ココフェス的音楽修学旅行リカバリーライブ

音楽酒場サラスヴァティ弁天 2021.1.16
 
 

音楽酒場サラスヴァティ弁天


かずま
潮田和也
伊勢賢治
石田洋介
東海林仁美


本来はこの日、三浦マホロバマインズにて行われるはずだった、一泊での「ココフェス的音楽修学旅行Vol.3」。緊急事態宣言を受けて残念ながら延期になってしまいました。
とはいえ、転んでもただでは起きない、タフネスなマスター・宮森さん。「リカバリーライブ」と銘打って、出演予定のアーティストを中心に音楽酒場サラスヴァティ弁天にてライブが開催されました。
限定有人+配信のスタイルでしたので、幸いにも現地で観覧できました。

出演はほぼ修学旅行出演メンバーで、かずま、潮田和也、伊勢賢治、石田洋介with東海林仁美(敬称略。DORIED BONITOはやすよさんが欠席でウッシーさんのみ)。
対バンなだけではなくコラボセッションも多い、非常に豊かな時間でした。
楽しかったーー!
スタイルとしては昨年秋のサラスヴァ一周年配信ライブに近いんですが、一周年のときよりもセッションが多めなのがこの日ならではの「修学旅行らしさ」だったと思います。
 
コラボセッションやりませんか?とこの前夜(!)におそるおそる言い出したという、かずまくん、えらい!よくやった!ナイスアイデア!!(褒めてって言ってたので大いに褒めます・笑)

急な話ながら、それぞれのセッションはどれも素敵で、もちろん時にはあれっ!?なんてときも出てくるんだけど、それすらも笑って飲み込んで昇華する。
それぞれの音を探り合い、見つけ、融合させていくプロセスを間近で見せてもらいました。
贅沢しました。

伊勢さんは今回も含めて修学旅行は皆勤。かずまくんは2回目。ウッシーさん、石田さん、ひとちゃんは初。このメンバーが揃うのも、初。
そんな初めての顔合わせもあるセッションの緊張感が、演奏の中で次第に溶けていく感じも素敵でした。

音さえあれば、みんな繋がれる。
それをほんのり酔いながら眺められる幸せ。

ほんとはこれがマホロバの宴会場で繰り広げられたはずなんですよねー。でも、サラスヴァという小さな膝を突き合わせて過ごすような場での時間を経てから、順延のマホロバに繋がる方がより濃密な音が聴ける気がします。いいクッションになったのではないでしょうか。

いやまだ順延のマホロバ、行けるかわかりませんが、この日が予定通りなら私は行けなかったので、私にとってはありがたい一日でした。

そうそう!
ビニールシートがリニューアルされた(厚手の透明度の高いものになってました)サラスヴァはめちゃめちゃ見やすくなってました。
配信機材もさらに投入されていた!ありがたや!
宮さん、ほんとにいつもおつかれさまですーー!
 
 
かずま

http://kazumacogi.net

 with伊勢賢治


このままあなたと

ショットガンベイビー
いつものこと 


 

 
 
「エントリーナンバー一番、かずまです」
 
オープニングは「常に最年少」なかずまくんから。
それでも31歳ですよ、と最年少扱いにやや唇を尖らせつつも、この日の現場のなんとなくふんわりした空気を作っていたのは、実はかずまくんのような気がします。
先導切ってみたり、前に出たりはしてないんだけど、そっと舵を切っていた感じ。
 
楽しいフレーズがたくさん飛び出して、言葉的にもこの日のキーワード「伊勢遣い」だとか「逆に」(これはまあ、彼に限らず意味もなく多用しがちなこのごろの日本人ですけど)とか。
全曲、伊勢さんをサポートに据えていたので、一周年に続いて「伊勢かずまでーす」とか。
ボトルネック奏法の音の説明が何とも言えない表現だったりとか。
言葉の感覚がユニーク、キャッチーなのかな、とも思います。
 
ちょっと初めのMCで「伊勢賢治、天才」話などで時間を取りすぎた感覚があったらしく、インストを一曲やめての3曲。多分、予定通りにやっても大丈夫だったと思うんですが。
「このままあなたと」は伊勢さんがサポートするのは久々(伊勢さんいわく2年ぶり)だったようで、「聴いてない」と苦笑いしつつも、きっちり合わせて聴かせてくれるあたり、さすがです。
そういえば、曲の途中で石田さんが写真を撮った、シャッター音が異様に大きくて「歌詞が飛んだ!」ってひと騒ぎ。石田さん、めっちゃ謝ってました(笑)

「ショットガンベイビー」はかずまくんはファニーで、伊勢さんはクールでかっこよかった! みんなで唱和できて楽しかったです。

「いつものこと」は配信ライブでも聴くことの多い曲ですが、言葉も音も、静かなのに深く心に残る曲で、気づくと口ずさんでます。

 

君にとって 誰かにとって

いつものこと いつものこと

僕にとって それはすべて

特別なこと 特別なこと

 

今ある日々を大切にすること。それがどれほど貴重で大切なものであるかを、日常の風景を描く中でやさしくさりげなく歌ってる曲だと思います。

 

 
潮田和也

http://www.driedbonito.com

  with伊勢賢治
 
Overjoyed
What's going on
春よ来い
アニバーサリー
卒業写真
 
 
 
「エントリーナンバー2番です(笑)」とかずまくんに続いて、ウッシーさんことDORIED BONITOの潮田和也さん、登場。
やすよさんがサラスヴァには来られなかったので、おひとりで…と言っても、全曲でサポートやコラボが入って、一番賑やかなステージでした。
全曲、かずまくんに続いて伊勢さんがサポートに入り、コンビ名は「伊勢牛」(笑)
伊勢さんのサキソフォンやカホンが入ると音がぱあっと華やかに変わるので、みんな一緒にやってみたくなるんでしょうか。聴いてるほうもとても楽しくなってしまうのですが。
 
ウッシーさんはMC多めで陽気なステージ。
曲数も5曲と多め、なのに押すことなくお見事。

宮さんとは同じ年(ウッシーさんのが少しだけ早生まれ、でしたっけ?)なのだそうで、気心知れた会話が楽しかった。MCもとっても飄々と楽しく、ずっと笑ってたなあ。
筒美京平さんの話からの「僕はソウルが好きなんですよ」からのスティービー・ワンダー、「Overjoyed」で幕開け。ボーカルパートは伊勢さんのサキソフォンで、そこにギターが美しく重なっていって、うっとりな音でした。
2曲目からコラボスタートで「What's going on」ではボーカルを石田さん、ギターとコーラスにかずまくんも入って。コーラスは伊勢さんも(ウッシーさんは「僕は絶対歌わない」って)。
 
この曲を石田さんが歌うの、久々でした(1年ちょいぶりくらいかな?)。
石田さんのボーカル、ソフトに始まって、サビはパワフル、緩急がとてもあって気持ちよかったな。
途中のウッシーさんのギターソロとを重なるような高音のハミングも素敵でした。
「僕とのコラボも、伊勢牛、みたいな名前つけてくださいよ」って甘えた感じでお願いしていて、結局、「伊田和牛」という新しい牛の品種になってました(笑)
 
石田さんとウッシーさんとはきちんと共演するのは二回目かな、洋介ちゃんって呼び方が新鮮でしたが、石田さんもソウル好きだし、ウッシーさんとは音楽的な好みの共通点が多いのかもしれないなーと思う(ビール好きも!)ので、またぜひ今度こそDORIED BONITOともセッションを!
 
 
 
続いて、ひとちゃんとかずまくんが加わって、珍しい編成での「春よ来い」。
リハ一回やっただけとは思えない、美しい仕上がりでした。ひとちゃん、とても美麗な音を響かせてました。
伊勢さんのサキソフォンが伸びやかに鳴る背後に、桜の花びらや春の光が舞うように、御三方のギターや鍵盤の音がキラキラ差し込まれてきてなんだかまばゆい感覚でした。

サキソフォン、アコギ2本、鍵盤ってなかなかレアな気がします。
そしてこれが「サラスヴァ初のインストコラボ」なんだそうです。今後もあるといいなー。
 
 
「アニバーサリー」 はウッシーさん、伊勢さん、かずまくんの3人で。
かずまくんのやさしいボーカル、しみました。
ウッシーさんもかずまくんもフィンガーピッキングタイプのギタリストで(なんたって、フィンガーピッキングコンテストで知り合ってるおふたりだ!)、音の煌めきが本当に耳に心地よいです。
なんであんなに美しい音が鳴らせるのだろう〜?

最後は「卒業写真」。ボーカルを、石田さん、伊勢さん、かずまくんの3人で割って。
ここでは伊勢さんはカホン。
それぞれ歌の雰囲気がまったく違うので面白かった。
コーラスも美しかったなぁ。石田さん、気持ちよさそうに歌ってました。
 
 
 
 
 
「僕らの音楽」テーマソング
情熱大陸
Together
JoyfulJoyful
 
 
これだけ他のメンバーに「伊勢遣い粗く」(笑)されてる伊勢さんなんですが、ご自分のパートはおひとりで四曲。とはいえ、自作のオケ音源(事前に作ってきちゃうとこがすごい!)を使うので、音色の豊かさは一番だったかも。
ほんとは、ホーチャイさんこと法西隆宏さんが来る予定だったらしいんですが、おいでになれず。オケ音源には使われてるので、エアで共演でした。
 
「僕らの音楽」は懐かしかった~しっとりと。夜の音ですよね、この曲。
「情熱大陸」では「弦楽器の人が作る曲、嫌い!」って子どもみたいにぶーぶー。息継ぎが考慮されてないんだそうです(笑)
ほんとはこの曲をみんなでセッションしたかった、って言ってました。聴きたかった~~修学旅行でのお楽しみかな~。
 
「Together」は演奏のあとで、実はこのピアノ松任谷正隆さんなんだよなんてエピソードがぽろっと出てきちゃうのには感嘆しちゃう。かずまくんもしきりに「すごい、すごい」と伊勢賢治天才説をここでも主張してました。高校の時にバスの中でこの曲を考えて、当時はスマホなんかないから必死で忘れないようにして帰ったって話にはみんな「ガチで天才やんけ」な気持ちに(笑)
 
ラストは楽しく「JoyfulJoyful」。
YouTubeではホーチャイがはじけてるって伊勢さんが言うから見てみたんですがほんとに弾けてて楽しかった!

 

 

 
 
石田洋介

 with東海林仁美

 
アイタイけどガマン
おいしいものを食べよう
ニューノーマル
ソウルシンガー
ライブハウス
アイタイ 
 
アンコール
PUZZLE
素敵に
 
スペシャルセッション
満天の星
 
 
トリをまかされたのは石田洋介!
修学旅行は初参加の予定で、順延は残念でしたが、ここで一度これだけのセッションをやっておいたのはきっとよかったんじゃないでしょうかね。
修学旅行本番ではさらに深いセッションが聴けるのではないかと期待です。
 
まずはひとちゃんと3曲。
頭に「アイタイけどガマン」を持ってきたのはちょっと珍しかったかも…配信画面に向かって「来られなかったみんなに」と、語り掛けるように。
その後も「おいしいものを食べよう」「ニューノーマル」「ソウルシンガー」と、ひとちゃんの鍵盤が強くフィーチャーされたナンバーが並んで嬉しかった。
石田さんとしても皆さんにひとちゃんの音を紹介する気持ちもあったのかもしれません。
 
 
「おいしいものを食べよう」の前振りに、繊細な音が続いたあとに自分がラストでいいのかなって話の中で「『またライブハウスで』のレコーディングのときに、どっちかってば僕は聞間拓のグループって言われたぞ、くっそー!思いだしたぞ! 飛沫、飛ばしまくってやる!!」ってがなってて爆笑でした。

ちなみに忘れてるかもしれないけど、そのレコーディングのあとの一周年配信のときは、一日目の聞間拓グループはちょっと違うって言って最終日の女性多めグループに入れてもらってますからね?
どっちに入ってもおかしくないって宮さんは言ってたし。
まあ、この日のメンバーでは確かに唯一のパワーボーカル、強めのサウンドでしたけども(笑)

ラストのギターフレーズは決めてほしかった!無念!(むしろ、決めない芸?)。
 
「ニューノーマル」はひとちゃんの鍵盤との呼応が気持ちよくて、宮さんもすごく声を出してたなー。
石田さんも、わざとかなり強めにざりっと歌ってたように思います。
「ネットリテラシー爆上げ 配信機材購入」はサラスヴァそのもので、宮さんも笑ってた。
 
かずまくんも「いつものこと」の前に日倉士歳朗さんの話をしていましたが、石田さんも「ソウルシンガー」の前に、去年、今年と亡くなった先輩達がたくさんいること、「生きている我々が今を精いっぱい楽しみ、生きなくては」としみじみと。
この1年以上、おそらくたくさんの方が同じような思いを抱いたのではないでしょうか。
 
ひとちゃんがそのMCの間に鳴らしていたピアノの音もまた、静かにしみいるようでした。
本編はギターなし、鍵盤のみで。
伸びに伸びる「でかい声」で、たっぷりと。サラスヴァの中が酸欠になるそうなくらいに。
 
 
続いて「ライブハウス」。
「聞間拓の作った『またライブハウスで』とは異なる視点での、僕なりのライブハウスへの愛」。
(「大好きって言うのが大嫌いな天邪鬼な僕」って言ってましたが、今度はそう定義されるとそれはそれでまた嫌なんじゃないかと思っているんだけど・笑)
しかしこの日、現場にいないのにちょいちょい話題に出る聞間さん、ほんとに愛されてますなあ。
 
一周年配信に続いて伊勢さんが入ってくれて、ひとちゃんのピアノと伊勢さんのサキソフォン&カホン(空いた手で叩いてた!)でご機嫌度倍増!
ラストのデクレッシェンドする手前の伊勢さんのソロがめちゃくちゃかっこよくてですね!!
管楽器独特のあの空気を孕んだ音が切なさを際立たせてくれてるなーと思います。
 
2月7日には、伊勢さんが呼んでくれてこの3人でのライブがサラスヴァであるんですが、さあ、どうなるのかな~~めちゃくちゃ楽しみです。伊勢さんの曲もセッションしてみてほしい!
 
 
 
コーナーラストは全員での「アイタイ」。
ウッシーさんとかずまくんのギターがまたまあ、透明感高くて綺麗でした…気持ちよかった…。
伊勢さんのカホンがスパッと気持ちよく。疾走感と爽快感の強い「アイタイ」でした。
宮さんが元気にアイタイ!コールしてくれてたので、私達も気持ち小さめに、アイタイ!
(ちなみに、ほんとに今のサラスヴァは人間全員の間にビニールがあるので飛沫は浴びようがない状態です)
 
アンコールも全員でのセッション。この日はほんとコラボ多くて楽しかったな~。
「PUZZLE」そして「素敵に」。
 
かずまくんは「素敵に」がオーラスなの、え~!?もう僕の仕事、終わってるし~って抵抗してたんだけど、いいじゃん、いいじゃん、と皆の勧めで。
中でも、石田さんが「だってハモリたい曲があるんだもん」と押してたの、わかる~ってなってた。
気持ちいい曲なんですよね、とっても。石田さんのコーラスも気持ちよく決まってました。
ひとちゃんのピアノも軽やかで気持ちよかったな~(かずまくんの声にひとちゃんの鍵盤の軽やかさ、合う気がしています)。
 
この曲、まだ音源になってないそうなのですが、音源になったら絶対ゲットします。
 
 
 
配信終了後、最後のスペシャルセッションは「満天の星」。
これ、本当に予定外でした。
 
配信のときに「投げ銭してくれた方にだけスペシャルセッションとかあるといいのでは」とかずまくんが言い出して(セッションやりましょうよ、って言い出したのも彼だし、ほんとアイデアマン)、終わってから、え、ほんとにやる?何やるの?もうネタないよ??って空気になってるところへ、宮さんが「満天の星」をリクエスト。
とはいえ、知ってる人は石田さんとひとちゃんしかいないので、石田さんも「あれは難しいかも…」と最初はちょっと躊躇する感じでした。
が、さすがの剛腕メンバーですよ。とりあえず、コードください、やってみましょ、ってなって、ひとちゃんがコード譜を見せて、途中まで石田さんとひとちゃんでやってみせて雰囲気を伝えて、一回、リハでやってみよう、ってやってみたら…すんげー素敵でやんの!!!
 
多分、石田さんが一番びっくりしてたと思うし、一番嬉しそうでした。
かずまのギターが入るたびにニヤっとしたり、伊勢さんのサキソフォンがあまりによくて、間奏ちょっと伸ばしてみたり、ご機嫌にスキャット加えたり。
弾き語りでは味わえない、そういうセッションの楽しさに溢れた「満天の星」。
スペシャル映像として、しっかり受け取って何度も楽しんでいます。
ほんと素晴らしいプレゼントいただきました。
 
 
 

 
この日は出演者も観客も多かったので基本的にはドリンクオーダーだけでよかったんですが、宮さんのカレーを食べないわけにはいかぬ!ってことで、ひよこ豆とヤングコーンのキーマカレーをごはん抜きで。チーズオンのスペシャルバージョン!お酒進むよ~!
 
伊勢さんはハヤシとビーフカレーの相がけにしてました。
ほんと宮さんのごはんがお好きなんですね(笑)
 
 
「素敵に」の前に、かずまくんが長々と「音楽修学旅行のよさってこのコラボじゃないか。1曲くらいはともかく、こんなにやるってなかなかないこと。皆さんがそれぞれやれる技術を持ってるってところが一番の見せどころ」と語っていて、ほんとそのとおりだなあ、って思います。

このときかぎり、ワンタイムオンリーの「消え物」である、ライブというものの良さ、楽しさ、嬉しさを改めて感じた一日でした。
 
石田さんもこの笑顔だ!
順延の修学旅行には行けるかどうか、まだわかりませんが、できればこんな楽しいセッション、聞き逃さず見逃さずに済みますように!