石田洋介・清水孝宏2マン
宇都宮IZAKAYA 180728
清水孝宏
石田洋介
東海林仁美 key.
◆
もう、石田洋介の宇都宮と言えばここ!となっている宇都宮IZAKAYAさん。
去年初めて訪れたときもTakaさんと一緒でしたね。その後、秋にべミーズと来て、また今回、清水さんと。
これで3回目です。
今回はひとちゃんも連れてきてくれた石田さん。
清水さん、ひとちゃん、石田さんに、Izzyさんのご飯。
こんなの、パーフェクトじゃないか!!(歓喜)
ほんとにね、素晴らしい夜でした。
この日は日本全国を覆った大きな高気圧とその狭間をすり抜けて迷走した台風12号が関東にも暴風雨をもたらしました。
午前中は池袋東武の屋上で嵐の中、GCB47のライブで歌い、午後グリーティングをした足でそのまま宇都宮へ直行。
前夜の川崎では22時近くの出番とだいぶ遅い時間でもあり、ぎゅっと連続して歌っている石田さん、喉の疲労は大丈夫かなと心配していたんですが、これは杞憂に終わりました。
絶好調!
終始、パワフルな、明るい、強い唄でした。
嬉しかったなあ。
セットリストだけ見ると「いつもの」感じって見えるかもしれないけど、違ったんですよ。
うまく言えないけど、こればかりは来て、体感してもらうのが何よりだと思うのですが、この夜はここ数カ月のワンマンの中でもかなりいい歌、いい音でした。
石田さんのコンディションの良さ、そして、石田さんの「心」、さらには清水さんの明るさ、ひとちゃんのご機嫌な音、Izzyさんの美味しいご飯、そして、元気な観客達(自画自賛・笑)!というすべての条件がマッチして作り出した素晴らしい時間。
外は暴風雨でしたけどそんなことも完全に忘れさせる、明るく陽気で暖かく、そして豊かな音に満ちた時間でした。
この宇都宮、翌日の仙台ともにとても音楽的に充実していた今回のプチ東北ツアー2日間、大きかったのはひとちゃんの存在だと思います。
もともと私は東海林仁美というピアニストはすげえ!と心底思っていて。
歌い手に寄り添い、意図を汲み、その時々にもっともふさわしい音を出す。「サポート」という言葉の塊みたいなピアニスト。そうして誰かの底支えをすること、誰かの音を作る手助けをすることに強い喜びを感じていることが伝わってくるし、何よりもそういう能力に長けているんだと思います。
やまはき玲さんと弾いているときのまるで本当に姉妹なのではと思うほどの高い共感力。玲さんの声にぴったりと寄り添って一緒に歌っているような音。
ノロッストリオの中に入るともう少し、そこに自我が出る。サポートというよりは敬吾さんの作る世界観の、ハジさんとふたりで底辺になって美しいトライアングルを作り出すことに集中している。よりアグレッシブでよりサイケデリックな音を作る。
石田さんといるときはちょっとおしゃまかな。石田さんの声にぴったりとはりつくというよりは、石田さんの声、ギターの周りを飛び跳ねているような。別個の存在でありながら、時折すれ違って手を繋いで、また離れていく。共感と尊重。適度な距離。
少し離れたところから、にこにこ笑いながら石田さんの作りたい音を全身で探っている、目で、手で、肩で。
どんなユニットでも、どんな歌い手でも、たぶん、ひとちゃんは困らない。
サーチ能力が高いのだ。勘がいい。
しかも、この3年半ずっと聴いてきて思うのだけれど、ひとちゃん、すごくうまくなった。
おこがましい言い方かな…でも本当にそう思うの。たぶん、とってもとっても私達の知らないところでもたくさん音楽を聴いて、たくさん弾いている。
石田さんの歌の隙間にふと放り込んでくるフレーズがどんどん洒脱な豊かなものになっていくので、たびたび客席で痺れちゃうのだ。
ひとちゃんは石田洋介と一緒にいるときが一番、とは言わない。
なせなら、どんな現場ででも「一番」合うように弾く人だから。
ひとちゃんを石田さんの現場でしか知らない人はとってももったいないので、ぜひ、他の現場にも行ってください。びっくりすると思うよ、たぶん。
石田さんの現場にひとちゃんがいてくれると、弾き語りでもバンドでもない、新しい音が生まれる。
より艶のある、よりふくらみのある、よりあたたかい、よりブルージーな、より豊かな音が。
それがとっても嬉しい。
これにはもちろん、石田洋介という人の歌に無限の形があることが前提で。
ひとりのとき、バンドのとき、セッションのとき、同じ曲でもそれぞれ、見せる景色が変わっていく。
ふたりともとてもフレキシブルで、そして、お互いの音に馴れ合わないところが好きだ。
きちんと通じ合っているけど、毎回、違う。毎回、探り合いがある。その刺激。その楽しさ。
これだけ石田さんの現場に通っていてもひとちゃんとのセッションは実は多いわけではないので(やっぱり圧倒的にひとりの弾き語りが多いので)、今回のツアーは本当に幸せでした。
またねえ、これが超充実だったんですよ!
「(What's so funny 'bout)Peace,Love And Understanding?」の疾走感!!
「きたのまち」の原曲とも弾き語りともまったく違う、優しい世界を作り出したあのピアノ。
仙台のみだったけれど「すんきでげんき」の丸いまあるい、郷愁をそそる鍵盤の音!
石田さんに怒られそうだけど、ごめん、このバージョン、原曲より断然好きだ。
原曲は「怒り」という曲の底にある原動力が強く出ているけれど、これはそれがほどよく抑制されてる。静かな、しかし、確実に内にあるもの。
「満天の星」はもはやひとちゃんのピアノがなくては、だし、「いきなり崩れるような君の笑顔」のあのころころと転がる音の心地よさは快感だし、「ハッピー・バースデイ」の石田さんの声の隙間に突き刺さってくるような鍵盤の音には泣きそうだった。
…あれ、なんか東海林仁美賛歌ばっかりになったな(笑)
でもそういうツアーでした、私には。
そういう音を作ってくれた石田さんとひとちゃんには心底感謝だし、心底、愛しかないです。
ふたりの作る音を心から愛している。
ほんとにハッピーな二日間でした。
◆
清水孝宏
HappyBirthdayToYou!(For洋介)
もっと
(バラードを一曲挟んで)
Oh!Tower-Land
Hey!Say!Yoichiくん
(上記2曲はwith石田洋介)
ひまわり
石田洋介 vo.&g.
東海林仁美 key.
おいしいものを食べよう
いきなり崩れるような君の笑顔
(What's so funny 'bout)Peace,Love And Understanding?
からっぽの僕、犬とお散歩
満天の星
きたのまち
ハッピー・バースデイ
アイタイ
PUZZLE
(上記2曲、with清水孝宏)
パーティは終わった
宇都宮・東北ツアー ツイートまとめ
https://twitter.com/i/moments/1023873600405745664
アルバム(100枚程度)
仙台レポはこちら。合わせてお読みいただければこれ幸い。
https://ameblo.jp/uno0530/entry-12394660205.html
◆
まずは清水孝宏。
前座ですから、といつものようにおどけつつ、しかし、しっかりと客席はあたためる。
僕の曲はバラード多めなんで、と言ってましたが(そして確かにアルバムを聴くとそうなんですが)、この日はアップテンポな明るい曲の方が多かった感じ。
最初に「HappyBirthdayToYou!」を「to ようすけ!」と替えつつ、7/19に48歳になったばかりの石田さんを言祝いでくれる清水さん。賑やかに始めて「もっと」も軽やかに。
さらにしっとりとバラードのあとは、石田さんを呼びこんで、いつもの2曲。
でもここでねえ、笑いの神が清水さんに舞い降りてしまって(笑)
「Oh!Tower-Land」では間奏に超絶かっこいいギターソロを仕込んできたTakaさん。
おおっ!かっこいい!!って思った瞬間、ピックが逃げ出した…(大爆笑)
落ち込むTakaさんですが、おいしかったと思います!
石田さんも笑ってたけど、自分はきっちり後半のハーモニーをいつもと替えたりなんかしてノートラブルでかっこよく終わるし(笑)
気を取り直して「Hey!Say!Yoichiくん」。
最近、しょっちゅう歌詞が飛ぶTakaさん、久々にiPadカンペを用意してたのに、なんとページをめくり忘れたらしい(爆笑)
結局、一瞬詰まって「忘れてないよ!これは忘れてないんだからね!!!」と叫び、半泣きで歌い終えました(笑)
なお、ここでも石田洋介はまったく構わず、中間にめちゃめちゃかっこいいギターソロぶっこんでくるっていう…ずるいよねえ(笑)
(ここのギターまじでまじでかっこよかったです、ほんとずるいわー進化させてくるわー)
「こんなに口下手なのに」「僕、ほんと口下手の権化ですから」とか嘘ばっか言うから、神様が他で笑いをくださったんじゃないですか、Takaさん(笑)
はあ、笑った…。
笑わせてばかりではもちろんなくて。
最後にひとりで歌った「ひまわり」。
これはもう歌いだしたとたん、それまでの空気をがらっと変えて切ない世界に皆を引き込んでいく。さすがでした。
最後の最後に、自己紹介で。
「ギター、清水孝宏!」 ん?
「MC、清水孝宏!!」 …えっ?
「…ボーカル、清水孝宏でした!!」
トリプルタカ、爆誕!(笑)
やっぱり笑わされて終わるのでした。
ちゃんちゃん。
でもこのTakaさんが作ってくれたあったかい空気で、石田さんもやりやすかったと思いますよ。
(え、そんなことない、石田さん?・笑)
◆
続いて、石田洋介with東海林仁美。
IZAKAYAさんでこの歌で始めないわけにはいかないよね。「おなかすいた!」と笑いながら「おいしいものを食べよう」。
いきなりひとちゃんのピアノがご機嫌だ。ざっくざっくした石田さんのギターにからんでいくピアノ!
アップテンポに気持ちが高まったところで「東海林仁美の転がるようなピアノをお届け」と「いきなり崩れるような君の笑顔」。
「さっき素敵なバースデーソングを歌ってくれた清水孝宏さんにラブソングをお返しに」と言われて照れるTakaさんがおかしかった。
7月前半はしっとりめのラインナップが多かった石田さんですが「ちょっと暑さも収まったし、そろそろわーっ!!ってやりたい」と思ったんだそうで「(What's so funny 'bout)Peace,Love And Understanding?」。
これがまあよかった…
「何を信じれば 何に寄り添えば」のところ、少しブレイク気味に三連符入ってくるところ、ふたりともかっこよかったのだった。
ひとちゃんのピアノが曲の推進力を強めていく。どんどんと進む。進む。いい顔して弾いている。
「からっぽの僕、犬とお散歩」は、ひとちゃんと一緒の時はやってくれる確率が高い。
直前のあの賑やかな陽気な音から一転して、しっとりとした世界観を作ってくるこの変化がまた気持ちいい。
ひとちゃんのピアノの、歌い手の世界をしっかりと掴み、ふさわしい音をどんなバリエーションでも作ってくる柔軟性、順応性の高さにはいつも痺れてしまう。
いつものようにはフェイドアウトはせず、割とさっぱりと。最後のひとちゃんの鍵盤がきらきらする。
宇都宮ではここからの「満天の星」「きたのまち」「ハッピー・バースデイ」の流れが圧巻でした。
賑やかにやると言いつつ結構しっとりめのが続くんだよね、とちょっと笑ってましたが、そのあとに始まった「満天の星」のどーんと大きな世界観…。
ちょうど前日、弾き語りの「満天の星」を聴いたばかりでもあり、聴き比べが楽しかった。
(石田洋介の現場の最大の楽しみはこの「聴き比べ」だ。いつもどおり、いつも同じ、なんて全然思えない。全部違うんだもん…)
金曜日の西日本豪雨災害支援ライブの話にも触れつつ、交野の話、もうみんなすっかり忘れてそうだけどまだ地震の被害から完全に立ち直ったわけじゃないんだよ、と話してたのが印象に残る。
「ここもいわば『きたのまち』」と言うことで続いての「きたのまち」。
これは音を聴いてください。ぜひ。
ひとちゃんのピアノアレンジが素晴らしくて聴き惚れたー!
これでこの曲については短い間に、バンドバージョン、ドラム・ベース・アコギの3ピース、サキソフォン・アコギ2本の3ピース、弾き語り、そして、ギターと鍵盤、という5パターンで聴いてきて(新しい曲だけにいろいろ石田さんも模索があるんだろうな、と思いますが)、どれも素敵で甲乙つけがたいけれど、ひとちゃんとのバージョンは軽やかでよかったです。
「きたのまちはあったかいから きたのまちで出逢いたいから」の「きたのまち」を「宇都宮」に変える遊びもあり。
全国でこれできるなって言ってて、でも翌日の仙台は4文字だからはまるかなあって思ってたら(思ってただけじゃなくてつい口について出てしまったら「君に心配される必要ない」ってぶつくさ言われてしまいました・笑)案の定、仙台はやりませんでした(笑)
ハッピー・バースデイはイントロダクションが変わってて、小さく入るブレイク、あのフックがとてもとてもよかった。そこにひとちゃんのピアノが鋭く飛び込んでくるのがたまらなかった。
ブルージーだったなあ。
ここ3曲、心底「音」を楽しませてもらいました。
「みんなもそろそろ歌いたいんじゃなぁいー!?」と、清水さんを呼び込んで「アイタイ」「PUZZLE」。
ご機嫌、ご機嫌。
「PUZZLE」では、清水さん、両方のコーラスのお手本をやらされる、なかなかのハードさ。しかも、普段やらないから「君の大切な僕がいる」をうまく歌えず、つっこまれまくる(笑)
でもこのPUZZLEがね、これまで何度か清水さんも石田さんのステージなどで手伝ってきてる、その集約というか、今までで一番、ハーモニーも決まってたし、何しろハモニカも素敵だし。
ふたりでやるときのスタイルがばちっと決まった感じがありました。石田さんが自分でアレンジするのと違う雰囲気が生まれるので好きなんですよね(ハーモニーの行き方が全然違って面白いです!)。
(追記 2018.8.5)
そして、このPUZZLE。
♪余計なものは♪ のあとのブレイク。
たひたびこのブログのレポでも触れてきたけど、いつ頃からだろう…THE GOT KNEED STONEの確か去年の秋のSHOJIMARUの時から入ってきて。
あれがもう飛び上がるほど好きで好きで。
ああいう、ふっとした心を引っ掻くようなフックが最高に好みで。
でも、森ちゃまのドラムの時にしかなかなか聴けないんだけど、宇都宮のPUZZLEで
ひとちゃんがごく軽やかにだけど入れてきて、あっ!と思わず心が躍った。
トキメキ!
確か、去年の年末のアスパラでもやってくれたんだ、確か。さすがひとちゃん、かっこいー!
でも、ひとちゃんだからって必ずというわけじゃない(確か、仙台はなかった)。
そのあたりの、瞬間瞬間のフレキシブルさが、柔軟さが、石田さんとひとちゃんがつくる音の大きな魅力のひとつだと思うし、これはそのほんの一例。
みんなで大きく歌って本編終了。
もちろん、アンコール!!
IZAKAYAさんは時間に制約があるのですが、まだ大丈夫ってことで一曲だけ。
「いつもだとここでIzzyさんにギターを弾いてもらうところなんですが、今回何も仕込んでこなかったんで」と苦笑いしながら「少しね、明日もあるのでクールダウンしておきたいと思って」と「パーティは終わった」。
「パーティもだし、旅もいつか終わるんですよね」
人としての旅も。
とつとつと語りながら、鎮める唄。
豊かな時間も、そっと、終幕。
◆
嵐の中をとぼとぼ歩いてきた私達をあったかく迎えてくれたIZAKAYAさん。
Izzyさんのアヒージョはこの日も最高でした。エビとタコのアヒージョー!
石田さんがブログにあげていたやつ「スパニッシュ風生ハムチーズフライ」(生春巻きの皮かな、生ハムとチーズをくるっと巻いて素揚げしたものと思われる)も非常においしかったです。てか、IZAKAYAさんでおいしくないものはない。
だいぶMC少な目でさくさく歌ったせいか結構早く終わって、その後も2時間くらい、ゆっくりお客さんと話しながら過ごしていた石田さんとひとちゃん、清水さんでした。
楽しかったなあ。
清水さんとも実にゆっくり話しました(真面目な話をたくさんしてくれた)。
とっても楽しい時間だったんですが、今回は心残りがひとつ。
それはIzzyさんのギターを聴けなかったこと!
心残りがあるとはつまり、次の楽しみがあるということです。また来ます!!
にしても、石田さん、すっかりIZAKAYAの空気に馴染んでたなぁ。
アスパラと言い、ご飯の美味しい店には馴染みやすいのかしら?(仮説。実証にはもう少し事例が必要なのでついていかなくちゃ!・笑)