石田洋介✕かずま セッション!

音楽酒場サラスヴァティ弁天 2021.10.10

 

 
 
石田洋介

 

 
かずま

 

 
音楽酒場サラスヴァティ弁天

 

 

ぴよー。
楽しかった…!!
 
「石田洋介withかずま」。
いわゆるツーマンライブとはちょっと違って、石田さんの曲がメイン、かずまくんは主にギターサポート。
でもちゃんとかずまくんコーナーも、さらにかずまくんの曲でもセッションあり。
いやー、面白かった。楽しかったです。ほんとに。
石田さんのほかのかたとのセッションが好物なので、先日の小樽に続いてとてもいいものを見る、聴くことができました。
 
ふたりの共演は昨年のココフェスが初だったはずなので、出逢いはほんの1年前なんですよね。
その後、サラスヴァの周年配信ライブや修学旅行代替ライブなど、大勢で共演する中でのセッションを何度か経て、ガッツリと組むのは今回が初めてとなりました。
不思議とそんな感じしないのですが。
7月末にたまたま、昼がかずまくん、夜が石田さんのワンマンだったことがあって、その合間に石田さんの配信用のサンクスムービーをふたりで共演して収録した、それをきっかけに今回のセッションが決まった、という経緯でした。

私はその日、ちょうどどちらのワンマンも見ていたわけなのですが、石田さんのファンで、さらにかずまくんのギターと歌声も好きという、私のためには「俺得」そのものの企画でした。
これぞ「縁」ってやつですね。
かずまくんのライブを見ていても思ったんですが、すごくアイデアマンなんですよね。
観客をどうしたら喜ばせられるか、一緒に何をしたら楽しいか、ということをあの大きな目をくりくりさせながらずっと考えてる、という気がする。
これやろうよ!と強引に持っていくというより、これどうですか?ってそっとにこにこと差し出して提案してくれる、いいねと言わせてくれる、そんな感じ。
石田さんのセルフレポを読んでいても、今回のセッションもそんなかずまくんからの「これ、やってみません?」という提案によって導かれたものだったようです。
 
かずまくんのにこにこ顔が想像できちゃいますね。
 
かずまくん、今回のセッションのためにめっちゃ石田さんの曲を聴き込んでいたそうで、MCでも「桶を作りながらずっと洋介さんの曲をかけていた」「もう聴かなくていいんだと思うとちょっとさみしい」って言ってました。
聴きこみながらいっぱい、ギターフレーズ考えてくれたみたいで、どの曲も、私、ほああぁ~~!って聴き惚れるばかりでした。たとえば「ライブハウス」のCD音源だと田光さんがエレキギターで入れてるようなフレーズを、アコギの透明感の強い、煌きの強い音でさらーっと入れてくるんですよね…ほんとに素敵でした。
 
かずまくんの曲では「ショットガン・ベイビー」がまーもー素晴らしく楽しかった!
かずまくんのボーカルだとブルースでもどこか柔らかいんですが、石田さんがそこにザリっとした音とコーラスをくわえてきて、普段よりタフな「ショットガン・ベイビー」になっていたと思います。
 
 
ライブの間中、しきりに、かずまくんが石田さんの声を褒めてくれてました。
「サラスヴァだと聞間拓ってでかい声の人がいますけど、正直、レベチーって感じ」「後ろにスピーカーがあるのに右からのほうが大きく聞こえる」「喉になんかアンプとか入ってるに違いない」「電源刺さってません?」「マイクいらないんじゃないかなあ」「実に気持ちよさそうに歌ってましたね」などなど。
「僕はこういう歌い方はできないので、正直憧れる」とも言っていて、それは声だけではなく、石田さんと自身の音楽のルーツであったり、表現であったりの「音楽性」そのものの差も含めて、面白がってくれているのがよくわかりました。
 
石田さんもまた、かずまくんのギターが生む曲の変化をきっと楽しんでいて、また、高揚もしていたと思います。
「ソウルシンガー」の圧巻! 足もばったばたしてたし(笑)
またねえ、かずまくんのトークが面白すぎるんですよ…かずまワールド、油断したらそれだけで2時間経ちそうなくらい面白かった。
ふたり、ほんとにずっと笑ってました。それを見て、こちらもずっと笑ってた。
 
贅沢な時間でした。ほわほわ。
お酒も飲めたし。ほわほわ。
 
サラスヴァが生んだ縁って素敵なものしかないなあ、ほんとに。
 
またツーマン、セッション、期待したいです。
ももたろうさんとが「親子弦」ならこのふたりだとなんだろ、兄弟にしちゃ年が離れすぎてるし(まるっと20歳違うんだぜ~)、叔父と甥?「親戚弦」??(笑)
かずまくん、なんかいいユニット名を考えて、またいい感じに石田さんを転がしてください、ぜひ。
 
 
 
 
緊急事態宣言明けのサラスヴァ。
まあまだ時短は続きますが、それでもお酒も出せるようになりました。
久々の宮さんのトマトチーズキーマカレーに生ビール!
至福!!
 
途中、宮さんが「お客さんもささやかな幸せを満喫してる」って話してましたけど、ささやかだからこそ、奪われて悔しかったし、戻ってきて本当に幸せです。
 
酒はなくても音楽は楽しめる。
でも、あればもっと楽しい!
 
石田さんも早い段階で生ビールを所望。
配信されてる中、堂々とビール飲めたの、何カ月ぶりですかね? 半年ぶりくらい?
そりゃピロピロ飲むってもんですよね。
(かずまくんはピロピロ飲みを知りませんでした。そりゃそうだよね、多分、90年代頭だからまだ幼児よね…)
 
 
まあ、それはさておき。
ライブは、石田さんの曲に対してかずまくんがギターでサポートする形がメイン。
途中、かずまくんのコーナーを挟み、2曲、「逆に」(←かずまくんの口癖)、「ギタリスト洋介」として参加してセッション。
その後、休憩を挟んで再び石田さんの曲に戻る、という構成でした。
 
単なるツーマンではなく、がっつりセッション!
いつもの曲もがらりと雰囲気を変えて大変、刺激的でした。
 
◎石田洋介withかずま
おいしいものを食べよう
ライブハウス
チアソング
 
◎かずま
いつものこと
せせらぎ
チシャの朝
 
◎かずまwithギタリスト洋介
ショットガン・ベイビー
すてきに
 
◎石田洋介withかずま
ハッピー・バースデイ
やっとあえたね
ソウルシンガー
PUZZLE
アイタイ
 
満天の星(サンクスムービー用)
 
 
「おいしいものを食べよう」はサラスヴァならではのにぎやかな幕開け。
はなからもう楽しい!
石田さんのギターが刻む低いベース音、その上で高いところから低いところまで、自在に軽やかに、かずまくんのギターが踊ってる。
 
ひとちゃんに言うようにギターソロに入るときに「かずま、いってこーい!」と石田さん。好きに自由にやってこーい!って、それに応えて音が飛び回って、そして、ストッと着地する。気持ちいいね!
 
歌い終わりに、おいしいものを尋ねた石田さんに、にこにこと「グミ!」とかずまくん。
予想外だったのか、えええ?となりながら「ほかには!?」と畳みかけるも、返ってきたのは「果汁グミ!!」 さらに「ゼリー!!」
いきなりお腹よじれてどうにかなるかと思いました。本気なんだもんなあ。
 
まあ、そんな大笑いもありつつ、いきなり一曲目から華麗なギターソロを聴かせてくれて耳はうひゃー!となっておりました。
 
「ライブハウス」
歌詞が飛びましたが「歌詞が飛んでも気にしない、それが俺っ!」という開き直りのアドリブに大爆笑。かずまくんは笑いながら難なく、それを受け止めておりました。
エレキのフレーズも大好きだけど、アコギだと二本のギターの音がより柔らかくからみあう感じがする。
 
 
「チアソング」は、石田さんのこの曲のコード進行でめちゃくちゃ痺れる場所がいくつもあるんですけど、コードが変わった瞬間にふっとそこにかずまくんがギターの音をとーん、と入れてくる、そのあまりの気持ちよさにさらに痺れておりました。
 
この曲、最初はジャングルビートで力強い曲だったのがどんどんと静かなアレンジに変わっていって、この2年ほどはほとんど声だけで作られてきた曲です。
この日も石田さんのギターはいつものように最小限。
それをかずまくんがきらやかな音を付け加えて、曲の持つ切なさを膨らませてくれていました。
とても翳りと哀しさのある曲ですが、そこに差す「天使の光」のような、そんな音。
 
「手拍子しよう」のあとに入るピン!と高い音。
 
「そう今こそ 背中を押させてもらうよ」の「そう今こそ」で、ふと石田さんのギターの音が下がる、そこにすっと加わるフレーズの美しさ。
 
後半の「信じることを笑う奴らは 君の見ている景色を知らない」のところで、チチチチチチチチ… と1弦をほんとに小さく細かく刻んでいた、あそこが強く印象に残ってます。
なくてもいい、けど、あると何か心のどこかをギュッと刺激される、そういう音。
 
このセッションはほんとうによかった、とてもよかったです。
 
 
かずまくんソロのコーナーではやわらかく「いつものこと」を歌ったあと、セッションではできない曲としてインストを2曲。
石田さん、セルフレポを事前に打ち合わせたセトリに従って書いてたみたいで「やまびこ」って書いてたんですが、ここでかずまくん、曲を実は替えていて「せせらぎ」でした。
朝、雨が降ってたからなにかそういう、みずみずしい曲をやろうと思ったんだそうです。
雨が降ってなければ「やまびこ」という曲だったのかな?(まだ聴いたことないな、多分)
 
「せせらぎ」も「チシャの朝」もキラキラした光を感じます。
特に「チシャの朝」は気持ちがいい曲。指の動き、音の煌めき。堪能しました。
 
「ギタリスト洋介~!」と紹介して、石田さんを呼び込む。
思わず客席で「え?」と突っ込んでしまいましたが(笑) 
いや、石田さん、自分でも誰も弾いてくれないから、ひとりでやらざるを得ないからやむなく弾いている、とよく言うので…。
かずまくんやうっしーさんの「うまい」とは石田さんの「うまさ」は意味が違うんですよね。
以前も「僕のギターはどこまでも弾き語りのためのギター」って言ってましたし。
 
 
そんな石田さんですが、「ショットガン・ベイビー」ではギターソロも披露!
ソロに入る前に「おおおお…!」って声出して、かずまくんにあとで「そんな風にギターソロに入る人初めて見た」って笑われてました。
 
 
でもこのギターソロがまた何とも、面白かったのでありました。魅せるギター!(ちょっと、顔で魅せてもいたけど!・笑)
 
 
 
あと、ハモリが気持ちよかった~~!
さすが、石田さん!
次の「すてきに」もここ!ってとこにハモリが来て、ふえ~い!って耳が喜んでました。
心地よいセッションでした。
 
 
 
 
休憩挟んで二部。
 
 
「アコースティック」から2曲。
 
「ハッピー・バースデイ」も途中ふっと歌詞が抜けて(最近、あそこで飛ぶこと多いな~)、ちょっと巻き戻ってやり直したんですが、かずまくんもクールについてきた(綺麗なフレーズを入れてくれてたねー)。
この曲も、かずまくんの音の装飾が曲を彩ってた。
石田さんひとりだと痛みとか悲しみが剥き出しになるんですが、それをそっと光で包むような感覚。
ギターで一緒に歌ってくれてるようでした。
珍しく、この曲でセルフフェイドアウト!
かずまくんとふたり、息を合わせながらのフェイドアウト、とても楽しかった。
 
 
「やっとあえたね」では、かずまくん、スライドバー使ってた!
その音のゆらぎがとても心地良かったです。音が夕暮れの香りになってたなあ。
 
曲の成り立ちから説明して、石田さんが「だから重い曲なんだって話」とややふざけて言うと、かずまくんが「重くないですよ、みんなわかるんじゃないかな」と素直に答えていたのが印象的。
かずまくんは、ラブソングだと思って聴いてたんだそうで、この曲の普遍性を改めて感じました。
「今」を歌ってるけど、おそらく、聴く人によって自由に聴ける曲ですよね。
(石田さんの最近の曲はそういう曲がほんとに多いなーと思います。「ニューノーマル」は珍しく普遍より時事性を選んだ曲で、だから今、石田さんにもしっくり来なくて歌う気にならないのかもしれないなーと思いもします)
 
いい曲ですよね、とストレートに褒めてくれるかずまくんでした。
そこまで、声のデカさについて褒めてるのにややdisり感があったせいか、石田さん、ちょっと身構えて聴いてた感(笑)
 
 
そしてとうとう、ギターを置いた「ソウルシンガー」。
石田さんのセルフレポによれば、かずまくんの勧めだったとか。おおー。
 
 
遠慮なく、声をぶちかます石田さん。
前半のときに石田さんの声のでかさの話が出て「別に出そうと思ってでかく出してるわけじゃない、自然にこうなった」「だから逆にちっちゃく歌えてないんじゃない?」と話す石田さんに対し、「そんなことないですよ。(石田さんのエッジボイスを真似して)って感じでエロっぽい声出してましたよ。すげえ、0-100の声、使ってるなーって思ってた」と答えてたかずまくん。
 
この「ソウルシンガー」は0がほとんどないんですけどね(笑)
特にこの日はギターを手放した分、身体全体を声にして鳴らしまくってました。
サラスヴァだとちょっと近すぎるくらいでした。
 
 
 
かずまくんのギターは石田さんのアレンジをベースにしつつ、時折、彼ならではの装飾。
(真っ暗で、のあとに、ピーン!と高音を入れてきたり、ガリガリッと削るような音を入れてきたり)
石田さんの呼吸をずっと測りながら、寄り添って弾いてくれてたな、と思います。
 
 
最後2曲は鉄板で、「PUZZLE」「アイタイ」。
今日はかずまくんがいるので、2パートの歌いわけができましたね!
「アイタイ」では、3連の音の繰り返しが気持ちよかったです。
 
配信終了後はサンクスムービー用に「満天の星」。
なんかね、かずまくんがいっぱい足元ポチポチしてて、エフェクト入れてたみたいで、ぶわあんって音が膨らんでた。星空感!
サンクスムービーで聴けるの、楽しみです。
 
 
この日は、まだ気心知れた、というところまで行ってないこそばゆい雰囲気から始まったんですが、終わる頃には、石田さんの鎧が1枚2枚は脱げたような、かずまくんを呼ぶ声に甘さが出たというか、すっかりなじんだ、そんな印象です。
笑顔いっぱいで楽しい時間でした。
 
 
 
改めて配信の音を聴いてますが、いやー、フレッシュです。
数日後にこの映像が消えちゃうのもったいないな…って思うくらい。
 
特にチアソングは、ここ!ってところにかずまくんがぽとん、と音を落としてくれるので、客席でそのたびにふわぁあ…ってなってた。
お客さんのひとりが感動して泣いてらして、それにハッとしたんですが、まったく違う聴き方を私はしてたんですよね、この日。
 
音楽の捉え方って人によっても千差万別だけど、その同じ人でもその時々でも千差万別で、瞬間瞬間しかないこと、だからこそライブが必要なんだということ、千差万別と千差万別がかけ合わさった、何億分の1の、石田さんもライブの途中でふと、この出会いも奇跡だよな、と、さらりと呟いていたのだけれど、そういう奇跡のような瞬間が、現場にはあるんだということを思う今です。
 
奇跡って、ぽとん、と神様が突然脈絡もなくくれるんじゃなくて、いろんな人の道筋が絡み合った先にやってくるものなのだと思います。
(そういえぱ石田さんがそんな歌を歌ってたな、「MIRACLE」っていうんですけどね…石田さん、歌ってないなあ、もう長いこと)
 
石田さんの軌跡と、かずまくんの軌跡と、宮さんの軌跡、そして観客の軌跡と。
重なり合っての奇跡。
 
そんなライブでしたよ。
おふたりにとっては何気ない1日だったかもしれないけど、なんだかとても新鮮で心がリフレッシュするような、私には特別な日でした。
 
アーカイブ、皆様もぜしっ!(投げ銭もぜし!!) 
 
※だいたい一週間程度、10/17くらいまで見られるのではと思います。
※サンクスムービーは2週間~1カ月くらいでメールでお知らせ来ます。