは全く異質な胸が締め付けられるような思い。僕は気が付くと、祈りに似た感覚になっていた。
5年前、あのとき感じたのと似た感覚だ。
絵もきれいだし、音楽も魅力的。主人公の男の子も女の子も可愛いし、登場人物はみんな個性的で魅力的。でも、この映画がこれまでにないほどにヒットした裏側には、きっと、いまを生きる多くの日本人がみんな、心の奥底に程度の差はあれ、同じ記憶を抱いていているからだと思った。シンクロするのだ。
5年前、大津波の現場にもたくさんの人がいた。でも、いま生きている人は、その多くの人を救うことができなかった。濁流が街を、車を、人を飲み込んでいくのをテレビの画面で見るしかなかった。
その後悔と、「もし」があったなら。そんな思いが再び頭に蘇る。
主人公の男の子が就職活動中に発するなんとはなしの一言がスクリーンの中と現実にあった出来事とをシンクロさせている。新海誠監督の意図を感じる。
5年前のあの日。ありふれた日常が一瞬にして消えるということが存在することを、知った。
失われた尊い日常への祈り。映画を貫く世界観は5年前への鎮魂歌のよう。
そんな映画がヒットした。僕はこの国で、原子力発電所が再びバンバン動き出すことはないだろうと確信した。
うのしん