人種平等を主張したのは日本人だ!

21世紀、人種平等は当たり前。人種差別があってはならないのが常識である。この状況は自然にできたのではない。ある国が世界に先立ち主張し、行動した結果多くの犠牲を払いながら実現した貴重なものなのである。そのある国とは言うまでもない我が日本なのである。この人種平等が如何にして実現されたのかその軌跡を追ってみよう。

 

白人優越は世界の常識だった

今から約150年まえ、アメリカのペリー提督率いる黒船来航により、日本は泰平の眠りより覚め、国際社会という荒波の中に放り出されることとなった。当時の世界はイギリス・スペインを筆頭にヨーロッパの白人国家が世界中に進出、遅れた国・地域を植民地として支配していた。東南アジアでは独立国は日本とタイのみ、大国シナも主権を失い半ば植民地といった状況であった。まさに「白人でなければ人にあらず」という状況であった。

 

当時の日本は武士が政権を持っていた為、武力を備えており簡単に武力征服は困難であった。当時の我々の先輩は白人優位の世界状況を正しく認識していた。しかしそれは科学技術が遅れていることで、学習すれば容易に追いつけると状況を正しく認識していた。その為、彼らに追いつくため、猛烈に努力したのである。努力の結果、日露戦争に勝利し白人優越の既成概念を打破したのである。しかし、人種差別の壁は厚く、アメリカに渡った日系移民は黄色人種として人種差別に苦しむこととなった。

 

国際連盟に人種平等を提案

この状況を打破するためため、第一次世界大戦における戦後処理を行うパリ講和会議(平和会議ともいう)において、日本の代表である牧野伸顕次席全権大使が議題に出した提案がある。それは国際会議において、人種差別撤廃を世界で初めて明確に主張した議案とされる。当時、日本のこの画期的な提案は多数の国から支持されたが、議長のウイルソン・アメリカ大統領から全会一致でなければならないという横やりで否決されたのである。日本はそれにもめげずこの理想を掲げ、結果として大東亜戦争に敗れることとなったが、日本が掲げた理想の火は東南アジア諸国の独立という大きな成果に結びついたのである。

 

戦後、アメリカに黒人系の大統領が生まれたのも日本が人種差別は悪だ、撤廃すべきだという主張が形として実ったものと考えられる。

 

今を生きる我々日本人のやるべきことは?

第一にやるべきことは、人種差別撤廃を主張し実現させた我々の先輩である当時の日本人に対する正当な評価と、彼らに対する敬意と感謝の念ではなかろうか。我々の先人たちが如何に多くの障害を乗り越え人種差別を駆逐し、人種平等を実現させたのか、その困難な軌跡を学び、それを今後の世界の発展に役立たせねばなるまい。それには日本の人種平等への歴史・取り組みを学び、これを正しく評価しさらにこれを成し遂げた先人たちへ敬意・感謝の念をささげ、さらにそのような偉業を達成した子孫としての誇りを持たねばならぬ。

 

第二にやるべきことは新たな目標を定め、世界がさらに正しい方向へ進むよう世界の先頭に立ち活動することではなかろうか。兵器としての原子力の廃絶、地球環境の維持、貧富格差の撤廃等問題は山積している。これらの問題にこれからどのように立ち向かい問題を解決して行くか、人種差別撤廃・人種平等の理想を実現した先人に倣い、それらの問題を解決するためのいばらの道を敢えて進む決意を日本国民は共有しなければならない。我々日本人にはそれが天命として与えられているのだ。それを自覚し、ひるまずに進まねばならない。

R1-9-14記