秋の夜長スペシャル〜VSシリーズ〜

toybee/唱頂の大員  千葉LOOK 2022.9.18

 

  
 
 
千葉LOOK

 

唱頂の大員

toybee

 

唱頂の大員さんの対バン企画でした。

千葉LOOKは老舗ライブハウスで、よく大物アーティストのツアー初日に使われるハコなんですって。私、寡聞にして知らず、初めて伺いました(友達から、ミッシェル・ガン・エレファントのツアーでよく使われてて行ってみたかった、と聴いて知った)。

 

角に「パブ ルック」の看板があるんだけど、入口はそこじゃなくて、曲がったとこ。

つまり、パブを居抜きでライブハウスにしちゃったんですね(名前もそのまんま)。中に入るとパブ時代の名残の柱や装飾、階段状のソファ席なんかがあって、全体にシックです。歴史を感じるくたびれ加減。

PAのスタッフさんが、小さなタブレットコンソールを持ってフロアのあちこちで出音のチェックして調整してたんだけど、そんな最先端とめちゃくちゃ昭和のシックな雰囲気とのアンマッチが面白かった。

 

ステージも天井も低め。割と出音はタイトに感じました。あんまりボーカルマイクにエコーかかってなかった感。生な感じの音。

COVID19禍前は200人くらいのキャパだったそうです。今はそれは無理かなあ…足元にもソーシャルディスタンス用の足の形のステッカーが綺麗に貼られてました。

 

ドリンクが安いの! 

ファーストドリンクでアルコールとソフトドリンクとちゃんと値段差つけてあるのがまず好感。

おかわりドリンクは300円だったし(チケット見せないとダメだけどね)。なんだこの良心的設定。

 

千葉駅からモノレール沿いに3分もいかない、立地の良さ。千葉まで自体が自分には遠いんで気軽に行くのは難しいけど、また機会があれば行ってみたいハコでした。

その機会はtoybeeに作ってもらおうかな、

 

…ということで、toybeeです。

ライブハウスでの初toybeeでした。

ご当地キャラ成田詣という、キャラクターイベントで冨塚くんを知ったのがきっかけ、今年のきゃらっとフェスや成田詣でtoybeeの音は聴いてたけど、千葉が活動のメインの彼らなのでライブハウスにはなかなか足を運べずにいまして(埼玉県やや北寄り在住なので千葉はちょっと遠い)。

 

この三連休、色んな事情で行きたかった関西遠征にも行かれず(結果的に台風来ちゃってやめておいて正解だったけどさー)、どうしようかなーとチェックしてたTwitterのタイムラインにtoybeeのスケジュールが出てきて、あ、行けるやん、と。

8月の下北沢で、予約までしてたのに別件とうっかりダブルブッキングしててごめんなさい!したばかりだったので、今回は優先しようとチケットゲット。

 

期せずしてこれが、年内のtoybeeの最後のライブとのこと。「武者修行」期間に入るそうで。

 

 

1周年を迎えて、ネクストステップへ…ということろでしょうか。

冨ちゃんに終わったあとで、お休みってどのくらい?って聴いたらそんなに長くはないですよ、とのお返事。年内は制作やソロの活動をメインにしてく感じなんですね。年明け早いうちにライブ復活…となれば嬉しいですな。

しかし、まさかの、最初にして年内最後というタイミングとは…いや、ギリギリ間に合った、と思うべきですね。

 

今回の企画はツーマンでしたが、どちらも千葉県出身のバンド・ユニット。
唱頂の大員がtoybeeを招いて「VS」という形みたいです。

ほんとに千葉ロックシーンにうとくて申し訳なかったんですが、かなりのベテランバンドでした。すっかり若手の対バンかと思っていた。

toybeeは冨塚大地くん、鍔本隼くんのふたりのユニット(ベース、ドラムはサポートメンバー)ですが、彼らの前のバンド、BOYS END SWING GIRL(通称:ボイエン)として結成当初をはじめとして何度もここ、LOOKで対バンしてるんだとか。
toybeeとしては初だけれど、そんな理由でとても気心の知れた、いい雰囲気の対バンでした。
 

 

唱頂の大員

 

吉本仁暢 Ba.
入野伸夫 Vo./G.
鈴木学成 Dr.
岩澤康博 G.

 

虹色

ハサミとドレス

ビューテフル

一閃

全米は泣かない

スターマイン

TU・MU・GI

ヨルノトバリ

ロスト

月のカケラ

マジカントの兵隊

 

 

セトリはバンドの公式Twitterから。毎回ちゃんと教えてくれるの、いいですね。

(これはほんとにもう考え方なんだけど、私は初めて見た人、聴いた人が「あの曲なんだったのかなあ、よかったなあ、また聴きたいなあ」って思ったときに調べたりCD買ったりする手がかりになるのでセトリはしっかり伝えた方がいいと思っている)


順番はtoybeeが先で、後半に登場。

転換中に音を出してる、その音で「あ、このバンドうまいな」って感じてて、そのとおりでした。実にうまかった。

特にtoybeeが若いバンドなので顕著に音の「大人」度合が出てましたね。

同じ4ピースなんだけど、格段に各ピースの音のつながり、まとまりがいい…って、んなこと、当たり前か~25年選手のバンドですもんね。

大先輩の胸を借りたんだな、toybee。

 

ボーカルの入野さんの鼻にかかった甘い声を、レゲエあり、ロックあり、実にいろいろなサウンドで包んでいて、音の豊かなバンドだな、という印象。なにかひとつのジャンルにくくれないバンドだなと思いました。


お互いの曲をカバーする企画では「全米は泣かない」を、マイナーコードなのかな、すっごい不思議なテンションの曲にアレンジしてたの面白かったです。なんか身体がかしぐ感じが心地よかった。

「いかに崩すか」に腐心したっておっしゃってましたが、最高に面白かったです。


「全米は泣かない」のあとの「スターマイン」という曲が好きでした。ドンダダドンタ!なリズムの「ビューテフル」も楽しかった。


グルグルセイ!

 

 

toybee

 

冨塚大地 Vo./G.

鍔本隼 G.

 

タイチ Ba.

Tomoki Dr.

 
 

 

SuperImagination

全米は泣かない

Don't Breed

ビューテフル

あほんだらいふ

ワンタイムラバー

チーズ(仮)

シーラカンスと文学

惑星ダブリス

 

てことで、先に出てきたのは新人バンド(結成1年!)のtoybeeでした。

toybeeをキャライベ以外で、ライブハウスで聴くのは初だったのですが、若い女の子のファンがもちろん多い中で、意外と男子もいた。おお。

冨ちゃんがすっごいエスニックでフラワリーなかわいいシャツで、ああいう格好の冨ちゃんに会ったことないなあ、って新鮮でした。似合ってました。


「SuperImagination」は何度聴いても好きなんだなあ…「サティスファクション」のパートの隼くんの歪んだギターの音、痺れた。蕩けるような冨ちゃんのボーカルも気持ちいい。「全米は泣かない」と頭2曲の鉄板感、わっとみんなを一気に乗せていく感じ。

 

唱頂の大員カバーは「ビューテフル」。あとで本物のサウンド聴いてみると、かなり華やかな音に仕上げてたんだなあ、と思います(入野さんも「四声なんかにしやがって」って笑ってましたね)。

 

何の曲だったかはもう記憶も霧散しちゃったけど、がーっとギター弾きながら海老反りしてる冨ちゃんがバネみたいだった。元気だな、若いな!!


ライブは初なのでほとんど聴いたことがない曲なわけですが、その中でも「シーラカンスと文学」がすっごくよかった。なんか、深海感がすごかった。ビートルズの後期サウンドをふっと想起してた。サイケデリックだった。シンセの音も混ざってたのかな…?あんまり耳がよくないんで、しっかりは聴き取れてなかったとは思うけど、すごく気持ちのいい音でした。また聴きたいな、これ。

 

toybeeって案外とハードロックな音なんだなーとか、「古き良きロックンロール」が好きでそれが彼らの血肉(ベース)になっていて、そういうルーツがあって自分達がいるんだということをよく知ってる音だな、とか、華があるなあ…それも「濃厚」な華だな、とかいろいろと再発見の夜でありました。

 

10代のころにLOOKに出ていたころから10年以上経った今と、年齢は重ねたけどまだ全然若いつもりだから!ギラギラしてるから!!俺たち売れるから!!!と野望と野心に燃える男、冨塚大地。


俺たち実はもう死んでいて、死神に1週間だけ時間をやる、戻してやるよと言われて戻ってきたのが「今」なんだ、これが終わったらすぐ死んじゃうんだ、そういう気持ちで今日もやってくれって楽屋でみんなに話してた。俺もそう思って今もやってる、でも、それは絶対に本当にはならないってわかってるんだよ(もどかしそう)、でもそこにたどり着きたいんだ…と言うような哲学的なことを高いテンションでわーっと語る冨ちゃん。


死ぬ気で音楽に身を投じたい、燃やし尽くしたい。


時々、キャライベのステージで「きゃらっととは違ってオラついてるけどびっくりしないで」って言うんだけど、なるほど、これか。

オラついてると…は思わないけど、きゃらっとで見せる「にこにこ冨ちゃん」とは違う骨太さを強く感じました。

隼くんはギターを弾きながらすごく楽しそうでした。なんかのギターソロのときにめちゃくちゃニッコニコに笑ってて、ちょっとびっくりした。


曲を知らなくても、グッと来る音、リズムばからのステージでした。楽しかったです。


ファンのみんな、ぐっとアイタイ気持ちをこらえて待ってるんだと思うんで、でっかくなって帰ってきてくださいな。

私もまた、来年、ギラギラの冨ちゃんに再会したいです(なんか、きゃらっと冨ちゃんには何度か逢えそうな気はしてるんだけどね)。