​小説1984的な世界、2024年

冷たい雨が降る中、

夫おりべが隣町の失語症の会に出掛ける。


じつに8ヶ月ぶりだ、

わざわざ違う街まで出掛けて

近隣の失語症患者と会うのは。


去年の7月だったと思うが、

隣の県で開催された失語症者の会に

暑い盛りに出掛けた夫は

てんかん発作を起こして

自宅近くのコンビニまで戻ってきた。


帰ってこられたのも、

この隣町で開催された

失語症者の会の主催の

言語聴覚士の若い男性が

車で送ってくれたから。


私はパートに行っており

意識喪失したときは見ておらず

運ばれてきた段で

これは卒倒してこそはいないが

てんかん発作だなと。


恐怖で怯えた赤ん坊のように

夫は自分の意思で動くことができず

言語聴覚士さんとは初対面であったが

ふたりで夫を彼の車から引きづりだし

西陽で辺りが茜色になるころ

私の車に移動させた。


結局

自宅下の駐車場まで連れ戻したはいいが

一歩も動けないので

その場で抗てんかん薬を飲ませて

救急車を呼んで

そのまま県立病院に搬送

そして

五日間の入院となった。


わたしはその時もブログで

ことの状況を書いているけども、

それは

記事にするためというよりか

そうすることで

自分を落ち着かせる目的だったように思う。


くみこさんやもーちょこ*さんという

お姉さんみたいなブログ友達になった人が

メッセージをくれて

ホッとしたのを今も覚えている。


あの時はお二方、

本当にありがとうございました😭


なんなら、

今もブログを細々やっているのは

そういう陰ながら

読んでくれてる方がいるかもしれない。


こんないい話の後で

つぎの話題に運ぶのは

少々気が咎めるのですが、

笑えそうなことがあったら

どうしても書きたくなるのが

このあたし。


今日の夫が隣町の失語症の会から

自力で帰ってくると、

最寄りの駅まで車で迎えに行ったのですが

電車に乗る前に

LINEを私に送るように

午前中出掛けるタイミングで

夫に言ってありました。


夕方四時にそのLINEは来たのですけど、

文面が以下のよう。


おりべ:

終わったよ。

今、〇〇市駅。

Hey 4時12分の電車に乗る。


うのふ(私):

(HEY)わかったよ相棒!

迎えに行くぜ


ヘイと言われれば

ヘイと返す。


これはなんだかよくわからない

留学時代の私のくせでしょうか。


夫が車に乗り込んで

私のヘイ返しに笑っていました。


私としては

なぜバリバリ50年

日本で教育をうけてきた夫が

突然Hey!なんて言って

メッセージを送ってきた理由を聞きたい。


夫曰く、

失語症のため文字入力ができないので

音声入力するためにSiriを呼ぶための癖で


ヘイが出てしまったからとのこと。



あーSiri用のことばに

わたしが反応してしまったことなのね?



それで思い出しましたが、

二、三日前に花粉に反応したのか

一人で自宅にいた時

人様に聞かせられないような

くしゃみをあたくしはしました。


活字にするならば、

アイ、ア、イ、エークッションッ!

みたいなことだったと思うんですけど


マイ・Siriが反応して



何か言いましたか?


とかザ・冷徹口調で

(あまりに瞬間だったので

文脈は正確じゃないです)反応したので

現代は変なくしゃみさえ

自宅でできんのな?

と悲しくなったことを

ここに告白しておきたいた思います。





われわれは

BIG Brother ではなく

Siriに監視されている。



本日も

お読みいただきありがとうございました



うのふ