女性宮家が孕む皇統断絶の危機!

 

今上陛下の退位により皇太子殿下に皇位が継承されることになる。その機会に何やら怪しげな動きが出ているようである。退位特例法(註1)の付帯決議(註2)で、女性宮家創設等について検討することになった。この背景には男系継承が難しいことと、男女平等という世界の動きがあるものと思われる。

 

男と女は本来異質なものであり、それを無視し何事も男女平等でなければならないという男女平等の思想は誤りであると思うが、世界の動きは男女平等を文句なしに良きものとする方向へ否応なく動いているようである。二千年を超える日本の皇統の根幹を揺るがす男女平等の思想は十分に検討されねばならない。

 

皇統を考えるに際して、男女が平等だと考えるのは問題である。現在でも一般人が皇族になる関門は女性に易しく、男性に厳しい。一般の女性でも男性皇族と結婚すれば皇族に成れる。恐れ多いことだが美智子皇后陛下、秋篠宮紀子内親王殿下の例を挙げるまでもない。一方、一般男性が皇族に成る可能性はゼロである。皇族になる即ち皇統に繋がる道は女性にのみ開かれている。現在の皇統は男性に対して厳しい差別をしている一方、女性に対しては甘いのである。しかし男性が差別されているという指摘はなく、逆に女性が差別されているという論調が多いのは如何なものかと思われる。

 

女性宮家を創るのは女性皇族を男性皇族並みにするという風に理解するのだろうが、実は一般男性を皇族にして、ゆくゆくは世界に誇る万世一系の男系継承を断絶させ、日本を普通の国に引きづり下ろそうという恐るべき企みの第一歩なのである。開かれた皇室などと言う浮ついた考えで、二千年を超える伝統を変えてもよいのだろうか。皇統の本当の凄さを理解していない現在の民意で、皇室の伝統を否定することは、過去と未来をつなぐ接点に立つ現在の日本人として責任を放棄したことになるのではなかろうか。

 

伝統というのは時代の波に洗われ、それを乗り越え伝えられたもので、良いもので必要だったから現在まで残されているのではないだろうか。皇統の真の凄さを理解していない一般大衆の民意(民意はその時々の移ろいやすいものである)で世界に誇る日本の皇統を現代の風潮に合わせて変えようとする軽薄な民主主義は誤りだと思うが如何であろうか。今こそ一般国民が日本の皇統について正しい知識を持ち、開かれた皇室などと言う浮ついたものでなく、皇統を変質させるようなものは決して皇室に持ち込まぬよう目を光らさなければならない。

 

女性宮家創立の真の意味は、一般男性を皇族にする道を開くことである。その結果一般男性(外国人も含まれる)が皇族となり、子供が生まれる。この子供は万世一系という神武天皇の系統ではなく、一般男性の系統となりこの子が皇統を継げば二千年を超えて続いた日本の万世一系は断絶し、日本は普通の国になってしまうのである。そのような危険性を含んだものが女性宮家なのである。付帯決議を読むと、すでにこの危険な道に国が踏み出すよう、この法律は督促している。すなわち、女性宮家の創設等について、速やかに検討し、その結果を国会に報告せよとこの法律は命じているのだ。

 

重ねていうが、女性宮家は二千年以上男系で続く世界に例のない日本の皇統を知らぬ間に崩壊させる「蟻の一穴」になる可能性が極めて高い危険なものである。今議論すべきは、大東亜戦争の敗戦後、アメリカにより臣籍降下を余儀なくされた旧宮家の復活だと思うが、この議論は何故か全く出てこない。ここに何らかの意図が隠されていると見るのは考えすぎであろうか。皇族が増えると費用が増え国の財政が破綻すると言うことなのだろうか?二千年以上も続く世界に誇る皇統の存続の意味が全く理解されていないということなのだろう。全く情けない話だ!ささやかながら、この危険な流れに警鐘を鳴らすため書いたブログを心ある方はぜひ拡散して頂きたい。

 

註1)退位特例法:今上陛下のご退位に際し制定された特別法、H29年6月16日に公布された。

 

註2)付帯決議(1~3項からなる)

1項:政府は安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、皇族方のご年齢からしても先延ばしすることは出来ない重要な課題であることに鑑み、本法施行後速やかに、皇族方のご事情等を踏まえ全体として整合性が取れるよう検討を行い、その結果を、速やかに国会に報告すること。

                              H31-4-21記