「杉原徹 -TE'TSU- 60+1」バースデーライブ

下北沢CLUBQue 2022.8.4

 

 
 
 

 

 

下北沢CLUBQue
杉原徹
 
鹿島達也
佐野康夫
清水ゆかり
 
かずま
 
高田エージ
ムーニー
 
※当初出演予定の石川二三夫さんは体調不良で欠席でした
 
 
8/4は、杉原徹 さんの「60+1」歳の誕生日!
…ということで下北沢CLUBQueにてバースデーライブ。
てつ100%−20%re:cycle、かずまくん、エージアンドテツ、ムーニーさん、そして最後は全員でセッション。
たっぷりすぎるほどの3時間。でもでもあっという間でした。
 
てつ100%−20%recycle(めんどくさい・笑)は、12曲(実際は4曲ぐらい?・笑)。TOKYO TACO BLUESがいつも以上にフレキシブルでスリリングでした。
かずまくんは手品に巻き込まれながらのBGM伴奏という…新しすぎる。最後、ちゃんとセッションもあったけどその曲の歌詞が面白すぎました。
エージアンドテツはやっぱいいなあ。「ラジオ・デイズ」ぐっと来ちゃいました。
そして、ムーニーさん、素敵すぎる…!
最後のセッションが「What's going on」だったのもすごく「今」だった。とてもよかったー。
 
とにかく楽しかったです。
お誕生日だけど、そこに過剰なものはなく、「いつもどおり」にひとはけそっとお祝いの色を塗った、という感じ。
その仰々しくなさ加減が徹さんだなあと思って見ておりました。
 
皆様、素敵でした。
徹さん、お誕生日おめでとうございました!
 
 
◎てつ100%-20% RE:CYCLE
 
 
杉原徹 Vo.&G.
鹿島達也 Ba.
佐野康夫 Dr.
清水ゆかり Key.
 
 
私はてつ100%もエージアンドテツも通らずにここまで育ってしまった残念な人間でありまして。
徹さんのことをきちんと知ったのもほんとここ5年くらいです。
村越エースケくんの大塚ShisuiDeuxのライブで共演されているのを拝見したのが最初でした。強烈でした(笑)面白い人だなあ!と言うのが第一印象。皆さん、たいていそうかなあ(笑)
その後、音楽酒場サラスヴァティ弁天のココフェスや配信アニバーサリー、さらにエージさんのライブなどで、少しずつ徹さんのステージに触れる機会は増えつつも、徹さんメインのステージは未経験のままでした。
(そんなんでバースデーライブに来ちゃう私も私ですね)
 
なもので、この日がてつ100%初体験!です。
と言っても、オリジナルメンバーではなく「てつ100%-20%RE:CYCLE」のとおり、「今のてつ100%」なわけですが。
MCのお話だと、オリジナルメンバーの鹿島さんが抜けて、佐野康夫さんが途中から入られて(ドラムはとにかくよく変わったなあ…と徹さん)、鍵盤はオリジナルメンバーは菅野よう子さん(連絡が取れなくなって、って、えー!?)ですが、5年前の30周年からは清水ゆかりさんがお手伝いされて…ということで、このメンバーでのステージは実はこれが初だったとのことでした。
 
オープニングはゆかりさんだけで、過去のナンバーのメドレーをピアノインストルメンタルで。
スタンバイした徹さんが黒いマスクをさっと取るといきなりこのピカピカマスクでドッと客席大笑い。
 
そして、「キング・コンブ」。
なんか…ドラマチックなメロディ(とってもジャジーな曲)なのに…徹さんめっちゃええ声で歌ってるのに…歌詞はどこまでも昆布…ギャップが辛い(笑)
 
実はこの日、物販になぜか利尻昆布が置いてあった謎が解けました(笑)
徹さん、昆布で帽子を作ろうとしてたんですって。間に合わなかったんですって。それで物販に昆布を買うと「RE:CYCLE」のCDがついてくる、ってことで売られてたんですって。
これ、休憩時間にしっかりと売れておりました(笑)
 
続けてジャジーな「TOBACCO」。
これは歌詞が意味深。オシャレなTACO BLUESって感じでした。ゆかりさんの鍵盤も鹿島さんのベースも佐野さんのドラムもめちゃくちゃお洒落!
スイングしてて気持ちいい曲でした。
 
 
その後、MCではてつ100%のここまでの振り返りを中心に。主にやはりオリジナルメンバーとあって、鹿島さんとの思い出話が多かったです。
すぐにSUPER BADに行っちゃったんだよな、と口を尖らした徹さん、「ま、でも転勤みたいなもんか」(笑)
ふざける徹さんに、鹿島さんがクールに反応するのが面白かった…鹿島さん、まじめですね(笑)
 
鹿島さんは今年、還暦。8月中旬に下北沢440で開かれる還暦ライブ5daysの宣伝もされてました。
(フライヤーを徹さんに300枚渡したのに配る配分を間違えてこの日は配れなかったそうで、徹さん、怒られちゃったそうです・笑)
 
その鹿島さんのリクエストで、普段も鹿島さんのステージで歌ってるという「ウォッカ一杯の話」。徹さんのハイトーン、美しい鍵盤。とっても素敵な曲でした。
これもとても美しかったラブソング「あと3cm」から、ラストはこれをやらねば!な、てつ100%のデビュー曲、「TOKYO TACO BLUES」!
ハイテンポで、どのピースも弾みまくってて、徹さんのボーカルに瞬時に呼応する刺激的な演奏でした。めちゃくちゃカッコよかった!!
 
 
 
◎手品コーナー(?)withかずま
 
 
もともと告知はなく、急遽出演が決まったらしい、かずまくん。
Facebookで新しいことやるって書いてたからなんだろう?と思ってたら、確かに新しかったです。
徹さんの手品のアシスタント?兼、伴奏っていう(笑)
 
まずは、ひとりそっと現れて椅子に座ると、「せせらぎ」を弾き始める。やがて徹さんが出てきて、黙って横でひたすら手品をば(笑)
 
最初は首ががくん!と落ちて見えるやつを何度もかずまくんに向かってやってたんだけど、かずまくんはただニコニコするだけで演奏を止めないのでとってもシュールで。
 
 
その後、箱を持ってきたなーと思ったら、ギターを弾いてるかずまくんの顔にかぶせて(!?)、ナイフを次々刺していく。
 
ええぇぇえ(大爆笑)
 
何がすごいって、どれほど徹さんが大きな声を出そうが首をいじろうが箱を開け閉めしようが、動じないかずまくんです。
ずーっと弾いてた(笑)
 
場内、あまりにも珍しい光景に啞然としつつ笑っておりました。
 
 
いったん徹さんが引っ込んでからは「せせらぎ」のほかに「チシャの朝」も弾いてたと思うんだけど、何しろ手品で集中力と腹筋を持っていかれてたので他にも弾いてたかもしれません(笑)
 
シルクハットを載せて再登場して、またもや横で手品をやり続ける徹さん。
花を咲かせたり、トランプ滑らせたり、光を移動させたり。
 
 
やがて、かずまくんの後ろにいるダルメシアンと目が合って…。 
 
 
なんやかやあって(なんやかやの部分を文字で書ける自信はない!・笑)、子犬誕生ーーー!
うおーーー!(笑)
おなかいたい!
 
 
 
最後にシルクハットを脱ぐと、頭にミラーボールが載っていた。
(さすがにかずまくん、笑ってますね。でも手は止まらないんです…)
 
 
どっちが本当のミラーボールでしょうかっ(笑)
 
 
回る回るよ、ミラーボール!
 
 
この時だったかなあ、暑い!!って言い出して、アロハを脱いだらまた同じアロハが出てきてみんな大笑いしてたんですが、そりゃ暑いですって(笑)
 
笑いの収まったあたりで(笑)ふたりでセッション。
曲は「僕のどのアーカイブにもおさまってない」という「恋」。…いや「鯉」かもしれない。
魚尽くしの歌詞がすっごく面白かった。魚づくしなんだけど、でもちゃんと恋の歌詞でもあって、いい曲なんだけど、「WowWow」ってスキャットが「魚、魚(うお・うお)」なんだよなあ、って思うと笑ってしまう。
非常に美しさと可笑しみとが絶妙なバランスの曲でした。
 
 
 
◎エージアンドテツ
 
 
休憩なしでそのまま、エージアンドテツの時間に。
袖からテツさんのアカペラに合わせてエージさんのシャウトが聴こえてくる。
そのままふたりで歌っていく「I GOT YOU(I FEEL GOOD)」、かっこよかった!
サビのところの♪SO GOOD(パンパン!)SO GOOD (パン!)I GOT YOU!(だ、だ、だだだ!)♪の手拍子がヘタクソすぎて、途中で指導を受ける私達。練習までしていただきました(笑)
 
 
エージさんは「いいぞ、エージ!」コールを強く要求し、そんなエージさんを徹さんが隣で面白そうに笑ってる。
徹さんって面白い人な一方でとってもシャイで「静」の人だよな、と思うんですけど、こうしてエージさんと並ぶとそれが余計にくっきりします。
 
動と静、陽と陰、太陽と月。
 
エージアンドテツを10年やって「いやになって」(笑)10年離れて、それでもまた一緒に今度は付かず離れずな感じで始めて結果トータル30年…という長い付き合いも二人が「全く違うから」こそなんじゃないかな、と思いもします。
ほんとにぶつかってしまったなら戻れないと思うし。
戻れたのは何か、パズルがはまるようにうまくいく部分がきっとあるんだろうな、と。
だからこそ、ふたりの作るハーモニーはこんなにガチっとはまるんだろうな、と。ジグソーパズルのピースが出てるとこ、引っ込んでるとこがぴたっと合うように。
 
出逢ってからここまでのエージアンドテツの話や、今回のこのバースデーライブをやることになった経緯など、歌より長い、ふたりのとめどない話。
「僕ら、いつまででも喋るからね」
「放っておくと2時間でも喋ってますから」
「お互いの話は全く聞いてなくて、言葉尻に引っかかってどんどんどんどん言いたいことだけ喋ってる。ね、全然聞いてないでしょ?」
「最近はちょっとは聴いてますよ」
 
生まれ年は1つ違いで学年は同じ、半年くらい徹さんが年上なのでエージさんが「こいつがさあ」と言えば「こいつ!?」と色を変えて見せたり「仲が悪いようには見えないでしょ」とおどけたり。隙間なく言葉が掛け合わされていく、そのテンポが楽しい。
 

11月3日には、同じCLUB Queにて、エージアンドテツ30周年の「30年旅行」というライブがあるそうです。

(と、いうか、そっちが先に決まっててその打ち合わせとかの流れでエージさんが「還暦ライブやれなかったじゃん、やんなよ!」と勧めて、プロデュースを買って出てくださってこの日のライブが決まったんだそうです。エージさん、自分の還暦ライブをやっていろいろと振り返れてすごくよかったってしみじみしてらしたから、同じ気持ちを徹さんにも感じてほしかったのかもしれませんね)
 
チケットは発売中!
 
曲は続いて「東京ブギウギ」「ひょっこりひょうたん島」と陽気でふたりのハーモニーの心地よいカバーが並びました。
「ひょっこりひょうたん島」ではみんなも泳がせる。すいすい!っとな。
 
僕らの曲は11月にたっぷりやるからね!ということで、短めの二人のコーナー、ラストは「ラジオ・デイズ」。
アコギ2本で繊細に、ふたりのハーモニーをぐっと押し出して。聴き惚れちゃいました。
 
短いけれど、気持ちが強く高揚して、客席もみんなで盛り上がった時間。グッと熱いステージになったのはエージさんならでは、エージアンドテツならでは、でした。
 
 
 
 
 
 
◎ムーニー(MAD-WORDS)
 
 
ムーニーさんも初めて拝聴。
古希を越えてらっしゃるとか…見えないなあ…。
大先輩!と恐縮する徹さん。
本当は石川二三夫さんと三人で、日暮士歳朗さんらとともに組んでいたジャグ・バンド「MAD-WORDS」の曲をやる予定が、二三夫さんが欠席になったため、ふたりで。
 
合間には「MAD-WORDS」ができた経緯などを。
最初、ジャグバンドをギャグバンドと聞き間違えた、ってのはきっと徹さんの冗談だろうと思うんですが、そんな徹さんのジョークもにこにこさらりと聞き流すムーニーさんでした(笑)
ふたりでの共演はこれまでもあったんだけれど、「MAD-WORDS」の曲をやるのは初めてだね、とムーニーさん。
ムーニーさんはまあもう終始、渋い素敵カッコいい!方でした。声が素敵なんだなあ。
 
「MAD-WORDS」の曲を2曲やったあとは、ムーニーさんが嗄れた声がとてもとても素敵だった「Smile」。
そして楽しい「Spreadin' Rhythm Around」! 町中リズムでわいわい!
なんかいろいろ持ってきてるけど今日は全部使うから!と言ってた徹さん、この曲のときに効果音としてめちゃくちゃ色んな道具を使いまくってました。それでも持ってきたもの全部は使いきれなかったと思うけど(笑)
 
みんなで、クラップしたり歌ったり、徹さんの遊びに喜んだり、とっても楽しかったー!
 
先輩に向ってシャボン玉思い切り飛ばすおちゃめな徹さんと楽しそうなムーニーさんです。
 
 
 
◎セッション~ハッピーバースデー~アンコール
 
 
ムーニーさんに残ってもらってそのままほかのメンバーを呼び込み、最後にセッションを。
 
その前に、そう言えば乾杯とかしなかったねえ…と言う徹さんの言葉を受けて、エージさんが「HappyBirthdayToYou」を歌い出すとケーキが登場~~。
 
うん、やっぱりみんなでお祝いしなくちゃー!
 
二位さんがそのあとをキャンドルを手にやってきて、そのキャンドルを吹き消す徹さん、ほんと照れくさそうでした。
 
 
ラストは「What'sGoingOn」。
 
どないなっとんねん。
ケ・セラ・セラ、なんとかなるよ。
 
にぎやかににぎやかに盛り上がりましたー!
 
 
そして記念撮影~。
皆さん、いい笑顔だ~!
 

アンコールは徹さんひとりでウクレレを手に。
しっとりと終演でした。
 
還暦の昨年はめちゃくちゃデルタ株とオミクロン株でワシャワシャしてたとき…というのもあって大きなライブができなかったようなんですが、少し外して「60+1」でのお祝い、というところがまた、シャイな徹さんぽくていいな、と思います。
 
ずっと笑ってたけど、笑ってただけじゃなくて、豊かな音楽に満ちたライブでもありました。
 
土砂降りだった雨も帰りには上がっていました。帰り道、とてもあったかい気持ちでした。