10月のはじめ、信長が言った。
「週末に山登りに行く」
信長は1年に何度か地元の竜の口山に思いつきで登りに行く。
目的はダイエット。
夜ご飯も食べないようにしている。
なのに太る。社会人になって車の生活になってしまったからだろうか。
数日後。
「週末に山登りに行く。高知の。」
情報はいつも小出し。そして言葉も少ない。
高知まで行くの!?なぜ!?
「みんなで行こうやってなった」
前日。
「今日は早く寝んといけん。明日は5:30集合」
早い!
当日。起きたらすでに信長は家を出ていたらしい。
いなかった。
夕方、帰ってきた。
「死ぬかと思った。高知の剣山という山に登った。
思ってたより高い山で、半袖なのは俺たちだけじゃった。
水も近くで買えばいいと思っとったらコンビニも全然なくて、500ミリのペットボトル1本だけで登った。
店があったから水買えると思ったら、電子マネーが使えんって言われて、誰も現金持ってなくて買えんかった。
水道水でいいんでわけてくださいと言ったけどダメって言われて。
結局、俺以外のやつはトイレの水くんで飲んだ。
この水は雨水で飲めませんって書いてあったのに 気づいてなかった。
でも頂上まで行ったら雲海がすごく綺麗だった。
絶対行くべき!すごい良かった」
信長は末っ子。そして信長の友達もほとんど末っ子。
どこかに行く時は誰かが計画を立てて準備をしてくれる。
当日元気に参加するだけなのだ。
その末っ子同士が集まって出かけると こういうことになる良い例だった。