「セクシー田中さん」と「泥濘の食卓」

昼間は周囲から変人扱いされている経理部のＯＬ、夜はレストランでベリーダンスを踊る超セクシーなベリーダンサーの顔を持つ我が道を行くアラフォー女性の田中さんと、そんな田中さんに憧れる派遣ＯＬの倉橋朱里との交流と友情を描いたドラマ。原作は累計100万部超えの芦原妃名子による漫画。主役の田中さんに木南晴夏、倉橋朱里には生見愛瑠がキャスティングされている。共演には、毎熊克哉、前田公輝、高橋メアリージュン、安田顕。12月24日のクリスマスイブにはいよいよ最終回を迎える。

田中京子は株式会社ニチハフーズの経理部の独身OL。TOEIC900点越え、税理士の資格を持つ優秀な人物だが、友達も彼氏もできたことがない地味な女性。でも、夜はスタイル抜群でセクシーなベリーダンサーSaliに変身するということは、会社や周囲にはひた隠しにしていた。ひょんなことからそれに気づいた倉橋朱里は田中さんに近づきたいと、自らもベリーダンス教室に通うことになる。そこに合コンで意気投合した商社マンの笙野や小西、そして教室のMiki先生、さらにペルシャ料理レストランのマスター三好らも絡んできて事態は…。

主役の木南晴夏も悪くはないのですが、生見愛瑠（めるる）の演技が自然体で、普段テレビで見る彼女からは信じられない上手さです。思えば、「風間公親 -教場０-」でも、子供を身ごもった犯人役を好演してましたからね。そして、彼女を好きになる小西役の前田公輝、「彼女たちの犯罪」ではダメ亭主を演じていた毎熊克哉も、今回は憎めない役です。まあ、今時流行らないルッキズムの内容を否定するよりも、元気になる不思議なドラマです。

「セクシー田中さん」(2023年10月27日～12月24日)

原作　芦原妃名子『セクシー田中さん』

脚本　相沢友子

演出　猪股隆一、伊藤彰記、宮下直之

音楽　日向　萌

主題歌　LE SSERAFIM 「ドレスコード (Prod. iimase)」

出演　木南晴夏　（田中京子）

　　　生見愛瑠　（倉橋朱里）

　　　毎熊克哉　（笙野浩介）

　　　前田公輝　（小西一紀）

　　　川村壱馬　（仲原進吾）

　　　未唯mie　（愛子先生）

　　　生駒里奈　（景子）

　　　なえなの　（アリサ）

　　　高橋メアリージュン（Miki先生）

　　　安田　顕　（三好圭人）

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こちらも漫画原作の「泥濘の食卓」は、主人公の女の子がバイト先の店長との不倫をし、さらには店長の息子、そして店長の妻にまで近寄っていく…。純粋すぎるがゆえ、まっすぐな愛が狂気へと変わった想いが、愛する相手の家庭へと徐々に寄生していき、やがて泥濘へと引きずり込んでいく、かつてない《パラサイト不倫》を描くミステリアスドラマ。

「自分には何の取り柄もない」と思い込んでいる自己肯定感の低いスーパー店員の捻木深愛は、常に否定し続け、暴力を振るっていた父亡き後も、抑圧の強い母と２人で暮らしていた。初めて自分を肯定し、優しくしてくれた店長に恋をして、不倫関係なった深愛は、店長の妻や息子までも巻き込んで、まさに『泥濘』に沈んでいくように、暴走を始めるのだが…。

こちら主演は、日向坂４６の齊藤京子なんですが、こちらも齊藤京子を凌駕する超絶モンスター演技で話題になったのが原菜乃華今までは「波よ聞いてくれ」「どうする家康」など、いい子役が多かった彼女が、同級生を誘惑、ストーキング、さらにレイプされたとデマを流す狂気じみた演技が“怪演”と、まさに新境地を開きました。