
愛に迷い、理想を追い、ままならぬ現実と格闘するニューヨー
カーたちの姿を ウイットに富むエピソードを満載にして描いた
ウディ・アレン監督作品。
生まれたばかりのベビーを養子に迎えたワインリブ夫妻。 ル
ックス、 IQ、性格の三拍子揃った息子マックスの成長ぶりに
夫のレニーは鼻高々だったが、 一方で彼らの夫婦仲は崩壊
寸前。その反動から、レニーは息子の実の母親探しに熱中し
始めるが…。
さすが!ウディ・アレン。この映画は凝った作りでした!古代
ギリシャ悲劇の最高傑作として有名な 「オイディプス王」(大
雑把に言うと、男子が父親を殺害し、母と性的関係を持つとい
う悲劇。フロイトが提唱した“エディプス・コンプレックス”の語
源にもなった。)が下敷きになっていて、コロス(古代ギリシャ
の舞踏合唱隊↓)が狂言回しの役まわりになっています。

ンドながら明らかに悲劇が見え隠れする結末。それをホロ苦
いユーモアに仕上げた演出など、随所にアレン特有の語り口
が見受けられる秀作喜劇です。参考までに、題名にあるアフ
ロディーテとは、その美しさに魅せられた神々が皆、彼女を妻
に選んだというギリシア神話の“愛と美の女神”のこと。
ちなみに、マックスの実の母役ミラ・ソルヴィーノはこの作品
でアカデミー最優秀助演女優賞を受賞してます! 「アニー・
ホール」でダイアン・キートン、「ハンナとその姉妹」「ブロード
ウェイと銃弾」でダイアン・ウィースト、 「それでも恋するバル
セロナ」でペネロペ・クルス…。ウディ・アレンって、もしかして
“あげ○ん”?
「誘惑のアフロディーテ」(1995年)
監督 ウディ・アレン
脚本 ウディ・アレン
製作 ロバート・グリーンハット
出演 ウディ・アレン (レニー・ワインリブ)
ヘレナ・ボナム=カーター(アマンダ・ワインリブ)
ミラ・ソルヴィーノ (リンダ・アッシュ)
ピーター・ウェラー (ジェリー・ベンダー)
マイケル・ラパポート (ケヴィン)
クレア・ブルーム (アマンダの母)
ジェフリー・カーランド (オイディプス)
オリンピア・デュカキス (ジョカスタ)
ジャック・ウォーデン (予言者テレシウス)
F・マーレー・エイブラハム(コロスの長)
