いよいよメジャーデビューアルバム「BASILISK」を紹介します。

 

 その耽美なビジュアルから、歌詞カードには廃墟化された場所での撮影フォトが多数掲載されており、彼らの表現したい世界がわかるというか・・。前作はコアなファンが喜びそうなアグレッシブな曲と、ポップさを兼ね備えたアルバムだったが、今作は自分たちが表現したい音楽1本に絞った印象を受ける。全体的に1本筋の通った感じがしますね。

 

 しかしこのアルバムでメジャーデビューするも1年も経たないうちに「デランジェ解散」という道を選択してしまう。このときの解散理由は未だ不明であるが、その後、KYOとSHELLAはそれぞれ別バンドへ、CIPHERは一旦休業、TETSUはジキルのドラマーとして参加するも音楽性の違いにより脱退後、一郎を呼び戻しBODYというバンドを結成、しかしこのバンドも1枚のアルバムと1回のライブで解散、そしてその二人はCRAZE結成へと走り出す。


 

1.HURTS
  インスト曲

 

2.INCARNATION OF EROTICISM
 耽美な世界をさらに推し進めた1曲。喜怒哀楽の激しいボーカルと英語歌詞、ミステリアスで歪みながら奏でるギター。この1曲に彼らの表現したい独特の暗い世界観が凝縮されている。(厳密に言えばスカコアでないが)スカコア的要素を取り入れながらも彼らの色を前面に押し出している。

 

 


 

3.CRIME & PUNISHMENT
 鋼鉄サウンドっていうのかな。メタルチックな音質のギターとドラム、間奏はウネりまくるベースがいい。この当時、いろんなバンドが登場する中で、人気とともに確かなテクニックも兼ね備えたバンドはあまりいなかったが、このデランジェは変則的なアレンジも難なくこなしていた。だからこそ今でも絶大な人気があるのだと思う

 

4.AFTER IMAGE
 この曲を聴くとBUCK-TICKの「VICTIMS OF LOVE」を思い出す。バックのリズムが同じなんだよね。淡々とドラムとベースが響いているというか。でもそれが結構クセになったりします。

 

5.SAD SONG
 タイトル通り哀しい歌(笑)。ただ、普通に哀しい歌ではなく、ちょっとしたアクセントが入っているのが彼ららしいというか。機械仕掛けみたいなギター、シンセ、ドラム、ベースという要素が加わって、メタル的なバラード。バラードなのにドラムが曲を後押ししてる感じが結構好きだったりする。

 

6.DARLIN'(album version)
 ファーストシングルにもなった曲で、彼らのポップ面を代表する1曲。イントロのギターソロフレーズが今聴くと、いかにも当時らしいアレンジ。こういったアレンジが大流行していたし、俺はそうった類の曲ばかり聴いていた。かつて黒夢のデビューシングル「for dear」は、当時黒夢メンバーだったギターの臣がCIPHERに憧れを抱いて作った曲だと言われている。確かに出だしのギターフレーズが似てる。

 

 


 

7.MOON AND THE MEMORIES
 独特の世界観を突き詰めた楽曲たちのなかで、ファンタジックな曲とでもいいますか。
 耽美なイメージとは裏腹に、こういった明るい感じの曲もするんだねと意表を突いた曲ともいえます。後になってサビのオンパレードになるんだけどそこがまた良い!!だけどそこまで聴くのが我慢できなかったりする(笑)。
 
8.SO...
 一郎さんの師匠である広瀬さとしさんが提供したナンバー。そのせいか、全体を通して聴くとちょっぴり異色を感じますね。だけどそれをそう思わせないアレンジをするのが彼らの凄腕というか。

 

 

 

9.I CAN'T LIVE WITHOUT YOU(acoustic version)
 ファーストアルバムに入っていた曲のアコースティックバージョンだが、どっちかというと彼らには似合わない気が。

 

10.BA RA IRO NO JINSEI
 ファーストにも収録された代表曲のリメイク版。ライブで清練されたことによって、ヘンな言い方をすればかなり暴力的になっているんだけど、それがまた格好いいんだよね。こっちを聴くとファーストバージョンはあまり聴きたくない。