一般的にこのバンドはフジテレビアニメ「るろうに剣心」のテーマソングにもなった「1/3の純情な感情」でブレイクしたけど、俺はその以前から知っていたので、むしろ「やっと出てきたか」とさえ思った。

 

 俺が「SIAM SHADE」を知ったキッカケは、ロッキンFという雑誌にデビュー直後の彼らのライブ写真が載っていたことからだった。その時の印象は「えらい格好ええなぁ」と。ちょっと聴いてみたいなと思っていた時、個人経営しているレンタル屋にセカンドシングル「TIME'S」があって即レンタル。聴いてみてビジュアルだけでなく,確かなテクニックもあって,いずれは茶の間に登場するようなバンドになるんじゃないかなとニラんでいたんですよね。

 

 

 ギターのKAZUMAさんはボーカルもこなせるギタリストで、このバンドに加入する前はボーカルを担当していたというし,メインギターを弾くDAITAさんは8フィンガー弾きも難なくこなすテクニシャン。DAITAさんのギターテクニックをまじかに見たくてライブにくるギターキッズも多く,それが「曲の1番と2番で同じギターフレーズ弾くとファンから「手抜きした」って言われるんですよ(笑)」と困っている模様で,BUCK-TICKの今井さんがそれ聞けば「やりたくねぇ」って思うだろうな(笑)。この曲「Why not?」も1番と2番でバックのギターフレーズが違うんだよね。

 でもDAITAさんはその腕を買われて氷室京介さんのサポートギタリストに抜擢。ベースのNATINさんは女優・伊藤かずえさんの元旦那で、ピック弾きだけでなく、チョッパーやスラッピングベースも弾きこなすマルチベーシスト。もちろんドラムの淳士さんもバックから力強い音を出している。

 

 

(映像解説)セカンドシングル「TIME’S」

 曲は約15秒ぐらいしたら始まります。画質は悪いですが、この頃彼らのビジュアルは文句なしでカッコいいっす。ちなみにアルバムバージョンは淳士さんのラウドなドラムが聴けますが,ギターソロはシングルの方が好きなので,どっちも捨てがたい。ちなみにこの曲のPVは各自パートを変えた「おふさげバージョン」もあるけれど,自分たちばかりが面白がっていて,どうもピンとこない。
 

 

 
 ただ俺的にはこのバンド、非常に惜しいと思っている。バンドの印象というのはボーカリストのビジュアルも結構ポイントが高く、この曲や「Why not?」を歌っていた頃のHIDEKIさん(この当時はCHACKというネーミング)は凄く格好いいんですよね。ところが、「1/3の純情な感情」を出してテレビに出るようになった頃には何故か坊主になっていたんですよね,これが俺的に非常に残念で仕方ない。 もし、この曲を歌っていた頃のHIDEKIさんのビジュアルのままで「1/3の~」を歌っていたらもっと売れていたと思っている。


 

(映像解説)サードシングル「why not?」
 歌詞に沿った形だから仕方ないことかもしれないが,スケベ心丸出しのPV(笑)。本来PVは宣伝用に作られるのに完全に放送で使えないPVで,「あんたらユニコーンの「働く男」」か!ってツッコミたい仕上がり。だけど音だけ聞けば変拍子的な出だしから始まり,スラッピンベースやギターソロなど、至る所に楽器隊の聴きどころがあって良い曲なんだよね。勿体ないなPV。

 

 

 ちなみにバンド名は、俺の記憶では「屈折する影」と思っていたが、どうやら勘違いでウィキペディアによると「密接する影」の意味だったみたいだ。それと結成当時はかなりのお化粧バンドだったらしく、髪を逆立ててたり、派手にメイクしていたらしい。その面影が全くないのが、ちょっと意外。当時、一緒に対バンした(年齢も実力も)先輩であるバンド「CRAZE」のボーカル藤崎さんから「シャムシェイド?って何の影やねん」とケンカ売られていた。

 

 

(映像解説)「LOSE MY REASON」

 今観ればビックリの完全ビジュアル系バンドだった頃,唯一発売されたデモテープより。栄喜(chack),KAZUMA,NATINのビジュアルの変化が凄すぎですね。この曲はインディーズで発売された「SIAM SHADE-Ⅰ」にも収録されており,この「Ⅰ」はインディーズでありながら凄く凝ったアレンジをしており,インディーズの時点で確かなテクニックをお持ちのバンドだから「あとはわかりやすい曲を作ればそりゃあ売れるわな」と思った。