奥田英朗 『向田理髪店』 | きまぐれWalker2

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奥田英朗 『向田理髪店』 (光文社) 1,620円

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[作品紹介]
北海道苫沢(とまざわ)。炭鉱で栄えたものの今では寂れ
た過疎の町。 通りにひと気はないけれど、中ではみんな、
侃々諤々。 心配性の理髪店主人・康彦の周りでは、様々
な問題がわき起こる。 店の後継者、親の介護、農家の嫁
ん、映画のロケ、スナックのママ、詐欺…。 北の町は
外にぎやか。身に沁みて、心がほぐれる物語。

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かつては 炭鉱で栄えた、今では財政破綻している、過去
には国際映画祭を実施していたことがある…!? これって、
夕張のことじゃないの汗 理髪店繋がりの、荻原浩 『海の
見える理髪店』 (直木賞受賞作ビックリマーク)も良かたけど、こちら
『向田理髪店』もなかなかどうして、感動作ですよ。全6編
からなる短編集

「向田理髪店」康彦の一人息子・和昌が、仕事を辞めて帰
ってくる。 将来は、理髪店を継ぐという…。 「祭りのあと」康
彦の近所の老夫婦の夫が倒れた。 親の介護と 老齢化
問題。 「中国からの花嫁」ずばりタイトル通り、農家の嫁問
題は深刻です。「小さなスナック」苫沢町で 訳アリ40代の
女盛りのママが店を開く。男たちはザワザワし始める。

「赤い雪」映画のロケ隊がやってくる。苫沢町は過去に
画祭を実施した時以来の賑わいをみせるが…。「逃亡者」
東京の有名大学に進学した優等生が 詐欺罪で指名手配
になる。静かだた町に報道陣が押し寄せ…。6編いずれ
も可笑しくて、哀しくて、ついついホロットさせられます。
んだ後は、なんだか幸せな気分になります