「無能な政府が改革などと言い出す時ほど、危険な時はない」

13年前、小泉元総理が訪朝し拉致問題が初めて明るみに出たのは、UNK通信6号を出す数日前だったことを思い出した。

当時、日本経済は深刻なデフレで、その原因は今考えてみると、小泉政権の無為無策にあった。無為無策ならまだ許せるが、構造改革と叫び日本の優れたところをむやみにぶち壊したのである。その罪は重い。

競争力のない企業はつぶれて当然とし多くの企業が倒産し、多くの失業者が出た。それまで自殺者は年間一万人程度だったのが、これら改革により年間三万人になったという。格差も急速に拡大していった。

冒頭の言葉はあるイギリス人の言葉だが胸にずしりと応えるものがある。

古い話で恐縮だがご興味があればご覧ください。


UNK
通信第
6号                   H14-9-19

 

 UNK通信第6号をお届けします。今朝は小泉さんが北朝鮮に飛び、拉致問題の進展に日本国民の熱い視線が集まっていますが、どのように事態は進むのでしょうか。期待をこめて見守りましょう。

 

 今回は視点を変えて経済について考えて見ます。ここのところ日本経済は深刻なデフレに陥り、日経ダウも9,200円台に低迷しています。しかし実体経済はそれ程悪くないと言われています。(企業の利益は対前年で今期は+54,来期は+18%と言う説あり)これはひとえに政府の無為無策によるものではないでしょうか。小泉さんは断固構造改革をすると頑張っていますが、構造改革は手段であって目的ではない筈、構造改革の目的は何なのですか。国民のさらなる福利増進・生活改善が一つの大きな目標でしょう。現在のデフレ経済は明かに経済の停滞・経済規模の縮小を招きます。これを改善しようと言う意欲があまり感じられません。株価の低迷はマーケットの小泉さんへの警告ではないかと思われます。

 
 ある経済の専門家によるとデフレ克服に妙案があるそうです。通貨発行の権
限は政府にある、(貨幣の製造及び発行の権能は、政府に属する)という法律があるそうです。また通貨を発行すると発行者に利益がもたらされるのでこれを利用しようという考えです。それはシニョレッジ(seigniorage:通貨発行益)という考えです。1万円のお札を刷ると20円の費用がかかりますが、残りの,980円は差益となり日銀に入ります。この差益は国庫納付金として政府に入り、政府支出に姿を変えて国民に移転するのです。今問題となっている国債新規発行枠を30兆円とする論もこのシニョレッジを利用すれば簡単に解決するのです。なぜなら国債は必ず返還が必要ですが、シニョレッジは返還の必要はありません。これで調達したお金で必要なことをどんどんやれば良いのです。

 
 シニョレッジに反対する論拠はハイパーインフレ論でしょう。お札をどんど
ん刷ればとんでもないインフレになるという考えです。これにたいしては海外でも導入されている物価連動国債を利用すれば良いでしょう。物価連動国債と従来型国債の利回りの差を通じて、インフレ予想率が分かり、この利回り差を根拠に物価連動国債の買戻し、発行枠の調整によりインフレ率のコントロールが可能になるのです。(対外的に日銀はインフレ目標を明示することになる)現にニュージーランド、カナダ、英国、スエーデン、オーストラリアの国々は物価連動型国債を採用し、インフレ目標率を定めています。(それぞれ目標は03,132.51323%)日銀の速水総裁はインフレ目標を「ばかげた政策、社会主義国のやること」と一蹴していますが、最近のデーターによるとOECD加盟の先進各国のうち20カ国は消費者物価上昇率が14%の緩やかなインフレ状態にあり、そのうち9カ国は幅を13%のインフレ目標政策を採用しています。因みに物価が前年比マイナス1.4%という国は世界中で日本しかありません。デフレを阻止し景気を回復させる手は確実にあるのです。これを怠っている政府は無能と言わざるを得ません。

 
 以前に読んだ本で次のような一文があったのを思い出します。たしかイギリ
スの政治家が言った言葉だと思いますが「無能な政府が改革などと言い出す時ほど、危険な時はない」何か日本のことを言っているようで肌寒い思いです。 

 
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