2005年、俺の心をくすぐるコンピレーションアルバム(以下:コンピ)が出た。それが
 

「昭和45年から50年生まれのバブル未経験世代に送るCDマガジン「30-35」」
 

 

このコンピは、当時30歳~35歳の人をターゲットにしたもので、この年代の人達が青春時代を過ごしていた頃に大ヒットした曲をレコード会社の垣根を越えて網羅したものである。収録曲は以下の通り。
  「第1弾 もう一回バンドやろうぜ」
   1 プロローグ
   2 大迷惑…UNICORN
   3 すてきな夜空…JUN SKY WALKER(S)
   4 GLORIA…ZIGGY
   5 Dear Friends…PERSONZ
   6 JUST ONE MORE KISS…BUCK-TICK
   7 Friends~Remix-version~…REBECCA
   8 故郷だより
   9 ダイアモンド…Princess Princess
  10 星のラブレター…THE BOOM
  11 ZOO…ECHOES
  12 GET WILD…TM NETWORK
  13 ff…HOUND DOG
  14 練習スタジオ
  15 ビデオ買ってよ…カステラ
  16 天井裏から愛を込めて…ANGIE
  17 パヤパヤ…LA-PPISCH
  18 限界LOVERS…SHOW-YA
  19 紅…X
  20 ヘチマライダー…ヘチマ・コネクションズ
 この頃は丁度第2次バンドブーム真っ只中で、次から次にバンドがデビューしていた頃だった。バブルも絶頂期で、ミュージシャンが海外レコーディングしたいといえば即採用され、「ミュージシャンとの一夜を過ごす」といったバンドおっかけ隊も出没、今にしてみれば「何でも意見が通る。お祭り騒ぎ時代」だったらしい。


 

 俺が専門学校に通っていた頃、通学中は「その時にヒットしてた曲を自分で集めたオムニバスカセット」をよく聴いていた。でも平日は毎日聴いているので飽きるのも早い。そのため、俺が高校生だった頃に流行ったバンドブームの曲を集めだした。たった1~2年聴かなかっただけなのに、「やっぱ名曲はいつ聴いても色褪せないよな」と鳥肌がたつくらい感動した覚えがある。


 

 そんな思いをしている人たちがいたからこそ、2005年このコンピが発売されたのだろう。このアルバム情報をどういった形で知ったかはもう覚えていないんだけど、とにかく収録曲をみて、久々に「メチャ欲しい~」と思ったアルバムでしたね。同じ職場の同級生もこれを知るや「懐かしくて聴きたくなったから、ちょっと貸してくんない?」と。で、CDを返した時に聞けば「奥さんも懐かしいって喜んでたよ。こんなアルバムがあるんだね」とビックリしてた様子。



 

 1 プロローグ
スキージャンプペア専属アナ「茂木淳一」氏が語るナレーション。多分彼がこのアルバム企画 の発案者ではなかろうかと俺は読んでいる。ちなみに「スキー~」は、現実にはあり得ないスキージャンプをコンピュータグラフィクスで面白おかしく表現したビデオの事。


 

 2 大迷惑…UNICORN
 ユニコーンの出世作。その中心人物はコンポーサー奥田民生さんとリーダー川西幸一さんの存在である。BOOWYの影響を受けたビートパンク主体のバンド野郎達が次々と登場する中で、彼らはユーモアセンスを取り入れたバンドサウンドを展開。「いい音楽に、決まったスタイルはない」というスタンスが彼らの魅力でありキャパシティの広さだと思う。


 

 3 すてきな夜空…JUN SKY WALKER(S)
 今はなき新宿ホコ天ライブで着実に力をつけていき、じわじわとスターダムにのし上がった草分け的存在のバンド。彼らの代表曲の1つであるこの曲は、彼らの当時の若さ・勢いが刻銘に記された貴重な音源である。

 

 


 

 4 GLORIA…ZIGGY
洋楽アーティストをかなり意識した派手なビジュアルと衣装、それなのに邦楽受けする親しみやすいポップなメロディを歌うバンド。サビのコードが日本人特有の「泣き」のコード進行であるこの曲は、元々はアルバム収録曲だった。その後、ドラマの主題歌に起用される事になりシングルカットされた。 

 

この曲に関しては昔、伊集院光さんが「ぽっぷん王国ニュージックスタジアム」というアマチュアバンドを応援するラジオ番組を深夜に放送していて、「体重が身長の1/2以上あるヤツが条件」としてバンドメンバーを募集、早い話「メンバー全員がデブのバンド」で、バンド名を「地盤沈下」というナイスなネーミングを付けていた(笑)。
 その「地盤沈下」メンバーの初セッションしたのがこの曲で、伊集院光さんが歌ったんだけど、まるでキーが合っていなかった。

 

 

 5 Dear Friends…PERSONZ
 どちらかというとパーソンズの楽曲は何処となく洋楽指向が強いのが多いんだけど、この曲は万人受けしやすい楽曲。「イントロにギターソロ、サビは泣きのコード進行」というのがこの当時のヒット要素で、その流れを少なからずとも意識したようなメロディが印象的。作曲はベースの渡辺貢さん。

 今の若い人たちで「空間系ギタリスト」といえばLUNA SEAのINORANだろうけど、元祖で言えばこのバンドのギタリスト本田毅さん。

 

 一部の音楽家の評価では「ギターテクニックで言えば布袋寅泰さんよりも本田毅さんの方が上」と言われていたが、親しみやすいメロディを沢山生み出した布袋さんの方に世間の注目が集まってしまい、本田さんの評価は影になってしまった。かの氷室京介さんも「本田毅さんとバンドを組みたい」と思っていた時期もあり、もしBOOWY結成時に本田さんを選んでいたらBOOWY自体も含め、この世の中どうなっていたのだろう。
 


 

6 JUST ONE MORE KISS…BUCK-TICK
 彼らがメジャーデビューして約2年後に、満を持して発売したファーストシングル。そのルックスからもCDラジカセCMに出演し、髪を逆立てた茶髪の革ジャンの男達がラジカセを持って空港内を歩くだけのシーンなのに、茶の間の話題を一気に独占。っていうかラジカセをもって空港内を歩かないでしょ普通(笑)。彼らが第1次美貌を極めた作品・・といっても過言ではないくらい、今見ても色褪せないし、カッコいいPV。