「......僕は、あなたのことを心の底から愛しています。だ、だから僕と結婚してください!」
画面中の俳優が、迫真の演技でそう言った。あくまでも演技で。
愛、なんて本当にあるのだろうか。少し前まで彼女のことを愛している気でいたが、今はそれを言い切る自信がない。
胸を締め付ける彼女の記憶。その中で僕が思っていたことなど、脳が見せる幻覚に過ぎなかったのかもしれない。でも、確かに僕は彼女を愛していた。それが真の愛かどうかは別として、僕は彼女に愛を贈っていた。彼女も僕に愛を贈ってくれた。でもそれが果たして本当に愛だったのか。「愛」という毛皮を被った別の何かだったのではないか。その真偽を僕は知りたかった。
時計を見ると日付を跨ぎそうな時間を指している。でも、深夜の判断力が鈍る感覚に助けてもらわないと、もう何もできない気がした。
スマートフォンを手に取り、電話帳の一番上に登録してある番号をタップする。
「......もしもし? 夜分遅くにすみません。外崎です。明日、お時間がありましたら会えませんか?」
祈るような気持ちでそう言う。
電話の向こうで静かな息遣いが聞こえた。
作者のコメント
一難さってまた一難。
そんな毎日です。
ようは尽きず絶えず用事やら行事やらがあります。
疲れます。
とは言いつつも、毎日楽しいのでいいんですが。
さて、ひどく淡白なコメントはこの辺にしておいて、物語も少しずつ動いてきましたね。
これから先、結構なペースで物語が進むので注意してください。
あ、更新はゆっくりなのであしからず。
近況報告はまた間を置いてしますね!
では、またお会いしましょう。