ギャンブルを嗜む人なら良く使い、良く聞くフレーズ
「勝負どころ」という言葉が在ります。分水嶺、勝負の分かれ目と日々の日常の中からそれこそ政治、スポーツ、ビジネスと何にでも状況を大きく左右する人物、出来事が在ります。
その勝負どころのひとつ。「マンチェスター・ダービー」この一戦に勝利した方がほぼ間違いなくプレミアシップのタイトルを獲得できる状況が今現在用意されているのです。
1位のマンチェスター・ユナイテッド勝ち点83、得失点差54
2位のマンチェスター・シティ勝ち点80、得失点差60


シティは勝てば勝ち点差なし、得失点差で首位奪還、ユナイテッドは勝てばまずそのままタイトル獲得。今回フットボールの神様はかなり粋な日程を提供してくれました。


ちなみに全開のダービーは6-1と圧倒的なスコアでシティがユナイテッドを打ち負かしました。ファーガソンコーチも記憶に無い位のボロ負けです。


その時、2ゴールを決めユナイテッドのファンだけで無く関係者までイラっとさせた男。


そう、「なんでいつもオレ?」ことマリオ・バロテッリ選手です。


その後もゴールを決めるのと同じ位のペースで赤紙を貰うか、ピッチに居なければ普通に警察の世話になり続ける天性の点取り屋の彼にはマンチーニコーチも


「来夏居るかも分らんし、ダイナマイトで味方が吹き飛ぶのをこれ以上もう見たくない」と同選手がピッチに立つ可能性を否定し続けていました。これを聞いてテベっさんが自分の出番が増えると内心ガッツポーズをした以上に、チームメイトが安心したかは定かでは有りませんが(笑)


ところが。


日曜の決戦が近づいてきた先日のインタビューで


「すべては日曜日に決める。彼が大仕事をやり遂げるだけの若者なのは間違いないんだ。今はその時決断する為に必要な事を整理し、検討するだけだよ」と大一番での起用をほのめかし始めました。


イングランドだけでなく欧州メディアがこぞって


「マンチーニが賢いか愚かなのかを判断するのは簡単だ。試合が終わったら率直なコメントをすりゃ良いんだから。賞賛すべきはクラブに初のタイトルをもたらす可能性のきわめて高いこの試合で、不確定要素ともいうべき男をピッチに送り出す大胆さだ。小さなディティールやプレーが結果に直結する様なタイトな試合に、敢えてどちらに転ぶか判らないもうひとつのボールを入れた肝っ玉を持つ男は、世界にそう居ないだろう」と蛮勇にせよ、豪胆にせよ大きく報じられております。


選手時代にサンプドリアにスクデットをもたらし、「ミスター・サンプ」とまで呼ばれる様に結果を出し続けた彼は、意表を付くプレーからパスを出すのも自分でゴールを決めるのも自在な選手でした。


「ミスター・シティ」に上り詰めるのか、それともプレミア最大の牙城の城主たるファーガソン王に破れ、一敗地にまみれるのか。


その瞬間まで、あとわずか。