紳士文化と捉えるべきか​

ダウントン・アビーを全話見て

今更ながらに思うのは

留学時代(1990年代後半)

結構警察のお世話になったことを思い出すのです。


1920年代ダウントンアビーに訪れる地元警官。


あのテンションと全く変わっておらず

基本ふわふわしてて緊迫感がないんですよね…


良くも悪くも

事件といえど所詮他人事だしね?スタンス

とでも言いましょうか。



ロンドン滞在2年目のとき

私はドイツ人学生と

中心地区からちょっと離れた北ロンドンにある

一軒家をハウスシェアしておりました。


当時のわたしの彼氏が

ロンドンの中心地区の仕事帰りに寄ったので

自宅付近のモロッコ料理レストランに

外食に出掛けた日がありまして。



この北ロンドンの物件、

家賃は非常に安く広かったんですが

玄関ドアの立て付けも非常に悪く

鍵をかけたはずなのにドアとドア枠に

微妙な隙間ができるときがある。


こうなっているとき

ぐいっと強めにドアを押すだけで

あーら簡単

施錠がはずれるという

鍵の意味って何でしょう

マジックにしか使えないってな

ボロ物件。




しかし地下鉄路線の2つが

徒歩圏内で二駅利用できるし

ZONE2という中心地区からほど近い。


そういうわけで

スーパーもちょっといいものが売ってたり

(どういうわけ?)

かと言ってちょっと奥に行けば

格安な飲食店が並んでたり

大きめの映画館もあったりで

生活がしやすいのです。


中心地区にでるバス停が玄関から

10秒なんていうのも魅力的でした。


鍵の件は

十回に一度不具合がおきるけど

ロンドンの格安物件というのは

逆パターンもあって

鍵で開けても

建て付けが悪過ぎてドアがあかない

という物件もあります…

なので

それよりましなのか

とすら当時は思っていたところもあります。


そんな物件に

黙って住んでいた私もいけないのですが

このちょっと彼氏と外食に出かけた晩に

半ロック状態に目をつけられたのでしょう

空き巣が入りまして、

どうも三階建の2階にあったキッチンに侵入。


盗んでいったものは

冷蔵庫上に置いてあった

シェアメイトの

ポータブルCDプレイヤーのみだったんですけど

帰宅時にそれがないことに気がつき

震え上がりました。


3階の自室で勉強していた同居人の安否を

慌てて確認しに行くわたし。




開いたままのドアを強めにノックして

ヘッドホンをつけ

デザイン画を描いていた同居人Dに声をかける。


わたしが部屋に不安げな顔ではいってきたので

ヘッドホンをはずして

こちらに顔を向け

どうしたの?と彼女。




誰か入ってきた物音とか気づかなかった?

と聞いたら

うーん、

音楽聴きながら宿題していたから

ウノフが入ってきても話しかけられるまで

気づかなかったくらいだし

と言う。


大変申し訳ないのだけど

私が不注意でいけない

玄関が半ドアだったみたいで。


先程まで外に出ていたんだけど

帰ってきたらフロントドアが全開。

どうも空き巣がはいったみたい。


その今聴いてる音楽は

下の階にあったポータブルプレイヤーを

ここに運んで

聴いてるわけではないよね?

と確認すると



ああ、違うよ?と、彼女。



そしたらやっぱり

ポータブルプレイヤーを持ち逃げした

誰かがいたってことなんだ…

ごめんねごめんね

と私が言うと

一回状況を見てみようとなり

2階に二人でもどる。



そこで

彼と私と彼女の三人になり

二階に位置している

キッチン

バスルームとトイレ

休暇でドイツに帰国していた

もう一人のシェアメイトの部屋を恐る恐る捜索。


CDプレイヤーを盗まれたDは

手にフライパンを握ったので

私は箒

彼氏はモップという

全然心許ない武器を手に

まだ室内にいるかもしれない

侵入者と立ち向かう覚悟をする。



怯えながらドアの裏や

もう一人の同居人の空の部屋に入り

私たち以外に誰もいないと確認したところ


とりあえず

警察に電話しておこうとイギリス人彼が提案。


その晩9時すぎごろに

電話をしてみたんですけど

行けるときに伺いますー

といわれ

地元交番の警察官を配置されるたもよう。



いつ来るかもわからないので

夜遅くまで待ってみたけれど

一向に来る気配はなく

その晩は諦めて皆寝てしまう。



翌日の朝早く呼び鈴がなり

玄関に出ると

指紋をとる粉を片手に

小柄な白人警官が

いやー遅くなりました!

とかにこやかに立っていた。



寧ろ早いのか遅いのか

朝7時に何で来た?

と相手の笑顔に反して

こちらはむすっとして、

とりあえず中に入ってもらう。



その警官のとぼけた調子が

朝の支度でちょっと忙しい私たちを

大いにイラつかせる。



なぜ

昨日の晩にこなかったのかと聞いてみた。


でも、

誰も襲われたって話ではないでしょ?

と答えるだけ。


それを言う口ぶりも

ちょっとどもっていたりして

いでたちがミスタービーンにそっくりなことから



あの人は本当に警察官なの?


警察官のコスプレをしている

ローワンじゃないのか?


と、私は小声で彼と同居人に言い続けて

しっ🤫

と叱られる。


なんちゃってローワン警察官は

調査書を記入しながら

そこらじゅうをぽんぽん粉をはたいて

指紋採取。


ちょっとした冗談なんか言って

朝のクソ忙しい雰囲気を和ませて帰っていった。






結局、

そんな一応の警官らしき業務はしてくれたけど

アフターフォローは


まあ、

CDプレイヤーが盗まれただけで

あなたたちが無事なこと

これ幸いですよー


なんて朗らかにあとから電話してきて終了。



対応の軽さから

犯人探しなんかしていないように思うし

結局CDプレイヤーは見つからず仕舞い。




なんなん、イギリスの警察!!!

とおもっていたころ

当時唯一の日本人の現地で知り合った女友達

まいこちゃん(仮名)

から電話がかかってきた。




この前うちに空き巣が入ったんだけど

警官の対応がコメディアンみたいで

謎すぎた…

と別件で電話してきた彼女に愚痴る。



そしたら

まいこちゃん

夏休みに日本に帰国していたそうだが、

出国する直前に

ロンドンのキルバーン

(北ロンドンの超絶ヤバい地区)

に住んでいる日本人の彼氏のために

映画撮影用のカメラ機材を購入する資金を

立て替えたことがあったと。


30万近くを夜暗くなってから一人で

ATMで下ろしたそうだ。


キルバーンって

ロンドンで犯罪者が出てくるの

大抵そこだから

夜に1人で女が歩くのもまずいよ 

と思ったわけですけど

あたしも玄関ドアの不具合を

大家に真剣に言わなかった人間だから

まいこちゃんを責められない。



まいこちゃんカップルは

シェフィールドの

(まいこちゃんいわく)

馬小屋みたいなうちから

日本人彼氏の映画学校入学のため

ロンドン、キルバーンの

(しつこいようですけど、まいこちゃん曰く)

インチキピエロが住んでたみたいなうちに

引越ししてきたばかりで

油断もしたのだとはおもうのだけど。



そしたら

背後に黒人二人がいて

背中に固いものを突きつけられ

(たぶんあれは銃口だと思うとまいこちゃん)

キャッシュカードと現金を奪われ

暗証番号を何度も聞かれる。




その情報を教えたら

はしれ!

走れ!

振り返らず走れ!

どやされたそうな。




まいこちゃんは走って

一般家庭の庭に飛び込み

そこの住人に助けられ

その晩一命を取り留めたそう。



一時帰国前、

ロンドン警察にこの件を通報してあったらしく

横浜の実家にイギリスから

国際電話がかかってきたそう。





開口一番、


ハーイ!

ノッポのトムだよ?

覚えてる?

と担当警察官。




あれから数名怪しい奴を確保したんだけど

マグショット

貴方が帰国中だっていうから

とっておいたよ?



数名の疑わしき人物がいるから

イギリスにもどったら

見て欲しいんだー

と言う報告があったそうな。




楽しい旅行の写真撮ったから

あとで見て欲しいみたいな

テンションなのよ…のっぽのトム警官。


紳士はどんな時も

女性に恐怖感を与えるような

言動は慎むべきとか

考えているのではないかな…


と、まいこちゃんは言うのだけど

そんなんめちゃイギリスの紳士文化を

激甘解釈してるだけやないか!



しかし

そんな話から

北ロンドンに移り住む前

西ロンドン中央のケンジントン地区で

住んでいた過去がわたしにはあったので

その時のことを思い出した。



そして

ちょっとケンジントン地区の警察官は

またひと味違う対応をするんですよね…


長くなりましたので

一旦ここまでにしておきます。

続く…





本日もお読みいただき

ありがとうございました



うのふ