本気に好きじゃなきゃできん。

駅近くに住んでいると

便利だなと思うのは

ここ数年かなり開発がすすんで

田舎といえども役所やら銀行、郵便局やら

スーパーやらが駅を囲んであるので

5分も歩けば生活の雑多なことは済ませられる。


私がここに住み始めて

20年近くになるのですが

最初のころは薄暗く

電車を降りるとやや湿気を含んだ

山の匂いがするこの土地。


JRの駅はちかくにあるにしても

駅周りに気の利いた施設はなかった。


あるのはヤンキー当て字の落書き

夜露死苦が

壁に書かれた駐輪場くらいなものだった。


20年前にですら

久々にみるヤンキー語のそれ

ヒエログラフをみた

発掘調査隊みたいな気持ちで

見つめたものです。


帰り道には暗過ぎて痴漢にあったり

あまり住んでいて利点があるわけでも

なかったんですよね。


それが今や

広大な駐輪場は壊され

役所の新庁舎がたち

タリーズ・コーヒーができ

大手進学もたち

水辺をふんだんに取り入れた

公園ができて

その周りでイベントが定期的に行われる

明るさができた。


20年の歳月がものごとを変える。


公園と駅の間に

小さな市民への貸しスペース小屋

ができて日貸しで

ここで小さなお店を開業する人が現れるように。


カヌレのお店だとか

1日カフェとかは見たことがあるんですが

この前フラフラと郵便局に行く際

見かけたのはお花屋さん。


年末玄関周りを掃除していて

うちの日の当たらない玄関に

ドライフラワーのリースが欲しいなあ

と思っていたので

ちょうどそんなものを

売ってるその店に寄りました。


なんて言うか

ものを買うならそれが好きでやってる人から

直接買いたい。


量産されていない

世界でたった一つの

オリジナルとは大袈裟かもしれんけど

既製品疲れなのかもしれませんよね。


お店の女の子は二十代で

店舗は持ってないそうですが

本職はお花屋さんで勤めているそう。


自分の好みだけで花をアレンジしたくて

休みの日に朝3時の花材おろしの市場に買い出しに行きここで売り始めたのが去年の12月らしい。



月2回開店してるので

これからもどうぞよろしくお願いします

と言われて嬉しい気持ちになった。


郵便局に行ったはずなのに

知らない女の子から花を買ってくるという

突拍子のないことも

また1日の楽しみになったというか。


歩いて帰宅してる途中

わたしもあそこでパンとか焼いて売りたいよな

とか思うが

うちには猫もいるし

口に入れるものを

自宅で焼いて販売するのは

ハードル高いなぁと思って諦める。


うちに帰ってきてから

YouTubeで個人がパンを焼いて販売するのって

可能なんじゃろか?と思い

動画を見る。



この人も朝3時から作業開始で夕方4時に閉店。


朝3時

太陽が昇る前の起床は本気じゃないとできぬ

キャリア形成の一歩なのかもしれないなあ

とか思う。


朝日よりエネルギーに満ち溢れていて

まぶしいのはそんな人たちだなあ。



うのふ