「夜中に人が歩く音が聞こえる」
たまに眠れない夜を過ごす秀吉。幻聴も聞こえるようになったか。
とりあえず様子を見ることにしよう。
数日後。
深夜1時。
誰もいなくなった自宅の1階。そろそろ寝ようと床について電気を消した。
静かになってしばらくして。
トン。 トン。 トン。
誰かが階段を降りてくる。
トイレかな。
トン。 トン。 トン。
降りてこない。
うちの階段はそんなに長くないはず。
明かりをつけてみる。
音がやんだ。
なんだろうと思ったけど怖くなるから寝よう。
次の日。
「なんか夜に人が2階の廊下を歩く音がするんじゃけど」
次男信長が言い出した。
「あ!それ私も聞いた!私は階段を降りてくる音!信長のスリッパの歩く音だったけど信長は降りて来んかった」
「そうよな。スリッパの音なんよな。でも歩いとるけど移動はしてない感じなんよ」
それを聞いていた夫、家康があせって言った。家康は怖がりだ。幽霊とかじゃなく生きている人間に対して。
「人が本当に家の中に入って来とるんじゃねんか!?」
「そういえば窓を開けとったな」
「なに!?やっぱりそうじゃ!人が入ってきとる!!」
「でもおかしくない?入ってきとったとしてスリッパ履くじゃろうか。それに移動しないのも怖くない?その場で足踏みしとるってことよ?」
「そんなもん、(侵入してくるぐらいの奴なんだから)何を考えとるかわからんやつなんじゃから」
「お父さんの部屋の前なんよな」
😨😨😨!!
「家康だけがその音を聞いてないのもおかしいし霊かもな。もうすぐお義母さんの七回忌だからお義母さんが会いに来たんかもな」
翌日。朝。
トン。 トン。 トン。
「あれ。この音!今日は朝からするわ」
玄関をじーっと見つめる家康。
「モモンガじゃ」
玄関に置いてあるゲージを見るとモモンガが上の方に上がってはトン。と地面に降りてくる。
目が合うと動きを止めてこっちをじーっと見てくる。
それで電気をつけたら音が止まったのか。
モモンガは夜行性だ。
玄関の真上は家康の部屋だった。