豊かさに背を向ける日本・・・

今から10年ほど前、ネットで一枚のグラフを見たことがある。その時に受けた衝撃は今でも鮮明に覚えている。そのグラフはIMF(国際通貨基金)が作成したもので、1980年から2020年まで40年間の世界主要国のGDPの推移を表したものであった。次にそのグラフを載せておく。

 

青色はアメリカ、赤はシナ、緑が日本を表している。グラフの下に見えるのはドイツ・イギリス等で、日本以外の国はすべた過去40年間でGDPが2倍以上に増えているのが見て取れる。唯一、例外が緑の日本である。1995年までは日本も順調に成長していたことが分かる。しかし1995年から成長が止まり、それ以後ずっと横ばいで現在は過去のピーク時から二割ほど低くなっているのが読み取れる。これは何を意味しているのだろうか。日本国民は世界で唯一貧困化していることを意味しているのだ。

 

GDPとは豊かさの指標

GDPについてここでは論じないが、国民にとってGDPの意味することは国民の所得の総合計(註)だと言うことである。GDPが毎年着実に増えることは、国民の所得が毎年増え豊かになることを意味するのだ。IMFによれば、世界は平均で過去20年間2.4倍GDPが増えている。日本だけは例外で現在過去のピーク時に比べ二割以上GDPが減少している。国民が貧困化しているのだ。内閣府も標準家庭の所得が二割程度過去のピーク時より減少していると発表しているので間違いはないのだろう。

 

1995年当時日本のGDPは500兆円弱であった。他国並みに経済成長をしていたとすれば、現在GDPは1200~1300兆円となっており、国民の所得も当時の二倍以上となっていた筈。国民を貧困化させた政治の責任をどう弁明するのか聞いて見たいものだ。

 

日本のリーダーはこれを何故問題としないのか?

日本だけが貧困化しているのは明らかに政策の誤りだと言えよう。5年・10年ならまだ許せるが、⒛年以上無策が続いていることは許せない。日本のリーダーである政治家・官僚・学者・有識者・マスコミは何をしているのだろうか。猛省を促したい。経済成長をするためには積極的な投資が不可欠である。政府の財政赤字が巨額で国が破綻するという誤れる財務省の主張に縛られ緊縮財政を固守、必要な投資を行わなかった付けが日本の惨状なのだ。通貨発行権を持つ国が自国通貨建ての債務(国債)で破綻するなど悪い冗談にもならない。タイミングよく、アメリカからMMTという新しい理論が到来している。良い機会なのでこの理論に基づき正しい財政政策を行えば、日本の経済成長も他国並みになること間違がない。一刻も早く日本が正しい経済成長の道に戻り、国民が豊かになることを切望するものである。

 

註)GDPは厳密に言えば国民の所得の総合計ではなく、その国で働く人(外国人を含め)の所得の総合計である。日本の場合、日本国民が圧倒的に多いので国民の所得と言っても差し支えないであろう。

R1-7-3記