4枚目のアルバム発売後にツアーを実施、その後のミーティングにて「これからのクレイズ」を語り合った結果、志の違いにより緒方さんは脱退してしまう。だけども藤崎さんの時とは違い、ちゃんと話し合っての脱退だったので、双方納得した形での脱退となった。哲さんも「おがっちも早く別のバンドでシーンに戻ってきて、俺はコイツと一緒にバンド組んでいたんだぜと言わせてほしいよね。それくらい期待しているよ」とエールを送っていた。
 

 さて、またクレイズのボーカルには空席が発生、残ったメンバーも「まだまだクレイズとして、やり残したことがある」ということで、新しいボーカリストを探し始めるのだが、結果的には知人のプッシュや事務所に送られていたデモテープにより、全くの新人「鈴木慎一郎(慎)」が加入することになる。

 

 デモテープを聴いて菊池さんの家に呼ばれた鈴木さんは、そこで加入を決意。加入前から作っていた自分の曲を赤坂ブリッツのライブで披露し、その勢いのままアルバムレコーディングが始まる。

 

 

 前作はクレイズにとって新居地を開拓した部分もあったけど、それが逆にクレイズらしくないという部分もあった。しかしこのアルバムは、8ビートを主体としたアップテンポナンバーが中心であり、藤崎さんが在籍していた頃のクレイズを思わせるようなビートの効いたアルバムとなり、このアルバムが一番好きと言うファンも少なくない。


 

 ただ、鈴木さんの歌声は、ある意味おがっちよりもシャープな声質のため、(鈴木さんのキーに合わせて楽器隊は1音下げチューニングしているのにもかかわらず)ギターの音に歌声がかき消されているような気がする。そのせいか、このアルバムからは1曲もシングルカットされていない。 俺的には前作よりかは聴いていたけど、もっとギターの音を小さくしてボーカルを全面に出すミックスをすれば聴きやすいのにと思った。

 

 ちなみにアルバムタイトルの由来は、メンバーそれぞれが好きなアルファベット1文字を並べただけという、そっけないもの。コードネームの7043もそんなに深い意味はなかったような記憶がある…正確には何だったか忘れたけど、たまたま泊まったホテルのルームナンバーとかね、それくらいでしかネーミング。


 

「I don't like BACKSTREETBOYS」
 このアルバムの言いたいこと全てがこの曲に集約されているといっても過言ではないくらいの曲です。このアルバム以降、「優しさ溢れる哲」は封じられてしまい、世間を皮肉る攻撃的な詞や曲ばかり作る哲さんになってしまうのだが、そういった意味でも哲さん自身、ターニングポイントになった曲ではないでしょうか。 しかし洋楽アーティストのBACKSTREETBOYSがヒットしている時期にこのタイトルつけるのもさすが哲さんと思ったりもして(笑)…まぁそういう意味でつけたんじゃないだろうけど。
 ちなみに怒涛のイントロの部分は全てギターもベースもダウンピッキングだそうです。

 

 


 

「クロイカリスマ」
 鈴木さん作詞・作曲による最速ナンバー。俺的には詞も曲も好きだけど何よりもタイトルがいい!。世間的に「カリスマ」という言葉が使われ始めたのを上手く利用したイカすタイトル。俺もこんな風に言ってみたいな「ジゴクヘオチロ」ってね、結構Fuckerな先輩とかいるもんだからね。

 

 


 

「I can't feel」
 クロイカリスマとメドレー形式で続く、これまた鈴木さん作詞・作曲によるアップテンポナンバー。早い話セックスソングであるが、慎が歌うと嫌らしくないのが不思議…というか似合っている(笑)。



 

「裸体」
一郎さん作詞・作曲による、ちょっと怪しい雰囲気の曲。これも早い話セックスソング。
 うまく言えないんだけど、前作にはなかった瀧川節が出ていて、結構好きな曲。瀧川節ってある意味「慣れ」なんですよね。言葉では言い表せないメロディというか、長年一郎さんの曲を聴いているとわかってくるというか

 

 


 

「Like a screw」
 鈴木さん作詞・作曲による、これまたアップテンポナンバーで、とにかく「ヤらせて」と(笑)。1曲目からこの曲までの流れはライブ感があって凄く好きなんですが、実はこれ以降、あまり聴いていないんですよ(笑)、後半はちょっと疲れたのかって(笑)


 

「OWN WAY OWN LIFE」
 飯田成一さん作詞・作曲の横揺れナンバーで、成一さん自体が作詞するのはかなり珍しい。この曲は詞もいいけど、ドラムとベースの絡みがいいかな。この曲だけ何故かドラムの音が変わっているんだけど、逆にそれがこの曲を盛り上げてる感じがしますね、Bメロのベースリフも好き。


 

「INSIDE OF MIND」
 鈴木さん作詞・作曲のナンバー。前半のように底抜けにアップテンポでもなく、ミディアムでもない。鈴木さんの情熱さが現れた詞だけど、なんか似合わないかな…イケイケ(死語)な詞を歌ってるのが似合うような気がして(笑)。
 ちなみに鈴木さん加入後の初ライブでは「RUN TO THE SKY」というタイトルだった。


 

「鎖」
 一郎さんが作曲したものに鈴木さんが詞をつけたという、このアルバムので唯一の合作曲。この曲を好きというファンは結構多い。確かに詞も「力強い決意」的なのを感じるし、Bメロは一郎節的なギターアレンジが俺的には好きだね。
 藤崎さんは「傷」、緒方さんは「絆」、鈴木さんは「鎖」のように、一文字のタイトル曲が、それぞれのボーカリストあるのは偶然なんだろうか。


 

「I think about you」
 鈴木さん作詞・作曲によるミディアムナンバー。しかし俺恒例である「じれったくて聴いてない」というのが炸裂して、今だラストまで聴いていない(笑)。 


 

「Love Song」
 タイトルとは裏腹な、とてもFuckerな曲です。こういう「重苦しい感じのリズムとギター」は大好きなんだけど、詞がちょっとね…。結局の所、今までインストが最初にあったのをラストに持ってきたような感じなのかな。
 ちゃんとした歌詞がついていれば俺的には結構好きな雰囲気の曲だったのにな…本当にあの重苦しい感じのビートが大好きなんだけど。


 

「5150~where are [k]patchez?~」
 彼らにしては珍しく11曲収録しているのか…と最初は思ったけど、聴いてみて「あぁこれ要らない曲だね…というか曲じゃねぇだろう」って(笑)。どういう経緯でこれが入ったのかわからないけど、どうぜならばライブ音源入れてよって感じでしかない。