かずまソロワンマンライブ〜涼しい音色に乗せて

音楽酒場サラスヴァティ弁天  2021.7.31

 

 

 
 

かずま

https://ameblo.jp/kazuma-music 

 

 

音楽酒場サラスヴァティ弁天

https://kokopelliearthly.wixsite.com/sarasvathi 

 

 

 

このままあなたと

ひまわりのペンダント

モヒート

Given

せせらぎ

こもれび

チシャの朝

すてきに

オーロラとペペロンチーノ

 

TheWaterIsWide

汽車

 

 

 

私の7月のサラスヴァ訪問は、この7/31のみ。
でもなんと、昼と夜のダブルヘッダーでした。昼部はかずまくん、夜部は石田洋介さんのワンマンです。
Maruでもそうだし、サラスヴァでもそうなんですが、ハコやマスター、オーナーになじんでいくと結局、そのハコに出ているアーティストにも好きな人が増えて行って、こういう「ちょっと待って、どっちも見てぇじゃん!!」みたいなことが起きちゃうんですよね…楽しいからいいんだけども(笑)
今、埼玉県に住む私が神奈川県にお邪魔するのは他県への越境を控えろと言われ続けてる中ではなかなかのハードルなので、こうして「1粒で2度おいしい」状態なのはありがたいことでもあります。時短ノンアルコールになっちゃったのは残念ではありましたが、昼夜通して楽しい一日でした。
 
ということで、まずは昼部、かずまくんのワンマンライブ。髪を切ってスポーツ少年のような風情のかずまくんです。
 
この1年半でかずまくん出演の現場は数度、経験してるんですが、ワンマンは初めてでした。一度行きたいな~と思いつつなかなか機会がなく、6月の石田さんのワンマンのときに、次のワンマンの昼部がかずまくんだと知ってすぐさま宮さんに「通しで!」と予約。
いや~自分のその瞬発力を褒めてあげたい。
 
いいライブでした。
楽しかった~~何よりも音が心地よかった。
今回サブタイトルが「涼しい音色に乗せて」というもので、そっとフライヤーにも載ってたのにあんまりひっそりで気づいてなかった私ですが(ごめんね、かずまくん)、そのタイトルにふさわしい、きらきらとした、軽やかな、爽やかな音の連続に耳も心も充足。
 
1時間45分を通しで。かずまくんはそのほうがやりやすいのかな。
二酸化炭素濃度を測るメーターがサラスヴァには置かれてるのですが、終始700を切る安定度だったので休憩なしで続行でした。超えたら止めてくださいってかずまくんは笑ってたけど、ワンオペの宮さんにそんな余裕はなかったと思う、多分(笑)
 
始まる前に宮さんに(夜部もあるので)時間だけ気をつけてねって実は釘を刺されてたんですが、それはおそらく放っておくとおしゃべりが増えていつまでもやってしまうから…だと思いました(笑)
そんなに口数が多いとは感じないんですけどね、確かに冷静に考えたら時間としては長いのかも。
現場の観客や配信のチャットとコミュニケーションを取りながら終始ゆるやかに話していて、その会話があまりに柔らかく続くので時間を感じないんですよね。制限がなかったらもっと喋ってるのかも、かずまくん。
 
ここまで見てきた彼のステージ、少ない回数の中でも感じているのは、現場や配信の観客を「楽しませたい」…そこに何か特別なものを届けたいという気持ちがとても強いな、ということです。
 
ひとりひとりの目を見ながら話す、歌う。一方的に話すだけじゃなくて「対話」する。

そして、凄腕のアイデアマン!
今回のライブでは、宮さんの協力のもと、写真をスライドのように配信画面に挿入してあれやこれやと言葉ではイメージしきれないものを補ってみたり。
この日の配信を見た方はおわかりでしょうが、9月のココフェスのステージについて、結構でっかい、しかもかなりわくわくする提案を宮さんに投げかけてみたり(ネタバレしちゃうとなんだからそれが何かはココフェスに来て確かめてね!)。
 
サラスヴァのサンクスムービーが始まったのも彼が言い出しっぺなんですよね。
そのサンクスムービー収録の時には、さらに「来てくれた人のために」と一曲追加してくれて、さらにお土産まで用意してくれていました。
そのくりくりしたまなこで、いろんなところに目を届けられる人なんだなあ…と思います。

しかもその楽しませたい、の気持ちがちっとも押しつけがましくないのがまたいいのです。
 
「こんなこと思いついちゃったんですけど、どうですかね?」
 
そして彼の音楽にもそういう「そっとした」感じが漂ってる。
 
「僕、こういうの素敵だと思うんですよ、皆さんはどうですか?」
 
ふわりと彼の提案にのっかる心地よさを堪能した2時間弱でした。
 
 
「このままあなたと」は普段とはアレンジは変えてゆっくりめだったようで。

かずまくん自身は海か山かと言えば山寄りなんだけど、がんばって海、サーフに寄せてみた…アレンジだそうです。

私は海でも山でもないインドア派なので(笑)そこらへんはわかんなかったけど、キラキラと音の波が光るようでした。

かずまくんの鼻濁音と高音、裏声が気持ちのいい曲。

 

曲を書くときにいろんな発想があるけど、これはある日、本当に空からサビのメロディと歌詞が降ってきた曲なんだそうです。

(でもそういうとカッコつけてるみたいでいやだから「降ってくる」じゃなくて「思いつく」って言ってるんだそうですが)


「ひまわりのペンダン」トもそんなふうに「降ってきた」曲だとか。裏声が印象的な、メルヘンなラブソング。

途中、拍子がくるりくるりと変わってそのたびにハッとしました。とても複雑な構成の曲なんだけどそれを意識させない、軽やかさ、爽やかさ。とってもいい曲でした。好きだなー。

 

「モヒート」は何も言わなければ素敵なラブソング!(「モヒート」にひっかけた歌詞が面白かった…かずまくんの歌詞は「音(おん)」のユニークなものが多いですね)…で済んだのに、終わった後で、彼女とじゃなくて宮さんと海の家で初めて飲んだモヒートの思い出だ、なんて言うものだから、現場は笑いに包まれてました。

タイトルらしく夏らしいサウンド。

途中のギターが洒脱でかっこよかった!


かずまくんが宮さんのことを僕にとってはある意味で上司のような存在だとあれこれ思い出を話してたの、付き合いの長さを感じさせてほほえましかったです。宮さんも「大きくなったねえ」なんて親戚のおじさんのような口ぶりだし(笑)


「Given」は高田エージさんの曲だけど、杉原徹さんとのユニット「てつかず」で歌っていたら「あげるよ~」(かずまくんのモノマネ、似てた)ともらってしまった曲。

まあ、結局エージさんも歌ってるそうなんですが。

確かにとってもいい曲だった~言葉も音も透明度の高い、美しいバラード。

「愛」の唄でしたね。無償の愛。難しいからこそ、憧れるもの。



中盤には「かずまといえばインストルメンタル」ということで、夏に似合うインストを3曲。

かずまくんとしては、歌ありとインストでは全く意識が違うそうですが、聴く方もそうかもなあ…。

 

「せせらぎ」、「こもれび」、「チシャの朝」。

本当は「こもれび」じゃない曲をやろうとしてたみたいなんだけど、「せせらぎ」のタイトルを言い間違えて、じゃあせっかくだから「こもれび」やろう、って軽やかに。


「チシャの朝」はほんっといい曲だと思う。

朝露に輝くレタス、そのきらめきが音から感じ取れるような。


この3曲では、かずまくんの顔じゃなくて指を見つめてしまいました。いやほんともう、ギター、うまいねえ~~~。特に高音のキンと弾ける感じがとっても好きです。

 

再び弾き語りに戻って、おなじみ「すてきに」。

レゲエ風だと笑ってましたが、これもいつもとテンポや拍子を変えてかなりゆっくりめでした。少し、けだるげな。

 

本編最後は「オーロラとペペロンチーノ」

ココフェスでも登場予定のTOSAKAZUMAのナンバーだそうで、少しだけ観客にコーラスも。

この曲もとっても好きだったな…タイトルを聴いただけでは「ん?」となる取り合わせなんだけど、歌詞を聴いて「ああ~」ってなってた。


この曲の時、すごく不思議な感じがあって。誰もつけてないのにハーモニーが聴こえてくるんですよね。倍音っていうんですかね、何か声が重なり合って聴こえた。とても心地よかったなあ。

力みのない、柔らかい歌い方なんだけど、確かに耳に残る。そういう声だな、と思います。

 

ここからは配信後、現場のみのアンコール。

ひとつは現場のための「TheWaterIsWide」

アイルランド民謡。杉原徹さんと富安秀行さんとの共訳詞でとても素敵なので、と。

しっとりと美しく。

そして最後はサンクスムービー用に「汽車」。

コトンコトン、と汽車のようなリズムが心地よかった。

 

 

涼しい音色に乗せて、のタイトル通り、爽やかで涼やかな音、歌。

そういう音に耳と気持ちをサラリと洗ってもらったような心地でした。

 

にしても、かずまくんの声って独特の柔らかさとビブラートだなあ。マイナスイオン感!

 

 
先だって亡くなられたおじいさまから大工道具を引き継ぎ、現在は修行しつつのかずまくん。
いつかは「横浜で惟一の桶職人」の冠を背負って立つ気概。
 
そんなお仕事で出た、檜のかんなくずを現場の観客にプレゼントしてくれました。
大きいけど軽いの、ふわふわ。
鼻を寄せると檜のいい匂いがする。
 
消臭、乾燥剤としてもいいそうです。
ちょうど麦わら帽子くらいのサイズなので陰干しするときに中に入れておいたら、ふんわり麦わらに檜の香りが移ってました。
お風呂にもいいとは言われたけど香りは飛んじゃうみたいでもったいなくてまだ入れられてない。このまんまでも飛んじゃうから使おうかな~(そのあと干せばまた乾燥・消臭剤にはなるんですって)。
 
 
 
宮さんのパッタイ焼きそば。
濃いめの味付け。あーーー、なんでビール飲めないのかねーーーー!
(レモンスカッシュとトニックウォーターで気持ちだけサワーっぽくしてみました)
 
 
 
今回、来ようと思った一番の理由は、かずまくんの歌をじっくり聴いてみたかったのと、何よりもあのギターの音を生で、この耳で聴きたかたったから…でした。

配信でももちろんあの素晴らしい指の動き、弦の音はわかるんだけど、弦が弾かれて残る余韻だとか、自然と倍音が聴こえるあのやわらかい声の魅力だとかは、やはり生でないとわからないのです。
 
楽しい、気の置けないおしゃべりと、宮さんのおいしいごはんと、檜のいい香りと、そして、美しく澄んだギターにかずまくんのビブラートの効いた柔らかい声と。
心地いいものばかりに囲まれたこの日の昼部サラスヴァでした。
 
でも一番、心地よかったのは、かずまくんの「楽しんでほしいなあ」という気持ちだったかもしれません。
たくさんの心地よいプレゼントをありがとう、かずまくん。
 
 
 

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