「北の部屋から」届く音〜kurosawadaisuke 51th birthday



kurosawadaisuke
もう5年前になります。渋谷Songlinesでの3マン。当時、「黒澤道場」と言う、黒澤さんが月1くらいのペースでいろんなアーティストとセッションする企画があって、それに石田さんが出るとのことで見に行った、それが初めてでした。
 
当時はブログ書いてなくて残ってるのはTwitterでの感想だけですが…。
 
 
 
 
 
 
…とか言うてますね(笑)
 
5年前の自分はまだ石田さんと話すのにすら勇気がいる頃で、ソングラインズにも緊張して向かったのを覚えてます。行ったらご機嫌なライブでめちゃくちゃ盛り上がったっけなぁ…キャンディーズやYMOのカバーをやるというなかなかヘンテコで楽しいセッションでした。
石田さんの「ハッピーバースデイ」に黒澤さんが参加してきたのも、すごく刺激的で楽しかった。
 
その後、同じ年の冬に吉祥寺での共演があってからはしばらく間が空いて、2018年の川崎クラブチッタ アティックでの黒澤さん、扇田裕太郎さん主催の西日本豪雨チャリティライブに石田さんが呼ばれたことをきっかけに、共演が復活。北海道ツアーが何度か続いたのちの昨年の横浜で、私も二人のがっつりの共演を久々に目にするチャンスがありました。
 
なので、これまで黒澤さんのライブを見られたの、ほんと数えるほどなんですよね。この5年で4回かー。
今年こそ、北海道ツアーで共演するのを見るぞ!と思ってたし、共演でなくとも黒澤さんのライブに行こう!と思っていた矢先のこのCOVID19禍。
 
黒澤さんのご自宅は帯広で、緊急事態宣言中は北海道を離れることができませんでした。
そこで生まれたのが「北の部屋から2020」。
ご自宅からの配信ライブシリーズです。
 
黒澤さんの現在のメイン発信ツールはFacebookなので、Facebookのライブ配信機能を使っての配信。
 
投げ銭サイトは用意されてましたが、基本的には無料視聴。今でもアーカイブは残ってます。
緊急事態宣言が解除されるまでの1か月強。全10回。
 
すごかったのは、この間に毎週リスナーからキーワードを募り、大体3〜5ワードかな、抽選で選ばれた言葉をもとに新曲を作り続けたこと。土曜日に募り、水曜日に採用するワードを抽選し、次の土曜日に新曲を披露する、という過酷なルーティンで、出来上がったのは全部で5曲。
その後すぐにレコーディングして、CDまでリリースしちゃった。その名も「北の部屋から」!
 
 
何たる行動力。
 
NU
ストーリー
ThisSong
ありがとう未来
北の部屋から
 
出来上がったのは「ありがとう未来」「ストーリー」「ThisSong」「NU」「北の部屋から」の順だったと思います。
私は「ストーリー」の完成した回から配信を見てるのですが、いつもいつもワードから想定できないお洒落な出来上がりになるのがすごい。
だって「田んぼにつんのめった」(NU)とか「国からの10万」(ありがとう未来)とか「神の味噌汁」(ストーリー)とかですよ?(笑) 
でもちゃんとおさまるんだな~。
私は「ThisSong」のときに「青空」というキーワードを、「NU」では「ぬー!」の一声を、さらに、シーズン2の新曲「ゴーゴーサマー」で「借りたままのカセットテープ」というキーワードを採用していただきました。
この参加感覚・仲間感覚がオーディエンスを強く惹き付ける理由の一つでもあろうと思います。

6/6にはそのレコ発ライブをご自宅からの配信で行い、これがまたご機嫌なライブでしたが、そこで一旦「北の部屋から」レギュラー配信は終了。

そこからは積極的に各地のハコに向かい始めた黒澤さんですが、今も引き続きシーズン2として不定期ペースで「北の部屋から」の配信も続けてくれています。
(新曲作りも、ワード縛りは大変なのにどうやら楽しくもあるらしくて、ワード募集は続いています。だんだんキーワード以外の面白ワードのコーナーのほうが盛り上がってきてる感じもなきにしもあらず…)

配信がFacebookとあって、環境的には参加できる人は限られていたとは思います。
それでも毎回、タイムラインはにぎやかでした。
黒澤さんの長いお知り合い、ファンの皆様、海外のファンの方。そんな中、ほぼ新参の私もいつも楽しく参加させてもらってきました。
最近「5年ぬー組」というワードも飛び出してましたけど、ほんとにそんな感じで、みんなクラスメイトのような、ある種の結束ができたこの初夏〜秋にかけての配信ライブだったと思います。
 
また、この配信ライブには自身の歌う場としての目的に加えてもうひとつ、大きな目的があったように思います。
苦しいのは自分だけじゃない、と出演してきたライブハウスの支援を謳っていた黒澤さん。その店のTシャツを着て、その店のマスターやオーナーの名前を呼び、時には写真をプリントしてゲストだよ、と貼ってみせて。配信へのドネーションはそれらライブハウス支援にも回されていました。

仲間への思い。
ライブハウス、ステージへの思い。
ファンへの思い。

コメントも、もういいっすよーってくらい丁寧に拾うんだ、黒澤さん。全員の名前を読んで、御礼を言う。毎回、毎回。
音楽をみんな一緒に作ってるんだよって言われていたような、常に誰かへの思いや気配りや感謝を端々から感じていたこの数ヶ月です。



そんな黒澤さん、9/17にお誕生日を迎えられました。51歳!
おめでとうございまーす!
 
そのバースデーライブは現場ではなく、オンラインライブでした。
でもこれが、単なるオンラインライブじゃなかったー!
 
実は「北の部屋から」で6月の半ばだったかな、リクエスト大会をやって、そのときは20曲くらいでしたかね…ノンストップで歌い続けて。
すごいことやるなーと、黒澤さんのアイデアマンぶり、タフネスぶりに呆気に取られてたんですが、今度はとうとう歳の数だけ歌う、ってそんな節分みたいなことを言い出した。
 
51曲ってあなた、そんな無茶な!
 
でもやるんです、黒澤さんだから。
17時に始めて少しずつブレイクは入れつつも配信自体は止めずに進行。さすがにFacebookも途中ダウンを二度ほどしましたが、なんとか終わったのがほぼ23時。

約6時間!
やる方もやる方、見る方も見る方(笑)
 
セットリストも事前予告あり、全5部制。
(画像は黒澤さんのFacebook告知より引用)

 
いやーもーなんていうか、言葉はあれだけど、やる方も見る方も愛すべき音楽阿呆ばかりだな、と思いました。素敵だ!

まず、やろうという発想がすごいし、実際にやれてしまうところがまたすごい(喉の疲れもほぼなし!)。
さすがに51曲もあると知らない曲もたくさんありました。新鮮でした。
視聴メンバーとの確かな関係性もあって、配信だけどアットホームな温かいライブでした。
 
大好きな「Compass」からの幕開け、配信でもいつもチャットが盛り上がる「シャナナ」や「YES」。
エレキギターコーナーではひずんだギターサウンドに痺れる。3部ラストの「Six strings design」は初めて聴いた5年前も痺れたけど、今でも大好き。
新しい曲、昔の曲がジグザグと行ったり来たり。昔の曲と言っても古びてなんかなくて、今でもカッコいい曲ばかり。

みんなで作ったとも言える、ステイホーム期間中の新曲達は、特にやっぱり皆さんの反応も熱い気がしました。
「ThisSong」の青春のほろ苦さ、切なさ。「ストーリー」のアーバンなサウンド、とにかくカッコいい曲。「ありがとう未来」のサビ前の音の変化に胸がいつも切なくなる。「北の部屋から」の力強さ。Keep on walkin' Keep on smiling。
そして、オーディエンスの「ぬー!」の声がどんどんと連なっていく、ファニーでキュートなアレンジと、ユニークなワードたち、ロックなビートに溢れた楽しい「NU」。
キャッチーなサビを一緒に口ずさみたい「ゴーゴーサマー」!
 
長丁場も何のその、ほんとに楽しかった!
 

この黒澤さんの「北の部屋から」を通じた様々なアクションを見ていると、COVID19禍の中でも何かしら「禍」ではないこと、むしろ「幸」であることを見つけ作り出す、生きていく上でのタフネスを感じるのです。
しぶとさ、逞しさ、明るさ。
 
COVID19禍のおかげ…とまで言ってしまうといけないかしら、でも、これがなければ知り得なかった、出会えなかった、作り得なかったものもたくさんあるのは確かだと思うのです。 
私もおそらく例年通りなら、石田洋介現場が続いてここまでゆっくりじっくり黒澤さんの音楽を味わうチャンスはなかったように思います。
 
この配信から生まれた新譜。
今にしかできないオンラインライブ。

ウイルスに封じ込められた=何もできない、じゃなくて、それを逆手にとって今にしかできないことをやっていくことはすごく大切だと思いますし、そういうアーティストの動きに私達も力づけられるのです。


黒澤さんは必ず投げ銭に対してメッセージをくれます。本当はいわばライブチャージなんだから必要のないことなのに。そういう黒澤さんの細やかさが産んだのが「NU」なんだよな、とも思います。


みんな楽しそうに叫んでます。


「ぬーー!」


人とのつながりをとても大事にするかた。

私が石田さんのファンなのもよく覚えていてくださって、いつも気にかけてくださる。

メッセージに書かれた柔らかい文字から温かい人柄を感じます。

この数ヶ月、楽しい時間、楽しい音楽、温かい気持ちをたくさんありがとうございました。


北海道で東京で、黒澤さんと石田さんの共演を見ることを励みにまだしばらくのwithCOVID19時代を生き抜きたいと思います。

黒澤さんが「うち」へ届けてくれる音、これからも楽しみにしています。


改めてお誕生日、おめでとうございました!