ソロプロジェクト「GUITARHYTHM」を中断してまで、吉川さんとのコンビを組むことを選択した布袋さん。そのユニット名が「COMPLEX」であり、ファーストシングルとして選ばれたのがこの曲。シンプルなPV映像ながらも、相変わらずの布袋さんの格好良さ、そして(良い意味で)アイドル時代と変わっていない吉川さん。この曲を聴くと当時のバンドブームを思い出しますね。
 何処となくメロディも歌詞もシンプルさがあるんだけど、それが却って彼らのカッコよさを印象付けてると思う。COMPLEXとして25曲ぐらい発表してるけど、やっぱりこの曲が一番COMPLEXらしいというか・・。
 

 

 

 ちなみに当時、布袋さんはNHKでラジオ番組を持っていたけど「ここ数年、何かしらプロデュースを頼むんだったら布袋だ、布袋だと言われて正直、困っているんだよね。俺の事を高く評価してくれるのは有り難いんだけど、実際俺はあんまりコードとかわかんないんだよね。だから偉そうな事言っておきながら、実はスタジオの片隅でコードブックを見ている…みたいな(笑)」発言があった記憶がある。 布袋さんは理論よりも感性だと思うんですよね、だからコードをあまりキチッと覚えなくて、思ったままフレーズを作り、弾く…みたいなアーティストだと思います。

 

 

 バンドブーム絶頂期だったこともあり,レコード会社である東芝EMIは鼻息荒く猛プッシュ。たしか音楽雑誌「B.PASS」の表紙裏2ページに渡ってデッカく「COMPLEX」デビューという文字だけの宣伝もあったな。

 

 吉川さんは「今までソロでやってきたから共同作業は新鮮だった」と言っていたけど,活動停止後,暫く経ってから「今だから話せる話」として,二人とも「やっぱり気が合わなかったよ。ファーストアルバム制作時点で既にお互い,「もう勝手にやって」みたいな感じだった。COMPLEXは商業的成功以外,何も得るものはなかった」と言っていた。とくに1990年にあった東京ドームでのライブの時には,二人の仲は既に最悪の状態で,吉川さんがどうしても東京ドームでやりたいという思いを布袋さんがしぶしぶ承諾して実現。だから東京ドームのライブを見ると微妙に二人の絡んでいない。当時のスタッフも「あの二人が再び組むことはないだろう」と思っていたくらい酷かった。

 なので,東日本大震災の復興支援で1日だけの復活祭をすることになった際,一番驚いたのは当時のスタッフだったらしい。