暗闇の中 聞こえてくるのは 風に揺れている木の葉の囁きだけ…
息を止め 覗きこむスコープ…
伸ばした人差し指を滑らせるように引き金にのせる…
一瞬 時が止まる…
聞こえているのは 心臓の微かな鼓動だけだった…
暫く記憶が途絶え 気が付くと ソファーに倒れていた…
隣のビルに描かれた摩天楼…

窓を開けると大陸の乾いた風が吹き抜ける…
朝早くから鳴り響くクラクション…
北京の空は 今日も悲しげに冷たい…
そっと 手をのばし煙草に火をつける…
松田優作の灰色の街♪を聴きながら ジャックを片手に酔いしれる…

時計の針は止めたまま…
我にかえり ディアブロの鍵をポケットに 地下駐車場へと向かう…
無事 空港に着けば日本に帰れる…
悪魔の叫びとともに 俺は都会の雑踏に紛れて行った…

俺を 狂わせるのは 誰だ…