岩瀬敬吾 5th full album 「traditional humming」release ONEMAN
高円寺HIGH 2023.12.25
岩瀬敬吾バンド
岩瀬敬吾
小島剛大
サンノヘシゲカズ
ヤマグチユキヒコ(ハジ)
サポートゲスト
東海林仁美
オープニングアクト
関啓太
2023/12/25、クリスマス。
岩瀬敬吾さんの新譜「traditional humming 」がいよいよリリースされ、それを記念してのバンドワンマンライブでした。
新譜を曲順に進めつつ、合間におなじみのナンバーを挟む構成。
つながりなどの違和感はまったくなかったんですが、それぞれの音のこなれ方はもちろん違っていて。
採れたての果物と追熟させた果物を交互に食べてる感じですごく面白かった。
考えてみると、そういう状態は今だけなんですよね、とても貴重な音でした。
いずれ、全部こなれて蕩けてくんだから、若さは今こそ、なのです。
にしても、敬吾バンドはどんどんカッコよくなるなぁ…シゲさん…レコーディングで音の仕上がりが遅かったとかで「ジュウロクノヘオソカズ」さんとか言われてたけど…のギターがマシマシに幻想的で美しかった…特に「雷の鳴く朝」最高だったー!
タケさんも終始、ノリノリでしたね。ハジさんはいつものとおり、ひょうひょうと。
アンコールは予定より多くトリプルになって、たっぷり25曲!
ひとちゃんは、終盤に何曲か、出たり入ったりしいとりましたが、新譜のタイトルソング「traditional humming」では鍵盤ハモニカを!
あとで、音源でも吹いてるの?と聴いたら違うんですって。びっくり。レアなものを見てしまった!
なお、オープニングアクトは北海道から、関啓太さん。
MCでセトリを一曲ポロリやらかして、あとで敬吾さんからイジられてました(笑)が、はるばると敬吾さんのために上京してきた、その想いは熱かった。
新譜を待ち望んだファンからすれば、新鮮な驚きでいっぱいのライブで、帰り道は早くこのCDを再生したーい!!のワクワクでいっぱい。
敬吾サンタからの素敵なプレゼントでした!
◆
関啓太
◆
岩瀬敬吾バンド
岩瀬敬吾 Vo. G.
サンノヘシゲカズ G.
小島剛大 Ba.
ヤマグチユキヒコ(ハジ) Dr.
東海林仁美 key.
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231226/02/uno0530/50/35/j/o1080081015381586638.jpg?caw=800)
十二社通りをわたれば
youth
不完全なSTEP
NEW STANDARD
ノイズとため息
夜道帰るよ
newday today
雷の鳴く朝
傘は差さない
君は行け
インスタント
明日の出来事
レディオステレオ
繰り返すは口ぐせと罪悪感
ビター
cranes cranes
皆んなみえた
あじがうらスター
キネマ
目を開く前に
CRUSH SANDWICHES
traditional humming
きよしこの夜
下北沢サーカス
Halloween
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231226/02/uno0530/3f/0c/j/o0810108015381586643.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231226/02/uno0530/1a/b4/j/o0810108015381586646.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231226/02/uno0530/5d/ad/j/o1080081015381586647.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231226/02/uno0530/3d/7f/j/o0810108015381586648.jpg?caw=800)
たっぷり、という言葉そのもの。
休みは挟まず一気に本編20曲、アンコールはトリプル(!!)で5曲。MCも割に短めだった。
(考えたらこの曲数を2時間目標でこなそうと思ったら喋ってる暇ないよね)
新譜のリリース記念なので、基本ラインはその新譜「traditional humming」の流れに従っていって、その合間に旧譜を挟む形。
後半にはひとちゃんを鍵盤に招いて、数曲。
関さんのO.A.のあと、暗転の中で新宿駅の構内の雑踏やアナウンスのSEが聞こえてくる。
あ、新宿駅といえば…と思っていると聞き覚えのあるイントロが始まる。
「十二社通りを渡れば」。
そうだよね、リリース記念なんだから新譜の曲が中心なんだよね(まだ新譜の曲順を知らない状態だったので、このあたりではセットリストが新譜の順番というのは気づかずに聴いていた…あとでMCで知って、なるほど)。
これは長く敬吾さんも歌ってきた曲で、すでに自分も大好きになっているので、ふわっと嬉しい気持ちになる。
客席でリズムをウキウキと取る。
続けての2曲は完全に初めて聴く曲だったので、目をくりくりさせつつ、楽しむ!!
「youth」のビート感、スピード感、シゲさんのギター、最高! 疾走感がまさに曲のタイトルにぴったり。
タケさんが揺れる客席を見て、嬉しそうだった。
わっ!と手を挙げるとタケさんも手を挙げて応えてくれるのが見えて、こちらも嬉しい、楽しい。
「不完全なSTEP」の不思議なリズムと世界観にびっくりする。ドキドキする。わあ。
この曲、めちゃめちゃ好きだー! ハジさんのタムの音が心地よかった。
ソロよりも、ノロッストリオで創っている世界観に近い曲のように感じた。敬語さんの中で区別はないのかもしれないけれど。
いきなり新譜からの3連発で新鮮さに気持ちがふわふわしたところに「NEW STANDARD」さらに「ノイズとため息」。
なんでしょ、遊園地のフリーフォールでびゅん!と落とされてからの、ふわっと戻るような、ちょっとしたこの安心感。どこにどう音のツボがあるかを知ってるから、陶然と音に身を任せられる。
新曲はそれがなくて、びっくりしっぱなしっていうか。いつものバンドワンマンよりその刺激と安心の行ったり来たりが強かった。それが面白かった。
「ノイズとため息」はサビに入るときのばっ!と音が広がるような感覚はバンドのときが一番強くて、特にHIGHでは照明がきちっと合わせてくれるので、そこで音の波が一気に押し寄せてくるような感覚が好きだ。
再び新譜から「夜道帰るよ」。
無条件に好きだーー!!!ってなってた。大きなゆったりのリズム、メロディの後ろで細かく刻まれるギターに心をぎゅぎゅぎゅっと引っかかれるような、そんな、切なさ。
敬吾さんはここでギターをアコギに替えて、「newday today」へ。
敬吾さんの「君がいなくても」の裏声の切なさに目が潤んだ。
去っていくものへの惜別の中、それでも新しい朝はやってくる。
HIGHの強い、強いスポットライトがまさに、新しい陽射しのようだった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231226/02/uno0530/34/4b/j/o0810108015381586650.jpg?caw=800)
ここで、メンバー紹介と、「どこに行くときでも連れていって聴いてほしい」と新譜についてのMC。
「もう聞き飽きたよ!ってころまでにはまた新譜を作るから」には喝采。
「雷の鳴く朝」では、童話のようだなあ…と思って聴いていたら、ライトがほんとに雷みたいにビカビカッ!と明滅してそのドラマチックさにすっかり痺れてしまった。
全体につんのめるようなリズムで進んでいくのに、サビは大きなメロディがやってきて不思議な感覚。
シゲさんのギターが雲の上でゴロゴロと鳴り続ける雷のようだった。それがハジさんの太鼓でバリバリバリっと落ちてくる感じ!
「傘は差さない」は音源よりラフな感じのサウンドだったと思う。
明るい、ビートルズのようなサウンド。裏声の美しさ。大きな曲が続いてふっと一息つくような曲だった。
「君は行け」は、確かCOVID19禍以前に弾き語りで新曲って言って歌っていたのを聴いた覚えがあって、とうとう音源になったんだなァ…と妙な感慨が。ハジさんの歩みそのもののような心地よいリズムが大好きなのだが、そこにシゲさんの美しい美しいギターフレーズが乗っかってきて、夢のような響きだった。
ここで、待ってましたー!!のひとちゃん登場で「レディオステレオ」、「繰り返すは口ぐせと罪悪感」。
このときのひとちゃんの鍵盤の音がとっても広がりのある音で、なんだかクリスマスっぽいなあ、と思って聴いていた。
にしても、ひとちゃんが見えるようにキープした位置だったのに、マイクが!! マイクがああ!!(笑)
(あとで本人にも愚痴ってしまったら、そうなのよ~どければよかったね~って言わせてしまった。ごめんね)
この日は全員黒の衣装で、指定したのに白で来たハジさんの話が面白かった。ハジさん、自由だ(笑)
クリスマスなのにモノクロなステージで(アルバムにはカラフルさよりこのモノクロームが合ってたと思う)、クリスマスらしさは、客席のサンタさん達に任されてました(有志でコスプレしてたみたいですが、見に来ていた黒川浩和さんが「やるならこのくらいやらなきゃ」って全身サンタクロースで、まるでケンタッキーのカーネル・サンダースみたいだった)。
ひとちゃん、いったん退場で「ビター」。
おっさんだけになったと笑ってたけど、だからこその野郎感の強いシャープな音で痺れた!
ラストの疾走感がすごかった…!
私は初めて聴いたので、皆にとって最も懐かしいであろう曲が新曲と同じ新鮮さという不思議。
ある意味で新しいファンだけが味わえる楽しさなのかも。
本編ラストは「目を開く前に」。
これも、だいぶ前に弾き語りで聴いていた曲。ゆっくり育ってこうして音源になってまた出逢えた感慨に浸る。
アンコール。
再びひとちゃんが加わって「CRUSH SANDWICHES」。
照明が美しかったなあ…。
そして、アルバムのラストソングでもある「traditional humming」は、敬吾さんはアコギ、ひとちゃんは鍵盤ハーモニカ!
やさしい、やさしい音。
ダブルアンコールは、クリスマスなのでと「きよしこの夜」。わあ、嬉しい。
そして、「高円寺サーカスだね」と笑っての「下北沢サーカス」。この曲にはひとちゃんにいてほしかったから嬉しかった。大きな三拍子! 幸せで頭も身体もぐるぐるする。
◆
「traditional humming」、家に帰ってすぐさま、インストールして聴きました。
どの曲もとにかく美しくて、具象がそぎ落とされた、イメージ豊かな詞を通して様々な情景、感情が浮かぶアルバム。
きっと、どう聴いても自由。
自分の脳味噌次第。
「youth」、シゲさんのギターがやば! 「雷が鳴く朝」好き過ぎるー!
「目を開く前に」「newday today」「君は行け」「十二社通りをわたれば」とライブで聴いてきた曲がしっかりとアレンジされておめかしした音もたまらない。名盤だなあ、と、聴くたびにずっと痺れてます。
早く全国に旅立って、いろんな人に聴いてほしいです(敬吾さん、発送がんばってー!)。
今年はこのアルバムと一緒に日本中を回る敬吾さんですが、次第に「熟れていく」であろう曲達に私も早く再会したいです。
楽しみです。