ワクチン接種二回目の倦怠感が抜け、若干腕の痛さの残り香を感じつつ、マイペースを意識して今日も一日を過ごす。

 緊急事態宣言が発令された時、世の中が大変な事になっていると危機感を募らせたものだが、人間慣れてしまうと気が緩み、自分は大丈夫と独自の解釈でチキンレースを始める。ある者はコロナという崖に見事なまでに落ち、他に伝染させる媒介となる。

 幾度となく繰り返される緊急事態宣言の度に襷を締め直す気分になる第十八回。

 

 二回目のワクチン接種から二日後に健康診断という暴挙。健康診断は随分前に予約していたが、ワクチン接種はできるだけ速やかに行いたいと思い、最速で取れる予約を設定したらこの有り様。

 案の定、会場に赴き副反応で怠いと伝えた所、キャンセルの意向を示される。行きだけで1時間かかる道のりに、はいそうですかと素直に受け入れられる筈もなく、無理をお願いして健康診断実施。

 もう何をするのも億劫で聴力検査の音が聞こえたよボタンを押す事ですら力仕事である。なぜそこまでして健康診断を敢行したかというと体重測定の実施に他ならない。思えば2月の上旬の健康診断にて体重増加が過去最高値を叩き出し、お腹周りのブヨブヨの浮き輪をむんずと掴み、コレ何ですか!と自分に詰問をされたのが事の発端。幾つかの季節が通り過ぎ、身体には色濃く浮き出るツートンカラー。

 いよいよもってお待ちかね、体重と身長を同時に測る機材に乗り込み結果発表。およそ8ヶ月に渡ってあの道この道を走り抜ける事1017キロ、東京から北海道まで到達する距離を直向きに足の交差を繰り返した結果、体重10キロ減。

 スーパーで売っているお米10キロを持ち、これかぁ、これが身体についていたのかぁと、取り去った重みを実感できる10キロ。

 正直申し上げると全然納得のいかない数値。俺やったよ!お母さーん!と叫ぶ予定だった記録には今一歩届いておりませんでした。

 確かに、振り返ってみれば回数は減らしたとはいえお菓子ジュースは接種し、ご飯もモリモリと食べました。良いとされている筋トレなんて続けられるほど好きの部類には入らず、辞めた後のしっぺ返しが恐ろしいので一切行っておりません。

 好きになってしまって大会で黒い!光ってる!とか言われる様になったら大変ですよね。着ている好きなTシャツとかビリビリ破かなくちゃいけないし。

 

 ワクチンも二回打ったし、緊急事態宣言も解除になるのでこれでまた安心して外で遊べる。気になるイベントや会食がまた楽しみ。

 そんな努力を無に返すような行為は、再び自分に浮き輪を掴まれコレ何ですか!と詰問されるデジャヴに遭遇するので、今まで通り変わらずに続けるという事を続ける。

 

 緊急事態宣言解除になっても、手洗い・マスクを忘れず、密と不必要な接触を引き続き避ける。

諦めずに続けられたらコロナが無かった頃にまた帰れると信じて。

 

 しかし、どうしてこう世の中が同じ方向を向こうとする時に足並みを揃えようとしない人が出現するのは何故なのか。

 コロナはただの風邪、ノーマスク権利、ワクチン利権、コロナ陰謀。

 

 1910年、ハレー彗星の飛来が間近に迫る中、彗星の尾に含まれる水素と地球の酸素が結合し人類は窒息して死滅する。

 1973年、1999年人類は滅びるというノストラダムスの予言。

 往々にしてこういう類の恐怖につけ込向む話は

後を絶たない。オカルトと言えば聞こえはいいが自分は好きじゃない。信じるか信じないかはあなた次第って言うけれど余計なお世話。

 

 ワクチン利権だ、コロナ陰謀だ、ノーマスク権利だ、正直なんだっていいし自由にやったらいい。声をあげたければズームで集まってYouTube にでも配信すればいいし、自分だって家で一人でいる時はノーマスクだ。

 人に迷惑をかけないという責任を放棄し、やりたい事、言いたいことを優先し、感染リスクをブルンブルンと振り回し、人に迷惑をかける行為は権利や自由ではなく我儘である。

 

 何でこんな話になったのやら。脱線事故