最近になって「CRAZE」で検索すると,これは素晴らしいコラボというのがあった。

 

 「CRAZE(クレイズ)」とはバンド名で,デビュー当時のメンバーは,藤崎賢一(Vo),瀧川一郎(G),飯田成一(B),菊池哲(Dr)である。

 

 

 詳しくは「CRAZE関連書庫」を全て読まないとこの映像のコラボの感動は全くわからないと思うので,かいつまんで説明すると・・。

 

 1990年の邦楽界はバンドブーム一色で,その頃の瀧川一郎さん,菊池哲さんは「D’ERLANGER」,藤崎賢一さんは「JUSTY-NASTY」,板谷祐さんは「ZI=KILL」というバンドで活動していた。下積みが同じ時期だったこともあって,共に苦労を分かち合い,そして認めあう仲であった。

 

 瀧川さん,菊池さんの「D’ERLANGER」は,カリスマ的人気を誇ったものの,メジャーデビュー後のわずか8ヶ月で解散,その後の菊池さんは板谷さんが在席していた「ZI=KILL」で活動するものの,わずか1年足らずで脱退。 一方の藤崎さんは「JUSTY-NASTY」活動中にソロアルバム発売,一夜限りのバンド「SPY」を結成してライブを決行した。その時のメンバーが瀧川さんと菊池さんと根岸光(JUSTY-NASTYのベーシスト)さんだった。

 

 菊池さんはその後,瀧川さんと「BODY」というバンドを結成したが,ビジネストラブルにより1回のライブで解散。すぐに次のバンド「CRAZE」への結成へと流れる。そのときに声をかけたのが,「ZI=KILL」解散後のボーカル板谷祐さんと,ベーシストの飯田さん。飯田さんはOKしたものの,板谷さんは「ZI=KILL」解散のショックとソロアルバムを出したこともあって拒否。次に声をかけたのが藤崎さんだったが,「自分だけJUSTY-NASTYを抜けることは出来ない」と拒否。別のボーカリストを加入して「CRAZE」はスタートする。

 

 その後「JUSTY-NASTY」が解散,藤崎さんが「CRAZE」加入を申し出てキングレコードからデビューしたのが1995年。 しかし,その2年後,極度の精神疲労・自信喪失により,半ば失踪状態で脱退する。(メンバーに言ってもまた説得させられることから)マネージャーにだけ伝えての突然の失踪脱退に残ったメンバーは憤怒したワケで,その後もクレイズは別のボーカリストを加入させるも脱退,最終的には当時,「THE SLUT BANKS」で活動していた板谷さんがクレイズ加入を申し出た。

 

 しかしその数年後,板谷さんは突如「もう歌いません」と言い残して脱退,さすがにもうボーカルを探す気になれず,クレイズも解散の道を選ぶ。

 

 クレイズ解散後,瀧川さんと菊池さんは再度,「D’ERLANGER」を結成させて活動。そして藤崎さんは暫くのインターバルを置いてインディーズでのソロ復帰。ソロ活動が軌道に乗り始めたとき,「失踪した詫びのケジメをつけたい」としてクレイズのメンバーをソロライブへ招待し和解。板谷さんも暫くのインターバルを置いてアコギ1本のソロライブを決行後,再度「THE SLUT BANKS」へ復帰し,現在に至る。

 

 

「SPY OF LOVE」SPY

そんな経緯があるから,藤崎さんと瀧川さん,菊池さんが同じステージにいるというのが,ある意味では奇跡としか言い様がない。菊池さんとはだいぶ前から和解してるみたいだけど,瀧川さんとはまだ心底和解していないみたいだね,だって全然顔合わせないし。約30年ぶりの1曲だけの再結成なのに,メンバーが全然絡まない。 

 MCがダラダラと長いので,歌を聴きたい場合は約2分40秒後から聴いて下さい。

 

 

 

「I LOVE YOU」JUSTY-NASTY×D’ERLANGER

 演奏始まる前に菊池さんに呼び出させてステージに立った瀧川さんを見ると,なんか菊池さんに呼ばれたから演奏したって感じが拭いきれない。この曲の大元は瀧川さんと菊池さんの「BODY」の楽曲なんだけど,2人が携わっているからファンサービスで演奏したのであろう。

 

 

 

 

 

「MY SELF」ROD(藤崎賢一)×TUSK(板谷祐)

クレイズ3代目ボーカリストと,6代目ボーカリストのコラボ。RODとは藤崎さんがJUSTY-NASTY時代のネームで,TUSKは板谷さんがZI=KILL時代のネームである。動画タイトルは「ROD×TUSK×SEIICHI」となっているが,実際はSEIICHI(飯田成一さん)は出ていない。この曲の大元も瀧川さんと菊池さんの「BODY」の楽曲なんだけどね。