続・帰ってきた聞間専科

2022.10.13 音楽酒場サラスヴァティ弁天

 

 
 

音楽酒場サラスヴァティ弁天



聞間拓

 


アーカイブ(10/20ごろまで公開予定)

 

雨、止んだな

イメージは青空

A song for you

I.N.G

心配させろよ

 

木枯らしに抱かれて

落陽

大きな玉ねぎの下で

PRIDE

15の夜

KNOCK!

WINDING ROAD

 

↓サンクスムービー(ネタバレ防止のため色を薄くしてあるので見たい人は反転させてください)

踊る花になる

 



音楽酒場サラスヴァティ弁天での聞間拓マンスリーワンマン、「聞間専科」。

先月に続いての参加でしたが、いつも以上にアットホームでした。

 

私が初めて専科に参加したのは2020年10月です。

それから丸2年、8回目の専科(しょっちゅう来てるようで、そうでもないのだ)。

過去イチでゆるくて、過去イチで笑って、過去イチでセットリストの流れが美しかった。計算をまったくしてないのに、するするとひとつの道筋ができていく神展開でした。

おそらくはバイトの話からの青春の思い出が、脳裏で繋ぐ曲へのフックになったんだろうと思います。

 

特に後半、カバー曲を立て続けに歌い、それが全て「少年・聞間拓の青春賦」で、配信のチャット欄からリクエストで入った「KNOCK!」がカチリと聞間さんの心のスイッチをさらに押したようで「15の夜」から「KNOCK」へのメドレーになって、そこですべてが一本に繋がった…という感じがします。

 

無軌道なようでいてテーマは「聞間拓の青春」という趣になりました。

 

何かリクエストない?と聴かれたときにそっと胸の内に尾崎を聴きたいなーと思っていたので「15の夜」は嬉しかったです。

私が佐野元春を経由して尾崎豊を知ったのが中3のころ。2枚目のアルバム「回帰線」がリリースされた直後でした。

少ないお小遣いを溜めて「回帰線」と「十七歳の地図」のLPを駅前のレコード屋さんに買いに行った思い出。

四畳半の小さな部屋に父のレコードプレーヤーとスピーカーがセットになった大きなステレオが置いてあって、そこで聴いた彼の嗄れた声。センシティブな歌詞。衝撃を受けました。

彼の曲に描かれた景色そのものは私にとってはまったくリアルではなかったけれど、感情はリアルでした。部活と勉強くらいしかやることのない田舎でぼんやりと優等生として暮らしていた私ですら、それなりに思春期ならではの「閉塞感」はあって、言葉にできない苦しさやモヤモヤした思いへの共感を尾崎の鋭い言葉の中に見出して過ごしてました。尾崎を聴くといつも、当時暮らしていた青森の、冬の真っ白な雪景色を思い出します。


大人になんてちっともなりたくなかった頃。

聞間さんとは違う形で、確かに尾崎は私の青春賦でもありました。

 

「KNOCK!」には確かに影響が濃厚ですけれど、むしろ聞間さんのルーツがわかって面白かったです。何よりただの模倣ではなく、そこに敬愛があるのがよく感じられて、いいメドレーでした。


サンクスムービーには私のリクエストが通りましたが、実は2年前の初・専科でラストに歌われた曲なのです。その日の朝、ふと思い出していたので、またサラスヴァで宮さんのコーラスでみんなの手拍子であの曲が聴けて幸せでした。

 

来月の専科は聞間拓バースデースペシャル、すでに満員御礼とか。みんなでにぎやかにお祝いしましょうねー!

 

 

聞間さんの現場には月に1回くらいは行けるように調整してるんですが(浮気者なので行く現場が多すぎまして…てへへ)、ツアーの多い聞間さんなのでなかなか予定が合わないことも多い中でも、首都圏の現場として専科が必ずあるのがありがたいです。
 

 
先月の専科が9/22。そのあとから3週間は経ってるんですが、どうもそんなに経った気がしないという聞間さん。
それはきっと、その後がめちゃくちゃハードだったからかと思います。9月末は長い北海道ツアー、その後は西日本遠征。特に先日の岡山→高槻&高松→徳島の3日間は移動距離も時間も半端なく、睡眠時間を削って動いてたみたいです。
(前夜の京都ではまったく声が出なくなってしまったそうで、専科も危ぶんでたのがやってみたら意外と出てますね…と。聞間さんの検証によれば「睡眠大事」。酔っ払ってぶっ倒れようが何しようがとにかく横になって寝れば声は戻る!そうです。ポリープなんかも、酒が悪いんじゃなくて酒を飲んで喋るのが悪いって言いますもんね。毎日、ある程度の時間は声帯を使わないのが大事なんだろうなー)

そんな相変わらずの回遊魚ぶりが半端ない聞間さん、おかげで月イチ歯医者通いもままならぬ。
以前から専科で必ず来るからと関内の歯科医に通っていたんですが、8月は予約を取り消してしまい、9月は行かずじまいになり、「やばい、医者に怒られる…」と八の字眉毛の聞間さんに、宮さんがあれやこれやアドバイス。そうだよ、28日にまた木村充揮さんのOAで横浜来るじゃん、枠も空いてるじゃん、リハに間に合えばいいじゃん…てことで、歯医者の予約から始まる聞間専科となったのでした。
宮さんが、なんで俺がアーティストの歯医者の心配してんだ、とぼやいてました(笑)
 
開演前から笑いに包まれる中、私が笑いながら食べていたのはビーフバター焼きそば。宮さんの、こりゃもう酒を飲むしかねえだろう!な濃厚な味付けが最高の一品ですが、聞間さんが「俺、辛味調味料の瓶を死ぬほど持ち歩いてるから使いたい人は言って!」と言ってくれてたのにこれは宮さんが出してくれた七味です(笑)
八幡屋礒五郎、おいしいねっ!
 

開演前の1時間近く、最近の聞間さんの話やら歯医者の話やらで、かなり和やかな賑やかな空気の中でライブスタート。

まずは乾杯から!
普段はライブ中はお酒は飲まない聞間さんも、専科とハイハイハイだけは飲みます。

カンパーイ!
 
 
そのままゆるーく始まっていきましたが、前半はほんとに珍しいレパートリーから。聴きながらそういやこのごろこれ全然聴いてないなあと思いまくりのセトリでした。レアだったなぁ。
 
雨の予報じゃなかったのに降り出したこの日だったので、雨・天気つながりの2曲。
「雨、止んだな」「イメージは青空」。
 
 
「イメージは青空」は、ほんっとに久しぶりに聴きました。ガット弦に変わったからか、ギターの響きもかなり変わってました。柔らかく、軽やかでした。高音が特によく聴こえたなぁ。
後半のブレイク、イメージは青空と繰り返す終盤の歌い方のバリエーション。これまでに聴いたよりかなり変化に富んだアレンジという印象でした。

 
3曲続けて歌うと宮さんが嫌がる専科なので、ここでちょっと天気と災害の話。
そして不意に軽やかに「A song for you」。

ここまでは割といつもの専科な空気だったんですが、このあとから聞間さんに何か喋り倒すスイッチが入っちゃった感じがします。「だめだ俺、歌う気全然ねえわ」と何度も笑う聞間さん。

めちゃくちゃ楽しかったのでそのへんはぜひアーカイブ見て!なんですが、前半はケンタの話が盛り上がりました。聞間さん、ケンタとカラオケ館のアルバイトの話はよく専科でもしてますもんね。

 
部位、わかる?と説明するうちに、ウィング(手羽)のポーズ。

 
…からの突然の気づき。
「あれっ、これ、なんかに似てない!?」

そう、鶴のポーズ!

 俺のDNAに刻まれてたんすね…と、こんなところで鶴のルーツが判明するとは…(笑)
あまりのことに椅子に倒れるほど笑ってました。


ケンタの話は尽きないらしくて、このほかにもたくさんたくさん話してました。

トレーニーからどんどん昇級していくと、最後はカーネル・サンダースにたどり着くらしい。店頭でこのポーズでバーレルもって立ってるらしい。

さらに、KFCは「秘密結社・聞間ファンクラブ」の隠語らしいです。

もう、やめてー!(笑)

このあと数日、ケンタアプリから通知が来るたびに笑ってしまって大変…翌日はしっかりオリジナルチキンを食べに行きました。バイトをやめてもKFCの見事なインフルエンサーな聞間さんです。


バイトの話から刺激されてか、その頃の仲間に歌ったという「I.N.G.」。三拍子の心地よいリズムが爽やかに響く、いい曲です。

そして、交通整理のバイトを経てバイトをやめて歌できちんと身を立てようと決めて旅に出たときの話から「心配させろよ」。

交通整理を続けてた頃にこのまんまでいいのか?という不安があって、バイト生活を捨てて旅に出たんだそうです。金を取ることがプロであって、それで食える食えないかじゃない。ちゃんとプロになろうと、周りのみんなに(宮さんにも)相談して、ツアーに出始めた。そのときに、「3週間は家に帰るな」とエージさんに言われた言葉が金言だ、と語ってました。1週間くらいなら旅行でもできるけれど、3週間となると大きく違うらしい。

そのあとでの「心配させろよ」で、ここまでの「旅」で出会ってきた、たくさんのハコの人々、同じ旅で歌う仲間達の顔が浮かんだのかもしれない、と思いました。

 
後半は何も決めてなかったらしく、イントロっぽく何かを鳴らしたのに「始まると思ったでしょ? 違うんだよ、ほんとに何も決めてなくて」(笑)
結局はカバーやろうか、と後半はほぼカバー、それも聞間さんにとってルーツのような曲ばかりがずらりと。まさに「青春賦」です。

「木枯らしに抱かれて」「落陽」「大きな玉ねぎの下で」(素晴らしいバラードになってました…聞間さんの声ってウェットで翳りがあるね)「PRIDE」(お客さんからのチャゲアスを、とのリクエストに応えて。先月は「ムーンライトブルース」でしたね)。
名曲ばかりずらり。
聞間少年がこれらの曲を愛してきたのが伝わるカバーでした。
特にチャゲアスは、歌い方までこってりと飛鳥愛が詰まってました。ほんとに好きなのねーってわかる歌。
「落陽」もカッコよかった。拓郎のドライさとは違う、熱さ。


配信のチャットから「KNOCK!」にリクエストが入ったのがきっかけで、この曲はルーツがあるのだ、と尾崎豊について、ひとしきり。
初めて買ったのは2枚組のライブアルバムだったそうで、ちっとも整ってない、声もひっくり返る、でもエネルギーに溢れてる、こんな歌があるんだと受けた衝撃について熱く語って、やりましょうか、と「15の夜」を。
その頃お兄さんにもらった黒いギターで、この曲のBメロをたった、2つのコードで弾けると気づいた、俺、すげー!となった、それがすべての始まりだったと。

間を挟まず「KNOCK!」に続けていって、随所に影響を感じていたら(歌詞にも「黒いギター」や彼の歌、というフレーズがある)、終わってから聞間さんもこうして並べちゃうと影響されてるのもろわかりだね、とはにかんでました。

ほとんど人前で歌ったことがないそうなので、この日はラッキーでした。いつか「ダンスホール」も聴きたいなー。


そして締めの曲に選んだのは、盟友・タマキングの「WINDING ROAD」翌日に渋谷O-WESTで武田英祐一さんとのツーマンという大舞台を控えた友へのエール。


昔の友への歌、今の友への歌。

昔の自分への歌、今の自分への歌。

回顧はしても、そこにあるのは「昔はよかった」ではなく、あの頃の俺がいるから今の俺がある…そういう道程の振り返りであり、結果、未来を見る、未来が見える、そんな夜だなぁと思いながら聴いていました。


配信後はサンクスムービー収録。私のリクエストが通り、私にとって「聞間専科といえば」の思い出の曲でした。この曲、まだサンクスムービーになったことがないそうで、保存版になって嬉しいです。聴きたい方はまだもうちょっと投げ銭、間に合いますよん。


 
 
 
 
 
この日の物販で見逃せなかったのがこのポストカード。下田で生まれてはじめて釣ったどー!なこの夏の思い出写真だそうです。いい笑顔(笑)
宮さんは「アーティストが釣り写真って」と笑ってましたけど、こういう、オフとオンの境目みたいなところに触れるの、ファンは楽しいですよ。
(ガチのプライベートはどうでもいいけど)

この日の聞間さん、ほんとに話し足りなかったみたいで、実はサンクスムービー収録後もケンタ話を続けてくれました。場内大笑い。和やかな時間でした。

そういう時間ばかりは現場の特権です。
少しずついろんな制限もほどけてきましたし、久しぶりの方もはじめての方も、ガツガツとライブ!よりは、お酒もおしゃべりものんびり楽しみたい…なんてときにはぜひ聞間専科、おすすめです。

貴方も秘密結社・KFCの一員に是非!(笑)