小型扇風機がウンウンと唸って、ミムラの長い髪の毛を巻き上げる。
6畳間の押し入れに育つ緑は上質のそれとは若干違う発色具合。
それでもミムラは「おいしそうでしょ?」と得意げの極みで、オレもニコニコ生きててよかった。
録画したいつのだかわかんねー日米野球のビデオを見ながらオレたちは作業をはじめる。
作業中につまみ食いはしない。終わんなくなってしまうからね。
とか思ってたら横でミムラがプカプカ浮かべてやがる。
ず、ずるいぞ! オレもオレも! ってんで結局終わらなくなった。
「ゥイッチロォゥー スゥズゥゥゥゥウウキィ!」という声。
見るとテレビジョンの目の前に正座して、ミムラが画面の中のイチロー呼びまくってる。
ギャッハッハ、呼んでもこねぇよ!でもミムラは止まらない。
「ゥイッチローウ スズゥゥゥゥウゥキィィィ! スズゥゥゥゥキィ! スズズッズズキィ! 」
ギャッハギャッハッハハ。
ウヒィウヒィ。
ニヘニヘヘ。バカでー。
お前バカでー。
でも、オレもちょっとだけ呼んでみようかな?
ウヒ、ヒヒヒ。
ダメだ、笑っちゃう。
「ウィッチローズズズゥキィ! ヒヘーヘヘヘ! ゲラゲラゲラ」
ってお前ほら、ボンズ出て来た、ボンズ!
バリーボンズって言わないの?
言ってごらん?
ブ、ブフィィッィッヒィ!ゲホゴホ。
ほら、これちゃんと持って…、火つけて。
あ、あれボンズじゃねぇよ!ゲェーャーヒャッヒャッヒャ!ただの黒んぼだって!黒んぼってアッヒャッヒャ!
